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Boomer Sooner!!!【2023年度第6目レビュー】

Boomer Sooner!!!【2023年度第6目レビュー】

今季のカレッジフットボールも10月に突入。レギュラーシーズンが14週あるとすると、今シーズンもそりそろ折り返し地点を迎えようとしています。

各カンファレンス戦もますます激化し、一敗が命取りになりかねない週末が続いていきますが、第6週目に行われた試合には数々のドラマが生まれ、カレッジフットボールの醍醐味を再三に渡り味合わせてくれました。

そんな第6週目の主な試合を簡単に振り返っていきたいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#12 オクラホマ大34、#3 テキサス大30

今季ここまで5戦全勝同士の戦い。このカードはカレッジフットボール界でも著名のライバリーゲームで「レッドリバーライバリー」という別称も付けられているこの週末最も注目された試合でした。

テキサス大は今季3年目のスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督の指揮下で今季攻守共に全米指折りのチームに成長。2戦目にアラバマ大を破って以来優勝戦線に顔を連ねるほど今季調子のいいチーム。一方のオクラホマ大は今季2年目のブレント・ヴェナブルズ(Brent Venables)監督が指揮するチーム。昨年は負け越してしまいましたが、今季は打って変わって同じく攻守共に安定感抜群のチーム。双方がランクされたまま激突するのは2009年以来ということもあり、全米中の注目を浴びました。

試合の方は先攻のテキサス大のドライブ2つ目のプレーでエースQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)がパスインターセプションを犯すと、すかさずオクラホマ大がQBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)のランTDで先制。さらに次のドライブでもユワーズが相手ディフェンスにパスインターセプションを献上。嫌な雰囲気が漂います。

しかしながら、その直後のドライブでファーストダウンを取れなかったオクラホマ大は自陣エンドゾーンからパントを余儀なくされますが、テキサス大がこれをブロックしてそのままエンドゾーンでリカバー。スコアが7対7のまま第2Qを迎えます。

第2Qではオクラホマ大がFGを決めてリードを奪うも、テキサス大はユワーズからガナー・ヘルム(Gunnar Helm)への22ヤードのパスTDが決まってこの日テキサス大が初のリードを手に入れます。

しかしオクラホマ大も負けじとタウィ・ウォーカー(Tawee Walker)の1ヤードランTDで再びリードを奪い返した後、お互いがFGを1本ずつ取り合って20対17とオクラホマ大が3点差をキープして前半終了。勝負がいよいよ後半に持ち込まれます。

第3Qにはオクラホマ大が再びウォーカーのランTDでこの日初めて2ポゼ差を付けますが、膠着した展開の中、追うテキサス大は第3Q残り時間6分という状況で自陣6ヤード地点から攻撃開始。このドライブではRBジョナサン・ブルックス(Jonathan Brooks)がランにレシーブに大活躍。残り1分53秒というところまで来てテキサス大は相手陣内レッドゾーンて前まで辿り着きますが、この絶好の機会で結局FG止まり。スコアは27対20で再び1ポゼ差に。

そしていよいよ試合は最終Qに突入。攻撃権を持っていたテキサス大はその前のドライブでオクラホマ大がミッドフィールドでの4thダウンギャンブルに失敗したおかげで好位置からの進撃。そしていよいよオクラホマ大陣内2ヤード地点まで襲いかかるも、同じく4thダウンギャンブルを選択したテキサス大でしたが、ユワーズのパスはエースWRゼヴィアー・ウォーシー(Xavier Worthy)に繋がるもゴールラインを割ることができず、ここまで来てまさかの手土産なしに。

ただ突き放したかったオクラホマ大はFGのチャンスを外し、試合残り時間8分を切ったところでテキサス大に再びチャンスが回ってきます。この機会を見逃さなかった彼らはWRジョーダン・ウィッティントン(Jordan Whittington)を巧みに使ったユワーズが速攻をかけ、最後はRBブルックスの29ヤードTDランが決まって土壇場でオクラホマ大に追いつきます。

対するオクラホマ大は第3Q最初のドライブでTDを奪って以来なかなか得点にありつけず、追いついてきたテキサス大のモメンタムに押し潰されるように1度もファーストダウンを奪えずに残り5分を切ったところで再びテキサス大に攻撃権を譲ってしまいます。

残り時間がなくなってきたことで次に点をとったチームが俄然有利になると思われた矢先、テキサス大はこの土壇場で11プレーを3分半かけて成功させ、最後は残り時間1分17秒というところでFGが成功。試合を決定づける3点リードをテキサス大が奪ったと誰もが思いました・・・。

逆転のチャンスを少しでも温存するためにタイムアウトを全て使い切っていたオクラホマ大に残された時間は1分17秒。この絶体絶命のシチュエーションで神がかったプレーを見せたのがQBガブリエルでした。

自陣25ヤードからの攻撃となったオクラホマ大はガブリエルの3連続パス成功で一気にテキサス大陣内へ急襲。途中テキサス大のパスインターフェアレンスの反則にも救われてテキサス大陣内6ヤード地点に残り37秒で辿り着きます。

そして1stダウンでQBランを選択したオクラホマ大はガブリエルが3ヤードを獲得してゴールラインまで残り3ヤードに。しかしタイムアウトを使い果たしたオクラホマ大はクロックを止める術を持っておらず、クイックスナップでボールを得たガブリエルは迫り来るテキサス大Dのプレッシャーの中、エンドゾーン左奥でテキサス大CBとSがエクスチェンジを一瞬取り違えたのを見逃さず、オープンになったニック・アンダーソン(Nic Anderson)へ起死回生の逆転TDを成功させます。

タイムアウトがない中自陣25ヤード地点からほぼノーミスで逆転TDをやってのけたガブリエルの肝の座り様には感服しますが、スコアリングプレーでオクラホマ大のLTウォルター・ルース(Walter Rouse)が1人で2人のディフェンダーを食い止めていたのもすごかったです。あの一瞬のプロテクションがあったからこそガブリエルがアンダーソンがフリーになった刹那の隙間を狙えたのだと思います。

そして後のないテキサス大はユワーズがヘイルマリーパスを試みますが、無情にもこれは失敗となり、なんと全米3位のテキサス大を12位のオクラホマ大が破ると言う金星を手に入れたのでした。

昨年のカードでは49対0という、このライバリー史上最悪ともいえる点差で惨敗していたオクラホマ大でしたが、あの悪夢からたった1年間でここまでのチームに成長したことはヴェナブルズ監督の手腕たるもの。それと同時に最後の逆転ドライブを含め、285ヤードに1パスTDと1ランTDを記録したガブリエルの株を上げるには十分な試合となりました。

一方テキサス大のQBユワーズは37投中31回のパスを成功(83.8%)させ、1つのTDを奪いはしましたが、序盤に2つのパスインターセプションを犯してしまったのは痛かったです。とくにそのうち1つはオクラホマ大の得点に繋がってしまったのですから、「あれがなければ・・・」と思ってしまうテキサス大ファンの気持ちもわかります。

またテキサス大はRBブルックスが22回のキャリーで129ヤードを足で稼ぐ活躍を見せ、現在アトランタファルコンズで活躍する先輩ビジャン・ロビンソン(Bijan Robinson)ほどとはいきませんが、かなりの存在感を見せつけていました。

が、それもこれも負けてしまっては全てが水の泡。ここまで赤丸急上昇中だったテキサス大は古豪復活に向けてBig 12タイトルだけでなく悲願のプレーオフ進出を目指していましたが、このオクラホマ大戦での敗戦を受けてその夢は少々遠のいてしまいました。

ただ、現在のBig 12カンファレンスの勢力図を見ると、おそらくこの2校がカンファレンスタイトルゲームで再び顔をあわせる可能性が高く、その舞台での勝者にさえなれば少なくともカンファレンス優勝という栄誉を手に入れることはできます。

お互いにとって今年がBig 12カンファレンス所属最後の年。その最後の年の「レッドリバー」でオクラホマ大が勝利したと言う事実は今後長く語り継がれていくことでしょう。


#9 サザンカリフォルニア大43、アリゾナ大 41(3OT)

全米9位のサザンカリフォルニア大(USC)はホームにアリゾナ大を迎えましたが、これが思いもよらず大接戦になりました。

出だしからアリゾナ大の1年生QBノア・フィフィタ(Noah Fifita)の調子がすこぶる良く、FGで先制した後にフィフィタの2つのパスTDで17対0というスタートダッシュをかけます。ただ第2Qに入るとようやくUSCのオフェンスが動き出し、昨年のハイズマントロフィー受賞QBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)の持ち前の運動能力の高さもあってこのQ終了までに2つのTDをランとパスで叩き出して17対14で前半を折り返します。

後半に入るとアリゾナ大が攻めあぐむ中、USCのマーション・ロイド(MarShawn Lloyd)のランTDが決まってUSCがついにこの日初のリードを奪い、ホームのUSCファンに一時の安堵が広がります。

さらに第4Qに入るとこの日ウィリアムスにとって3つ目のTD(ラン)が炸裂。機動力を生かしてひらりとディフェンダーを交わすのが上手いウィリアムスですが、このランTDはスニークからパワーでゴールラインを割ると言うちょっと珍しいプレーでした。

28対20となり、少なくとも一発で逆転される心配がなくなったUSCでしたが、後半に入って得点から遠ざかっていたアリゾナ大は試合残り時間約8分でフィフィタからジェコブ・カウイング(Jacob Cowing)への25ヤードパスTDが成功。そして2ポイントコンバージョンも成功させて28対28のタイゲームに。

序盤に17点差を付けて「これはもしや・・・」と思っていたに違いないアリゾナ大。敵地でしかもUSCという強豪相手に滅多にないチャンスが巡りこれを是が非でも金星に繋げたいところ。ウィリアムス率いるオフェンスを28点に抑えたディフェンスは圧巻でしたが、レギュレーション内になんとか勝負をつけたいとオフェンス陣はUSC陣内へ切り込もうと試みます。そして迎えた第4Q残り時間2分8秒。敵陣内33ヤードで迎えた4thダウン、ジェド・フィッシュ(Jedd Fisch)は勝負の50ヤードFGを狙いますが、これが残念ながら外れてしまいます。

残り時間約2分というところで攻撃権を得たUSC。スターQBウィリアムスの存在もあり、ホームの彼らが劇的な勝ち越しドライブを決めると大勢の人が思ったことでしょう。実際このドライブでウィリアムスのパスとロイドのランで残り時間わずかなところで敵地6ヤードラインまで進撃。ここまでくれば誰もがUSCの勝利を確信したに違いありません。

ただここでウィリアムスがファンブル。彼自身がなんとかボールをリカバーして冷や汗をかきましたが、残り4秒で25ヤードの決勝FGという場面を迎えます。が、スナップが高く上がりこのせいでキッカーのタイミングがずれ、結局キックはブロックされると言うまさかの展開。試合はオーバータームへ突入します。

結局3回のOTの末に勝利を得たのはUSC。カレッジフットボールのOTルールは3回目以降は通常のプレーではなくそれぞれが2ポイントコンバージョンを行う一発勝負で勝敗を決します。3回目のOTで先攻だったUSCは左サイドに6選手をバンチさせる変則フォーメーションでウィリアムスの脚力に賭けます。そして見事な足捌きでウィリアムスがギリギリパイロンの内側にボールを滑り込ませてコンバージョンを成功させます。

対するアリゾナ大は残念ながら2ポイントコンバージョンを失敗。3回のOTの末にホームのUSCがなんとか切り抜けたのでした。

いつもならば無敵のオフェンス力をバックボーンにディフェンスの脆さをカバーしていたUSCですが、この日はオフェンスもアリゾナ大に苦戦。相手が506ヤードをトータルで稼いだところ、USCのトータルは385ヤード。押されながらもなんとか勝ち星を拾えたのは言わずと知れたウィリアムスの存在でした。

アリゾナ大は負けはしたものの、全米屈指のオフェンス力、そして稀代のアスリートでもあるウィリアムスらに対してここまで追い詰めたのは評価に値します。今後彼らと対戦するチームは油断大敵です。

#1 ジョージア大51、#20 ケンタッキー大13

第5週目に行われたアーバン大戦では勝ったものの接戦を強いられたジョージ大。その影響もあって第6週目に発表されたランキングにおいて、彼らは首位を守ったものの、彼らを首位に推す人の数が20人も減ったと言う現象が起きました。つまり、ジョージア大の強さに疑問を呈する人の数が増えたと言うわけです。

しかし逆にそれが彼らを奮起させたのか、ジョージア大はケンタッキー大を51対13で瞬殺。格の違いを見せました。TEブロック・バウワーズ(Brock Bowers)はこの日も活躍。132ヤードに1TDとチーム最多のレシーブヤードを獲得。その彼にボールをデリバーしたQBカーソン・ベック(Carson Beck)も389ヤードに4TD(1INT)と素晴らしい数字を残しました。

#2 ミシガン大52、ミネソタ大10

由緒正しき「Little Brown Jug」をかけて争われた著名なライバリーであるこの試合は全米2位のミシガン大がミネソタ大を寄せ付けず52対10と完勝。今季無傷の6勝目を飾りました。

頼れるランアタックと、ミネソタ大オフェンスをトータル169ヤードに抑え込むディフェンスは健在。ミシガン大は未だ試金石となる試合をこなしていませんが、今のところ彼らに死角はなさそうです。

#4 オハイオ州立大37、メリーランド17

全米4位のオハイオ州立大は彼らと同じくここまで無敗だったメリーランド大と対決。立ち上がりはメリーランド大に先制点を許すスローな展開となりましたが、終わってみればダブルスコアで相手を退け無敗を守りました。

QBカイル・マッコード(Kyle McCord)は320ヤードに2TD、彼のメインターゲットであるWRマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)がそのうち163ヤード(1TD)を担う活躍。ディフェンスはメリーランド大のランオフェンスを62ヤードに抑え込み、ホームでの勝利を祝いました。

#25 ルイビル大33、#10 ノートルダム大20

先週全米25位以内に入ってきたルイビル大はホームに名門ノートルダム大を迎えましたが、周囲の予想に反してフィジカルさで相手を上回り6勝目をゲット。ここにきてルイビル大の株は急上昇中です。

とくにノートルダム大の主軸とも言えるランアタックをたったの44ヤードに抑えたのは圧巻。また逆にルイビル大のランオフェンスが強固なノートルダム大ディフェンスを相手に足で185ヤードも稼ぐなど、全米10チームに物おじしないタフネスさで今季6勝目を挙げました。

今年から母校に凱旋してきたジェフ・ブローム(Jeff Brohm)監督は1年目から傷跡を残していますが、果たしてかられはどこまで上に食い込んで来れるでしょうか。

#11 アラバマ大26、テキサスA&M大20

SEC西地区の覇権を争う戦いとなったこの試合はテキサスA&M大のホームで行われ、大歓声の声援を受けたA&M大がアラバマ大に2敗目をくらわすかと思われましたが、この日パスオフェンスが覚醒したアラバマ大の前にあと一歩及びませんでした。

機動系QBであるジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)はこの日321パスヤードに3TD(1INT)。その半分以上をキャッチしたのがジョージア大からの転校生WRジャメイン・バートン(Jermaine Burton)。自身最多となる197ヤード(2TD)で勝利に貢献しました。

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