エクストラポイント【第7週目】

エクストラポイント【第7週目】

ペンステートのプリゲームシャツ

先週アイオワ大を倒して最新ランキングでは7位まで上ってきたペンシルバニア州立大(ペンステート)。絶好調な彼らですが、先週実はアイオワ大戦に向けて準備中のチームにある雑音が降り掛かっていました。

それはあるファンがチームのセーフティーであるジョナサン・サザーランド(Jonathan Surtherland)に差別とも取れる手紙を送っていたことです。

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ペンステートSジョナサン・サザーランド

これによるとペンステートの卒業生である送り主はサザーランドのドレッドロックのヘアースタイルがみっともない、ペンステートを代表する選手としてふさわしくない、といった内容のものでした。おそらくこのファンはかつての監督でレジェンドでもあるジョー・パターノ(Joe Paterno、故人)元監督時代からのファンで、パターノ氏が昔気質でシンプルでクリーンな見た目を押していたことの影響があったのだと思います。「ペンステート=ジョーパ」という文化はペンステートファンの中にはまだまだ根強く残っているのです。

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在りし日のジョー・パターノ氏

2011年に解雇され程なくして亡くなってしまったパターノ氏が失脚した最大の原因はご存知かもしれませんが彼のアシスタントであったジェリー・サンダスキー(Jerry Sandaski)氏が起こした男児に対する性的虐待事件のスキャンダルです。これでペンステートのブランドは地に落ちましたが、そこにやってきたジェームス・フランクリン(James Franklin)現監督が地道なリクルーティングを経てチームを再び全米の表舞台に連れ戻してきたのです。

関連タグサンダスキー事件

パターノ時代とフランクリン時代では情勢が大きく変わっていますし、リクルーティング戦争で勝つためにフランクリン監督はパターノ色の強かった旧時代のペンステートとは違う層のアスリートにターゲットを絞っていました。その結果能力の高いリクルートを得ることに成功しましたが、そのためにパターノ氏時代には見られなかった「いまどき」の選手が増えることになったのです。

パターノ氏時代からのペンステートファンにとってはそういった新時代の若者のファッションや見栄えを理解できない人もいることでしょうし、この差出人もそういった部類の人だったに違いありません。でなければこのような「時代遅れ」のメッセージをわざわざ選手に送りつけるとは思えません。

チームメートがこの手紙をインスタグラムで紹介するとこのニュースはすぐさま拡散。もちろんチームメートはサザーランドを擁護し、フランクリン監督も名指しで差出人を批判することはないにしろ、「多様性を受け入れるのがペンステートがペンステートたる所以だ」とサザーランドを庇いました。

そして迎えたアイオワ大戦。試合前のウォームアップ時、一部の選手たちはサザーランドを支持するメッセージがプリントされたTシャツを着用したのです。

「Chains, Tattoos, Dreads, & We Are.」

チェーンとは派手なネックレスのこと、タトゥー、そして髪型のドレッド。最後の「We Are」はペンステートのファンの間で使われる合言葉「We Are Penn State」から抜き取ったもの。チェーンやタトゥー、ドレッドヘアーはかつてゲットー(貧困者層)のトレードマークとも言えるものでしたが、現在はファッションとして受け入れられているもの。つまりどんな格好をしていても自分たちはペンステートなんだ、というメッセージが込められていると想像できます。

このシャツはチームの許可なしに着用されたということで程なくして脱ぐように支持され、試合後このシャツのことを質問されたフランクリン監督もシャツの着用に関してはあまり還元している感じではありませんでした。

どちらにしてもこのことはペンステートの時代の移り変わりを感じさせてくれた事件となったのでした。


ファッションショー!

最近ではレトロユニフォームやアルタナティブユニフォームが巷では流行っていますが、先週も4つのメジャーチームがそのようなギアを纏って勝負に挑みました。

オレゴン州立大はかつてのビーバーロゴを施したヘルメット。

ベイラー大も旧ロゴに旧デザインのギアが復活。

ミズーリ大はホームカミング用にスペシャル仕様を着用。

ウエストバージニア大は州内でかつて産業の中心となっていた炭鉱業にリスペクトを表する形でグレーのアルタナティブユニフォーム。

こういった第3のユニフォームや限定ユニフォームは様々なチームで取り扱われていますが、こういったことが出来るのも潤沢な資金があるからに他ありません。

傑作!

先週テキサスA&M大は全米1位のアラバマ大をホームに迎え、残念ながら47対28と撃沈しましたが、あるファンが作った彼らのホームスタジアムであるカイルフィールドのケーキが物凄いディテールであることが話題になっています。

これで食べれるというから凄い!というか食べるのもったいないですよね。

テネシー大、歴史的敗戦を阻止

先週末まで1勝4敗と全くいいところがないテネシー大。2年目とは言え早くも不要論が噴出しているジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)監督にとっては大変胃の痛い日々が続いていることでしょう。しかし先週はミシシッピ州立大に20対10と勝利し、3試合ぶりの白星及び今季初のカンファレンス勝利を挙げることが出来ました。

これでテネシー大は2勝4敗となりましたが、もしこのミシシッピ州立大戦に敗れていたら1勝5敗となっていたわけで、そうだったとするとこれは長いテネシー大フットボール部史上初の汚点となっていたのです。また先週の試合でテネシー大は2つのTDを奪いましたが、この試合まで彼らはFBS(フットボールボウルサブディビジョン)所属チームから一つもTDを奪えなかったという事実もありました。ミシシッピ州立大以外で唯一の白星を獲得したテネシー大チャタヌーガ校戦では45対0と彼らはFBSではなくその下部リーグのFCS(フットボールボウルサブディビジョン)チームだったのです。

テネシー大としてはホッと一息でしょうが、今週末はライバル・アラバマ大との試合が待っています・・・。

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