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2023年度第11週目の見どころ

2023年度第11週目の見どころ

11月に入り第2週目の週末を迎える第11週目。残りのレギュラーシーズンの試合数も数えるほどになりました。この頃にはすでに各地で勝ち越しを確定させたチームや負け越しが決まってしまったチーム、さらにはボウルゲーム出場資格となる6勝をなんとか目指しているチームなど様々です。

また各カンファレンスでは優勝レースが佳境に入り、それぞれのチームの勝敗に応じてシナリオが変動していくという、ファンにとっては楽しい時期になっていますし、当然カレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場を狙う上位チームに関しても負けられない状況となっています。

今回はそんな中行われる第11週目の主な試合をご紹介します。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#3 ミシガン大 @ #9 ペンシルバニア州立大

Big Tenカンファレンス東地区の三つ巴対決の第2弾。

東地区は1位のオハイオ州立大、3位のミシガン大、9位のペンシルバニア州立大の間で地区優勝が争われていますが、すでにオハイオ州立大とペンステートは対決しており、この試合を制したオハイオ州立大はシーズン最終戦のミシガン大戦を待っている状況ですが、一方負けてしまったペンステートとしてはミシガン大に勝たないと地区優勝の可能性が木っ端微塵に吹き飛んでしまいます。

ミシガン大はここまで破竹の9連勝中。その主軸となっているのはディフェンス。ここまで平均失点数が6.67点で全米1位。トータルディフェンスも231.4ヤードで同じく全米1位。そしてランディフェンスは90.1ヤードで全米8位もパスディフェンスも141.3ヤードで全米1位ととにかくチームスタッツにおいてはミシガン大ディフェンスが上位を占めている状況。

ただ一つ指摘するとすればミシガン大ディフェンスはここまで9戦こなしてきた中で彼らを手こずらすような強力なオフェンス力を持つチームとの対戦が皆無であるといこと。それを考えると今回のペンステート戦がミシガン大ディフェンスにとって今季初と言っていいほどのチャレンジになると思われることです。彼らの真の力が試されます。

一方のペンステートもディフェンスは一級品。失点数は11.89点で全米3位、トータルディフェンスは234.4ヤードで全米2位、パスディフェンスは173.9ヤードで全米13位ですが、ランディフェンスに至っては60.6ヤード全米1位。ということでこの試合は全米指折りのディフェンス力を持つチーム同士のぶつかり合いとなるわけです。

ペンステートはミシガン大と違いオハイオ州立大とすでに対戦済み。この試合は20対12で破れはしましたが、この日はWRマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)にやられた以外は強豪オハイオ州立大を20点に抑えたディフェンスは本物。彼らの守備力はすでに証明済みということになります。

ということは、ミシガン大のディフェンスがスタッツ通りの全米屈指のものであれば、この試合の鍵はお互いのオフェンスに委ねられると言っていいでしょう。

ミシガン大には今季ハイズマントロフィー受賞候補といわれるQB J.J.マッカーシー(J.J. McCarthey)が健在。ここまで18TDに3INTという数字を残しているマッカーシーの強みはミスの少ない判断力の良さ。シーズン序盤のボーリンググリーン州立大戦でらしくない3つのINTを犯しはしましたが、それ以来6戦連続でターンオーバーは無し。パス成功率もここまで75.7パーセントと安定しており、派手さはなくともチームの頼れる司令塔として活躍しています。

そのマッカーシーを主軸とするオフェンスはここまでスコアリングオフェンスで1試合平均40.7点で全米5位というハイスコアリングオフェンスを擁しています。昨年ハイズマントロフィー候補と言われたRBブレイク・カーラム(Blake Corum)はここまで649ヤードとヤード数は伸びていませんが、ランTD数は16個で堂々の全米1位。元来の強固なディフェンスとランで押してくるフィジカルなミシガン大フットボールは健在と言えます。

そしてペンステートですが、彼らのスコアリングオフェンスも1試合平均40.2点でミシガン大に次ぐ全米6位。格下チームには滅法強いことを表していますが、一方で唯一の敗戦となったオハイオ州立大戦では12点と撃沈。今季からフルタイムで先発を任されている期待の2年生QBドリュー・アラー(Drew Allar)をうまく活かすことができるスキームが求められます。

決戦の舞台はペンステートのビーバースタジアム。ペンステートは現在ミシガン大に2連敗中ですが、10万人以上のファンの声援を背に果たしてアップセットを起こすことができるでしょうか?

~~~追記~~~

この記事を書いている途中にBig Tenカンファレンスはジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督を残りの試合でサイドラインに立つことを禁止する決定を下しました。これはここまで噂されている、ミシガン大が組織的に対戦相手のシグナルを盗んでいたという疑惑を受けたもの(Big Tenカンファレンスのスポーツマンシップ規約に反した)。

Big Ten側はハーボー監督個人がこの一連の疑惑に絡んでいたかどうかは証明できなかったと明言していますが、大学側全体がカレッジフットボールのフェアネスを犯したとして、その責任をハーボー監督謹慎処分で示したということになります。

ミシガン大はこの事態を予測しており、弁護士団が法廷に掛け合ってこの決断を覆す準備があるとのこと。ただ既にチームとハーボー監督は試合会場であるペンステートのあるステートカレッジ市に到着しており、また今週末がベテランズ・デー(退役軍人に敬意を表す日)という祝日であり、多くの役所も閉まっていることから、ミシガン大がこの判決を覆すのにハードルになるかも。

この大一番の試合の直前に、ハーボー監督自身に対する証拠が揃わない状況での謹慎処分には大変な賛否が沸き起こっています。Big Tenのコミッショナー、トニー・ペティーティ(Tony Petiti)氏にとって就任以来最大の試練となりそうです。


その他の試合

#10 ミシシッピ大 vs #2 ジョージア大

APランキングではいまだに首位を守るも、CFPランキングでは2位に甘んじているジョージア大。彼らが1位の座をオハイオ州立大に譲った理由はストレングス・オブ・スケジュールにあります。

ジョージア大は先週当時12位だったミズーリ大と対戦しこれに勝利しましたが、その試合までにランカーチームと対戦したのはケンタッキー大(対戦当時20位)のみ。つまりオハイオ州立大よりもスケジュールが甘いと判断されて2位に位置付けられているということです。

しかしそれも終盤の3連戦で返上することができます。すでにミズーリ大には勝ち、今週末は10位のミシシッピ大、そして来週は現在13位のテネシー大と対決することになっており、ランカーチームとの3連戦を乗り切ればストレングス・オブ・スケジュールの上でジョージア大に文句を言う人は現れないでしょう。

ミシシッピ大は現在SEC西地区で無敗のアラバマ大を1敗で追っています。そのアラバマ大との直接対決に敗れているので、奇跡的に西地区の逆転勝利を起こすにはアラバマ大がコケること、そしてミシシッピ大が1敗を守る切ることが条件となります。つまりこのジョージア大戦で敗れるとそれだけで彼らの西地区優勝の夢が消えるわけです。

ジョージア大の強みは強固なディフェンスとコンプリメンタリーなオフェンス。ミシシッピ大はレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の織りなすオフェンス力になりますから、果たしてミシシッピ大オフェンスがアウェーという厳しい環境でジョージア大から得点を奪えるのかに注目です。

マイアミ大 @ #4 フロリダ州立大

ACC戦7勝0敗のフロリダ州立大は残りのACC戦がこのマイアミ大との試合のみ。1敗で追うルイビル大との対戦が無いため、先週ピッツバーグ大を制した時点でACC優勝決定戦出場を既に決めています。

彼らにしてみればあとは無敗でレギュラーシーズンを終え、悲願のCFP進出を決めたいところですが、そのためにも今後残された4試合で負けるわけにはいきません。その彼らに立ちはだかるのが同じフロリダ州内のライバル・マイアミ大です。

フロリダ州立大は現在昨年度から数えて15連勝中ですが、これは現在進行形の記録としては全米で3番目に長い連勝記録。ここからも彼らのここ最近の快調ぶりが伺えます。この間フロリダ州立大は得点数が合計609点、失点数が262点と相手を圧倒して勝ち続けています。

先週ピッツバーグ大と対戦し得点が24点にとどまるまで、彼らは14試合連続で30点以上を獲得してきましたが、先週24点しか取れなかった理由はWRキーオン・コールマン(Keon Coleman)とジョニー・ウィルソン(Johnny Wilson)が怪我で不出場だったからかもしれません。この2人がこのマイアミ大戦に出場できるかも試合展開に影響を与えそうです。

#18 ユタ大 @ #5 ワシントン大

混戦化するPac-12カンファレンスにおいて注目のマッチアップがこれ。

ワシントン大はいまだに無敗を守りCFPランキングで5位と好位置につけています。このまま勝ち続ければ自ずと道は開けていくと思いますが、その先にはいくつかのハードルが待ち受けており、その一つがこのユタ大戦となります。

ワシントン大の強みはハイズマントロフィー筆頭候補のQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)。現在まで彼は全米トップとなる3201ヤード(26TD、7INT)を計上し、全米4位となるスコアリングオフェンス(1試合平均41.7点)を擁するチームを牽引しています。また先週はRBディロン・ジョンソン(Dillon Johnson)がサザンカリフォルニア大相手に256ヤードに4TDと爆発。全米屈指の攻撃力を誇ります。

ユタ大はタフなディフェンスで知られており、現在までトータルディフェンスで全米10位となる1試合平均被獲得ヤードが282.3ヤード。ただランディフェンスにおいては全米5位なものの、パスディフェンスが32位と多少パスでやられている印象。また先々週のオレゴン大戦では35対6と沈黙。

現在Pac-12は無敗のワシントン大を1敗でオレゴン大が追う展開。ユタ大は既に2敗しておりこの試合に負けると彼らのカンファレンスタイトル3連覇の夢は消えてしまいます。果たしてワシントン大が無敗を守るか、もしくはユタ大が一矢報いるか・・・。

サザンカリフォルニア大 @ #6 オレゴン大

上記の試合と同じくPac-12の優勝戦線に大きな影響を及ぼしかねないマッチアップがこちら。

現在全米6位のオレゴン大はワシントン大にくらった唯一の敗戦を守りカンファレンス内では2位。今の所カンファレンス戦績で1敗はオレゴン大しかおらず、彼らは残りの試合を勝ち切ればタイトルゲームに進出することができます。

ただもしこのサザンカリフォルニア大(USC)に負けて2敗となると、USCが2敗でシーズンを終えた場合に直接対決の結果によりタイブレークでUSCに劣ることとなり、オレゴン大にしてみれば当然負けられませんが、USCにとってはまたとないチャンスということになります。

USCは昨年のハイズマントロフィー受賞QBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)を擁します。彼のQBとしての技術は誰もが認めるところであり、今季のUSCは彼のパフォーマンスに牽引されているところは言うまでもありません。

が、彼のモチベーションが保たれているのかが心配。先週はワシントン大との接戦に敗れ、試合後にはスタンドに駆けつけていた家族のところに行って人目を憚らず号泣していた姿が見られました。

一方のオレゴン大には今年のハイズマントロフィー候補QBボ・ニックス(Bo Nix)が健在。前籍のアーバン大から数えて今年で6年目。大ベテランらしいミスの少ないプレーとどんどんシャープになっていくパッシングで頼れる大黒柱となっています。また守備陣もトータルディフェンスで全米18位とそれなりの盾を持っています。

USCは今週あたまにディフェンシブコーディネーターのアレックス・グリンチ(Alex Grinch)氏を解雇。今季全米でもスタッツ上では下から数えた方が早かったディフェンス陣のテコ入れがこの試合で功を奏すとは思えませんが、ディフェンスがオレゴン大のオフェンスを止められないとすればウィリアムス率いるUSCオフェンスがオレゴン大との撃ち合いを制する覚悟で臨まなければならないでしょう。

#13 テネシー大 @ #14 ミズーリ大

SEC東地区は2ゲーム差をつけているジョージア大が地区優勝レースで断然リード。上記の通り彼らはミシシッピ大を倒せば地区優勝が決定します。

しかしもしジョージア大がミシシッピ大に負けた場合、テネシー大に地区優勝の可能性が残されることになります。というのもテネシー大はジョージア大との直接対決を来週控えており、ジョージア大がミシシッピ大とテネシー大に敗れるとテネシーと勝敗数が並び、タイブレーカーでテネシー大の逆転地区優勝が可能になるのです。

しかしそのシナリオを完成させるにはジョージア大がミシシッピ大に負け、そしてテネシー大が今週末ミズーリ大に勝つ必要があります。

ミズーリ大は先週ジョージア大と対決し善戦するも惜敗。そのため彼らにはジョージア大とタイブレークに持ち込む要素を持っておらず地区優勝レースからは実質脱落しています。しかしテネシー大を含む残りの試合に全て勝てばトップ10入りも夢ではなく、そうなれば年末に行われる「ニューイヤーズ6」ボウルのいずれかに選ばれる可能性もないことはありません。

テネシー大はオフェンスが不安定ですがディフェンス力は折り紙付き。攻守にバランスがよくジョージア大を苦しめたミズーリ大との対戦は良ゲームになること請け合いです。

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