人間の記憶に残ったり印象が強くなる要因というのは様々なものがありますが、五感に訴えかける事象というのはとりわけその傾向があるように思えます。個人的にはその中でも聴覚に訴えかけるミュージックがトリガーになって昔のことを思い出したり、特定のものを連想させることが結構あったりします。
そしてカレッジフットボールにおいても非常にアイコニックなミュージックというのも多々あり、それを聞くたびに特定の大学のことを思い出したり、その曲を聴いていた当時のことを回想したりするものです。その度にミュージックの影響力の大きさを感じずにはいられません。
先日当サイトのTwitterのスペースで、そんなカレッジフットボールを彩るミュージックを集めて皆さんにお届けするという企画を開催しました。準備万端でやったつもりだったのですが、後々フィードバックをいただくと音質が思ったほど良くなかったということでかなりショックだったのですが(苦笑)。
そこで今回はそのスペースで配信したミュージックの数々を記事上で再度ご紹介したいと思います。今回はそれぞれのミュージックがカレッジフットボールのどのようなシーンで流されているのかも一緒にYouTubeの動画でご紹介します。
テレビのテーマソング
アメリカ現地のカレッジフットボールファンもその多くは試合をTVで観戦することになるでしょう。そうなれば土曜日はTVの前に釘付けになり(家族の許しがある限り笑)、チャンネルを取っ替え引っ替えしながら多くの試合を追うことになるに違いありません。
カレッジフットボールのテレビ放映はその枠がある程度決まっています。そして各チャンネルでもあらかじめどのカンファレンスの試合を放映するかというのが契約によって決まっていたりもします。
乱立するカレッジフットボールの試合で他局との差をつけるために、それぞれのチャンネルは看板実況アナウンサーや解説者を擁していますし、それによって同じフットボールの試合でもテイストが少々変わってきます。そして極め付けはテーマソングです。
番組開始時のイントロのテーマソングもまたチャンネルごとに特徴的。そしてそのイントロのテーマソングを聞くたびに「いよいよ試合が始まる!」と視聴者のテンションは上がっていくわけです。
そこで今回はそんなカレッジフットボールのテレビ観戦シーンで印象的なテーマソングを5つご紹介します。
目次
ESPN College Football Theme (1990s – 2000s)
1990年代から2000年代にかけて、アメリカのスポーツ専門局であるESPNで放映されていたカレッジフットボールの試合に際して流されていたテーマソング。
ESPNは全米の試合をまんべんなく放送していたこともあり、このテーマソングは10年以上前までの曲であるにもかかわらず、耳に残っているファンの方も多いのではないでしょうか。
ABC College Football Theme (1990s – 2000s)
アメリカ三大ネットワークの1つであるABCにはそのスポーツ部門であるABC Sportsがあり、そこではカレッジフットボールのメイン枠とも言える3時半と8時の試合をその週の目玉ゲームとして放映してきました。
ただ2006年にABC SportsはESPNと合併。ブランディング的にはESPN on ABCとなり、ABCのテレビ局で放映する形は変わらなくても、インフラはESPNと同じ状況になりました。
ABC Sportsではかつてキース・ジャクソン(Keith Jackson)、ブレント・マスバーガー(Brent Musburger)、リン・スワン(Lynn Swann)などといった名実況アナウンサーや解説者が活躍していましたし、遡ればカレッジフットボールを唯一テレビ放映していたのがABCだったという歴史もあり、ABCのメイン枠を飾れるということは非常に意味のあることでした。
FOX Sports College Football Theme
FOX Sports Networkは1990年代からカレッジフットボールのテレビ放映に参戦してきたネットワークですが、2007年から2010年までは現在のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)の前進であるBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)の独占放映権を取り付けるまでに至っていました。
現在FOXが放映するカレッジフットボールのメインゲームには実況にガス・ジョンソン(Gus Johnson)、解説にジョエル・クラット(Joel Klatt、元コロラド大)のゴールデンコンビが当てがわれています。
ESPN College Football (CFP)
上記でも少し触れましたが、16年続いたBCSは2014年度シーズンから4チーム制のプレーオフであるCFPに取って代わられます。そのCFPの放映権を持っているのがESPN/ABC。彼らのフットボール番組でCFP関連のコンテンツの場合はこのテーマソングが使われています。
CFPの準決勝のうちの1つ、さらにナショナルタイトルゲームを実況してきているのはクリス・フォウラー(Chris Fowler)、解説はカーク・ハーブストリート(Kirk Herbstreit、元オハイオ州立大)のデュオです。
SEC on CBS Theme
ABCと並び全米三大ネットワークの一つであるCBSは1996年からSEC(サウスイースタンカンファレンス)とのTV放映契約を結び、彼らの3時半のメインイベントはその週に行われるSEC戦で最も注目が集まる試合がマッチアップされてきました。
個人的にはこのテーマソングが一番印象深いです。CBSにはティム・ブランド(Tim Brando)、ヴァーン・ランドクイスト(Verne Lundquist)といった名アンカーが所属。現在はブラッド・ネスラー(Brad Nessler)とゲリー・ダニエルソン(Gary Danielson、元パデュー大)、リック・ニューハイゼル(Rick Neuheisel、元UCLA、ワシントン大、コロラド大HC)といった面々が固めています。
ちなみに1996年からパートナーシップを結んでいたSECとCBSですが、その関係も2023年まで。来年からこのSECの枠はESPNが放映権を獲得しているため、ひょっとしたらこのアイコニックなCBSのテーマソングは今年で聴き納めとなってしまうかもしれません。