第4週目レビュー

ジョージア大23、ノートルダム大17

全米3位のジョージア大と7位のノートルダム大が激突したこの至高のマッチアップ。2年前にはジョージア大がノートルダム大へ乗り込んで1点差で勝利をもぎ取りましたが、今年はノートルダム大がジョージア大へ遠征。シーズン序盤ながらカレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場にも大いに影響を及ぼす大事な試合となりました。

下馬評では名前ばかりで過大評価されているなどと揶揄されていたノートルダム大がジョージア大にメッタ斬りにされると言われていましたが、先制点を叩き出したのはノートルダム大。QBイアン・ブック(Ian Book)のプレーが冴え、またジョージア大が自陣8ヤードラインでパントされたボールをファンブル。このチャンスをノートルダム大が見逃さず、ほぼノーミスで先制点を上げることに成功。

しかしジョージア大もベテランQBジェイク・フローム(Jake Fromm)の堅実なリダーシップとデアンドレ・スウィフト(D’Andre Swift)のグラウンドアタックが功を奏しすぐに7対7と同点に追いつきます。前半を終えた時点で10対7でノートルダム大が僅かにリードして後半へ突入。

後半に入るとノートルダム大のディフェンスに疲れが徐々に見え始め、それをすかさず突いてきたジョージア大が2つのFGでついに逆転。第4Qには実質的なトドメとも言えるフロームからWRローレンス・カイガー(Lawrence Cager)への15ヤードパスTDが決まり点差を10点に突き放します。ノートルダム大はアウェーの洗礼も受け、観客の放つ騒音のためかフォルススタートを7回も犯し自分の首を絞めました。

が、試合時間残り3分というところでブックからWRチェイス・クレイプール(Chase Claypool)へのTDパスが決まってスコアが23対17となり、ノートルダム大が逆転できる圏内に詰め寄ります。プーチキックでジョージア大のKOリターンを最小限に食い止めたノートルダム大はジョージア大オフェンスに1stダウンを与えることなく残り時間1分50秒で最後の攻撃のチャンスを得ます。そして相手陣内38ヤードラインまで詰め寄ることに成功しますが、最後はDLのプレッシャーを受けたブックが無理やりパスを投げさせられ、それが無情にも相手ディフェンダーに弾かれて万事休す。ジョージア大がホームで貴重な勝利を得たのでした。

ジョージア大としてはこのトップ10チームから得た白星はCFP進出の際に非常に大きなプラス要素となります。しかも今後は11月に入るまで対戦相手に困ることはなく、SEC東地区を制する頃には12勝0敗という成績を引っさげている可能性は十分有ります。

一方のノートルダム大ですが、予想を上回る善戦を繰り広げ、ジョージア大に最後まで食い下がることに成功。その要因はやはりQBブックで、2つのINTパスを犯してしまったものの、クラッチプレーのパスの精度は中々のものでした。敗因はランアタックが皆無だった(チームトータルで46ヤード)事だったのかもしれません。どのカンファレンスにも属さない彼らにとってCFP進出のためには全勝することが最低限の条件だと言われていましたが、この試合を見る限りチーム力はトップ10チームにふさわしいものを持っていると感じさせてくれました。が、やはりCFPへの道はこの敗戦のせいでかなり厳しくなった感じがします。今後の対戦相手を見ると目立ったところではバージニア大サザンカリフォルニア大ミシガン大スタンフォード大というチームとの試合が組まれていますが、現在の状況だとどのチームも勝ったからと言ってノートルダム大の株があがるようなチームでは無いというのが正直なところ。今後ノートルダム大が1敗を守ったとしても、上位チームが相次いで転げ落ちてくるのを待つしかなさそうです。

UCLA67、ワシントン州立大63

全米19位のワシントン州立大はまだ勝ち星のなかったUCLAをホームに迎え、恐らく楽に4勝目を上げることが出来ると誰もが思っていたことでしょう。しかし時差の関係もあり多くの人が寝静まってしまった西海岸ではとんでもない試合が繰り広げられていたのです。

前半35対17とダブルスコアでリードを奪ったワシントン州立大。第3QまでにQBアンソニー・ゴードン(Anthony Gordon)は何と7つものTDパスを積み重ね、このクォーター残り7分を切ったところでスコアは49対17と32点差がつき、誰しもがワシントン州立大の大勝は確実だと思っていたはずです。

しかし。

UCLAはそこから何と4連続TDを決め、8分の間にスコアは49対46の3点差にまで点差が縮まってしまいます。不穏な雰囲気が流れるワシントン州立大のホームスタジアム。しかしこの日ゴードンの8つ目のTDパスが決まり、残り時間10分というところで再びワシントン州立大が点差を広げます。

それでもひるまないUCLAはQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian Thompson-Robinson)のTDラン、更にはカイル・フィリップス(Kyle Philips)の69ヤードのパントリターンTDで応戦し、試合時間残り7分30秒でなんと60対56と32点差あった試合をひっくり返したのです。

でもここでまだドラマは終わりません。返しのワシントン州立大の攻撃でゴードンが何と9つ目のTDパスを決め残り6分で再び63対60とリードを奪います。

UCLAは最後と思われた攻撃のチャンスで相手陣内17ヤードまで進撃しますが、4th&5ヤードという後がない状況でトンプソン・ロビンソンのパスがインコンプリート。残り時間は2分半ということで絶体絶命のピンチを迎えます。ワシントン州立大はボールを保持し時間をかせぐだけでよかったのですが、ここでマイク・リーチ(Mike Leach)監督はパスプレーを選択。ゴードンのパスはWRイーソップ・ウィンストン(Easop Winston Jr.)につながるもウィンストンがこのボールをファンブル。それをUCLAがリカバーしてここでまたとないチャンスを得ることになります。

そして4プレー後、トンプソン・ロビンソンの15ヤードTDパスが決まり、試合時間残り1分7秒というところでUCLAが起死回生の逆転TD!67対63とこの土壇場でリードを奪いました。

後のないワシントン州立大は最後の望みをかけますが、ゴードンが痛恨のQBサックを受けファンブルしたボールをUCLAディフェンダーにリカバーされ万事休す。UCLAが32点差あった試合をものにしたのです。

ワシントン州立大のQBゴードンは合計9つのTDを記録。これは昨年のQBガードナー・ミンシュー(Gardner Minshew、現ジャクソンビルジャガーズ)が樹立したスクールレコードの7TDを上回る数字ですが、これでも勝てなかったという物凄さ。ちなみにNCAA記録は元ヒューストン大QBデヴィッド・クリングラー(David Klingler)氏が1990年に打ち立てた11TDです。

また、32点差をひっくり返すという偉業はこれまで3度しか実現されていません。NCAA記録は35点差をひっくり返したミシガン州立大(vsノースウエスタン大、2006年)ですが、その次の記録は何とまたUCLA。これは2017年度の開幕戦でのテキサスA&M大戦で記録した34点差からのカムバック。この時のQBはジョシュ・ローゼン(Josh Rosen、現マイアミドルフィンズ)で彼は491ヤードを投げきってこの奇跡を起こしました。

参考記事開幕!【第1週目レビュー】(2017年)

UCLAは貴重な今シーズン初勝利をランカーであるワシントン州立大から獲得。さらに重要なのはこれがPac-12カンファレンスのオープニングゲームだったため、リーグ戦で1勝を挙げたという事実。この勝利が彼らにとって起爆剤となってくれると良いのですが。

ウィスコンシン大35、ミシガン大14

Big Tenカンファレンスの強豪チームの激突となったウィスコンシン大ミシガン大の対決でしたが、明らかに力が上だったウィスコンシン大がミシガン大をホームで一蹴。貴重なカンファレンス1勝目を挙げました。

開幕から続いていた無失点記録は途絶えたものの、ウィスコンシン大ディフェンスはミシガン大オフェンスに仕事をさせず、またRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)が2TDを含む203ヤードの激走を見せ(しかも143ヤードは第1Qに獲得)、ハイズマントロフィー候補に見合うだけの活躍。攻守ともにミシガン大よりも一枚上なところを見せてくれました。

攻撃で何も出来ないミシガン大は先発QBシェイ・パターソン(Shea Patterson)を一時ベンチに下げ、元スタンフォード大RBで現カロライナパンサーズのクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey)の弟であるディラン・マカフリー(Dylan McCaffrey)を投入。しかしマカフリーは頭部に激しいヒットを受けて負傷退場。パターソンが再びフィールドに戻りましたが、その頃にはすでに試合は決まりかけており、ミシガン大のパワー不足が激しく露呈されてしまいました。

ミシガン大は今オフにアラバマ大からジョシュ・ガティス(Josh Gattis)氏を新オフェンシブコーディネーターに迎え、レベルアップした攻撃力を披露するはずでしたが、ここまでの3試合を見ているとその期待に応えられるものを持っているとはお世辞にも言えません。ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督はチームのOBでありそのカリスマ性からこれまで彼の指導力に疑問を投げかける声はファンの間からはあまり漏れてきませんでしたが、このままだとハーボー監督不要論が湧き出たとしても全く不思議ではありません。

一方ウィスコンシン大は十八番のグラウンドゲームが今年も健在で、また新QBジャック・コーン(Jack Coan)もチームメイトから信頼を受けるリーダーに成長しつつあります。ディフェンスも堅実であり、Big Ten西地区は彼らが頭一つ抜きん出ている感じが強いですね。

アーバン大28、テキサスA&M大20

全米8位のアーバン大が17位のテキサスA&M大に乗り込んだこの試合、SEC西地区同士の激突として注目が集まりましたが、試合の方はアーバン大の最初の57ヤードのドライブ、そして第4Qの69ヤードのドライブから繰り広げられたTDの2つのドライブに凝縮されたようにアーバン大のグラウンドアタックでテキサスA&M大にほぼいいところを見せさせることなく最終スコアの28対20に似つかない力の差を見せてアーバン大が勝利。

アーバン大のランヤードが195ヤードだったのに対しテキサスA&M大のそれは56ヤードと圧倒的な差が出ました。また1年生QBボ・ニックス(Bo Nix)はロングパスを3つほど見するなど新人らしいプレーも見せましたが、重要なのは大きなミスを犯さなかったこと。これだけランアタックが効けば、彼が大活躍する必要はなかったからです。

ルイジアナ州立大66、ヴァンダービルト大38

オハイオ州立大からの転校生であるQBジョー・バロウ(Joe Burrow)がこの試合でルイジアナ州立大新記録となる6つのパスTDを記録。396ヤードのパスヤードと合わせてルイジアナ州立大の真新しいオフェンスがヴァンダービルト大ディフェンスを粉砕。難なくカンファレンス戦初勝利を挙げました。

ニューオーリンズセインツからやってきたパスオフェンスコーディネーターであるジョー・ブレディ(Joe Brady)氏が操るトレンディーなオフェンスはこれまでのルイジアナ州立大からは到底想像できないものですが、これまで彼らは新時代に乗り切れなかったために上位へ食い込むチャンスを逃してきました。しかしブレディ氏の戦術とバロウというそれを体現するQBが合わさったことで彼らのオフェンスが化学反応を起こし、これまで4試合ですでにバロウは17つのTDを記録。このままのペースだとスクールレコードである1シーズンの最多TD数28を簡単に塗り替えることになりそうです。

ただちょっと気がかりなのはディフェンスがヴァンダービルト大相手に38失点もしてしまったこと。今後彼らがナショナルタイトルを狙っていくならば、この点は早急に改善したいところです。

オハイオ州立大76、マイアミ大(OH)5

ジョージア大からの転校生であるジャスティン・フィールズ(Justin Fields)はこれまでオハイオ州立大で鮮烈なデビューシーズンを送ってきていますが、4戦目となった格下マイアミ大(OH)戦でもその手を緩めずに大暴れ。パスで4TD、ランで2TDを計上。しかもこの6つのTDは何と第2Qだけで稼いだもの。これはFBSの歴史でも過去20年間で初の偉業なのだそうです。

上に紹介したルイジアナ州立大のバロウがこれまで17TDならば、このフィールズはさらに上回る19TD。オハイオ州立大がまだその真の力を試す相手と対戦していないとは言え、ライアン・デイ(Ryan Day)新監督の船では順風満帆です。

テキサス大36、オクラホマ州立大30

全米12位のテキサス大はランク外ながらいつもタフな試合を強いてくるオクラホマ州立大と対決。すでに1敗を喫していてもう2度と負けられないテキサス大が36対30と辛くも逃げ切り虎の子の1敗を守りました。またホームチームであるテキサス大が自らの本拠地でオクラホマ州立大を倒せたのは実に2008年以来のことだそうです。

テキサス大オフェンスの花形であるQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)はこの日281ヤードに4TD(1INT)を記録して押し寄せるオクラホマ州立大ディフェンスを料理。また足でも70ヤードを稼ぐなど縦横無尽にフィールドを駆け回りました。

ピッツバーグ大35、セントラルフロリダ大34

レギュラーシーズンゲーム27連勝という記録を引っさげてピッツバーグ大へ乗り込んだ全米15位のセントラルフロリダ大。「グループオブ5」の急先鋒としてその上位格である「パワー5」のピッツバーグ大を是非とも倒して「グループオブ5」チームとして悲願のプレーオフ進出へはずみをつけたかったのですが・・・。

試合開始後21対0と地元ピッツバーグ大が飛ばして大差をつけセントラルフロリダ大連勝記録ストップに黄色信号をともしましたが、セントラルフロリダ大が大逆襲。第3Q残り8分半というところで87ヤードのパントリターンTDが決まり逆転に成功。さらに6分19秒でQBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)の28ヤードパスTDで点差を31対21と突き放し、いよいよセントラルフロリダ大が逃げ切りモードに入ると思われました。

しかしピッツバーグ大も第3Q残り4分11秒でTDを決め点差を3点差とします。第4Qはしばらく膠着状態が続きましたが、残り時間4分半でセントラルフロリダ大がFGで追加点を入れ34対28という6点差で最終局面を迎えます。

自陣21ヤードラインから最後の攻撃となったピッツバーグ大。QBケニー・ピケット(Kenny Picket)が次々とパスを決め相手陣内に攻め込むといよいよ残り時間僅かなところでレッドゾーンへ侵入。そして残り時間1分でセントラルフロリダ大陣内3ヤードラインで迎えた4th&2ヤード、ここでパット・ナドゥージ(Pat Narduzzi)監督は2年前のNFLのスーパーボウルでフィラデルフィアイーグルスニューイングランドペイトリオッツを破った際に使ったいわゆる「フィリースペシャル」を敢行しこれがドンピシャ。「ピッツスペシャル」とも言えるこのトリックプレーでピッツバーグ大が土壇場で逆転。これが決勝点となりピッツバーグ大が「パワー5」の威厳を保ち、セントラルフロリダ大のレギュラーシーズン連勝記録を27で止めました。

カリフォルニア大28、ミシシッピ大20

今季快進撃を続け無傷で23位にランクインしてきたカリフォルニア大。第4週目はSECミシシッピ大へ大遠征。腕試しとしてはそれなりの相手でしたが、QBチェイス・ガーバーズ(Chase Garbers)が4TDを含む344ヤードを投げきって開幕4連勝。しかしこの試合は非常に興味深いエンディングを迎えたのです。

タイムアウトを使い切りリードされる状況でミシシッピ大は最後の攻撃とばかりにカリフォルニア大陣内へ強襲。残り時間も少ない中ミシシッピ大は何故かランプレーを連続で使用して不用意に残り時間を消費してしまいます。そんな中迎えたカリフォルニア大陣内3ヤードラインでの3rd&ゴール、残り時間は19秒と後のないミシシッピ大はTDして2ポイントコンバージョンを決めれば試合をオーバータイムに持ち込むことも可能でした。が、パスが決まったものの審判団の判断はボールがゴールラインを割らなかったということで4thダウンに。あたふたしている間にミシシッピ大はQBスニークを試みますが、カリフォルニア大ディフェンスがこれを阻止。九死に一生を得たカリフォルニア大がアウェーで貴重な白星をあげたのです。

しかしゴールラインを割ったか割らなかったかは非常に微妙な判定で、通常ならビデオ判定が行われても良かった状況でした。しかしプレーがインバウンドだったため時間が止まらず、焦った選手たちが試合終了前にもう1度プレーしようと急いだため審判団はその判断をする間もなかったのです。これは後にミシシッピ大関係者の怒りを買いましたが時すでに遅し。

これでカリフォルニア大は4勝無敗。Pac-12カンファレンスでは共食いが横行する中突如としてこのカリフォルニア大がカンファレンスタイトルレースに名乗りを挙げるという誰も想像しなかった展開になってきています。今年3年目の若き指導者ジャスティン・ウィルコックス(Justin Wilcox)監督の育成が実を結んでいるということでしょう。

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