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They May Be Back…!!!【2023年度第2週目レビュー】

They May Be Back…!!!【2023年度第2週目レビュー】

今季カレッジフットボール第2週目にはアラバマ大テキサス大の目玉カードが用意されていましたが、それ以外でも各地で熱戦が繰り広げられました。今回はその中でも特に気になった試合を簡単に振り返っていきます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#11 テキサス大34、#3 アラバマ大24

今季第2週目の最大のカードであり、開幕前から多くのファンが待ち望んでいたであろう試合がこのアラバマ大とテキサス大の大御所同士の対決でした。

昨年はテキサス大のホームで開催されましたが、この時は押せ押せムードなテキサス大が不幸にも怪我でエースQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)を失ったせいで失速。そして最後は昨年のアラバマ大のQBブライス・ヤング(Bryce Young、現カロライナパンサーズ)の個人技で逆転ドライブを許し、20対19で惜敗していました。

テキサス大ファンとしては「ユワーズが怪我しなければ・・・」と何度も思ったことでしょうが、今回テキサス大を率いるのもこのユワーズ。またリクルーティングを通じて有能な選手が昨年よりも増え、また逆にアラバマ大は前出のヤングが抜けたりしており、ランキング的にはアラバマ大が上でもプレーメーカーの数ではテキサス大が上回るのではないかと噂されていたのですが・・・。

試合の方はそのユワーズならびにオフェンスを組み立てるスティーヴ・サーキジアン(Steve Serkisian)がディフェンスとのミスマッチをうまく誘うプレーコーリング並びに判断力でアラバマ大の2列目以降にアグレッシブに攻めていきます。

アラバマ大のオフェンスは初戦に続き先発にジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)を添える布陣。脚力はピカイチながらパスの精度はどうか・・・と言われてきたQBですが、最初のドライブでいきなりパスをインターセプトされてしまい、ファンとしては先行き不安な滑り出しに。

ただアラバマ大ディフェンスが踏ん張りテキサス大をFGのみに止めますが、アラバマ大のオフェンスがランファーストなコンサバティブなプレーチョイスなのに対し、前述の通りテキサス大はユワーズの肩に賭けるオフェンスでアラバマ大陣内を急襲。そして第2Q早々にユワーズからWRゼヴィアー・ウォーシー(Xavier Worthy)への44ヤードのロングパスTDが決まってテキサス大が10対3とリードします。

その後もアラバマ大は攻めあぐみ、ミルローの得意の走りでヤードを稼ぎこそすれ、3rdアンドロングの状況を多々作ってしまいます。特にパワフルなテキサス大のフロントフォーをアラバマ大のOL陣が止められないシーンが多く見られ、巨漢揃いながらフットワークに疑問が残るラインプレーでミルローは何度もヒットを受けます。

ミルロー自体は比較的冷静にポケット内にとどまっていたように見えますが、昨年まで活躍したブライス・ヤングと比べてしまうと役者不足は否めなく、また2021年までのアラバマ大ならチームに2、3人は存在したプレーメーカーのWRも不在で、まったく点が取れなそうな時間が流れていったのでした。

オフェンスの形はテキサス大が大きくアラバマ大のそれを突き放しているように見えましたが、アラバマ大はディフェンス力に助けられて前半を13対6と何とかワンポゼッションリードで折り返します。

後半に入ってもエンドゾーンが遠いままだったアラバマ大はFGでしか応戦することができませんでしたが、ディフェンスの踏ん張りとテキサス大がFGを外すということにも恵まれてスコアは13対9というロースコアのまま。

が、第3Q終了間際についにミルローからジャーメイン・バートン(Jermaine Burton)への49ヤードのロングTDが決まってアラバマ大はこの日初めてリードを奪います。

このプレーまで不安感が充満していたアラバマ大のスタジアムはこれで大歓声に包まれていよいよアラバマ大のホームでの強さが発揮されるかと思われました。が、せっかく奪ったリードでしたが、返しのテキサス大の攻撃では実にたったの3プレーで75ヤードのドライブを完遂。あっという間にテキサス大がリードを奪い返します。

第4Qに入り後のないアラバマ大はランファーストだったオフェンスからパスプレーへと移行。しかしテキサス大TDドライブの直後のアラバマ大の攻撃ではミルローのパスが一発でテキサス大にインターセプトされてしまう大失態。アラバマ大は再びピンチに立たされます。

ミルローは何とかポケットを安易に抜け出さないように冷静を保とうとしていましたが、このインターセプションは手痛く、結局このターンオーバーを起点にテキサス大は追加点を決めて27対16と点差が2ポゼ差に開いてしまいます。

ただそのミルローはこの失敗に臆することなく喰らいつき、残り時間11分というところでTDパスを決め、さらに2ポイントコンバージョンも成功させて27対24と点差を縮めて試合はまだまだわからないという雰囲気を醸し出しました。

が、そのテキサスはユワーズからWRアドナイ・ミッチェル(Adonai Mitchell、ジョージア大からの転校生)へのこの日2つ目のTDパスが通り点差が再び2ポゼ差に。何とかスコアを挙げたかったアラバマ大ですが、結果的に最後となった攻撃では敢えなく3&アウト。あとはテキサス大が時間をギリギリまで使い切る作戦で残り時間を削り、3つのタイムアウトで何とか最後の攻撃のチャンスを残しておきたかったアラバマ大の希望を3rdダウンコンバージョン成功で断ち切り、満員のアラバマ大のブライアントデニースタジアムは試合が終わっていないのにも関わらず家路につくファンが見られるという珍しいシーンもTVに映っていました。

結局このままテキサス大が勝利し、彼らが昨年の雪辱を晴らしました。またアラバマ大はこの試合に負けたことでホーム連勝記録が21勝でストップ。全米3位ながらそれに全く相応しくない内容でアラバマ大がスコア以上に完敗した試合になったのでした。

この日はとにかくテキサス大のユワーズが冴えていました。349ヤードのパスに3TD(0INT)とかなり完璧に近いパフォーマンスを見せ、アラバマ大のバックフィールドを攻略。攻守のラインの強さ、ミッチェルやジャタヴィオン・サンダース(Ja’Tavion Sanders)、そしてウォーシーといった超大学級のWRを揃えたテキサス大は、いよいよ本当に古豪復活したと言ってもいいくらいの出来を見せました。

一方のアラバマ大はここ最近では最もパンチ力のないチーム力だったと言わざるを得なく、特に新オフェンシブコーディネーターのトミー・リース(Tommy Rees)がミルローをうまく使いこなせているのか、また彼以外のQBを起用した方がいいのか、そんな疑問が湧き起こる試合でした。

まだまだシーズンは長いですし、序盤の敗戦は大いに取り返すことができますから、これでアラバマ大が完全に優勝戦戦から離脱したとは言えませんが、今のままでは一度下がったランキングでまた上位に上がってくるのは簡単ではなさそうです。

これが本当にニック・セイバン(Nick Saban)監督のダイナスティーの終焉の始まりとなるのか・・・。


#20 ミシシッピ大37、#24 トゥレーン大20

全米20位のミシシッピ大と24位のトゥレーン大は今でこそ所属するカンファレンスが違いますが、元はと言えばトゥレーン大がSEC(サウスイースタンカンファレンス)に所属していたこともあり、実は歴史的に見ると1893年に初顔合わせして以来のライバル関係でもあります。

そんな2校が対戦したこのカード、昨年11勝を挙げたモメンタムを引っ提げて開幕時からランクインしていたトゥレーン大がミシシッピ大をホームに迎えました。

トゥレーン大はエースQBマイケル・プラット(Michael Pratt)が膝の怪我で欠場という劣勢に立たされたかに見えましたが、2年生のQBカイ・ホートン(Kai Horton)が踏ん張り、前半を17対10で折り返す健闘を見せます。またミシシッピ大のエースRBクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)率いるランオフェンスをトゥレーン大が前半押さえていたのも効きました。

しかし後半に入ると徐々に地力の差が出始め、また4thQにはこの日トゥレーン大の最長ドライブが繰り広げられますが、4thダウンコンバージョンを失敗。このチャンスをミシシッピ大が手放すわけはなく、返しのドライブでQBジャクソン・ダート(Jaxon Dart)からWRマイケル・トリグ(Michael Trigg)への21ヤードパスTDが決まり点差が10点と広がります。

これでモメンタムが一気にミシシッピ大に流れ、56ヤードのロングFGが決まれば、ディフェンス陣はホートンにサックを決めてファンブルを誘発するとそれをスクープ&スコア。結局最終的には37対20でミシシッピ大がトゥレーン大を突き放しました。

これでミシシッピ大は同カードで13連勝。貴重なランクチームからの白星を手に入れました。一方現在グループオブ5勢として唯一のランクチームだったトゥレーン大はこの敗戦でおそらく残念ながらランク外へと転落してしまうでしょう。

#10 ノートルダム大45、ノースカロライナ州立大24

開幕2連勝で調子を上げつつあるノートルダム大はACC(アトランティックコーストカンファレンス)の好敵ノースカロライナ州立大に乗り込みましたが、悪天候で試合が中断される中、前半苦しみながらも後半に突き放して貴重な3勝目を挙げました。

試合中断から再開した最初のプレーでノートルダム大RBオードリック・エスティム(Audric Estime)が80ヤードのロングランTDを決めて流れを作ると、QBサム・ハートマン(Sam Hartman)は286ヤードに4TDで追随するノースカロライナ州立大の戦意を喪失させました。特にハートマンは昨年までノースカロライナ州立大が所属しているACCのウェイクフォレスト大に5年間も在籍していたこともあり、毎年対戦していたノースカロライナ州立大のことは熟知していたということもあったかもしれません。

もともとACCとは縁のあるノートルダム大ですが、今回のこの勝利で対ACCチーム戦で29連勝目を挙げました。ハートマン加入で攻撃に幅ができたノートルダム大。アウェーでしっかりと白星を獲得できているところに安定感を感じさせますね。

#12 ユタ大20、ベイラー大13

全米12位のユタ大はランク外のベイラー大に苦戦。エースQBキャメロン・ライジング(Cameron Rising)を未だ怪我で欠く彼らは前半FG1本しか取れずに10対3でハーフタイムを迎え不穏な雰囲気が流れます。

第3Qを終えた時点で両チームともFG1つずつを計上してスコアが13対6となりいよいよ最終Qへ突入。試合終了直前まで点の取れないユタ大にファンたちは焦りの色を隠せませんでしたが、それでも我慢強くチャンスを狙って行ったのがカイル・ウィッティンガム(Kyle Whittingham)監督率いるユタ大オフェンス陣でした。

ライジングの代役として出場した1年生のネイト・ジョンソン(Nate Johnson)は試合残り時間約10分というところで自陣12ヤード地点と深い場所から攻撃をスタート。ここからランとパスでジリジリとベイラー大陣内へと侵入し15プレー8分のドライブの末に残り時間2分を切ったところでジョンソン自身のランTDで土壇場で13対13と同点に追いつきます。

このまま試合はオーバータームに突入か・・・と思われましたが、ベイラー大QBセイヤー・ロバートソン(Sawyer Robertson)が自陣29ヤード地点で痛恨のパスインターセプションを犯してしまい、残り時間1分半でユタ大にまさかの逆転のチャンスが巡ってきます。

そしてこのチャンスを逃さなかったユタ大は、RBジェイロン・グローヴァー(Jaylon Glover)の11ヤードランTDが残り時間17秒という土壇場で決まり、試合終了までの1分半の間に14点を奪って劇的な逆転劇を演じて見せたのでした。

ランク外とは言えディフェンスに定評があるベイラー大に、しかも彼らの敵地で接戦をものにできたという事実は今後のユタ大のシーズンにとってかけがえのない実戦経験となることでしょう。

#13 オレゴン大38、テキサス工科大30

全米13位のオレゴン大の2戦目の相手はBig 12カンファレンスのベイラー大。敵地に乗り込んでいった彼らを待ち受けていたのは、2020年にオレゴン大で先発を務めたこともあるテキサス工科大のQBタイラー・シャック(Tyler Shough)でした。

先制したのはそのシャック率いるテキサス工科大。彼からマイルズ・プライス(Myles Price)への18ヤードTDパスが決まってテキサス工科大が最初にスコアボードに得点を刻みます。

しかし対するオレゴン大はハイズマントロフィー候補と言われるQBボ・ニックス(Bo Nix)が立て続けに2つのTDパスを決めて逆転。そのまま勢いに乗るかと思われましたが、テキサス工科大は渾身の15プレードライブでオレゴン大を急襲。最後は再びシャックのパスTDが決まりますが、先のドライブでオレゴン大が2ポイントコンバージョンを決めたのに対し、テキサス工科大はそれを失敗して15体13というスコアに。前半終了間際にはオレゴン大がFGを決めて18対13で前半を折り返します。

しかし後半に入ると最初のテキサス工科大の攻撃で今度はシャックが脚で見せ、TDを奪って遂に逆転。20対18と2点のリードを奪うことに成功します。次のテキサス工科大の攻撃ではそのシャックがパスをインターセプトされてしまいますが、敵陣17ヤードまで攻め込んだオレゴン大のダン・レニング(Dan Lenning)監督は4thダウンギャンブルを遂行するもこれが失敗。

このチャンスを活かしてテキサス工科大はこの日3つ目のTDパスを決めて第3Qの中盤で27体18と2ポゼッション差をつけ、ホームのテキサス工科大のファンのボルテージは上がりまくります。

が、オレゴン大も引き下がりません。その次の攻撃で彼らは実に17回のプレーを繰り出して75ヤード前進を果たすと最後はバッキー・アーヴィン(Bucky Irving)のTDランが決まって27対25と点差が再び2点に。

ここから今までオセオセムードだったテキサス工科大のオフェンスが停滞を迎え、彼らが1本のFgを決める中オレゴン大が2本のFGを決めて得点は31対30という僅差でいよいよクライマックスを迎えます。

試合時間残り約1分というところで逆転勝利のチャンスを掴んだテキサス工科大ですが、フィールド中央部まで攻め込むも、シャックがパスを投げる瞬間にDLブランドン・ドーラス(Brandon Dorlus)がシャックをタックル。シャックの投げたパスが宙に舞い、それをジェフリー・バッサ(Jeffrey Bassa)がピックシックス。テキサス工科大逆転のチャンスが一転して悪夢と化してしまったのでした。

オレゴン大は敵地であわよくば黒星か・・・という状況を何とか回避。先に述べたユタ大と同じようにこの厳しい状況での白星獲得という事実は今後に必ず活きてくると思います。一方テキサス工科大にとってはシャックの特別な思いのこもったこのオレゴン大戦をあと一息というところで逃す悔しい結果に。ただ今の所0勝2敗ですが、彼らはその戦績以上の力を持っていると感じさせてくれました。

#17 ノースカロライナ大40、アパラチアン州立大34

グループオブ5所属ながらそれ以前にFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)チームだった時から多くのジャイアントキリングを成し遂げてきたのがアパラチアン州立大。昨年もテキサスA&M大を破る快挙を記録。そしてその前週にはノースカロライナ大と対戦し63対61というとんでもない試合の末に惜敗していました。そして今年第2週目もまたノースカロライナ大(17位)との試合。この試合はノースカロライナ大のホームで行われたのですが・・・。

ノースカロライナ大には期待のQBドレイク・メイ(Drake Maye)が健在でしたが、この日は208ヤードに0TD(0INT)とパスで得点に絡むことはできませんでした。そのかわりに光ったのがRBオマリオン・ハンプトン(Marion Hampton)。この日ハンプトンは26回のキャリーで234ヤードに3TDを記録。しぶといアパラチアン州立大との点取り合戦に一役買いました。

試合の方はというと、残り時間1分30秒を切ったところでアパラチアン州立大がFGを決めて27対27と同点に追いつきますが、自陣25ヤードから勝ち越しを狙うドライブをスタート。一気に敵陣内22ヤード地点までに辿り着きサヨナラ勝ちのFGのチャンスを手に入れるも39ヤードのFGがミス。これで試合はオーバータイムへ突入します。

OT先攻のアパラチアン州立大はRBネイト・ノエル(Nate Noel)のランTDでスコアすると後攻のノースカロライナ大もRBハンプトンのランTDで応戦。2度目のOTにて先攻となったノースカロライナ大はここまでパスで得点に絡めなかったQBメイが左側にするするっと抜けるドロープレーで見事脚でTDを獲得。これが結果的に決勝点となり、ノースカロライナ大がホームで辛くもアップセットを逃れました。

#18 オクラホマ大28、サザンメソディスト大11

全米11位のオクラホマ大は現在AAC所属で来年からACCに移籍するという噂のサザンメソディスト大(SMU)と対戦。

昨年屈辱の負け越しを味わったオクラホマ大は開幕戦でアーカンソー州立大相手に73対0と完全勝利。そのアーカンソー州立大よりも腕の立つSMUとの対戦ということで、オクラホマ大の真の力を少しは測れるかという試合となりました。

オフェンスはQBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)は176ヤードと控えめなヤード数ながら4TDを奪うパフォーマンスを見せ、またランゲームではRBタウィー・ウォーカー(Tawee Walker)が117ヤードを稼ぐなどチームとしては合計189ヤードを獲得。

ディフェンス陣はというとパスで250ヤード投げられ、ランで115ヤードを走れるなど完璧な試合だったとは言えませんが、11失点に抑えたのはよしとすべきかもしれません。

しかし気になったのがペナルティー。SMUが2回のペナルティーで合計15ヤードの罰退だったのに対し、オクラホマ大は9回のペナルティーで合計88ヤードの罰退。この辺りをしっかりと引き締めないと今後テキサス大などと対戦する場合には足元をすくわれる要因になりかねません。

ワシントン州立大31、#19 ウィスコンシン大22

今年からルーク・フィッケル(Luke Fickell)監督新体制となったウィスコンシン大は第2週目にPac-12カンファレンスのワシントン州立大でのアウェーゲームに臨みました。

ご存知の方も多いかと思いますが、今シーズン開幕前にPac-12カンファレンスの大多数のメンバーが来年からPac-12を離脱することを決定。結局今のところ残留するのはオレゴン州立大とこのワシントン州立大の2校のみ。果たしてPac-12自体が継続されるのかどうかも怪しいという状況ですが、逆にそれが今年のオレゴン州立大やワシントン州立大の闘志を掻き立てているのかもしれません。

元々Big Tenカンファレンスの老舗で強豪チームとして知られるウィスコンシン大は、元来の巨漢なOLを軸としたランアタックを好むスタイルからフィッケル監督指揮下でガラリとスタイルを変えてくるのかに注目が集まっています。特に近代のオフェンスにおいてパス能力に長けたQBの存在は必須事項であり、ランだけで推してくるというスタイルはハイスコアオフェンスが横行するこの時代には対抗できなくなっているという事実も無視できないからです。

そのウィスコンシン大は今年から元オクラホマ大、サザンメソディスト大のターナー・モデカイ(Tanner Mordecai)が先発QB。初戦のバッファロー戦では189ヤードに1TD2INTと冴えなかったため、このワシントン州立大戦では気持ちを入れ替える必要があったのですが・・・。

モデカイだけが理由という訳ではありませんが、試合開始からウィスコンシン大オフェンスは沈黙。前半奪えたスコアは3つのFGのみ。逆にモデカイがファンブルを犯して相手にリカバーされたり、自陣11ヤード地点でワシントン州立大のDLロン・ストーン・Jr(Ron Stone Jr)がモデカイを豪快にサック。そしてこぼれたボールをブレナン・ジャクソン(Brenna Jackson)がエンドゾーンでリカバーしてTDを奪われるなどして踏んだり蹴ったりでした。

一方のワシントン州立大はウィスコンシン大ディフェンスを相手に軽快にボールを運びQBキャメロン・ワード(Cameron Ward)の2つのTDパスと前述のディフェンスによるTD、さらに1つのFGで前半を24対9とリードして折り返します。

後半に入るとようやくウィスコンシン大にもリズムが生まれ始め、ワシントン州立大が足踏みしている間にウィスコンシン大が2つのTDを奪い、第4Q開始時には24対22と試合の行方はどちらにも転ぶという展開になりました。

が、残り時間10分を切ったところで攻撃権を得たウィスコンシン大は逆転への絶好のチャンスを掴みましたが、RBチェズ・メルサイ(Chez Mellusi)が痛恨のファンブル。これをワシントン州立大がリカバーし、さらにこれを起点に追加点を奪ってスコアは31対22に。結局ウィスコンシン大はこの点差を埋めることができず、ワシントン州立大が見事に番狂せを演じて見せました。

シンシナティ大をプレーオフに送り込むほどまでに強くした手腕を買われてウィスコンシン大再建のために招聘されたフィッケル監督ですが、初年度からいきなりタイトルを狙うというのはちょっとハードルが高そうです。

#22 コロラド大36、ネブラスカ大14

開幕戦で昨年準優勝チームだったテキサスクリスチャン大を破って派手に新シーズンを迎えた、ディオン・サンダース(Deion Sanders)監督率いるコロラド大。そしてシーズン第2戦目はいよいよホームデビュー戦となるネブラスカ大との試合でした。

昨年1勝11敗に沈んだコロラド大のスタジアムは空席ばかりが目立つ寂しいシーンが長年みられましたが、サンダース監督がやってきて以来地元の盛り上がりは凄まじく、シーズンチケットは即完売、そしてこのネブラスカ大戦ではキャパシティー以上の5万3千人以上が本拠地フォルサムフィールドに駆けつけました。

試合の方は常にコロラド大のペース。今年から前カロライナパンサーズHCのマット・ルール(Matt Rhule)氏を新監督に迎えたネブラスカ大に予想以上の健闘を見せ、相手を全く寄せ付けずに36対14で快勝。昨年の10月15日以来のホーム戦白星を祝うため、試合終了後にはファンがスタジアムに雪崩れ込むというシーンも見られました。

コロラド大の先発QBでサンダース監督の実の息子でもあるシェドゥア・サンダース(Shedeur Sanders)は393ヤードに2TD(1パス平均9.4ヤード)、脚でも1つTDを稼ぐ活躍。またWRゼヴィアー・ウィヴァー(Xavier Weaver)は10回の捕球で170ヤードに1TDと数字を伸ばしました。ランがトータルで58ヤードと伸びませんでしたが、それを埋め合わせるのに十分なほどの活躍をシェドゥアが見せてくれたのです。

これでコロラド大は開幕2連勝。いよいよサンダース監督体制下でのこのチームが本物であるという評価が増えてきていますが、それを図るのに十分なマッチアップが第4戦と5戦目(オレゴン大とサザンカリフォルニア大)に用意されています。今から楽しみです。

一方ネブラスカ大はオフェンスは前半開始早々にファンブルでターンオーバーを犯すとその後にさらにもう一つファンブル。パスインターセプションも犯し、FGを外すなどして全くいいところがありませんでした。後半に2TDを記録しはしましたが、ここでもファンブル1つと生みの苦しみを味わうような展開。ネブラスカ大の再建はどうやら誰がHCになろうが一筋縄ではいかないようです・・・。

マイアミ大48、#23 テキサスA&M大33

全国区の知名度、そして豊富な資金力を擁してリクルーティング戦争で一目置かれているテキサスA&M大とマイアミ大。ただどちらもここ最近はなかなか全米の表舞台に登場できずにいる、殻を破りきれていないチーム。そんな2校が対戦しました。

マイアミ大は今年2年目のマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督。一方のテキサスA&M大はジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督。クリストバル監督は以前オレゴン大で指揮を取りタイトルこそ無冠なものの常にPac-12タイトルを狙えるだけのチームづくりをしてきた人物。一方のフィッシャー監督は2013年に当時指揮していたフロリダ州立大を全米優勝に導くなどした人物として知られています。

試合の方はというと、スロースタートだったものの、マイアミ大QBタイラー・ヴァン・ダイク(Tyler Van Dyke)が合計5TDパスと爆発。またブラシャード・スミス(Brashard Smith)が98ヤードのキックオフリターンTDを決めたりして、かつてのような派手なマイアミ大を垣間見たようでした。

テキサスA&M大もマイアミ大に食らいついていましたが、FGミス、2つのパスインターセプション、ファンブルなどを犯し自らチャンスを潰してしまいました。ボビー・ペトリノ(Bobby Petrino)新攻撃コーディネーターとフィッシャー監督の試行錯誤はまだまだ続きそうですが、今年6年目となるフィッシャー監督にとって今季ある程度の成功を納めなければ進退に影響を及ぼしかねません。マイアミ大とはいえアンランクチームにやられてしまったのは印象が良くないですね・・・。

(更新終わり)

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