Are They BAAAAACK?【テキサス大プレビュー】

Are They BAAAAACK?【テキサス大プレビュー】

近年のカレッジフットボールの試合の中でも「世紀の一戦」と言われた、2005年度BCSナショナルチャンピオンシップゲーム、テキサス大サザンカリフォルニア大(2006年1月4日開催)。この試合ではQBマット・ライナート(Matt Leinert)氏、RBレジー・ブッシュ(Reggie Bush)氏という二人のハイズマントロフィー受賞選手を擁するスター軍団サザンカリフォルニア大に全米2位のテキサス大が立ち向かうという構図でしたが、テキサス大のQBヴィンス・ヤング(Vince Young)氏の英雄的な活躍により土壇場でテキサス大が逆転勝利。見事1970年以来35年ぶりの全米タイトルを獲得してその幕を閉じました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

あれからおよそ15年。当時の監督だったマック・ブラウン(Mack Brown)監督は現在ノースカロライナ大で初年度を迎えようとしていますし、ヤング氏はNFLではあまりいいところがなく表舞台から姿を消しました。チームはと言えば2009年度にブラウン氏の指揮のもと再びBCSチャンピオンシップに出場(アラバマ大に敗退)したものの、その後は8年間二桁勝利の無いシーズンを過ごし続けました。ブラウン監督を2013年シーズン後に解雇したテキサス大は当時ルイビル大で監督を務めていた新進気鋭のチャーリー・ストロング(Charlie Strong、現サウスフロリダ大)氏に名門復活を託しましたが、3年間を全て負け越しで過ごしてしまい、その企みは崩壊。いつしかテキサス大はブランド名だけはあるのに結果がついてこないという残念な状況に陥ってしまったのでした。

参考記事恩を仇で返したヤング氏

そこで大学が白羽の矢を立てたのがヒューストン大の若き知将、トム・ハーマン(Tom Herman)監督です。初年度となった2017年度こそ7勝6敗でしたが、昨年2018年度は見事に10勝4敗と勝利数を二桁に乗せ、しかもその10勝目はシュガーボウルでのジョージア大戦で挙げたもの。当時5位だったジョージア大に大舞台で勝ったことはテキサス大復活を印象づけるには十分すぎるセッティングでした。

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今季テキサス大3季目を迎えるハーマン監督

その試合後、MVPを獲得したQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)の「We are BAAAAACK!!」(俺達は帰ってきた!!)というシャウトは非常に印象に残っていますが、今年のテキサス大の注目は当然ながらエリンガーに向けられます。その証拠にプレシーズンのBig 12カンファレンスメディアデーに登場したエリンガーの面前に用意されたリポーターたちの席は満席状態でした。

これこそテキサス州の旗艦大学であるテキサス大を担うQBが浴びるべき注目度の高さなのです。この様子が今年のテキサス大に寄せられる期待の高さ、そしてそれを担うエリンガーの肩に降りかかる重圧を物語っています。しかもエリンガーはテキサス大のお膝元オースティン市出身と来ているから話は出来過ぎです(笑)。

2017年度は当時在学中のQBシェーン・ビューシェル(Shane Buechele、現サザンメソディスト大)とスナップを分け合っていましたが、翌年2年生時にその才能を開花。開幕時から先発QBの座を守り、テキサス大オフェンスを牽引しました。彼の進化の様はBig 12カンファレンス新記録となる、308投連続INTパス無しという記録を残したことからも分かり、非常に正確かつ判断力の良いパサーとして生まれ変わりました。また持ち前のタフネスでパワーランもやってのけてしまうほど。それは見ている側が心配になるほどです。

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QBエリンガーには今季特に注目が集まります

その集大成がジョージア大戦であったわけですが、あのアラバマ大を苦しめたジョージア大を倒したことは、テキサス大復活の狼煙を挙げただけでなく、エリンガーを含め選手・コーチ陣にとってこれ以上無い自信となったことでしょう。

テキサス大にとってまずたどり着きたいのはBig 12カンファレンスの頂です。最後にカンファレンスタイトルを獲得したのは2009年、10年前のことです。昨年はタイトルゲームに出場を果たしましたが、オクラホマ大にリベンジを喰らいました。

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オクラホマ大は過去4年連続でこの栄冠を手にしています。テキサス大のライバルであるオクラホマ大を打ち崩さなければBig 12の頂上に上り詰めることは出来ないでしょう。オクラホマ大は昨年のハイズマントロフィー受賞QBカイラー・マレー(Kyler Murray、現アリゾナカーディナルス)が抜け、今年は予想として元アラバマ大のジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)が後釜に就くと見られています。いずれにしてもオクラホマ大のこの過渡期はテキサス大にしてみればチャンスです。

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恐らく今年のBig 12カンファレンスのタイトル争いはこの2校によって争われることになるでしょう。昨年はレギュラーシーズン中に敗れたオクラホマ大がそのリベンジを果たしタイトルを手中に収めてカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に出場を来ました。テキサス大が2005年度以来のナショナルタイトルを手に入れるためには、オクラホマ大に2度、ないしタイトルゲームで勝利する必要があります。その可能性を秘めているかどうか、そしてエリンガーが再びテキサス大オフェンスに稲妻を走らせることが出来るのか・・・。

古豪復活の鍵はエリンガーのリーダーシップ、そして彼が怪我なくシーズンを過ごせるかにかかっていそうです。

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