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プレーオフ進出4校が決定!【2023年度シーズン】

プレーオフ進出4校が決定!【2023年度シーズン】

もう皆さんご存知だとは思いますが、12月3日日曜日にCFP(カレッジフットボールプレーオフ)ランキングの最終ランキングが発表されプレーオフに出場できる上位4校が決定しました。その4校を簡単に紹介したいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

1位:ミシガン大


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今季13勝0敗でBig Tenカンファレンス3連覇を果たしたミシガン大。CFPにもこれで3年連続出場となりますが、3度目の正直で1997年以来12度目のナショナルチャンピオンを狙います。

今年は開幕時から3試合ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督がリクルーティング違反などの罰則として謹慎処分となり、さらに最後3試合は相手チームのサインを盗んだという疑惑の制裁で同じく謹慎処分を受け、実質シーズンの半分しかハーボー監督はサイドラインに立っていませんでした。

しかし元々の強力ディフェンスとラン重視のオフェンスで開幕から無敗街道まっしぐら。たの追随を寄せ付けず、レギュラーシーズン最終戦の「The Game」では宿敵オハイオ州立大を3年連続で下してBig Ten東地区制覇。そしてカンファレンスタイトルゲームではアイオワ大を26対0と完封して勝利し、見事CFP第1シードの座をゲットしました。

名門ながらタイトルから長く遠ざかっていたミシガン大。一時はハーボー監督不要論が吹き出すこともありました。しかし首脳陣は耐えてハーボー監督に指揮を委ねそれが功を奏した形になっています。サイン盗みの制裁がさらに加えられるという可能性もありますが、現時点で文句なく1位といえるチーム。無冠という呪縛から逃れた彼らの次なる目標は当然CFP優勝トロフィーです。


2位:ワシントン大


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シーズン通して無敗を貫ぬき、1991年以来の全勝シーズン、そしてチーム史上初の13勝目を上げたワシントン大。2016年以来2度目となるプレーオフ進出を果たしました。

今季のワシントン大はハイズマントロフィー候補QBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)が主軸となるオフェンスとして大量得点ならびに大量ヤードを重ね続けていました。それも中盤になり少々息切れしましたが、そんな中からWRローム・オドゥンゼ(Rome Odunze)やRBディロン・ジョンソン(Dillon Johnson)といったスターも生まれました。

レギュラーシーズン後半には当時20位のサザンカリフォルニア大、18位のユタ大、11位のオレゴン州立大との3連戦がありこれを無傷で乗り切ると、シーズン6戦目にすでに対戦していたオレゴン大との再戦がカンファレンスタイトルゲームで実現。初戦と同じく点の取り合いになりましたが、最後はワシントン大がオレゴン大を突き放して勝利を飾り2018年以来のカンファレンスタイトルを獲得しました。

来年からBig Tenカンファレンス入りが決まっているワシントン大としては最後のPac-12王者となった訳ですが、そのPac-12カンファレンス自体が消滅することになっており、まさに文字通りPac-12カンファレンスの歴史で有終の美を飾ったことになりました。

ワシントン大が全米制覇を成し遂げたのは先にも紹介した12勝0敗だった1991年度シーズン。今回優勝すれば32年ぶりの栄冠となります。就任してからたったの2年でチームをここまで育て上げたケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督の手腕が唸ります。

3位:テキサス大


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3つ目の椅子に座ったのはBig 12カンファレンスの王者であるテキサス大。カレッジフットボール界においてテキサス大は超名門と言われますが、2014年以来導入されたCFPにおいて今回が彼らにとって初めてのプレーオフ進出となります。

今季のテキサス大はオフェンスの鬼才スティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督就任3年目で花開き、オハイオ州立大からの転校生QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)を中心に序盤から白星を重ねます。その最大のものは2戦目のアラバマ大戦での勝利。アウェーながら34対24と金星を挙げ、結果的にこの勝利が彼らのその後の命運を握ることになります。

途中「レッドリバーの戦い」でオクラホマ大に敗れる失態を犯しますが、その後はユワーズの怪我による負傷欠場やエースRBジョナサン・ブルックス(Jonathon Brooks)のシーズンエンディングの怪我(ACL)という苦難を乗り越え1敗を守り続け、出場したカンファレンスタイトルゲームではオクラホマ州立大を49対21で一蹴。2009年以来のBig 12タイトルを手に入れて悲願のプレーオフ進出を成し遂げました。

元々テキサス州という優良なリクルート土壌があり、資金力も豊富なテキサス大ですから、全米タイトルを取れるだけのバックボーンは持っていたのですが、これまで指導者に恵まれずBig 12では宿敵オクラホマ大の影に隠れる存在に成り下がっていましたが、サーキジアン監督の手腕でここまで復活。

あとは2005年以来遠ざかっている全米タイトルを狙うのみです。

4位:アラバマ大


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昨年度まででCFP史上最多の出場回数(7回)を誇るアラバマ大。今年は上記のテキサス大に敗れたことでランクを下げ、最後の最後まで8位以上に復活をすることはできませんでしたが、SEC優勝決定戦でジョージア大を破ったことでギリギリ4つ目の椅子に滑り込みました。これで出場回数は8回(10回中)。出場を逃したのが2019年と2022年の2度のみで、さらに過去9回の開催で全米制覇が3回という、まさに名門がなんだかんだいって登場です。

開幕当初は新しいオフェンシブコーディネーター(トミー・リース/Tommy Rees) 、そして前年度までチームの不動のQBだったブライス・ヤング(Bryce Young、現カロライナパンサーズ)の抜けた穴を誰が埋めるのかという不確定要素があり、またスキルポジションでも火力不足というなかで開幕。そして2戦目にはテキサス大に敗戦。ホームで負けるのは2019年以来のことでした。

その後も勝ち続けるも他を圧倒するような試合はありませんでしたが、一方で試合を重ねるうちにQBジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)が成長。元々脚力はあったところにパサーとしての能力が向上し、また駒不足だったスキルポジションではWRアイゼア・ボンド(Isaiah Bond)の台頭などでオフェンスに幅ができるようになりました。

そして宿敵アーバン大との「アイロンボウル」では追う立場ながら最後4th&31ヤードという絶体絶命の状況から逆転TDを奪って辛くも勝利すると、SECタイトルゲームで3連覇を狙う1位のジョージア大に勝利して12勝1敗でシーズンを終えました。

これでアラバマ大はCFP8回目の出場。ニック・セイバン(Nick Saban)監督はすでに過去最多全米優勝数(7回)を誇っていますが、それをさらに更新する8回目のタイトル獲りを目指します。

マッチアップ

この結果準決勝戦のマッチアップは以下の通りになりました。

準決勝戦#1:ローズボウル
12月29日

アラバマ大(第4シード)
VS
ミシガン大(第1シード)

準決勝戦#2:シュガーボウル

12月29日

テキサス大(第3シード)
VS
ワシントン大(第2シード)

感想

カレッジフットボールプレーオフが導入されて10年目の今年は4チーム制度最後の年。来年から参加チーム数が拡張されて12チーム制になります。その4チーム制度最後の年にCFP制度始まって以来のコントラバーシー(論争)が沸き起こりました。

第14週目のランキングではトップ4位はジョージア大ミシガン大ワシントン大フロリダ州立大。これらは皆無敗のチームでしたが、これを追うのが5位のオレゴン大(1敗)、6位のオハイオ州立大(1敗)、7位のテキサス大(1敗)、8位のアラバマ大(1敗)の面々。

そしてその第14週目には1位のジョージア大がアラバマ大に敗れる波乱。これによってファイナルランキングでどのチームを上位4チームに選ぶかということに大きな注目が集まったのでした。

無敗でカンファレンスタイトルを獲得したのがミシガン大(Big Ten)、ワシントン大(Pac-12)、フロリダ州立大(ACC)の3チーム。そして1敗でカンファレンスタイトルを獲得したのがテキサス大(Big 12)とアラバマ大(SEC)。さらに1敗ながらカンファレンスタイトルを逃したのがジョージア大とオハイオ州立大。こんな構図になりました。

各カンファレンスタイトルを取ることに大きな意味があると説いてきたCFP選考委員会。そのことからジョージア大とオハイオ州立大は残念ながら候補から外れることになります。そうなると残されたのはミシガン大、ワシントン大、フロリダ州立大、テキサス大、アラバマ大の5つ。普通に考えればミシガン大、ワシントン大、フロリダ州立大が確定で残りの1つの椅子をテキサス大とアラバマ大が争うということになりそうですが・・・。

選考委員会はカンファレンスタイトルの有無の他に、直接対決の結果も大きな意味があると言ってきました。それを考えれば第2週目にテキサス大はアラバマ大を倒しているため、最後の椅子に座るのはテキサス大・・・。これがまず考えられる順位だったはずです。

しかしここで問題なのは、1位のジョージア大を倒したSECチャンピオンのアラバマ大の存在です。確かに1敗していてそれがテキサス大戦によるものであることは動かない事実。しかしCFP選考委員会の究極のゴールは最終的に一番強い4チームを選び出すこと。果たしてジョージア大を倒しSECチャンプになったアラバマ大は上位4位の中に入ることができるほどのチームなのかどうか・・・。

ここで考慮に入れられたのがフロリダ州立大の現状です。彼らは無敗のACC王者となりましたが、一方でその活躍を支えてきたスターQBジョーダン・トラヴィス(Jordan Travis)が12週目のノースアラバマ大戦で足の骨を折る大怪我を負い戦線離脱を余儀なくされました。そのことでフロリダ州立大のオフェンス力は圧倒的に落ちてしまったということです。

実際13週目のフロリダ大との試合やACCタイトルゲームでのルイビル大戦でオフェンスは苦戦。全米トップクラスのディフェンスに支えられて勝ったものの、この現状をみて彼らが果たしてトップ4チームの力を持っているのかということが議論に挙げられたようでした。

アラバマ大を入れるなら彼らに勝っているテキサス大を外すわけにはいかず、そうなれば自動的にフロリダ州立大は弾かれる・・・。無敗でACCを制したフロリダ州立大と1敗でSECを制したアラバマ大が天秤にかけられたのです。そしてその結果、選考委員会はフロリダ州立大ではなくアラバマ大を第4のチームとして選んだというわけです。

これには大きな議論が湧き起こりました。ACCという「パワー5」カンファレンス群出身チームで無敗のカンファレンス王者ながらプレーオフに出場できなかったというのはこのフロリダ州立大が史上初。フロリダ州立大はルイジアナ州立大フロリダ大というSECチーム2チームとアウェーで対戦してこれを撃破。何よりも無敗でリーグ制覇を成し遂げたという成果が認められなかったということになります。

これはSECバイアスだとかアラバマ大バイアスだとかいう批判を多く産む要因になっています。アラバマ大をねじ込んだ方がテレビの視聴率も上がるとかいう声も聞かれます。「またアラバマ大か」「結局アラバマ大か」と辟易したファンも多いでしょう。

しかしこれは難しい判断です。確かにACCチャンプの無傷のフロリダ州立大を外すのは難しい選択です。が、一方で選考委員会が言うように現状で最強の4チームを選ぶのであれば、QBトラヴィスのいないフロリダ州立大は例えばミシガン大、ワシントン大、テキサス大、アラバマ大と対等に渡り合えるのかと疑問に思うのも分からなくもありません。

こんなことが起きてしまったのはひとえにCFP選考委員会がトップ4チームを選ぶための基準が曖昧であることにあります。

最強の4チームを選ぶのであれば今回の選択も理解することはできなくもありませんが、ならばレギュラーシーズンを戦い抜く意義が薄くなってしまいます。試合に勝つことは簡単なことではありません。それを13回連続で行うことの難しさは並のものではないはずです。それをやってのけたフロリダ州立大の成果や苦労を卑下にしている判断だとも言えます。

もし最強の4チームなんてことを言わなければ8位だったアラバマ大がジョージア大を倒したことだけで一気に4位に飛び越えていくことはなかったはずです。それが起きてしまったことに今回の選考委員会の矛盾が見え隠れします。

例えば、もしフロリダ州立大がトラヴィス不在故に上位4位に入れないと言うならなぜ彼らは5位なのか。5位と言うことはこの戦力で上位4チームには勝てないとしても、6位のジョージア大、7位のオハイオ州立大、8位のオレゴン大には勝てると言う評価ということになります。実際トラヴィス不在のフロリダ州立大は今あげたどのチームと戦っても勝てるかどうかわかりません。なのに5位と言うのは詭弁じゃないのか、と思ってしまうのです。

13人いる選考員会は学長だったり、体育局長だったり、大学教授だったり、元コーチ・選手だったり、過去には何故かコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)元アメリカ国務長官も選考委員会に入っていました。

彼らは別にそれぞれの仕事がありながらこの選考委員会を兼務しているとういわけです。しかも任期は3年。均一性は感じられず、人間の判断だから感情に左右されることも否定できないでしょう。そういう曖昧さを秘めながらもここまで大きな議論が湧かなかったのは奇跡的です。特に「パワー5」カンファレンス群のチャンピオンは文字通り5つ存在するのに座れる椅子が4つしかないならこの中からあぶれるチャンピオンというのは出てくる可能性は十分あったのです。

ただそれがそこまで取り立たされなかったのはPac-12カンファレンスが毎年共食いを続けてプレーオフにチームを送りこめていなかったから。しかし今年Pac-12チームは大躍進。最後はワシントン大とオレゴン大がプレーオフに進出できる可能性を秘めていたのです。来年からPac-12が消滅してしまうことを考えるとなんとも皮肉なことですが。

テキサス大、アラバマ大、フロリダ州立大、どのチームが弾かれてしまっていても議論は沸き起こっていたことでしょう。フロリダ州立大の選手やコーチには本当に同情してしまいますが、現状のシステムを考えるともうこれは「いたしかたない」というほかありません。

後味は悪いですが、ここは切り替えて組まれたセミファイナル戦を楽しむしかありません。マッチアップ的にはどちらも非常に魅力的ですしね。

最終CFPランキング

順位

チーム

戦績

前週

1

ミシガン大

13-0

3

2

ワシントン大

13-0

4

3

テキサス大

12-1

7

4

アラバマ大

12-1

8

5

フロリダ州立大

13-0

5

6

ジョージア大

12-1

1

7

オハイオ州立大

11-1

2

8

オレゴン大

11-2

6

9

ミズーリ大

10-2

9

10

ミシシッピ大

10-2

10

11

ペンシルバニア州立大

10-2

11

12

オクラホマ大

10-2

12

13

ルイジアナ州立大

8-3

13

14

アリゾナ大

9-3

15

15

ルイビル大

10-3

14

16

ノートルダム大

9-3

17

17

アイオワ大

10-2

16

18

ノースカロライナ州立大

9-3

19

19

オレゴン州立大

8-4

20

20

オクラホマ州立大

9-4

18

21

テネシー大

8-4

21

22

クレムソン大

8-4

23

23

リバティー大

13-0

24

24

サザンメソディスト大

11-2

NR

25

カンザス州立大

8-4

25

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