ナショナルチャンピオンへの道【その2】

ナショナルチャンピオンへの道【その2】

ナショナルタイトルを争うプレーオフ、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)に進出できる4チームを選出するためのランキングであるCFPランキングの第3弾が今週火曜日に発表されました。先日の記事ではランキングの顔ぶれを紹介しましたが、ここではどのチームがどのようなシナリオをたどればこの夢の舞台に立てるかを検証したいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)
参考ページ2019年度シーズンランキング【第13週目】

 

ルイジアナ州立大(CFP1位)

戦績
10勝0敗

ストレングスオブスケジュール
2位(前週4位)

主な勝利ゲーム
テキサス大(当時9位、45対38)
フロリダ大(当時7位、42対28)
アーバン大(当時9位、23対20)
アラバマ大(当時3位、46対41)

残りの試合
アーカンソー大(11月23日)
テキサスA&M大(11月30日)
*SEC優勝決定戦(12月7日)

第3回目のCFPランキングでも1位の座を守ったルイジアナ州立大。先週はミシシッピ大に37失点するも58得点を叩き出して10勝目を決めました。今週のアーカンソー大戦に勝てばSEC西地区チャンプとなり東地区代表のジョージア大との対戦が決定します。

ルイジアナ州立大の持ち味は何と言ってもQBジョー・バロウ(Joe Burrow)が指揮するハイパワーオフェンス。ここまでトップ10チームを4校も倒してきたことを考えれば彼らが首位にとどまっているのはうなずけます。

今週末アーカンソー大を倒し無敗のままジョージア大との対決を制せば彼らのプレーオフ進出は決まりです。仮にジョージア大に敗れたとしてもその負け方次第ではそこに至るまでの強さを考えればトップ4にとどまることが出来るかもしれません。


オハイオ州立大(2位)

戦績
10勝0敗

ストレングスオブスケジュール
6位(前週1位)

主な勝利ゲーム
ミシガン州立大(当時25位、34対10)
ウィスコンシン大(当時13位、38対7)

残りの試合
ペンシルバニア州立大(8位、11月23日)
ミシガン大(13位、11月30日)
*Big Tenカンファレンス優勝決定戦(12月7日)

ここまで無敗のオハイオ州立大も全勝すれば確実にプレーオフに進出することができる、自力進出の可能性をもつチーム。その前に立ちはだかるのは今週末のペンシルバニア州立大、そしてBig Tenカンファレンスタイトルゲームでのミネソタ大かウィスコンシン大どちらかの西地区代表チームとの試合。

仮にオハイオ州立大が今週ペンステートに負けるとなるとランキングを落とすことになりますが、今季LSUと並びパーフェクトなチームと言われる彼らですから、ひょっとしたら負けてもアラバマ大ら5位以下のチームよりも上回る、つまり4位以内にとどまることも考えられます。その場合おそらくBig Tenカンファレンス優勝決定戦には出場できないでしょうから、最終的にどうなるかはその他のカンファレンスの優勝決定戦の結果次第となるでしょう。

また無敗で西地区チームと当たりここで負けたとしたら・・・。その相手が1敗のミネソタ大だったとしたら彼らがプレーオフ当確となるでしょうから、その時は例えば1敗のオハイオ州立大、1敗のアラバマ大、1敗のPac-12チャンプ(オレゴン大かユタ大)、1敗のBig 12チャンプ(オクラホマ大かベイラー大)のどのチームが選ばれるのか・・・。かつてSECから2チームプレーオフ進出を果たしたという例もありますからミネソタ大と並びオハイオ州立大も共に選ばれるなんてシナリオも十分考えられるでしょうね。

クレムソン大(3位)

戦績
11勝0敗

ストレングスオブスケジュール
39位(前週44位)

主な勝利ゲーム
テキサスA&M大(当時12位、24対10)

残りの試合
サウスカロライナ大(11月30日)
ACC優勝決定戦(12月7日)

ACCでのレギュラーシーズンスケジュールを終えあとはライバル・サウスカロライナ大との試合とACC優勝決定戦の2試合を残すのみとなったクレムソン大。彼らの現状を考えればこの2試合で星を落とすとは考えられませんから、4年連続となるプレーオフ進出はほぼ確実といえます。しかし逆に言えば上にあ挙げた2チームがまだ1敗してもプレーオフ進出が可能とされる中、クレムソン大はストレングスオブスケジュールが弱いために1敗したらおそらくプレーオフレースからは脱落するでしょうね。

ジョージア大(4位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
7位(前週16位)

主な勝利ゲーム
ノートルダム大(当時9位、23対17)
フロリダ大(当時6位、24対17)
アーバン大(当時12位、21対14)

残りの試合
テキサスA&M大(11月23日)
ジョージア工科大(11月30日)
*SEC優勝決定戦(12月7日)

4位のジョージア大は先週12位(当時)のアーバン大から貴重な勝ち星を手に入れて、彼らのレジメは更に強くなりました。テキサスA&M大戦は侮れませんからまずは今週末の試合をしっかりとものにし、1敗を守ったままLSU(おそらく)とのSECタイトルゲームに臨みたいところ。これに勝てば文句なく彼らもプレーオフ進出でしょう。しかし既に1敗してしまっていますから、2敗目を喫した時点で彼らのプレーオフへの道は閉ざされてしまいます。

アラバマ大(5位)

戦績
8勝1敗

ストレングスオブスケジュール
8位(前週9位)

主な勝利ゲーム
テキサスA&M大(当時24位、47対28)

負けたゲーム
ルイジアナ州立大(当時2位、46対41)

残りの試合
ウエスタンカロライナ大(11月23日)
アーバン大(12位、11月30日)
*SEC優勝決定戦(12月7日)

先週のミシシッピ州立大戦でスターQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)を失ってしまったアラバマ大。彼一人の損失だけでチーム力低下は否めないところですから、最新のランキングでは順位を落とすかと思われましたが、以外にもCFP選考委員会はアラバマ大を5位のままに留めました。

この位置は中々興味深いです。普通に考えればもしトップ4チームの内誰かが落っこちることがあれば5位のアラバマ大が滑り込むということになるでしょう。つまり現時点でアラバマ大はジョージア大以外の他の1敗チームの中で最もプレーオフに近い存在であるということです。

ただLSUとの直接対決に負けた彼らは十中八九SECタイトルゲームには進めませんから、そうなると他のカンファレンスでタイトルゲームに進めるチームと比べると選考委員会にアピールできるチャンスが1試合減るというわけです。しかも今週末はウエスタンカロライナ大との試合ですから、ここでアラバマ大がどんなに相手を蹂躙したとしても評価の値には数えられません。ですから彼らはアーバン大との試合で選考委員会を唸らせるような試合をしなければならないわけです。そうならなければPac-12王者やBig Ten王者に抜かれてしまいます。

ひょっとしたら選考委員会はそれを見越してあえてアラバマ大を5位に残したのかも・・・。

オレゴン大(6位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
14位(前週10位)

主な勝利ゲーム
ワシントン大(当時25位、35対31)

負けたゲーム
アーバン大(当時16位、27対21)

残りの試合
アリゾナ州立大(11月23日)
オレゴン州立大(11月30日)
*Pac-12カンファレンス優勝決定戦

Pac-12出身チームで最高位となるのがこのオレゴン大。今季Pac-12は共食いを重ね続けてきましたが、それを唯一逃れることができたのがこのオレゴン大で現在Pac-12戦で無敗。唯一の敗戦もアーバン大との開幕戦だけということで9連勝中という事実も大きな強みです。が、やはりアーバン大以外の対戦相手があまりパッとせず、ワシントン大も現在ランクの外。オレゴン大がこの位置から上位4位に飛び込むにはPac-12カンファレンスタイトルを奪う他ありません。

興味深いのは最新のランキングでサザンカリフォルニア大が23位に飛び込んできたこと。このことは彼らを既に倒しているオレゴン大としては朗報です。というのも対戦当時はランクされてなかったとしても現時点でランクされたUSCをオレゴン大が倒したという事実は多少なりとも選考委員会の目を引くことになるからです。

ユタ大(7位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
20位(前週21位)

主な勝利ゲーム
アリゾナ州立大(当時17位、21対3)

負けた試合
サザンカリフォルニア大(30対23)

残りの試合
アリゾナ大(11月23日)
コロラド大(11月30日)

先週UCLAを倒して1敗を守ったユタ大。彼らも上記のオレゴン大と同じくカンファレンスタイトルを獲ることがプレーオフ進出への唯一の道。1敗を守り6位のオレゴン大を倒してPac-12王者となればそれはこれ以上無い見栄えとなります。しかも唯一の敗戦となったサザンカリフォルニア大が既述の通り最新ランキングで23位に付けたこともユタ大にとっては大きな後押しになります。なぜなら当時ランク外だったとしても今ランクされているUSCに負けたという事実は選考委員会の目にはプラスに映るはずだからです。

ペンシルバニア州立大(8位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
10位(先週8位)

主な勝利ゲーム
アイオワ大(当時17位、17対12)
ミシガン大(当時16位、28対21)

負けたゲーム
ミネソタ大(当時17位、31対26)

残りの試合
オハイオ州立大(11月23日)
ラトガース大(11月30日)
*Big Tenカンファレンス優勝決定戦(12月7日)

1敗のペンシルバニア州立大は先週インディアナ大を下していよいよ今週オハイオ州立大との大一番を迎えます。これに勝てばプレーオフへの希望をつなぐことになりますが、負ければその時点でその夢は潰えます。全勝してBig Tenタイトルを獲得すれば彼らのプレーオフ入りは確実なものとなるでしょう。楽な道ではありませんが非常にわかりやすいシナリオですね。

オクラホマ大(9位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
23位(前週31位)

主な勝利ゲーム
テキサス大(当時11位、34対27)
ベイラー大(当時13位、34対31)

負けたゲーム
カンザス州立大(48対41)

残りの試合
テキサスクリスチャン大(11月23日)
オクラホマ州立大(22位、11月30日)
*Big 12カンファレンス優勝決定戦

先週無敗のベイラー大から大逆転劇勝利を得たオクラホマ大。しかしランキングは10位から1つ上がっただけの9位に留まりました。7位とか8位にまで食い込んでいたらプレーオフ進出のチャンスも増えたのでしょうが、この9位という位置からプレーオフを狙うのは自力では厳しいところです。

彼らにとってはPac-12王者が2敗するとか、今週末ペンシルバニア州立大がオハイオ州立大に敗れるとか、そういったシナリオが必須となってきます。

ミネソタ大(10位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
38位(57位)

主な勝利ゲーム
ペンシルバニア州立大(当時4位、31対26)

負けたゲーム
アイオワ大(当時20位、23対19)

残りの試合
ノースウェスタン大(11月23日)
ウィスコンシン大(14位、11月30日)
*Big Tenカンファレンス優勝決定戦

先週アイオワ大に敗れ遂に今季初黒星を喫してしまったミネソタ大。順位も10位に落ちてしまいましたが、幸運なのは彼らにはまだウィスコンシン大(14位)、そしてタイトルゲームではオハイオ州立大(2位)もしくはペンシルバニア州立大(8位)との試合をのこしているということ。もちろん全てに勝たなければならないわけですが、この終盤にランクチームを2チーム、しかもそのうち1つがオハイオ州立大だった場合にはミネソタ大がプレーオフに出場できない道理はありません。そういった意味では彼らにはまだ自力プレーオフ出場のチャンスが残されていると言えます。

ベイラー大(14位)

戦績
9勝1敗

ストレングスオブスケジュール
33位(前週45位)

主な勝利ゲーム
無し

負けたゲーム
オクラホマ大(当時10位、34対31)

残りの試合
テキサス大(19位、11月23日)
カンザス大(11月30日)
*Big 12カンファレンス優勝決定戦

先週オクラホマ大に敗れて遂に今季初土がついたベイラー大。順位は以外にも1つしか落としませんでしたが、オクラホマ大のところでも述べたとおりBig 12カンファレンスチャンプが追い上げてトップ4に入るには多くの「助け」が必要になってきます。

ベイラー大がこのまま勝ち続けてタイトルゲームでオクラホマ大とのリベンジマッチとなればプレーオフ進出への望みをつなぐことになるでしょうが、万が一でもオクラホマ大がカンファレンスタイトルゲームに出場できないとなれば、その時はオクラホマ大以外のチームを倒したBig 12チャンピオンのベイラー大というのがCFP選考委員会にどう評価されるのかは微妙なところ。ベイラー大としてはカンファレンスタイトルゲームで上位のオクラホマ大をこれでもかというくらいにけちょんけちょんになぎ倒して選考委員会にアピールし、あとは上位チームが落ちてくるのを祈る他なさそうです。

 

(注1)ストレングスオブスケジュールはTeam Rankingsのものを使用。
(注2)かつて2敗したチームがプレーオフに進出した例がないのでそのようなチームは省略。

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