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2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

第4クォーター

いよいよ試合は最終クォーターに突入。すでにアラバマ大とオハイオ州立大の点差は埋めがたいところまで広がってしまいましたが、試合はまだあと15分も残っています。

とはいえ相手陣内16ヤードからの攻撃となるアラバマ大にとってこの位置はスコアしないほうがおかしいというもの。4プレー後にはRBハリスのこの日3つ目のTDが決まってスコアが52対24となり、これがオハイオ州立大にとどめを刺すダメ押しの追加点となったのでした。

敗色濃厚となったオハイオ州立大でしたが、自分たちの意地と威厳を見せる攻撃を見せます。次のポゼッションでは自陣25ヤードから攻撃を開始すると実に17度のプレーでドライブを継続。アラバマ大陣内6ヤードラインまで迫りますが、4thダウントライでのフィールズのパスは無情にも失敗に終わり無得点に。

オハイオ州立大には最後もう一度攻撃権が回ってきますが、フィールズがDTバーモアにサックされて早々にパントを余儀なくされます。

バーモアはこの日5つのタックルに1つのQBサックと活躍。試合終了後に贈られる守備MVPも受賞し確実に将来のドラフトにおける株を急騰させました。

この日最後のポゼッションとなった最後のドライブでは来年からハリスの後釜として先発出場が期待されるRBロビンソンが37ヤードを稼いでビクトリーフォーメーションへとひた走ります。そしてQBジョーンズもお役御免で来年からチームを引き継ぐQBブライス・ヤング(Bryce Young)にバトンタッチ。

途中膝を負傷して足を引きずりながらもチームを牽引したジョーンズはこの日実に80%のパス成功率で464ヤードに5TDを記録。これは昨年ルイジアナ州立大ジョー・バロウが樹立したタイトルゲームでの最多パスヤードを1ヤード上回る新記録となります(TD数はバロウと並んで最多タイ)。

そして試合終了直前。セイバン監督はある人物を呼び寄せてフィールドに送り出します。それは今年先発センターを務め年間最優秀センター賞であるレミントン賞を獲得するもSECタイトルゲームで膝靭帯(ACL/前十字靭帯)を断裂して残りの試合出場は絶望だと言われていたランドン・ディッカーソン(Landon Dickerson)です。

試合前のウォームアップ時からゲームギアを装着しており「ん?」と感じていましたが、OL陣のムードメーカーでもあったディッカーソンに大学キャリア最後のプレーをチームメイトとともにフィールドで分かち合うチャンスをセイバン監督が与えたのです。

何という粋な計らい。負傷から完治していないにもかかわらずチームに少しでも貢献したいと復活したWRワドルといい、膝を引きずりながらプレーし続けたジョーンズといいチーム一丸となっている感じがひしひしと伝わってきました。

試合終了時には勝利の美酒ならぬゲーターレイドのシャワーを浴びたままディッカーソンに担がれるセイバン監督。喜びもひとしおです。

ファイナルスコアは52対24。終わってみればアラバマ大が28点差をつける圧倒的な強さでオハイオ州立大を一蹴し18度目のナショナルタイトルを手に入れました。またセイバン監督にとってはアラバマ大で6度目の栄冠となり、同校のレジェンドでもあるポール・「ベアー」・ブライアント(Paul “Bear” Bryant)氏と並びました。さらに言えばセイバン監督の通算タイトル獲得数はルイジアナ州立大時代の1つを含めて7つとなりとうとうカレッジフットボール史上最多タイトル獲得監督に躍り出たのです。

【試合終了時のスタッツ】

名実ともにカレッジフットボール界最強にして最高の監督「GOAT」となったセイバン監督。試合後のインタビューでは、パンデミックという厳しい状況の中でチーム内では特別な絆が生まれチームは一丸となった、それがこのチームの最高に素晴らしいところだ、と普段は余りべた褒めしないセイバン監督が今季のチームに携わったすべての人達へ労をねぎらいました。

こうして新型コロナウイルスに振り回され続けた2020年度シーズンはアラバマ大が13勝0敗というパーフェクトレコードで他のチームの追随を許さず全米の最高峰に降臨し幕を閉じました。ここに至るまで多くの選手が自分の時間を犠牲にしてチーム活動に打ち込み、また舞台裏ではメディカルスタッフなどたくさんの支えによって今シーズンを終えることが出来ました。

確かにいつもとはかなり違うシーズンで観客が極端に少ないか無観客の中行われ盛り上がりもいまいちであったことは否めず、もっといえば本当に今シーズンここまでしてカレッジフットボールを開催する必要があったのかは今もはっきりと「イエス」と言えない部分もあります。しかしそれでもファンとしてここまで試合を楽しませてもらえたのはひとえに現場の選手やコーチ、サポートスタッフの尽力があったからこそ。

それら全員の人々にお疲れ様、そしてありがとうと言いたいです。

2020年度シーズンは長いカレッジフットボールの歴史の中でもこの先語り継がれるスペシャルなシーズンとなるでしょう。願わくば来シーズンは世界のコロナ情勢が落ち着き心の底からこの素晴らしいスポーツを楽しめるようになってほしいものです。

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