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トランスファールールが改正か【オフシーズン便り#04】

トランスファールールが改正か【オフシーズン便り#04】

近年のカレッジフットボール界では、高校からリクルーティングされて入部した大学チームから出場機会を求めるなどして新天地へと出ていく転校、いわゆるトランスファーする選手たちが後を絶ちません。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

これまでのカレッジフットボールのモデルならば、憧れのチームに入部してそこでチームメイトと苦楽を共にするというのが普通でした。しかし近年は選手それぞれが自分が選手として輝けるためにはどうすべきかという思考がチームのコンセプトを凌駕している雰囲気があります。

それは例えばポストシーズンに出場することになったボウルゲームNFLドラフトに向けての準備と称して出場を回避する(オプトアウト)選手が増えていることからもわかりますし、トランスファーして自分のプレー機会を模索する選手が多くみられることからもよくわかります。

トランスファーという制度自体はずっと昔から存在していましたが、それを利用する選手の数は全体の選手の数と比べればほんの一握りでしかありませんでした。しかし、2018年に導入されたトランスファーポータル、そして2020年度のトランスファールールの改正(トランスファー先で1年間試合に出場できないというルールの撤廃)により、より気軽に選手たちがトランスファーすることが可能になったことでその数が急増しているのです。

選手たちのチョイスが広がったことは多少の論議が湧いたとはいえ、選手たちにしてみれば朗報だったことは確かです。ただ、ここ最近では1度ばかりの転校では満足できず転校先からさらに転校するような選手も増えてきました。

そこでそういったカオスを防止すべく、NCAA(全米大学体育協会)は新たなトランスファールールの改正を画策しているようです。その内容は、2度目以降のトランスファー選手には即試合出場の便宜を図らず、以前のように1年間はベンチを温めなければいけないという提案です。

ただこれには例外ももうけらられているようです。それは・・・

  • 怪我やメンタルヘルスの影響で転校を余儀なくされた場合
  • 性的虐待や身体的虐待を受けた場合

つまり、学業の問題や出場機会を求めてという理由では大学の学士課程だと2度目の転校先ではすぐにプレーできなくなる、というわけです。

2022年の12月15日から解禁になったトランスファーポータルでは実に2000人以上の選手がポータル入りしたとされており、トランスファーを視野に入れる選手はこれからもどんどん増えていくことでしょう。

そんな中、特に出場機会が限られるQBだけでみると最低120人のQBがポータル入りしたそうです。その中にはこの新トランスファールールに抵触する可能性を持っている選手もいます。その最たる人物がJ.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)でしょう。

ダニエルズは元々サザンカリフォルニア大に入学しましたが、怪我で戦線を離脱している間に先発の座を失い、2020年にジョージア大に転校。その怪我の回復が思わしくなく試合出場は出遅れましたが、2021年度には再び開幕戦で負傷し戦線離脱。その間チームはQBステソン・ベネット(Stetson Bennett)を先発QBに据えて全米優勝を飾りました。

そして2022年にダニエルズはウエストバージニア大へ転校。ここで彼は2107ヤードに13TD、9INTと特にすごいスタッツを残すこともなく、シーズン後半には先発の座を奪われてベンチを温めながらシーズンを終了。そしてここでも先発の座を確固たるものにできなかったダニエルズは4つ目の新天地としてライス大への転校を表明しました。

彼のように所属先をポンポンと変えてしまう選手はそう多くは現れないでしょうが、カレッジアスリートの本文が学業であるという言葉が形骸化していると言われても否定ができない中、ここまであからさまにそれを度外視して転校を続けるダニエルズのような選手が今後増えてしまうと、それはそれでNCAAとしても面白くはないわけです。

選手個人個人にはそれぞれの置かれた状況や事情があるでしょうから、1度の転校に関してペナルティーを設けるのはいかがなものかとは思いますが、試合に出られないからといってどんどん所属先を変えるというのには違和感を感じざるをえません。

ダニエルズに関していえば、膝に負った怪我のせいで自分が思い描いていた未来像が吹き飛んでしまったことに対する現実逃避という面も見え隠れしますが、自分の器に見合った大学選びをするというのも重要なのではないかと思わされてしまうような事象だといえます。

ただ、オポチュニティー(機会)っていうのはあって然るべきだとは思いますが、うまくいかなかったからといって自分を改善せずに、自分に合った環境を求め続けるというのはいかがなものか・・・と思ってしまうのは自分が古い考えの人間だからでしょうか?

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