第8週目の見どころ

第8週目の見どころ

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ベースボール・マガジン社 (編集)
ミシガン大@ペンシルバニア州立大

全米7位のペンシルバニア州立大(ペンステート)と16位のミシガン大が激突するこのBig Tenカンファレンス東地区のマッチアップ。この試合はペンステートのホームゲームでありしかも同校恒例の「ホワイトアウト」ゲームということもあって盛り上がることは間違いありません。

(「ホワイトアウト」ゲームとはペンステートのホームゲームでそのシーズンの大一番に発令される、ファンたちがスタジアムを真っ白に染めて敵を迎え撃つ試合のことです)

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2年前のミシガン大戦も「ホワイトアウト」が発令

この試合の見所はディフェンスのガチンコ対決。どちらとも今季の全米を代表する守備力を持つチームということでロースコアゲームとなる事が予想されますが、まさに古き良きBig Tenカンファレンスのフィールドポゼッション争いとなることでしょう。

1プレーでの相手に許したヤードの平均数でこの2チームのディフェンス陣は全米でもトップクラスです(ペンステート3.83ヤードで全米3位、ミシガン大4.20ヤードで全米7位)。

ペンステートは先日紹介したミッドシーズンAPオールアメリカンに選出されたDEイトー・グロス・マトス(Yetur Gross-Matos)、を筆頭にLBマイカ・パーソンズ(Micah Parsons)らタレントぞろいのディフェンダーを擁しランディフェンスは全米1位の成績を残しています。ジェームス・フランクリン(James Franklin)監督政権になってから最強の呼び声が高いユニットです。

参考記事APオールアメリカン中間発表

ミシガン大を率いるのはオフェンス畑出身のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督ですが、チームを支えるのはドン・ブラウン(Don Brown)ディフェンシブコーディネーター率いる守備陣です。唯一の敗戦であるウィスコンシン大戦ではRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)にやられましたが、それ以降は立ち直り3試合で相手に許したランヤードはたったの111ヤード。またパスラッシュも素晴らしくこれまで奪ったQBサックの数は14(マイナス109ヤード)。ただサック数ではペンステートも負けておらずパデュー大戦での10個をあわせて最近4試合だけで19個も量産しています(マイナス142ヤード)。

関連記事ウィスコンシン大35、ミシガン大14【第4週目レビュー】

一方これらのディフェンスに対峙していくそれぞれのチームの攻撃陣ですが、あまり頼りにならなそうです。両チームともこれまですでに対戦したアイオワ大とのマッチアップを見てもミシガン大は10得点、ペンステートも17得点と決してオフェンス力で勝った試合ではありません。今年から先発を任されているペンステートのQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)は予想以上の働きを見せてくれてはいますが、彼がミシガン大のQBシェイ・パターソン(Shea Patterson)とパスの投げ合いが出来るとは到底思えません。

ということで試合の様相はどちらのディフェンスが60分間相手を抑えられるか、もしくはスペシャルチームの働きかにかかっているかもしれません。もしくはファンブルやパスINTなどのターンオーバーが重要な鍵を握っているのかも。そうなるとミシガン大はここまで実に17個もファンブルを犯しておりそのうち9つは相手にボールを奪われてしまっています。パターソンもすでに4つのパスINTを犯しており、合計で6つのターンオーバーしか犯していないペンステートにこの点では軍配が上がりそうです。

また必然的にフィールドポジションが重要になってきますから、「ホワイトアウト」という敵チームには圧倒的不利な状況にあるホームチームのペンステートに幾分のりがあるのかなと思います。実際このマッチアップは最近だとホームチームが勝ち星を拾うパターンが常です。ペンステートはミシガン大とのホーム対決でここ最近5戦で4勝を挙げており、2016年以降の全てのホーム戦での戦績も23勝2敗と圧倒的に地の利を活かしています。

ペンステートが勝てば7勝0敗でプレーオフ進出に向けその存在感を十二分にアピールできます。一方ミシガン大が勝てば1敗して大きく後退したプレーオフレースに再び参戦していくことも可能となり、以後のBig Ten内の争いが非常に面白くなりそう。どちらにしてもこの試合の結果が今シーズンの後半戦に少なからず影響をおよぼすことは確かです。

ルイジアナ州立大@ミシシッピ州立大

先週最新のランキングで遂に2位に躍り出たルイジアナ州立大。今週彼らは同じSEC西地区所属のミシシッピ州立大とのアウェーゲームに挑みます。通常運転ならば敵地であっても彼らが白星を獲得することとでしょうが、フロリダ大との激戦の末の勝利、そして次週に控えるアーバン大との大一番に挟まれたこの試合で油断でもすることがあればひょっとしたら・・・。

クレムソン大@ルイビル大

先週フロリダ州立大を難なく倒したクレムソン大ですが、上記のルイジアナ州立大がフロリダ大を倒したような評価を与えられるような試合ではなく、開幕時に1位だったものが今週は3位にまでランキングを下げてしまいました。それもこれも彼らが所属するACC(アトランティックコーストカンファレンス)のレベルがSECと比べると低すぎるからですが、一方で彼らがディフェンディングチャンピオンとしての絶対的な強さを持ち得てないことも事実。

そういった意味ではこのルイビル大とのアウェーゲームで彼らの強さを全米十二再確認させる必要があります。ルイビル大は先週当時無敗だったウェイクフォレスト大との打ち合いを制して意気揚々ですから、そのようなチームを完膚なきまでに倒すことができれば有識者たちのクレムソン大への評価を再確認させることが出来るでしょう。

ウィスコンシン大@イリノイ大

全米6位のウィスコンシン大イリノイ大を一蹴することは目に見えていますが、注目は彼らのスターRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)がこの試合でどれだけの数字を残せるかです。

ハイズマントロフィーレースでも名を連ねるテイラーですが、ここまで彼は1試合平均160ヤードを足で稼ぐ怪物。現在ウィスコンシン大での生涯獲得ランヤード数が4996ヤードということでこのイリノイ戦で5000ヤードの大台に達することは目に見えていますが、トロフィーレースでRBである彼が生き残るためにはとにかく走り続けて6000ヤード超えを見せる必要があります。イリノイ大という格下チーム相手の今週にそのヤード数を貯めて置けるかどうか・・・。

フロリダ大@サウスカロライナ大

先週当時3位だったジョージア大を敵地で破ったサウスカロライナ大。今週は9位のフロリダ大との対戦を控えますが、2週連続で彼らが金星を奪えるかに期待がかかります。

先週ルイジアナ州立大との激戦に破れて今季初黒星を喫したフロリダ大がこのサウスカロライナ大でも有利という声が高いですが、先週敗れたジョージア大もそのような前評判を得ていた訳でこの試合でも何が起こるかはわかりません。

ジョージア大戦で負傷退場したQBライアン・ヒリンスキー(Ryan Hilinski)がこの試合に出場見込みのようでそれはサウスカロライナ大にとっては朗報です。にしても全米随一のディフェンスを擁するフロリダ大に対してヒリンスキーが通用するのか、更にはランアタックを確立させることが出来るのかが鍵になります。またディフェンス陣もフロリダ大QBカイル・トラスク(Kyle Trask)にプレッシャーをかけることが出来るかにも注目が集まりますが、この点に関して言えば先日APのミッドシーズンオールアメリカンに選出されたジャヴォン・キンロー(Javon Kinlaw、サウスカロライナ大)の活躍が見ものです。

オレゴン大@ワシントン大

全米12位のオレゴン大と25位のワシントン大とのPac-12カンファレンス対決も見逃せません。ワシントン大はすでに2敗しており実質プレーオフレースからは脱落していますが、対するオレゴン大は初戦でのアーバン大戦で落とした1敗を未だ守っておりこのまま勝ち進めばプレーオフ進出への可能性を残します。

この試合ではオレゴン大QBジャスティン・ハバート(Jusitn Herbert)とワシントン大QBジェイコブ・イーソン(Jacob Eason)という将来のNFL候補同士の投げ合いに注目したいです。イーソンはジョージア大からの転校生で満を持して現場に帰ってきましたが、元5つ星リクルートだけあってその才能は本物。しかしそれをさらに凌ぐと言われるハバートは踏力だけでなく機動力もある選手。

またオレゴン大は通常のオフェンス力に加えディフェンス力も備えたバランスの良いチーム。これまで5試合で許したTD数はたった5。この試合の鍵はワシントン大ディフェンスがハバート率いる爆発力のあるオレゴン大オフェンスを止めることが出来るかにかかっています。ワシントン大のバックフィールドは今季パスディフェンスで1試合平均216ヤードと秀逸な結果を残しますから、ハバートが前評判通りの能力を持っているのかどうかがこの試合で明らかになりそうです。

アリゾナ州立大@ユタ大

こちらのPac-12マッチアップも面白そうなゲームです。1年生ながらアリゾナ州立大オフェンスを牽引しているQBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)がこのチームの顔。先週もワシントン州立大から劇的な逆転TDを奪う荒わざを見せ、チームが17位となる原動力になっています。

13位のユタ大サザンカリフォルニア大戦で落とした敗戦を未だ守りPac-12チームとしてはオレゴン大に次ぐ高ランキングを獲得。強力なランアタックと確かな守備力で若いアリゾナ州立大を迎え撃ちます。また今季まだパスINTを犯していないQBタイラー・ハントリー(Tyler Huntley)も健在でダニエルズとの競演にも注視したいところ。アリゾナ州立台で2年目であり、年間最優秀監督の呼び声高いハーム・エドワーズ(Herm Edwards)監督の快進撃が続くかどうか・・・。

ベイラー大@オクラホマ州立大

今季未だに無敗が続いているベイラー大は今週末オクラホマ州立大でのアウェーの試練が待っています。先週ダブルOTの末辛くもテキサス工科大を退けたベイラー大は所属するBig 12カンファレンスでダークホース的存在になりつつあります。しかしその位置をキープするには当然勝ち続ける必要があり、それに立ちはだかるのが今週のオクラホマ州立大というわけです。

ベイラー大の快進撃の源はどのディフェンス力。そして今週の相手にはオールアメリカン候補RBチュバ・ハバード(Chuba Hubbard)が健在。ここまで1094ヤードに13TDを足で稼いでいるハバードをベイラー大ディフェンスが止められるかどうかが見ものです。先週のテキサス工科大戦では相手RBサロドリック・トンプソン(SaRodorick Thompson)に153ヤードも走られてしまいましたから、ハバードとランディフェンスのぶつかり合いは必見です。

テンプル大@サザンメソディスト大

今季上記のベイラー大と並び周囲を驚かせ全勝街道まっしぐらなのがAAC(アメリカナスレティックカンファレンス)所属のサザンメソディスト大。1982年以来となる開幕後6連勝で現在全米19位。そんな彼らが同じAAC所属のテンプル大を迎え撃ちます。

サザンメソディスト大は元テキサス大先発QBシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)がソニー・ダイクス(Sonny Dykes)監督の元セカンドチャンスをものにして再び開花。1試合平均500ヤード近いオフェンス力を擁してシンデレラロードを歩んできました。

一方のテンプル大は先週まで無敗だったメンフィス大を倒す金星を得てこれまで5勝1敗。2週連続で無敗チームに土をつけられるかに注目が集まります。

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