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Rivalry Matters!!!【2023年度第10目レビュー】

Rivalry Matters!!!【2023年度第10目レビュー】

いよいよ10月31日に発表された、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキング。その発表後初の週末となったのが第10週目でした。

ここから1敗が命取りとなりかねない、緊迫した数週間を過ごすこととなるチームたち。CFP進出もさることながら所属するカンファレンスの優勝戦線も熾烈化しており、ファンとしてもドキドキな時間が待ち受けています。

今回はそんな中で行われた第10週目を簡単に振り返ります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#8 アラバマ大42、#14 ルイジアナ州立大28

SECのみならず深南部フットボールにおいて著名なライバル関係でもあるアラバマ大ルイジアナ州立大。お互いが所属するSEC西地区の優勝争いを占う上で重要なマッチアップとなったこの試合はホームのアラバマ大に軍配が上がりました。

アラバマ大はジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)、LSUはジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)という、モバイル系QBを擁するチーム同士の激突。結果的にお互いがそれぞれのチームのパスリーダーおよびラッシュリーダーとなる活躍を見せました。

そんな中光ったのはアラバマ大のミルロー。彼はこの試合で20回のキャリーで155ヤード、タッチダウンも4つも足で荒稼ぎ。QBとして4つもランでTDを記録したのはチーム史上最多となりました。

一方LSUのダニエルズも11回のキャリーに163ランヤード、1TDを記録してアラバマ大ディフェンスを大いに翻弄しましたが、後半残念ながらアラバマ大LBダラス・ターナー(Dallas Turner)のハードヒットをもろに食らって脳震とう(Concussion)でノックダウン。この時すでに2ポゼ差がついており、ダニエルズを失ったLSUに逆転勝ちの余力は残っていませんでした。

アラバマ大は3rdダウン成功数が14回中11回と驚異的。ランもトータルで288ヤード出ましたが、これはLSUの成長過程のDB陣をケアするために2列目を少し下げ気味にしていたことにも原因があったのかもしれません。そういった意味ではアラバマ大OCトミー・リース(Tommy Rees)氏の采配が当たったと言えそうです。

とはいえLSUは今季ディフェンスが予想外に甘く、30点以上奪われる試合が5試合もあり、そういったことを考えるとアラバマ大のオフェンスが格段に優れていたと簡単には言えそうにありませんが、少なくとも開幕時にチグハグだった彼らのオフェンスはミルローの成長とともに進化を遂げていることは間違いありません。


#22 オクラホマ州立大27、#9 オクラホマ大24

オクラホマ州内の覇権を争うライバリーで「ベッドラムシリーズ(Bedlam Series)」という別称を持つこのマッチアップ。通常の宿敵関係以上に熱のこもった試合となりました。というのもオクラホマ大が今季を最後にBig 12カンファレンスから離脱してSECへ移籍することが決まっており、結果的にこのマッチアップが今年でしばらく見納めとなってしまうからです。しかもオクラホマ州立大としてはオクラホマ大をBig 12から逃げていく裏切り者と決めつけており、今回の試合は試合前から何かと話題になっていたのです。

そんな通常以上のモチベーションをもって臨んだからかどうかはわかりませんが、オクラホマ州立大が3点差を守り切って勝利。試合後はファンがフィールドになだれ込んで勝利の美酒に酔いました。

この試合ではオクラホマ大のQBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)、オクラホマ州立大のQBアラン・ボウマン(Alan Bowman)が共に300ヤード超えのパスヤードを記録しましたが、オクラホマ州立大RBオリー・ゴードン・II(Ollie Gordon II)が137ヤードに2TDを奪い勝利に貢献。またこの試合の勝利でオクラホマ州立大のマイク・ガンディ(Mike Gundy)監督にとってカンファレンス勝利数が記念すべき100勝に到達しました。

ただ、この試合ではオクラホマ大に逆転のチャンスがありましたが、ガブリエルからWRドレイク・ストゥープス(Drake Stoops)へのエンドゾーンのパスプレーで、オクラホマ州立大CBディラン・スミス(Dylan Smith)がディフェンシブパスインターフェアレンスを犯していたかもしれないというプレーがノーコールだったという疑惑のシーンもありました。

このプレーがDPIだったとしたらオクラホマ大に敵陣ゴールライン手前で1stダウンという絶好の機会が生まれていました。たらればを言っては元も子もないですが、オクラホマ大選手やファンとしては納得できないノーコールとなったことでしょう。

#1 オハイオ州立大35、ラトガース大16

初回のCFPランキングでジョージア大とミシガン大を飛び越えて首位に立ったオハイオ州立大ラトガース大でのアウェーゲームに挑みましたが、ファイナルスコアが示すものよりも実際はもっと苦戦を強いられた試合になりました。

オハイオ州立大はQBカイル・マッコード(Kyle McCord)からジー・スコット(Gee Scott)へのパスTDで先制するも、予想以上にラトガース大ディフェンスに苦戦。ラトガース大の貧弱なオフェンスに助けられたものの、3つのFGを許して9対7でリードされた状況で後半へ突入します。

ここでモメンタムを変えるビッグプレーが生まれます。ラトガース大QBギャヴィン・ウィムサット(Gavin Wimsatt)のパスをオハイオ州立大DBジョーダン・ハンコック(Jordan Hancock)がピックシックス。これでくすぶっていたオハイオ州立大に精気が戻ってきます。

この後RBトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)のランTD、更に第4QにエースWRマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)の2つのレシーブTDで相手を突き放し3ポゼ差をつけて勝利しました。

ただオフェンスはトータルで328ヤードに抑えられ、QBマッコードも189ヤードとピリっとせず。もしラトガース大にまともなオフェンス力が備わっていたらオハイオ州立大はもっと冷や汗をかいていたかもしれません。

#2 ジョージア大30、#12 ミズーリ大21

SEC東地区で首位を行くジョージア大と、今季驚きの快進撃を続けるミズーリ大の対決はミズーリ大が想像以上のパフォーマンスを見せてジョージア大と真っ向からぶつかり合いましたが、最後は地力の差がでてジョージア大が辛くも勝利。無敗を守りました。

ミズーリ大は元NCAA2部大学出身でウォークオンのRBコディ・シュレイダー(Cody Shrader)が大活躍。小柄ながらその重心の低さが逆にジョージア大ディフェンスダーの並み居るタックルを蹴散らしこの日トータル112ヤードに1TDを獲得。チームトータルでもジョージア大の強固な守備陣から150ヤード以上を獲得してディフェンディングチャンピオンを大いに苦しめました。

ただ第4Qに追うミズーリ大はQBブレディ・クック(Brady Cook)が2つのパスINTを犯してしまい、敵地での大アップセットのチャンスを自ら摘んでしまいました。こういったところにもジョージア大の底力の凄さを感じました。

とはいえ過去2連覇したジョージア大のディフェンスと比べるとやはり今年のディフェンスは少なからず穴はありそう。特にエッジを突破されるシーンが数々見られたのはらしくないと思わされました。が、相手は全米12位。ストレングス・オブ・スケジュールが低くてCFPランキングでは2位に落とされましたが、この試合に勝ちさらに今週末(ミシシッピ大)翌週末(テネシー大)とのランカーとの試合を制覇すれば彼らに文句を言うものは誰も現れないでしょう。

#5 ワシントン大52、#24 サザンカリフォルニア大42

サザンカリフォルニア大には昨年のトロフィーウィナーQBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)、ワシントン大には今季のフロントランナーQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)という二人のハイズマントロフィー候補を擁するチーム同士の戦いは予想通りハイスコアゲームになりましたが、これを制したのはペニックス・Jr率いるワシントン大でした。

ペニックス・Jrは256パスヤードに2TD、1INT、ウィリアムスは312パスヤードに3TDという数字を残す結果になりましたが、この試合の決め手となったのはワシントン大のRBディロン・ジョンソン(Dillon Johnson)でした。ジョンソンはこの日まで100ヤード以上の試合が一つもありませんでしたが、USC戦でなんと256ヤードに4TDを足で稼ぐ大活躍。それだけUSCのディフェンスがぺらぺらだったともいえますが、彼の活躍がチームの9勝目獲得に大いに貢献したことは言うまでもありません。

USCのウィリアムスはこの敗戦のショックでスタンドにいた家族のところへ行って号泣。彼は試合に負けるとエモーショナルになるシーンを多く見せてきましたが、この時は体を震わせて泣き崩れているようでした。

ちなみにエモーショナルといえば、ワシントン大のDEザイオン・トゥプオラ・フェトゥイ(Zion Tupuola-Fetui)ですが、彼は前週のスタンフォード大戦のさなかにお父さんを亡くしており、この試合をお父さんに捧げるべく奮闘。2つのソロタックルに1.5個のQBサックを計上。試合後は監督のケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督が熱く抱擁。胸が暑くなる瞬間でした。

#7 テキサス大33、#23 カンザス州立大30 (OT)

Big 12カンファレンス戦績で5勝1敗同士の戦いとなったテキサス大カンザス州立大の試合はオーバータイムにもつれ込む接戦となりましたが、ホームのテキサス大が辛くも3点差で逃げ切りました。

テキサス大は現在エースQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)が肩の怪我で戦線離脱中。その間代役を務めているのがマリク・マーフィー(Maalik Murphy)。1年生(レッドシャツ)のマーフィーはこのカンザス州立大戦では第1QにWRアドナイ・ミッチェル(Adonai Mitchell)への37ヤードのTDパスを決めるなどシャープな立ち上がりを見せました。

しかしその後は失速。C.J.バクスター(C.J. Baxter)とジョナサン・ブルックス(Jonathon Brooks)のランTDやFGで第3Qを終えた時点で27対14としますが、マーフィーからのパスプレーが機能しなくなるとカンザス州立大の猛追を許してしまいます。

カンザス州立大は後半QBウィル・ハワード(Will Howard)の3つのパスTDドライブが連続で決まり、さらに試合残り時間1分というところで同点となるFGを通して土壇場でテキサス大に追いつき試合はオーバータイムへ突入します。

そのOTでは先攻のテキサス大がFG止まりとなり、カンザス州立大に絶好の機会が訪れます。最初のプレーでハワードの19ヤードパスがベン・シノット(Ben Sinnott)へと決まり一気にテキサス大陣内6ヤード地点まで進撃します。しかしここからエンドゾーンが遠く4thダウン&4ヤードという状況を迎えます。FGを選択し決まれば2度目のOTとなりましたが、カンザス州立大のクリス・クライマン(Chris Klieman)監督は勝負を決めに大胆にも4thダウントライを敢行。がこれが失敗しホームのテキサス大が辛くも逃げ切ったのでした。

テキサス大は攻守ともにタレントのレベルでカンザス州立大を上回っているように見えましたが、QBマーフィーが苦戦したことが(19/37 248yd 1TD 2INT)カンザス州立大の追い上げを許しました。今後1敗も許されないことを考えれば一刻も早いユワーズの復帰が待たれます。

#10 ミシシッピ大38、テキサスA&M大35

SEC西地区の優勝争いは上記の通りアラバマ大がLSUを倒したことでアラバマ大が頭一つ分抜きん出ましたが、LSUが負けたことで彼らをすでに倒しているミシシッピ大が地区で2位に踊り出ました。この状況を守るべくテキサスA&M大を蹴散らしておきたかったミシシッピ大ですが、試合は接戦に。しかし彼らがなんとかテキサスA&M大を振り切って地区優勝への微かな希望をつなぎました。

ミシシッピ大はQBジャクソン・ダート(Jaxon Dart)が387ヤードに2TD(0INT)と冴え、RBクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)も102ヤードに3TDとバランスの取れたオフェンスで序盤からリードを奪います。

しかし第4QにテキサスA&M大が猛追し、残り時間4分半というところでQBマックス・ジョンソン(Max Johnson)のスニークでついに逆転!

しかしホームのミシシッピ大は焦りません。続く彼らの攻撃では9プレーを約3分かけて敵陣へ進撃。最後は残り時間1分40秒というところでジュドキンスのランTDが決まり、土壇場でリードを奪い返します。

後がないテキサスA&M大ですが、QBジョンソンのパスプレーがさくさく決まって試合終了2秒前に敵陣29ヤードまでたどり着き、FGが決まればオーバータイムに突入・・・というシチュエーションを迎えましたが、47ヤードのFGはミシシッピ大選手の手をボールがかすめたことで軌道と距離がずれ失敗。ミシシッピ大が辛くも3点差を守って逃げ切ったのでした。

テキサスA&M大はこれでアウェーでの連敗記録が9敗、そして対ランクチームの勝敗数が0勝4敗に。ジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督の進退問題にそろそろ発展する・・・かも。

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