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2022年度CFP全米王座決定戦プレビュー⑤【コーチ対決】

2022年度CFP全米王座決定戦プレビュー⑤【コーチ対決】

ジョージア大、テキサスクリスチャン大両チームとも素晴らしいタレント揃いのチームであることはこれまでのプレビュー記事でお分かりいただけたかと思います。

ボールをスナップし、パスを投げ、それをキャッチしたり、タックルを食らわせるのは当然選手たちなわけですが、一方で彼らを指導し、戦略を練り、プレーをコールするコーチ陣の存在も忘れてはなりません。

そこで全米王座決定戦プレビュー第5弾の今回は各チームのコーチ陣を見てみたいと思います。

ジョージア大

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カービー・スマート監督

ジョージア大のカービー・スマート(Kirby Smart)監督はジョージア大にやってきて今年で7年目。昨年1980年度シーズン以来初となる全米制覇を成し遂げてその存在を確固とした、47歳と割とまだ若手の名将です。

大学時代ジョージア大でDB選手としてプレー。1999年にはドラフト外フリーエージェント選手としてインディアナポリスコルツ入りしますが、プレシーズンにカットされそこで現役を引退。すぐさまコーチ道に足を踏み入れます。

その彼のコーチングキャリアで転機が訪れたのが2004年。彼は当時ルイジアナ州立大でHCを務めていたニック・セイバン(Nick Saban、現アラバマ大監督)のコーチ陣に加入。セイバン監督は翌年にマイアミドルフィンズへ移籍しますが、1年後の2006年にスマート監督もドルフィンズへ合流。そしてそのシーズン後にセイバン監督がアラバマ大監督に就任すると、スマート監督も彼に追随してアラバマ大入りします。

そして2008年にはすでにセイバン監督の右腕として守備コーディネーターに昇格。以来8シーズンの間セイバン監督の間近で彼の帝王学を学ぶことになります。この間アラバマ大は2009年、2011年、2012年、2015年とナショナルタイトルを獲得。その大きな要因は類稀なるディフェンス力であり、それを担っていたスマート監督の株は右肩上がりとなっていました。

そして2015年度シーズン後にマーク・リクト(Mark Richt)監督を解雇したジョージア大はその後釜としてスマート監督を招聘。彼は卒業生として晴れて母校に凱旋することとなったのでした。

2年目の2017年にはいきなりCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出。タイトルゲームにまで駒を進めるも、師匠であるセイバン監督率いるアラバマ大にオーバータイムの末に敗れます。しかしこの頃からすでにリクルーティングでトップレベルに急上昇しており、それはまさにセイバン監督のDNAを受けついていると言わんばかりのチーム育成方法でした。

以来昨年まで全米制覇1度、SEC(サウスイースタンカンファレンス)制覇2度とし、上記の通りリクルーティングでもアラバマ大と肩を並べるほどになっており、師匠であるセイバン監督が未だ健在とはいえ、70歳を超えたセイバン監督に比べてスマート監督はまだ50歳前とキャリア的にはまだまだ長く、いよいよジョージア大がアラバマ大に取って代わってダイナスティーを築くか、なんて言われたりもしています。

ジョージア大は長きに渡り強豪と言われながらも10年に1度SECタイトルを取るという、一皮剥けないチームという印象が強かったのですが、上記の通りスマート監督就任以来チームは一変。その最大の要因は先にも述べた通りリクルーティングに起因しているといえます。

2011年以来7年連続リクルーティングランキングで首位だったのは言わずと知れたアラバマ大。しかし2018年にその牙城を崩したのがジョージア大で、以来この2校はこのランキングで常に首位を争い続けています。アラバマ大が7年連続トップだった間に4度の全米優勝を飾っていることを考えれば、リクルーティングによってより能力の高い高校生を囲うことがフィールド上での結果に結びついていると考えることは決して言い過ぎではありません。

そしてそれはアラバマ大でセイバン監督のお膝元で実際に経験してきたスマート監督だからこそ分かることですし、だからこそジョージア大コーチ陣や大学側は相当なリソースを費やしてトップリクルートを入部させることに注力するわけです。

当然スマート監督自身の指導信念はあるでしょうが、セイバン監督の下で学んだ王道学が生きているといえそうです。しかも二人ともディフェンス畑を歩んできたコーチですし。ジョージア大の大黒柱が鉄壁のディフェンス陣であることも納得できます。

オフェンスに関しては今季で3年目を迎える攻撃コーディネーターのトッド・モンケン(Todd Monken)氏によって引き入られます。カレッジ並びにNFLでの経験が豊富はモンケン氏はスコアリングオフェンスで50位そこそこだったジョージア大の攻撃陣を改革し、今季はここまで8位にまで上昇するなど点の取れるオフェンスに改革。

もともとラン重視だったジョージア大にエアーレイドのテイストを好むモンケン氏が加わったことでランもパスもでる非常にバランスの良いオフェンスに仕上がっており、俗にいうブルーチップとよばれる超逸材選手というわけではなかったQBステソン・ベネット(Stetson Bennett)でもナショナルタイトルを獲れ、さらにはハイズマントロフィーファイナリストに成長させることも可能にしたのでした。

ディフェンスに関してはスマート監督が未だ大きな権限を持ってはいますが、コーディネーターには今季4年目のグレン・シューマン(Glenn Schumann)氏。彼もスマート監督とはアラバマ大以来の付き合いで、監督との意思疎通はバッチリ。また今季からかつてフロリダ大サウスカロライナ大でHCを務めていたウィル・ムスチャンプ(Will Muschamp)氏が共同DCとして参戦。ジョージア大のディフェンスにとっては鬼に金棒という感じです。


テキサスクリスチャン大

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ソニー・ダイクス監督

テキサスクリスチャン大を率いるのは今年初年度となるソニー・ダイクス(Sonny Dykes)監督です。

テキサス工科大で監督を務めていたスパイク・ダイクス(Spike Dykes)を父に持つソニー・ダイクス監督はテキサス工科大に進学するも大学ではフットボールではなく野球に専念する学生アスリートでした。卒業後高校で野球のコーチを始めるも途中でフットボールのコーチに転職。そこからフットボールのコーチングキャリアが始まります。

大きな転機は1999年。当時真新しい「エアーレイド」オフェンスというパス重視オフェンスを引っ提げて何かと話題を振り前いていた、ハル・マミー(Hal Mumme)監督率いるケンタッキー大のコーチングスタッフに入閣したことです。

このケンタッキー大のオフェンスを任されていたのが「エアーレイド」オフェンスをマミー監督と共に開発したとされるマイク・リーチ(Mike Leach)氏。そして2000年にリーチ氏がテキサス工科大の監督に就任するとダイクス監督も彼に追随して思いがけない形で母校に戻ってきます。

以来リーチ監督の下で「エアーレイド」を叩き込まれたダイクス監督は2010年に自身初となる監督職をルイジアナ工科大から頂き、ここである程度の成功を収めると今度はPac-12カンファレンスカリフォルニア大の新監督に抜擢されます(2013年)。

残念ながらここでは良い結果を残せずに2016年シーズン後に解雇されてしまいますが、翌年にはサザンメソディスト大の新監督に就任。サザンメソディスト大は1980年代にNCAAのリクルーティング違反を犯して「デスペナルティ」とも言われる史上最大級の厳しい制裁を喰らって急激に力を落としたチーム。以来近年まで彼らは中の下レベルから抜け出せずにいました。

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しかしダイクス監督がサザンメソディスト大を改革。3年目の2019年には10勝を挙げて全米ランキングにも登場するようになり、チームを戦える集団に変化させたのです。

ただもっとチームを強くしたかったダイクス監督とフットボール部への投資を渋っていたとされる大学側で意見が対立しダイクス監督はサザンメソディスト大を出る決意をし、2021年度シーズン後に解雇されたゲリー・パターソン(Gary Patterson)監督の後釜としてTCUを率いることになったのでした。

その1年目にしていきなり全米王座に王手をかけているこの状況は大変レアだといえます。というのも、過去これまで就任1年目にナショナルタイトルを獲得したという人物は3人しかいないからです。

この貴重な記録にダイクス監督の名が刻まれるのかどうかも気になるところです。

そんなリーチ氏直系の「エアーレイド」オフェンスの使い手とも言えるダイクス監督ですが、彼のオフェンスはただ単にパスを投げ込むだけのチームではありません。それは特に今季彼と共にコーチングに携わる攻撃コーディネーターのギャレット・ライリー(Garrett Riley)氏の影響も少なくないといえます。

ライリー氏は大学時代テキサス工科大でQBを務めた選手でこの時の監督が既出のリーチ氏。現役時代がら「エアーレイド」の手解きを受けてきたギャレット氏がコーチ業を営む際にこの戦術を使わないはずはありません。いわばダイクス監督もギャレット氏もリーチ氏直属の「エアーレイド」の使い手なわけです。

ただ、現代の目まぐるしく移り変わるオフェンス戦術の中で彼らはエアーレイドの中にもRPO(ランパスオプション)を織り交ぜたり、しっかりとランオフェンスを構築したりとある程度のバランスを考えたオフェンスに進化しており、それもまた今季躍進の理由なのかもしれません。それが評価されてギャレット氏はその年の最も優秀なアシスタントコーチに贈られる「ブロイルズアワード」を受賞しています。

ちなみにギャレット氏のお兄さんはサザンカリフォルニア大リンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督です。

またディフェンスはジョー・ギレスピー(Joe Gillespie)守備コーディネーターが手綱を取ります。彼はダイクス監督が所属していたサザンメソディスト大と同じカンファレンス(アメリカンアスレティックカンファレンス)のタルサ大でコーチをしていた人物ですが、元を辿ればテキサス州にある高校で長いことコーチをしていたという人物。しかしタルサ大に抜擢されて以来結果を残す働きを見せ、今季から新体制となったTCUのディフェンスを任されています。

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カレッジフットボール界で新たなダイナスティーを築きかけているスマート監督、そして初年度ながらシンデレラチームをここまで率いてきたダイクス監督。彼らがどのようにお互いを分析して作戦を立ててくるかという点にも注目したいですね。

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