2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

2021-01-13

昨夜（1月11日）行われたCFP全米大学王座決定戦（ナショナルチャンピオンシップゲーム）は第1シードのアラバマ大が第3シードのオハイオ州立大を52対24という大差で退け通算18度目の全米制覇を成し遂げました。

ここではその試合を時系列にそってリキャップしてみたいと思います。

参考記事

全米大学王座決定戦プレビュー①【ここまでの軌跡】
全米大学王座決定戦プレビュー②【スタッツ比較】
全米大学王座決定戦プレビュー③【注目の選手】
全米大学王座決定戦プレビュー④【注目のマッチアップ】
全米大学王座決定戦プレビュー⑤【コーチ対決】
全米大学王座決定戦プレビュー⑥【Xファクター】
全米大学王座決定戦プレビュー⑦【展望】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

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第1クォーター

試合開始に先立ちオハイオ州立大はDTトミー・トギアイ（Tommy Togiai）、DEタイリーク・スミス（Tyreke Smith）、Kブレイク・ハウベイル（Blake Haubeil）の3人の先発選手が新型コロナウイルスの影響でこの試合を欠場。一方アラバマ大は10月に足首を骨折して戦線を離れていたWRジェイレン・ワドル（Jaylen Waddle）がウォームアップ。試合に出場するかは開始時までに自身と家族の判断に委ねられるということでした。

そしていよいよ試合開始。前半はアラバマ大のキックオフ、オハイオ州立大からの攻撃で始まります。しかしオハイオ州立大は最初のドライブの最初のスナップでいきなり危機に直面。というのもこの試合で活躍が大いに期待されていたRBトレイ・サーモン（Trey Sermon）が鎖骨を負傷。たったの1キャリーで負傷退場を余儀なくされたのです。

This was possibly the play that injured Trey Sermon. #NationalChampionship pic.twitter.com/BjJsvs0Z0X
— TSN (@TSN_Sports) January 12, 2021

結果的にサーモンは試合会場から病院へ直行。初っ端からオハイオ州立大はゲームプランを乱されるという大打撃を負い、結局このドライブは1度も1stダウンを奪えずにパントに甘んじます。

返しのアラバマ大の攻撃。QBマック・ジョーンズ（Mac Jones）がハイズマントロフィー受賞WRデヴォンテ・スミス（DeVonta Smith）へスクリーンパスを放りそれを受け取ったスミスがスピードに乗って22ヤードゲイン。出だしからこのコンビのコネクションの先制パンチです。

DeVonta Smith, Metchie and Billingsley are in a tight bunch on the left. Jones throws a quick screen pass to Smith in order to take advantage of his skills after the catch. Metchie and Billinglsey created space picking up solid blocks. 22-yard gain. (2) pic.twitter.com/tkQLsSsgZ4
— Luca Sartirana (@SartiranaLuca) January 12, 2021

更にジョーンズは立て続けにRBナジー・ハリス（Najee Harris）へチェックダウン。これが12ヤードゲインで一気に相手陣内へ突入。

Mac Jones dumps the pass off to Najee Harris who runs for 12-yds #Alabama #OhioState

pic.twitter.com/PPdTN24Kdt
— Sideline CFB (@SidelineCFB) January 12, 2021

テンポよく進撃するアラバマ大。今度はハンドオフからハリスが13ヤードのゲインを獲得。徐々にエンドゾーンが近づいてきます。

Najee Harris 13 yard rush#Alabama #OhioState

pic.twitter.com/I30L6Hf8w8
— Sideline CFB (@SidelineCFB) January 12, 2021

そして相手陣内22ヤードで迎えた3rd&3ヤード、ここで遂にワドルがラインアップ。そしてジョーンズからのトスを受け取るとスピードに乗って15ヤードのゲイン！

Jaylen Waddle gets the big first down for Alabama, but limps off the field. pic.twitter.com/1cqxiKUPEz
— The Comeback (@thecomeback) January 12, 2021

考えてみればこれが2ヶ月半振りの実戦であり、プレーを見ていただければ分かると思いますが怪我のせいで減速することもままならず、プレー後は明らかに足を引きずりながらサイドラインへ戻る様子からも分かるように彼は100%には程遠い状態にあります。にも関わらずこの試合に出場を決めたということはそれだけチームメイトとともにこのタイトルゲームを勝ちたいという強い意志の現れだったのでしょう。

この1stダウンプレーを起点にレッドゾーンへ突入したアラバマ大でしたが1ヤード地点で4th＆ゴールという状況を迎えます。ここでニック・セイバン（Nick Saban）監督ならびにオフェンシブコーディネーターのスティーヴ・サーキジアン（Steve Sarkisian）氏は4thダウントライを敢行。アラバマ大は滅多に4thダウントライをしないチームですからこのプレーにはそれ相応のメッセージが込められていましたが、その期待に応えてハリスがランTDを決めて先制点を挙げます。

Alabama strikes first with a 1-yard score by Najee Harris.#NationalChampionship pic.twitter.com/K22W6OKZK9
— CFB Kings (@CFBKings) January 12, 2021

このスコアリングドライブは実に12プレーを5分半かけて78ヤード進撃するという濃い内容のドライブでさすがアラバマ大という印象を強く焼き付けました。

しかしオハイオ州立大も黙ってはいません。少々落ち着きを取り戻したQBジャスティン・フィールズ（Justin Fields）は自陣36ヤードからWRクリス・オラヴェ（Chris Olave）への20ヤードパスが決まってアラバマ大陣内へ侵入。

Fields passes to Olave for 20-yds #OhioState #Alabama

pic.twitter.com/nOJYxyokU9
— Sideline CFB (@SidelineCFB) January 12, 2021

さらに前試合のシュガーボウルで2つのTDを挙げ活躍したTEジェレミー・ラッカート（Jeremy Ruckert）への素晴らしい36ヤードパス＆キャッチが決まって一気にアラバマ大陣内レッドゾーンへ。

Jeremy Ruckert with a one-handed catch for Ohio State. #GoBuckeyes pic.twitter.com/Dg8L03gOlG
— Justin Groc (@jgroc) January 12, 2021

そして最後はサーモンが退場したために代役として登場したRBマスター・ティーグ・III（Master Teague III）が8ヤードのTDランを見事に決めて同点に。点を取られても取り返すという対アラバマ大戦での絶対条件をまずはクリア。この時点で多くの観戦者達はこの試合は面白くなるぞと予感したことでしょう。