スケジューリングもタダじゃない! - ANY GIVEN SATURDAY

スケジューリングもタダじゃない!

スケジューリングもタダじゃない!

カレッジフットボール界では様々な場面で巨額のお金が動いていることはこのサイトでも多々紹介しています。コーチのサラリー、スタジアムの改築費、バイアウト費、後援者の寄付金、テレビ放映権・・・。大学生たちがナショナルタイトルやカンファレンスタイトルという高みに向けて日々努力しているという一面もありますが、一方でこのスポーツが巨額の富を生む立派なビジネスであることは明らかです。その規模は日本のスポーツと比べ物になりません。

今回はさらにこのスポーツならではの大金の流れの話です。

ミシガン大の場合

ミシガン大は2022年と2023年に西海岸のPac-12カンファレンス所属、UCLAとホーム&ホームのマッチアップが予定されていました。2022年はホームで、2023年はローズボウルでのアウェーで対戦するはずでしたが、ミシガン大は2023年にホームゲームを7試合確保したいと心変わり。そのためにUCLAとのアウェーゲームを取りやめイーストカロライナ大とのホームゲームを行うことにしたのですが、このホーム&ホームはパッケージディールだったため、2022年のマッチアップ共々UCLAとの2試合をすべてキャンセルすることにしました。

そしてこのキャンセル料なのですが、なんと150万ドル(1ドル100円計算で1億5000万円)。確かにミシガン大はブランド力のあるチームですからUCLAにとってはホームゲームでかなりのファンをスタジアムに呼び込める腹づもりだったでしょうし、試合の放映料も普段のゲームよりも多くが懐に入ってくる可能性もあったはずです。

そのあてがなくなってしまったということで、ミシガン大がその補償としてのこの150万ドルをキャンセル費として支払うという訳です。もしミシガン大とUCLAが2年連続対戦していたらその時の経済効果がこれくらいあるという皮算用だったのかもしれませんが、どちらにしてもキャンセル費でこれほどのお金が動くということはそれだけカレッジフットボール、しかも名門同士のマッチアップに金銭的価値があるということです。


ミシシッピ大の場合

現在アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)に所属しているコネチカット大ですが、彼らは今季開幕前に来年からこのカンファレンスを離脱して無所属/独立校となることを表明しています。カレッジチームは何年も先までスケジュールがすでに決まっているのが通常ですから、コネチカット大は来年以降消滅するAACチームとの試合の埋め合わせに今も奔走しています。

関連記事コネチカット大が無所属/独立校に

今のところ彼らは9試合分まで確保していますが、そのせいかバージニア大イリノイ大インディアナ大などの「パワー5」チームとのマッチアップに成功しています。負けてしまうかもしれませんが、普通ならこのような格上チームとアウェーで対戦する際にはある程度のお金が発生するのでコネチカット大としては懐が温まるという計算もあるのでしょう。

しかしコネチカット大が無所属となった影響でドミノ的に大金を支払う羽目になったチームがあります。それがサウスイースタンカンファレンス(SEC)のミシシッピ大です。

ミシシッピ大は来年交流試合の対戦相手の一つにミドルテネシー州立大を予定していました。しかし対戦相手を探していたコネチカット大との三者交渉の結果、ミシシッピ大はミドルテネシー州立大との試合をキャンセルしてそのかわりにコネチカット大と対戦することになったのですが・・・。

ミドルテネシー州立大としてはミシシッピ大と対戦することにより大金を手に入れるはずでしたから(大抵交流戦のアウェーチームにはお金が払われるのです)、この試合が消滅することは彼らにとって経済的には大打撃となりかねます。そこでミシシッピ大は対戦しないことになったミドルテネシー大に上記のミシガン大と同じ額である150万ドルを支払うことで合意したのです。

その代わり新たに対戦することになったコネチカット大は通常手に入れることができるはずのミシシッピ大からの大金の支払いはなし。別の言い方をすればミシシッピ大は試合をしないミドルテネシー州立大に大金を渡し、そのかわりコネチカット大とタダで試合をすることになった、ということです。

おそらくミシシッピ大は同様の金額をミドルテネシー州立大に支払う予定だったのでしょうから、聞こえよりもダメージは少ないのかなと思います。コネチカット大はミシシッピ大との試合がなくなったミドルテネシー州立大との試合のマッチアップも試みているようですが、今のところ正式な発表は出ていません。ただもしこれが現実のものとなればおそらくこの三者交渉で大得したのはミドルテネシー州立大と言えるでしょう。なぜならミシシッピ大から150万ドルを頂いた上にコネチカット大という決して強いとはいえないチームと試合をして比較的楽に白星を手に入れることができるようになったからです。

そして得しないのはコネチカット大です。対戦相手を探しているということで仕方がなかったのかもしれませんが、おそらくミシシッピ州まで遠征してこてんぱんにやられてしまう上に通常アウェーチームに支払われる対戦費用も期待できないからです。

実は無所属になって対戦相手を確保しなければならなくなったコネチカット大は赤字になっているという計算になります。どういうことかというと・・・。

コネチカット大がお金を払って呼び寄せるチーム

マサチューセッツ大(15万ドル)
インディアナ大(30万ドル)
リバティー大(25万ドル)
陸軍士官学校(20万ドル)
メイン大(28万ドル)
合計:118万ドル

コネチカット大がお金を受け取って試合をするチーム

イリノイ大(30万ドル)
サンノゼ州立大(20万ドル)
バージニア大(40万ドル)
合計:90万ドル

つまり来年のマッチアップのためにコネチカット大は28万ドル(約2800万円)の赤字となったというわけです。

普通ならアウェーチームはもう少し高い額を頂くのが普通ですが、コネチカット大の価値が低いためにここまで額が落ちたのと、大急ぎでスケジュールを組んだために彼らに交渉するだけの強みがなかったのだと思われます。

いずれにしても試合を組むだけでも相当な額のお金が動いていることが分かるいい例だと思います。

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