ピーチボウルプレビュー(CFP準決勝戦#1)

ピーチボウルプレビュー(CFP準決勝戦#1)

ピーチボウル

12月28日午後4時(日本時間12月29日朝6時)キックオフ
キックオフメルセデスベンツスタジアム(ジョージア州アトランタ市)

CFP1位のルイジアナ州立大と同4位のオクラホマ大がCFP準決勝第1試合目となるピーチボウルで激突。ルイジアナ州立大はSECチャンピオンシップゲームで強豪ジョージア大を37対10で撃破、そしてオクラホマ大はBig 12カンファレンスタイトルゲームでベイラー大をオーバータイムの末30対23で退けてそれぞれこの晴れの舞台に進出します。

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今季破竹の勢いのルイジアナ州立大はここまでなんと5チームものトップ10チームを倒してきました。このオクラホマ大を倒せば6度目の快挙となるわけです。彼らのストレングスオブスケジュールは全米16位となっていますが、それにもかかわらず彼らのここまでの戦いぶりを観ていると何の苦もなくここまでのスケジュールをこなしてきたようにさえ思えてしまいます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

LSUオフェンス vs オクラホマ大ディフェンス

それは全米3位となるスコアリングオフェンス、そして1試合の得失点差が平均約26点という数字からも彼らがここまでどれだけ相手チームを圧倒してきたかが分かります。その原動力となるのがハイズマントロフィー受賞QBジョー・バロウ(Joe Burrow)です。

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LSU QB ジョー・バロウ

ランオフェンスで知られてきたルイジアナ州立大の慣例を覆したバロウとパスオフェンスコーディネーターのジョー・ブレディ(Joe Brady)氏の織りなすオフェンスはパス重視のエアーアタックチーム。ここまで1試合平均約386ヤードのパスを相手に叩き込んできました。このオフェンスを止めるのは至難の業。フロリダ大、アーバン大、アラバマ大、ジョージア大と全米上位レベルのディフェンスをもつチームでさえバロウらルイジアナ州立大オフェンスを止められなかったのです。

不安材料はRBクライド・エドワーズ・へレイヤー(Clyde Edwards-Helaire)が太ももの張りを訴えてこの試合に出場できるかどうか微妙なところ。彼の堅実な走りがあったからこそバロウのパスが活きたという面は否定できませんから、彼の出場状況は試合の展開を左右するとも言えそうです。

とはいえバロウには今季最高WRに贈られるビレントニコフ賞を手に入れたジャマー・チェイス(Ja’Marr Chase)が健在ですし、パスオフェンス自体に影響はなさそうです。

そのオフェンスと対峙することになるオクラホマ大ディフェンスですが、DLロニー・パーキンス(Ronnie Perkins)とSデラリン・ターナー・イェール(Delarrin Turner-Yell)という二人の先発選手がこのピーチボウルに出場しないことが明らかになりました。パーキンスは謹慎(理由は不明)、ターナー・イェールは先日練習中に鎖骨を骨折したためだそうですが、ただでさえルイジアナ州立大のオフェンスを相手にするのは楽ではないのにこの二人を失うことはオクラホマ大にとっては大打撃だといえるでしょう。

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欠場することが明らかになったターナー・イェール

この二人抜きでバロウを相手にするのは至難の業ですが、彼らに付け込める数少ないポイントの一つとしてパスラッシュが挙げられます。

完全無欠とも思われるルイジアナ州立大オフェンスですが、今季ここまでOL陣は合計28個ものQBサックを許してしまっています。その内半分となる14つがトップ25チームの相手からのもので、46対41と点の取り合いとなったアラバマ大戦では5つも相手に奪われています。

オクラホマ大ディフェンスには今季4つ以上のQBサックを食らわせてきた選手が4人もいます。当然そのうちの一人はこの試合に出場できないパーキンスなのですが、ジェイレン・レッドモンド(Jalen Redmond)、ネヴィル・ガリモアー(Neville Galllimore)、ケネス・マレー(Kenneth Murray)らの活躍が必須となるでしょう。


オクラホマ大オフェンス vs LSUディフェンス

オクラホマ大のオフェンスを指揮するのはバロウとともにハイズマントロフィー授賞式に出席し投票数で2位に終わったQBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)です。

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オクラホマ大QBジェイレン・ハーツ

アラバマ大先発QBながらその座をトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)に奪われてしまいますが、そこですぐに転校せずにバックアップに徹するという「フォア・ザ・チーム」精神を披露。そして昨年のSECタイトルゲームでは負傷退場したタガヴァイロアの代わりに途中出場して逆転劇を演出するという、ドラマ顔負けのストーリーを自ら演じたハーツ。

今年オクラホマ大に転校してからは不動の先発QBとしてチームを牽引。投げては3634ヤードに32TD、走っては1255ヤードに18TD(ついでにレシービングTDも1つ)と文字通りオクラホマ大オフェンスを一人で背負ってきたといってもいいハーツ。その彼がアラバマ大時代に2度も倒したルイジアナ州立大と対戦するわけです。

そのハーツ、並びにWRシーディー・ラム(CeeDee Lamb)のコンビならば相手ディフェンスに相当なダメージを与えるほどのエアーアタックも可能。そしてハーツの果敢なランプレーを止めるのも簡単なことではありません。そういった意味ではオクラホマ大オフェンスは全米5位となる1試合平均43.2点というスコアリングオフェンスを擁しており、爆発力は抜群なわけです。

ただそのオクラホマ大オフェンスに立ちはだかるルイジアナ州立大ディフェンス、特にバックフィールドは全米でも1、2を争う強豪ユニットです。

SEC優勝決定戦のジョージア大戦ではQBジェイク・フローム(Jake Fromm)を225パスヤードに抑える傍ら2つのINTを彼から奪いましたし、その一週間前のテキサスA&M大戦ではQBカレン・モンド(Kallen Mondo)に許したパスヤードはたったの92ヤードということでこのディフェンスを相手にしなければならないハーツが気の毒にすら思えます。

デレク・スティングレー(Derek Stingley Jr.)、クリスチャン・フルトン(Kristian Fulton)、カリー・ヴィンセント(Kary Vincent)、そしてグラント・デルピット(Grant Delpit)という4人が揃えば如何にラムが全米でも秀逸のWRだとしても太刀打ちするのは至難の業と言えます。

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プロスカウトも熱視線を注ぐSグラント・デルピット

そしてラムがこの4人衆に抑え込まれればハーツが頼らざるを得なくなるのはチャールストン・ランボー(Charleston Rambo)となりますが、今季ランボーはラムの約半分程度(734ヤード)しか記録しておらず、彼一人では頼りなさは否めません。とにかくオクラホマ大にとってディープボールを放るのは大博打なわけで、そうなればショートヤードもしくはハーツのスクランブルに頼らざるを得なくなります。

総評

ルイジアナ州立大とオクラホマ州立大のオフェンスは今季のカレッジフットボール界でも5本の指に入るほどの実力を持っています。その両チームが相まみえれば自ずとハイスコアゲームになりそうですが、オクラホマ大ディフェンスが昨年から比べると格段に上達したと言ってもルイジアナ州立大のDB陣と比べるとまだまだそのレベルに達しているとはいえそうになりません。

何と言っても今年のルイジアナ州立大はシーズンを通してスランプといえるようなパフォーマンスが皆無。アラバマ大戦でこそファイナルスコアが46対41と5点差の僅差なおかつ41失点を犯しましたが、試合を見れば完全なるルイジアナ州立大のペースでした。その彼らがナショナルタイトルゲームに進出するというシナリオは既に出来上がっている気すらします・・・。

個人的にはそういった無敵とも言える相手にオクラホマ大のハーツがどれだけやれるのかを観てみたいです。アラバマ大での自らを犠牲にしてチームに尽くす姿を観てから彼に元フロリダ大QBティム・ティーボ(Tim Tebow)氏以来のカリスマ性を見て以来贔屓の選手になりました。逆境に立たされるほど燃えるハーツが果たしてルイジアナ州立大に土をつけることができるのか・・・。

非常に楽しみなマッチアップですね。

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