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2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

第3クォーター

21点を追うオハイオ州立大は後半の大幅な巻き返しを狙いますが不運なことに後半はアラバマ大の先攻で始まります。ここまでほぼポゼッション毎にTDを重ねてきたアラバマ大ですからこの後半のオープニングドライブでTDを許して28点差をつけられるとその時点で敗戦は濃厚となるわけで、是が非でもそれだけは避けたいところでした。

そんな第3Qの最初のプレーでRBハリスが13ヤードのランで1stダウンを奪い勢いが冷めていないところを見せますが、次のプレーでWRスミスに大きなアクシデントが。

ジョーンズからのパスを捕球する体制に入ったスミスはそれを阻止しようとしたLBピート・ウェーナー(Pete Werner)からのタックルを受けます。このタックル自体も中々の衝撃だったのですが、この際スミスの右指がウェーナーのジャージに引っかかり画面で確認すると人差し指が逆方向に曲がっています。

プレー後の様子を見ても明らかに人差し指がおかしなことになっており(苦笑)素人目から見ても脱臼しているようでした。ただ指の脱臼は割とすぐに戻せるものですし、試合に復帰する確率も高い怪我であることが一般的です。しかしスミスはサイドラインで処置を受けた後そのままチームのメディカルテントに引っ込んでしまいます。

スミスの怪我の具合が心配される中アラバマ大の攻撃は続きます。彼が退く中WR陣からはメッチー、ワドル、ゼヴィアー・ウィリアムス(Xavier Williams)、TEジャリール・ビリングスリー(Jahleel Billingsley)といったチームメイトが穴をしっかり埋めます。

ただオハイオ州立大陣内5ヤードラインまで進撃したアラバマ大オフェンスでしたが3rdダウンをコンバート出来ずこの日初のFGにとどまります。この3rdダウンプレーはジョーンズからハリスへのショートパスだったのですがハリスは2ヤードラインで止められてしまいます。その時のプレーがこれ。

ハリスはキャッチざまにSジョシュ・プロクター(Josh Proctor)のタックルを食らいますがこれを弾き飛ばす強靭さを見せ、逆にプロクターはふっとばされます。しかもハリスはそのままフィールドに倒れ込むこと無く立ち続け前身を試みます。これは他のDB陣に阻止されますがここでもハリスのタフネスをうかがうことができます。

ただここまで実に16プレーを7分13秒費やしたアラバマ大のドライブは圧巻ではありましたが、これはFGに持ち込めたオハイオ州立大ディフェンスに軍配が上がったと言えるでしょう。

アラバマ大に第3Qの半分を消耗されてしまったオハイオ州立大ですから彼らが24点差をひっくり返すには速攻でスコア差を縮めるのが大前提でした。そして次のドライブでそれを見事に体現します。

自陣25ヤードから出発したオハイオ州立大はWRウィルソンへの17ヤードパスとアラバマ大ディフェンスのパスインターフェアレンスに助けられフィールド中央まで一気にボールを運ぶとQBフィールズの33ヤードランによるビッグゲインで相手陣内20ヤードラインまで侵入。

そして最後はフィールズからウィルソンへの20ヤードのフェードパスが見事に決まってなんとたった4プレー(しかも4つとも1stダウンを奪うロングゲイン)を1分でこなして後半最初のスコアを獲得。スコアを38対24とし大逆転を目指すオハイオ州立大としてはこれ以上無い立ち上がりとなり、意気消沈していたファンにとっても一筋の希望の光を見いだせる後半の出だしとなりました。

しかしながらオハイオ州立大が相手にするアラバマ大は敵が何をしようと自分たちのフットボールを粛々と行う完成されたチーム。オハイオ州立大が見せた反撃の目を摘むように次のドライブでも怒涛の攻撃を見せます。

特にこのドライブではハリスのバックアップであるブライアン・ロビンソン(Brian Robinson)が登場して4キャリーで32ヤードを奪うとジョーンズは3投すべてのパスを成功させ最後は2年生WRスレイド・ボールデン(Slade Bolden)へショートパスを渡すとボールデンが左エンドゾーンのパイロンめがけてダイブ。これがTDとなり再び点差を21点に広げます。

しかもこれがボールデンにとって大学キャリア初のTD。その記念すべきTDがこのナショナルチャンピオンシップゲームで記録されたとは彼にとっては一生忘れられないプレーとなるでしょうね。

ただこのドライブでジョーンズはスクランブルからのスライド時に膝から着地して膝を負傷。この怪我でジョーンズが退場することはありませんでしたが、この後試合終了時まで膝を引きずる素振りを見せることになります。彼はスライドの仕方を学ばなければなりませんね(笑)。

一方逆転への一歩を踏んた矢先のアラバマ大の追加点にオハイオ州立大陣営の落胆の色は隠せませんが、ここでデイ監督は2連続のランプレーをコール。さらに自陣45ヤードラインでの4thダウントライでもRBティーグがスクリメージライン手前でDTクリスチャン・バーモア(Christian Barmore)に止められてしまい攻撃権をアラバマ大に譲ることになります。

相手陣内43ヤードという絶好のポジションからの攻撃となったアラバマ大はオハイオ州立大の息の根を止めるべく攻撃開始。そしてジョーンズからメッチーへの27ヤードパスが決まり相手陣内16ヤードラインまで到達したところで第3Qが終了します。

【第3クォーター終了時のスタッツ】

引き続きアラバマ大の圧倒的強さが光ります。あともう1クォーター残っているというのにジョーンズはすでに450ヤードを超えるパスヤードを記録。トータルヤード、ファーストダウン回数、ポゼッション時間とどれもアラバマ大がオハイオ州立大の約2倍の数字を叩き出しており力の差は歴然。

ただ第3Q開始早々に負傷退場したWRスミスは結局フィールドには戻ってこずロッカールームへ退散。この時の詳細は分かりませんが、おそらく無理して戻ってこようとすれば戻ってこれたものの、スミスの今後のキャリアの事を考えて大事を取ったのではないかと推測します。しかも前半終了時に彼は215ヤードに3TDを獲得しスコアも21点差ついていたため、スミスが欠場しても十分勝利を見込めると判断したも考えられます。

第4クォーターへ

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