第5週目プレビュー

第5週目プレビュー

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ベースボール・マガジン社 (編集)

オハイオ州立大@ネブラスカ大

全米5位のオハイオ州立大とネブラスカ大のBig Tenマッチアップ。オハイオ州立大はただいま全勝街道まっしぐら。一方のネブラスカ大は3勝1敗ということでこれだけを見れば中々の大一番だということになります。

ジョージア大から転校してきたQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)初年度となる今年、オハイオ州立大は開幕後4試合で214得点に36失点というとんでもない数字を残してきました。確かに彼らはこれまで大した相手と対戦してきていませんが、それでもこれだけの数字を積み重ねることができたのは大したものです。フィールズは開幕以来4試合連続して最低4TDを獲得している驚きの選手で、開幕前からの前評判通りの働きでハイズマントロフィー候補にその名前を連ねています。

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今季絶好調のQBジャスティン・フィールズ

またフィールズだけでなくRB J.K.ドビンズ(J.K. Dobbins)もすでに1000ヤード超えのランヤードを獲得し、1キャリー平均5.8ヤードという今季全米でも随一のRBに数えられています。

また守備陣では先に紹介した得失点差からも分かるように相手チームを完全に攻略してきましたが、特にDLチェイス・ヤング(Chase Young)のオールアメリカン級の働きが際立っており、まさに攻守において打ちどころのない完成されたチームという感じが強いです。

唯一の不安材料を挙げるとすればこれまで対戦してきた相手が全て超格下であり、実際強豪校と対戦した際にどれだけのパフォーマンスを披露できるか未知数であるということぐらいです。

彼らと今回対戦するネブラスカ大ですが、彼らがオハイオ州立大の真価をテストするに値する「強豪校」なのかどうかはわかりません。今年2年目となるスコット・フロスト(Scott Frost)監督に寄せられるファンからの期待度は絶大なもので、それに応えるように開幕前のランキングでは24位にランクインしましたが、コロラド大に逆転負けするとランク外へ転落。3勝1敗とここまでその虎の子の1敗を守ってはいますが、イリノイ大相手に逆転劇を演じなければならなかったりと強いチームという印象からからは程遠いです。

チームとしての未完成度は別として彼らの一番の不安要素はターンオーバーの多さです。ここまで4試合で実に9回もボールを相手に奪われるという体たらくぶり。これではいくら強くても勝てる試合も勝てないというものです。特にオハイオ州立大という超強豪校相手ならば尚更。ただでさえ攻略するのに苦労するチームを相手に自滅していたら話になりません。

ただ少なくともネブラスカ大はオハイオ州立大がこれまで対戦してきたどのチームよりも力のあるチームであることは確か。もしネブラスカ大が世紀のアップセットを演じるのであれば、一つのミスも許されない、彼らのポテンシャル以上の試合を繰り広げなければなりません。カレッジフットボール界でも随一のファンベースを誇るネブラスカ大はスタジアムを真っ赤に染める「Sea of Red」の後押しを受けて世紀の番狂わせに挑みます。

バージニア大@ノートルダム大

先週末ノートルダム大はジョージア大とのアウェーゲームにて僅差で敗れるという死闘を演じました。全米3位のジョージア大に予想以上の善戦をしましたが、負け試合であることに変わりはなく、この敗戦が選手からどれだけのエネルギーを削り取ったか計り知れません。しかしジョージア大戦を見る限りではノートルダム大は実力的にトップ10チームと位置づけて文句はないでしょうから、今後勝ち星を重ね続ければ周りの状況次第では昨年に続くカレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出の可能性が途切れてしまったわけではありません。

だからこそこのバージニア大戦が非常に重要になってきます。バージニア大は今季いまだ負け無しの4連勝中で18位まで上ってきました。先週は格下オールドドミニオン大に大きくリードを奪われますが後半に実力を発揮して4勝目を挙げたわけですが、彼らのオフェンスの中心となるQBブライス・パーキンズ(Bryce Perkins)は機動力あふれるダイナミックな選手として注目です。

ノートルダム大としてはこの試合に勝利してCFP出場への道を確実なものにしたいところですが、ジョージア大戦での敗戦を引きずって油断するようなことがあればノートルダム大がホームで痛い目を見る可能性もなきにしもあらずです。

ペンシルバニア州立大@メリーランド大

金曜日の夜に行われるこのBig Tenマッチアップ。両チームとも先週試合のないバイウィーク。この試合のための準備は万全なはずです。

12位のペンシルバニア州立大はこれまで無敗でシーズンを送っていますが、未だ真の力を試されていないあまり話題に上がってきていないチーム。一方のメリーランド大は開幕2試合で140点以上を叩き出すも2週間前に格下テンプル大にまさかの敗戦を食らってしまったチーム。メリーランド大のポテンシャルが全面に押し出されれば、ペンシルバニア州立大のディフェンス陣は強大な挑戦状を受けることになるでしょう。ペンシルバニア州立大としては若いオフェンスがメリーランド大相手にどれだけ点を取れるかに注目が集まりそうです。

ミシシッピ州立大@アーバン大

開幕戦でのオレゴン大、そして先週のテキサスA&M大という2つの強豪チームから勝利を奪いシーズン序盤の大波を越えたと思われる全米7位のアーバン大ですが、このミシシッピ州立大も油断することは出来ない相手です。

1年生QBボ・ニックス(Bo Nix)率いる若いオフェンスはそのスピードと予測の難しい戦略で、そして全米でも有数のフロントセブンを率いるディフェンスをしてアーバン大は全米でも屈指のチームに数えられています。

ただミシシッピ州立大もランクはされていないもののSEC(サウスイースタンカンファレンス)西地区でダークホース的な存在。昨年アーバン大相手に349ヤードを足で稼ぎ、そのグラウンドアタックは今年も健在。ランゲームとランゲームの激突という古き良きSECフットボールが見れるでしょう。もしミシシッピ州立大のディフェンスがアーバン大を食い止めることができれば、ひょっとしたらひょっとするかもしれません。

アリゾナ州立大@カリフォルニア大

今季ここまでで世間を驚かせているチームの一つにカリフォルニア大が挙げられます。彼らは現在4戦4勝で所属するPac-12カンファレンスでは唯一の無敗チームとなっています。先週はアウェーでSECのミシシッピ大相手に白星を挙げ更に勢いを増してホームでアリゾナ州立大を迎え撃ちます。

ハーム・エドワーズ(Herm Edwards)監督率いるアリゾナ州立大は開幕後3連勝でトップ25入りするも先週コロラド大に逆転負けを喫してしまいました。彼らのオフェンスの中心人物でもあるQBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)とカリフォルニア大のQBチェイス・ガーバーズ(Chase Garbers)との投げ合いも見ものですが、やはりカリフォルニア大が無敗を守って今季のシンデレラチームを演じ続けられるのかに注目したいです。

サザンカリフォルニア大@ワシントン大

全米21位のサザンカリフォルニア大と17位のワシントン大とのPac-12対決も注目したい対決ではありますが、実際どちらも1敗をすでに喫しておりこの試合にかける注目度はちょっと下がってしまっている感は否めません。しかしながら当然カンファレンスタイトルレースにおいては超重要な試合であることに変わりはなく、どちらも負けられない試合になります。

サザンカリフォルニア大は開幕戦でQB J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)を怪我で失い、そのバックアップだったキードン・スロヴィス(Kedon Slovis)も脳震とう(Concussion)のために戦線離脱。そんな中投入された第3の男マット・フィンク(Matt Fink)は先週全米10位のユタ大相手に大活躍。351パスヤードに3TD(1INT)という数字を残して見事金星を獲得しチームは再びランキング内に舞い戻ってきました。スロヴィスはまだドクターストップがかかっておりこのワシントン大戦もフィンクで挑むことになります。

ワシントン大は2戦目にカリフォルニア大にまさかの敗退を喫しましたが、それ以外は順調に勝ち星を重ねています。QBジェイコブ・イーソン(Jacob Eason)はNFLスカウトも注目する有能QBでこれまですでに1000ヤード以上を投げ10TDに対し2INTとそつのないプレーを続けています。ワシントン大のホームということで彼らが有利といえますが、仮にここでカンファレンス2敗目を喫することがあればワシントン大は早くもカンファレンスタイトルレース脱落ということにもなりかねません。

テキサス工科大@オクラホマ大

先週試合のなかった両チーム。どちらもオフェンスの爆発力のあるチームですから、ハイスコアゲームとなる可能性大です。

といってもテキサス工科大は先発QBアラン・ボウマン(Alan Bowman)を肩の怪我でこの試合起用できません。彼らのオフェンスはどのQBでもスコア出来るようなシステムオフェンスを持っているとは言え、オクラホマ大ディフェンス相手にどれだけ点が取れるか気になるところ。

しかし何と言ってもこの試合の最大の見所はオクラホマ大QBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)。アラバマ大からの転校生であるハーツは今季開幕からハイズマン級の数字を毎試合積み重ねており、リンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督のシステム下で水を得た魚のようにその才能を開花させています。彼がこのテキサス工科大戦で再び素晴らしい数字を残せるかどうかに期待したいです。

ノースウエスタン大@ウィスコンシン大

先週ミシガン大を一蹴していよいよトップ10圏内に飛び込んできたウィスコンシン大。ハイズマントロフィー候補RBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)はこれまで毎試合100ヤード以上のランヤードと2つ以上のTDを叩き出しています。その連続記録がこの試合でも更新されるか気になるところ。

ちなみにこの試合で両チームともレトロユニフォームの復刻版を着用する予定になっています。なかなか渋いですよね。

ラトガース大@ミシガン大

ミシガン大は先週上記のウィスコンシン大に為す術もなくやられ、ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督の手腕に疑問の声がわき始めています。今年はライバルであり苦渋を飲ませられ続けてきたオハイオ州立大からアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督が去り、いよいよミシガン大の時代がやってくると期待されながら、蓋を開けてみればその差は更に離されるばかり。ミシガン大の現状はウィスコンシン大戦でもわかったようにかなり重傷です。

その彼らが仕切り直すためにこのラトガース大戦はうってつけです。彼らが勝つことはまず間違いありませんが、ウィスコンシン大戦での敗戦で砕け散ったプライドやら自信やらを是非とも取り戻す試合内容を今週末は期待したいです。

UCLA@アリゾナ大

先週32点差あった試合を引っくり返して劇的な勝利を挙げたUCLA。それまで3連敗で後のなかったチップ・ケリー(Chip Kelly)監督率いるブルインズはその持てるポテンシャルを全開にしてワシントン州立大との打ち合いに勝ちました。この勝利が起爆剤となってケリー監督のダイナミックなオフェンスに再びお目にかかれるか注目したいです。

一方のアリゾナ大も昨年に比べると向上の兆しが見れるチーム。QBカリル・テイト(Khalil Tate)に加えRBゲリー・ブライトウェル(Gary Brightwell)とJ.J.テイラー(J.J. Taylor)というトリオから繰り広げられるランアタックは見もの。東海岸時間10時30分キックオフということで試合終了はかなり遅いものとなりますが、皆が寝静まった後にとんでもない試合になっていた、なんてことがまたありえるかもしれません。

サザンメソディスト大@サウスフロリダ大

今季驚きの快進撃を続けているのはサザンメソディスト大(SMU)。1980年代に猛威を振るうもNCAAの制裁(俗に言うデスペナルティ)を食らって全米の表舞台から姿を消しました。あれから30年、彼らは現在1986年度以来の開幕4連勝を飾り今週のサウスフロリダ大戦を迎えます。

参考記事日大アメフト部の騒動に際して・・・

かつてテキサス大で先発QBを務めたことのあるシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)という経験値の高いQBを擁するハイスコアオフェンスをもつSMUは既出のカリフォルニア大と並ぶ今季のシンデレラ候補。もしサウスフロリダ大に勝つことがあれば5勝無敗となりそうなればいよいよ30年以上の時を経てトップ25ランキングに復活してくる可能性は大です。

 

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