シュガーボウルレビュー - ANY GIVEN SATURDAY

シュガーボウルレビュー

シュガーボウルレビュー

テキサス大28、ジョージア大21

ニューイヤーズ6」ボウルの最後の1つ、そしてCFPナショナルチャンピオンシップゲームを除く全てのボウルゲームのトリをとったのがこのシュガーボウル。SEC優勝決定戦アラバマ大との激戦に敗れ惜しくも2年連続プレーオフ出場を逃したジョージア大とトム・ハーマン(Tom Herman)監督2年目の今年に古豪復活の狼煙を上げたテキサス大との戦いになりました。

【関連記事】シュガーボウルプレビュー

試合開始前にはテキサス大のマスコットである水牛長角牛の「ビヴォ(Bevo)」とジョージア大のマスコットであるブルドッグの「ウガ(UGA)」との間で一悶着(笑)がありましたが、これがこの試合の行方をすでに暗示していたのかもしれません。

年末に行われたCFP準決勝戦ではオクラホマ大ノートルダム大、特にノートルダム大がいいところなく敗れ去ったこともあり、ジョージア大選手らは「自分たちこそがプレーオフ進出に相応しいチームだった」と豪語していましたが、フットボールの神様はそんな傲慢なジョージア大選手たちのことを見ていたのでしょうか。このシュガーボウルでそんな戯言を一蹴するかのごとくテキサス大がジョージア大を圧倒したのです。

試合開始後からテキサス大は魂のこもったプレーを連発。17対0とジョージア大を出だしから突き放します。ジョージア大のウリでもあった、RBデアンドレ・スウィフト(D’Andre Swift)とイライジャ・ホリフィールド(Elijah Holyfield)という二人のパワフルランナーを擁しながらこの日の彼らのトータルランヤードはたったの72ヤード。一方今季全米95位という貧弱なランオフェンスしか持たなかったテキサス大はこの日は別人のようで、180ヤードを足で稼ぎジョージア大の株を奪ったのです。

その中心となったのがQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)。彼はQBながら64ヤードに3TDを奪う活躍を見せましたが、その数字よりも彼の走りっぷりに彼らテキサス大の意気込みを感じました。決して華麗な機動系QBというわけではありませんが、エリンガーの走りは敵のタックルを物ともしない弾丸のようなスタイル。それは元フロリダ大ティム・ティーボ(Tim Tebow)を髣髴とさせるものでした。

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激走するQBエリンガー

パスでは169ヤードに0TDと数字の上では並以下ではありましたが、試合の流れを決めた最初の攻撃では5投全てのパスを成功させて先制点となった自身のランTDを自らお膳立てしました。

ジョージア大オフェンスを率いるのは2年生ながらすでにベテランの域に入りつつあるジェイク・フローム(Jake Fromm)。アラバマ大と対戦したSEC優勝決定戦ではほぼ完璧なパフォーマンスで相手を追い詰めましたが、この日はテキサス大ディフェンスに苦戦。パスで3つのTDを奪いはしましたが、1つのINTパスそして60%のパス成功率でお世辞にも彼のポテンシャルを出し切ったとはいえず、これがジョージア大がスタートダッシュに遅れ結果的に敗戦に繋がった遠因でもあります。

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テキサス大ディフェンスに苦しめられたQBフローム

前半を20対7のテキサス大リードで折り返した後半、第3Qは互いが譲らず無得点で終わり、勝負は最終第4Qに持ち込まれます。残り時間12分を切った辺りでエリンガーが4thダウンコンバージョンを成功させるこの日3つ目のTDランを決めてスコアを28対7と広げ、ジョージア大には絶望的な雰囲気が漂います。

試合をひっくり返すには後がないジョージア大は返しの攻撃ではたった84秒という速攻でようやくこの日2つ目となる、フロームからWRメコール・ハードマン(Mecole Hardman)へのショートパスTDが決まってスコアを2TDに縮めます。

同点にするには時間が足りないジョージア大は何としても一刻も早く攻撃権を取り戻したいところでしたが、残り時間7分半で手に入れたドライブは1stダウンを獲れずにパントを余儀なくされ、またその後のテキサス大の攻撃では相手に10プレーからなる5分半のドライブを許してしまいます。ようやくボールを取り返したときには残り時間が1分2秒しか残っておらず、残り14秒の時点でフロームからスウィフトへのTDパスが決まって28対21と点差を縮めますが、オンサイドキックを確保できずに万事休す。そのままテキサス大が見事に番狂わせを起こしたのです。

ファイナルスコアは7点差ではありますが、試合内容を見ればテキサス大がジョージア大を完全に駆逐していました。それが筆者にはテキサス大のハングリーさがジョージア大の傲りに勝ったと見えたのです。特にフィジカルの面でテキサス大は攻守ともにジョージア大を上回っており、素直に「勝ちたい」という思いがテキサス大の方が強かった、そんな風に見えました。

古豪テキサス大は2005年度にQBヴィンス・ヤング(Vince Young)を擁してナショナルタイトルを獲得して以来、長らく全米の表舞台に登場できずにいましたが、若き名将ハーマン監督の指揮下で彼らの再建は確実に進んでいるようです。それは試合後のエリンガーの「We are baaaaaack!」という叫びからも感じ取ることが出来ます。

一方ジョージア大はアラバマ大戦で見せたようにポテンシャル的にはCFPに出場していてもおかしくないチームですが、この日はCFPに出場できなかったことでモチベーションを維持できなかったのか、SEC優勝決定戦で見せたあの強さは鳴りを潜めていました。今年3年目を終えたカービー・スマート(Kirby Smart)監督のチームづくりもテキサス大のそれを上回るスピードで達成されてきましたが、このシュガーボウルではテキサス大に脱帽せざるを得ませんでした。

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