第1週目レビュー

第1週目レビュー

アーバン大27、オレゴン大21

今週最も注目されたこのマッチアップ、ハイズマントロフィー候補QBジャスティン・ハバート(Justin Herbert)を擁するオレゴン大が終始リードし、1年生ながら先発を任されたアーバン大QBボ・ニックス(Bo Nix)が2つのパスINTを犯すなどして試合はオレゴン大の流れかと思われましたが・・・。

アーバン大のディフェンスが踏ん張りオレゴン大に追加点を許さなかった中、攻撃陣が息を吹き返して後半21連続得点。最後は試合時間残り9秒というところでニックスからWRセス・ウィリアムス(Seth Williams)への26ヤードの決勝TDパスが決まって見事逆転。アーバン大がオレゴン大という強豪相手に価値ある白星を手に入れました。

ニックスは1年生ということで荒削りではありますが、特に落ち着きを取り戻した後半はその逸材の片鱗を見せ始め、彼を先発に指名したガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督の顔を立てました。

一方オレゴン大、そして彼らの所属するPac-12カンファレンスとしてはかなり痛い敗戦です。オレゴン大が悲願のカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に出場したければ、このようなノンカンファレンスの大舞台を制することは必須事項であり、Pac-12の急先鋒であるオレゴン大がそれに失敗したというのは、今年もまたPac-12出身チームがCFPに進出できないのではないか・・・という危惧が生まれたからです。たかが初戦、されど初戦なのです。

アラバマ大42、デューク大3

ジョージア州アトランタ市にあるメルセデス・ベンツスタジアムで行われたこのキックオフクラシック。全米2位のアラバマ大は出だしこそスローな入りでしたが、結果的にTDを量産し大差でデューク大を一蹴。ハイズマントロフィー候補QBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)は31投中26投を成功させ4TDを含む336ヤードを記録。ナショナルタイトル奪還へまずまずの船出となりました。

オクラホマ大49、ヒューストン大31

オクラホマ大の今年の先発QBは昨年までアラバマ大に在籍していた転校生、ジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)。過去2年間ハイズマントロフィーを獲得しているオクラホマ大QBの系譜を継ぐハーツは、昨年の受賞者であるカイラー・マレー(Kyler Murray、現アリゾナカーディナルス)がサイドランで見守る中、彼が背負っていた背番号「1」を纏って登場。結果的に投げて3TD(332ヤード)、走っても3TD(176ヤード)と合計6つのTDを叩き出すド派手なオクラホマ大デビュー。アラバマ大では上記のタガヴァイロアに先発の座を奪われましたが、自身がまだ先発として十分やれる器であることを強烈に印象づけました。

昨年CFPに進出したにも関わらず、ディフェンス陣は数字だけ見れば全米でも下から数えたほうが早いくらい崩壊していましたが、この試合では31失点したもののヒューストン大の秘蔵っ子、QBデリック・キング(D’Eriq King)に再三に渡りプレッシャーを与え続け、昨年よりも成長している片鱗を見せてくれました。

ジョージア大30、ヴァンダービルト大6

全米3位のジョージア大の開幕戦の相手はいきなりカンファレンスゲームとなるヴァンダービルト大との一戦でしたが、QBジェイク・フローム(Jake Fromm)の1TDを含む156パスヤードとRBデアンドレ・スウィフト(D’Andre Swift)の149ランヤードなどのパフォーマンスのお陰で相手を30対6で難なく倒し、SEC西地区での初戦での連勝記録を14に伸ばしました。

オハイオ州立大45、フロリダアトランティック大21

今年からライアン・デイ(Ryan Day)新監督が指揮を執るようになったオハイオ州立大はカレッジフットボール界の異端児、レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督率いるフロリダアトランティック大と対戦。この試合の注目選手はオハイオ州立大のQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)。彼はジョージア大からの転校生で鳴り物入りでコロンバス市へやってきましたが、蓋を開けてみればパスで4つ、ランで1つ、合計5つのTDを量産。オハイオ州立大においてデビュー戦で5つもTDを獲得したQBはフィールズが初めてということで、まずはファンの期待に応えるパフォーマンス披露したといえるでしょう。

しかしフロリダアトランティック大のディフェンスはお世辞にもトップレベルであるとはいえず、カベレージが崩壊したプレーが多々見られ、またフィールズ自身もまだまだ成長過程にあると言えるため、この勝利だけで彼らの真の力を測ることはまだ出来なそうです。

ノートルダム大35、ルイビル大17

昨年CFPに出場を果たしたノートルダム大。再びその大舞台に戻るための新たなシーズンが始まったわけですが、その初戦の相手はルイビル大。ハイズマントロフィー候補とも言われるQBイアン・ブック(Ian Book)がオフェンスの指揮官を務めたノートルダム大でしたが、前半は相手を突き放すことが出来ずスロースタート。しかし後半に入ると徐々に点差をつけ最後はダブルスコアでルイビル大を下しました。

この日のブックは期待よりもやや不発気味で23投中14投のパスを成功させ、TD1つを含む193パスヤードという並の数字を残すにとどまりました。むしろこの日光っていたのはRBトニー・ジョーンズ(Tony Jones Jr.)。112ヤードに1TDとパスアタックが滞っていた前半にオフェンス陣を引っ張りました。

テキサス大45、ルイジアナ工科大14

昨年二桁勝利数を挙げたことにより一気にファンの期待度が高まっているテキサス大。完全復活を遂げるためにも開幕戦からスタートダッシュを決めたいところでしたが、QBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)の4つのパスTD(276ヤード)のお陰で難なくオープニングゲームを白星で飾ることが出来ました。

またディフェンス陣では11人中8人が今年から新たに先発メンバーという非常にフレッシュなユニットでしたが、3つのターンオーバーを誘ったことや、相手のランヤードを73ヤードに抑えたことは大きな収穫でした。が、格下であるルイジアナ工科大相手に340ヤードもパスを投げられたしまったバックフィールドにはまだまだ改善の余地がありそうです。特に次戦は全米6位のルイジアナ州立大との試合が控えていますから。

ワシントン大47、イースタンワシントン大14

先にも述べたように今オフジョージア大ではジャスティン・フィールズがジェイク・フロームとの先発争いに敗れてオハイオ州立大へ逃げた転校したという一連の出来事がありましたが、その1年前にも似たような状況がジョージア大で起きていたことを覚えている人はいるでしょうか。それは当時5つ星リクルートとしてジョージア大にやってきたジェイコブ・イーソン(Jacob Eason)が1年時に先発QBとしてプレーするも2年生時に1学年下のフロームに先発の座を奪われてそのままイーソンがワシントン大に転校してしまったことです。

関連記事ジョージア大QBイーソンが転校

昨年はトランスファールールにより試合出場することができなかったイーソンは今季見事チームの先発QBに任命され開幕戦であるイースタンワシントン大との試合に望みました。超格下とは言え、この日イーソンは349パスヤードに4つのTDを稼ぐなどほぼ完璧なデビュー戦を飾りました。その中でも彼からWRアーロン・フラー(Aaron Fuller)へのこのパスは容易にこの週末のベストプレーに数えられる素晴らしいTDパスでした。

オレゴン大がアーバン大に敗れた今、Pac-12カンファレンスを引っ張っていくのはやはりこのワシントン大なのかもしれません。

ペンシルバニア州立大79、アイダホ大7

全米15位のペンシルバニア州立大は格下アイダホ大をホームに迎えシーズン開幕。そのアイダホ大を慈悲なく滅多打ちにし、合計10TDを奪って79得点というおよそアメフトのスコアとは思えない大量得点をして開幕白星発進を果たしました。今年から先発QBを務めるショーン・クリフォード(Sean Clifford)は前半を終えて44対0となったため後半はお役御免となりましたが、前半だけで280パスヤードに2TDという数字を残し、さらにRB陣は合計7つのTDに331ヤードを足で稼ぐという荒業をやってのけました。

アイオワ州立大29、ノーザンアイオワ大26

開幕戦を確実な勝利で迎えるために多くのチームは格下チームとマッチアップしますが、それに漏れず全米20位のアイオワ州立大もノーザンアイオワ大と対戦。ファンも含め相手を簡単に料理して楽に初戦突破と行くと思われていましたが・・・。終始ノーザンアイオワ大にを突き放せない展開でいきなりランクチームがまさかの敗戦を喰らうのかと思われました。しかし試合時間残り59秒のところでアイオワ州立大が23ヤードのFGを決めてどうにか同点としてオーバータイムに突入。そして3度のオーバータイムの末アイオワ州立大のRBシェルドン・クロニー(Sheldon Croney Jr.)のランTDが決まって開幕戦でのアップセットを逃れました。

シラキュース大24、リバティー大0

全米22位のシラキュース大は数年前にFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に昇格したばかりのリバティー大と対決。22位としてはちょっと不完全燃焼な24得点に終わりましたが、ディフェンス陣が相手に得点を与えなかったのは自信をつかせるには当然喜ぶべきことでしょう。

しかしこの試合はシラキュース大云々よりも、今年からリバティー大の指揮を執るヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)監督に注目が集まりました。なぜなら8月16日に椎間板ヘルニアの手術を受け、さらに術後に感染症を患ってしまったフリーズ監督は何とスカイボックスに病院のベットを持ち込んでそこから試合をコーチしたのです。

かつてミシシッピ大を率いてチームを短期間で強豪入りチームに育て上げるも、自身が起こした不祥事で辞任を余儀なくされたフリーズ監督。そのセカンドチャンスとして得たリバティー大でのデビュー戦を是が非でも自らの手で指揮したかったのでしょうが、流石にこの時ばかりは彼の部下であるコーチ陣に任せて病院で療養していたほうが良かったのではないかと思わせれました。

ネブラスカ大35、サウスアラバマ大21

昨年4勝8敗と撃沈しながらその期待度からプレシーズンランキングで24位にランクされた古豪ネブラスカ大。開幕戦の相手は格下サウスアラバマ大でしたが、ランク外相手に中々点差を付けることが出来ず、期待のQBエイドリアン・マルティネス(Adrian Martinez)は精彩さにかけ、ランゲームも合計で98ヤードと三桁に乗らずパットしませんでしたが、ディフェンス陣が2つのファンブルリカバリーをTDに結びつけ、結局それがファイナルスコアの点差となり攻めあぐむオフェンス陣をディフェンス陣が補う形で初戦突破を果たしました。

今年2年目のスコット・フロスト(Scott Frost)監督にはこれまでにない期待がかかっていますが、初戦を見る限りでは猛者ひしめくBig Tenカンファレンスをこれで勝ち抜けるのかと思わざるをえない展開でした。

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