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CFP全米王者決定戦プレビュー【2023年度】

CFP全米王者決定戦プレビュー【2023年度】

2023年度のカレッジフットボールもいよいよ残すところあと1試合。全米チャンピオンを決める、CFP全米王者決定戦を控えるのみ。ここに駒を進めたのは1位のミシガン大と2位のワシントン大の2チームです。

🏟 会場:NRGスタジアム
📌 場所:テキサス州ヒューストン市
⏰ 日時:1月8日米東部時間午後7時30分(日本時間1月9日午前9時30分)

ミシガン大は1997年以来12度目、ワシントン大は1991年以来3度目の栄冠を目指します。また2014年から始まった現行のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)においては、両チームともこの決勝戦に進出するのは初めてのこととなります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

これまでの軌跡

ミシガン大

ミシガン大はここまで破竹の14連勝中。所属するBig Tenカンファレンスではレギュラーシーズン最終戦に対決した、永遠のライバル・オハイオ州立大との決戦に勝利してカンファレンス東地区を制すると、Big Ten優勝決定戦では西地区のアイオワ大と対戦しこれを26対0の完封勝利。3年連続でBig Tenタイトルを獲得し、同じく3年連続でCFPへ駒を進めました。

参考記事ローズボウルプレビュー【2023年度CFP準決勝第1試合】

そして1月1日に行われたCFP準決勝戦のローズボウルではアラバマ大と対戦。激しいぶつかり合いを見せましたが、追う展開だった第4Q終盤に追いついてオーバータイムに突入。先攻だったミシガン大はTDを決めてリードを奪うと、後攻のアラバマ大の4thダウンプレーを止めて見事に勝利。決勝戦進出を決めたのでした。

参考記事ローズボウルレビュー【2023年度CFP準決勝第1試合】

ワシントン大

2022年度に11勝2敗と台頭したワシントン大は開幕時に10位にランクされるなど高い期待度を背負いシーズンをスタート。高い得点力を擁して次々と対戦相手倒し、終盤になると波いるPac-12カンファレンスのランカーチームと連戦しそれらを無敗で切り抜けます。そして出場したPac-12タイトルゲームではレギュラーシーズン中にすでに対戦していたオレゴン大とのリマッチ。これも見事に手中に入れて2016年以来のCFP準決勝戦に進出を果たします。

参考記事シュガーボウルプレビュー【2023年度CFP準決勝第2試合】

そしてその準決勝戦だったシュガーボウルでは3位のテキサス大と対戦。スタイルの全く異なるチーム同士の戦いでしたが、後半猛追してきたテキサス大をなんとか振り払い37対31で勝利。ついに夢のタイトルゲームへの切符を手にしたのでした。

参考記事シュガーボウルレビュー【2023年度CFP準決勝第2試合】


ここまでの記録

チームスタッツ

161.8 (#59)ランオフェンス125.2 (#99)
218.8 (#72)パスオフェンス343.8 (#1)
36.7 (#14)スコアリングオフェンス37.7 (#11)
380.5 (#67)トータルオフェンス401.2 (#53)
87.1 (#5)ランディフェンス133.8 (#38)
152.6 (#2)パスディフェンス263.2 (#120)
9.46 (#1)スコアリングディフェンス23.62 (#49)
239.7 (#2)トータルディフェンス396.9 (#91)
(*CFP準決勝戦までのスタッツ)

スタッツ上では強力なディフェンスを持つミシガン大と全米トップレベルのパスオフェンスを持つワシントン大という、これまた全くスタイルの異なるチーム同士の対決であることが浮かび上がってきます。

ただ、ミシガン大は数字上では今季ランが出ていないように見えますが、彼らのオフェンスの要は12パーソネルを主軸としたランで押すオフェンス。またワシントン大ディフェンスはセミファイナル戦のテキサス大との試合で想像以上に相手を押し込んでいましたので、数字だけを鵜呑みにはできないかもしれません。

注目の選手たち

個人スタッツ

パスJ.J.マッカーシー
2851yd/73.2%/22TD/4INT
M.ペニックス Jr
4648yd/66.7%/35TD/9INT
ランB.カーラム
1111yd/25TD
D.エドワーズ
393yd/3TD
D.ジョンソン
1162yd/16TD
W.ニクソン
194yd/1TD
レシーブR.ウィルソン
735yd/12TD
C.ラヴランド
585yd/4TD
R.オドゥンゼ
1553yd/13TD
J.ポルク
1112yd/9TD
ディフェンスJ.コルソン (LB)
89TOT/0SACL
M.バレット (LB)
61TOT/3SACK
M.セインリスティル (DB)
36TOT/6INT
B.トライス (DL)
46TOT/7SACL
E.ウロフォシオ (LB)
90TOT/3SACK
D.ハンプトン (CB)
98TOT/2INT

ミシガン大のオフェンスはベテランQBのJ.J.マッカーシー(J.J. McCarthey)のブレない指揮官ぶり、そしてRBブレイク・カーラム(Blake Corum)のタフな走りとクラッチプレーヤー感もさることながら、そのラインプレーが圧巻。2021年と2022年に年間最優秀OL賞である「ジョー・モアー賞」を獲得しただけあってパスプロもランブロックも秀逸。古き良きBig Tenフットボールを代言するようなチームに仕上がっています。

そしてディフェンス陣は飛び抜けたパスラッシャーがいるわけではありませんが、2列目のジュニア・コルスン(Junior Colson)、マイケル・ベネット(Michael Bennett)のLBコンビは必見。また2年生のCBウィル・ジョンソン(#2 Will Johnson)は6フィート2インチ(約187センチ)202パウンド(約91キロ)と恵まれた体型で将来有望。是非見ていただきたい選手です。

一方のワシントン大はなんと言ってもQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)。ここまで全米最多となる4648ヤードをパスで記録してきましたが、これでペニックス・Jrは2年連続4500パスヤード超えを達成。これは2015年から2016年に元テキサス工科大パトリック・マホームズ(Patrick Mahomes、現カンザスシティチーフス)が達成した以来の偉業です。

また彼を取り巻くWR陣は今季カレッジ界随一。ローム・オドゥンゼ(Rome Odunze)とジェイリン・ポルク(Ja’Lynn Polk)、さらにはジェイレン・マクミリアン(Jalen McMillian)やジャック・ウェストオーバー(Jack Westover)と駒が揃いまくっています。特にオドゥンゼとポルクは2人合わせて2000ヤード超えを達成。ペニックス・Jrとはいえ、このレシーバー陣を止めるのは容易ではありません。

また忘れてはいけないのがOLユニット。先にミシガン大が2年連続で「ジョー・モアー賞」を獲得したと紹介しましたが、今年この賞を受賞したのが何を隠そうワシントン大なのです。

そしてディフェンスではDLブレイレン・トライス(Bralen Trice)の存在にも注目。3年生のトライスはここまで46タックルに7サックを計上してきましたが、特に前戦のテキサス大戦では大活躍。2サック、8QBプレッシャー、1フォースドファンブルを記録してテキサス大オフェンスに立ちはだかりました。彼の活躍がミシガン大戦では必須です。

コーチ対決

ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督

現在60歳のジム・ハーボー監督が母校のミシガン大に監督として凱旋したのが2015年の事。それまではスタンフォード大を経てNFLサンフランシスコ49ersを指揮。2014年にはスーパーボウルに出場し、兄のジョン・ハーボー(John Harbaugh)監督率いるボルティモアレイヴンズと対決。惜しくも敗れはしましたが、プロで結果を残した腕の立つコーチとして知られていました。

しかしそのオフにフロントオフィスと決裂して退団。そして母校のミシガン大に戻ってきたわけですが、就任当初こそ期待度抜群で二桁勝利数を獲得するなどするも、結局就任後6年間は無冠でそのカリスマ性が薄れてきていました。しかし、2021年にようやくライバル・オハイオ州立大を倒しBig TenタイトルをゲットしてCFPに進出するとそこから3年連続で「The Game」勝利、Big Tenタイトル獲得、CFP出場を成し遂げ、今かなり波に乗っている監督といえます。。

ただリクルーティング違反や虚偽の証言疑惑、サイン盗み疑惑などグレーなエリアも醸し出し、さらには毎年のようにNFLへ返り咲くかという噂が立っている人物でもあります。今シーズンもすでにLAチャージャースやLVレイダースが触手を伸ばしているという話もありますが・・・。

これまでの戦績

カレッジ通算:146勝52敗
ミシガン大通算:88勝25敗
NFL通算:44勝19敗1分け

ケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督

現在49歳のケイレン・デボアー監督はミシガン大のハーボー監督とはちがい、現役時代はNCAA(全米大学体育協会)とは異なる、さらに小さな大学スポーツ機構であるNAIA(National Association of Intercollegiate Athletics、全米インカレ協会?)に所属していたサウスダコタ州のスーフォールズ(Sioux Falls)大学でプレー。卒業後はそのまま母校でコーチングの道へ進み、2005年からは母校に戻ってHCを5年間務めます。この間スーフォールズ大はNAIAの全米チャンピオンに3度も輝き、その手腕を認められてデボアー監督はサザンイリノイ大(FCS)、イースタンミシガン大(G5)、そしてフレズノ州立大(G5)のオフェンシブコーディネーターを歴任していきます。

転機となったのは2019年。インディアナ大(P5/Big Ten)のオフェンシブコーディネーターに就任して8勝5敗という戦績を収めるのに貢献すると遂に2020年にフレズノ州立大へ出戻ってNCAA1部で初の監督職に就くことになります。そして2021年に9勝3敗という素晴らしい戦績を残すと、2022年にワシントン大の新監督に抜擢されます。

ワシントン大での初年度はいきなり11勝2敗と二桁勝利を挙げ名を挙げると今季もその勢いをそのままに連勝街道まっしぐら。就任2年目にして全米優勝決定戦にチームを牽引するという偉業を成し遂げたのでした。

これまでの戦績

カレッジ通算:104勝11敗
ワシントン大通算:25勝2敗

===

常に表舞台を歩いてきたハーボー監督と、NAIAというNCAA所属でもないチームからコーチ業をスタートさせてそのランクを上げてきたデボアー監督というカラーの違う2人の監督の激突というこの構図も興味深いですね。

注目ポイント

まず注目したいのはQBペニックス・Jr率いるワシントン大の超絶パスオフェンスがミシガン大のディフェンスにどこまで通用するのかということ。テキサス大戦ではワシントン大OL陣が奮闘してペニックス・Jrはほぼ無傷でボールを捌いていましたが、ミシガン大のパスラッシュをワシントン大が制御できるのか、そしてペニックス・Jrと秀逸WR陣のエアーレイド系オフェンスが機能するのかに注目です。

またワシントン大RBディロン・ジョンソン(Dillon Johnson)の足の怪我の具合も気になるところです。元々シーズン中に負った怪我らしいのですが、テキサス大戦試合終了直前に再び負傷。見たところ大変痛そうにしていましたが、話だとタイトルゲームには出場する予定だそうです。ただその試合から1週間しか経っておらず、もし彼のパフォーマンスが8割にも満たなければ、たとえワシントン大がパス重視オフェンスとはいえ、ランが全く出なくなるとオフェンスには大いに影響を与えるでしょう。

ミシガン大はどちらかというとスコアリングオフェンスというよりもボールコントロールに持ち込みたいチーム。ですので、もしワシントン大のハイスコアオフェンスが炸裂し、点差が出始めてしまった際に、彼らがそれについていけるのかどうかも気になるところ。ワシントン大のディフェンスはスタッツ上はソフトな感じですが、セミファイナル戦ではテキサス大オフェンスを十分に苦しめていました。QBマッカーシーとRBカーラムのクラッチプレーがこの試合でも炸裂するか。

ミシガン大とワシントン大はここまで13回の対戦があり、対戦戦績は8勝5敗でミシガン大がリード。最後に対戦したのは2021年のミシガン大でのホームゲーム。この時はミシガン大が31対10で勝利しています。ポストシーズンで最後に対戦したのは1993年のローズボウル。この時もミシガン大が38対31で勝っています。

ワシントン大は現在Pac-12カンファレンス所属なため、この対決はBig Ten対Pac-12という、ローズボウルで見られる伝統的なマッチアップに。ただワシントン大が今年からBig Tenカンファレンスに移籍するため、これは未来のBig Ten同士の対決ともできます。

ミシガン大が勝てば2014年にオハイオ州立大がCFPタイトルをとって以来のBig Ten出身校のナショナルチャンピオンに、またワシントン大が勝てば2003年のサザンカリフォルニア大以来の全米タイトル保持者になります。Pac-12カンファレンスは今年で解散ということになっており、ワシントン大はPac-12カンファレンスチームとしての最後の全米優勝チームとなる可能性を持っているわけです。

CFPタイトルゲームではここ8年連続でSEC(サウスイースタンカンファレンス)所属チームが最低でも1チームが出場していましたが、今回は2014年以来(オハイオ州立大vsオレゴン大)初めてSECチームが出場しない全米タイトルゲームとなりました。そんなフレッシュな顔ぶれとなる今回の優勝決定戦。果たして優勝トロフィーを手に入れるのはどちらのチーム・・・?!

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