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シュガーボウルレビュー【2020年度シーズン】

シュガーボウルレビュー【2020年度シーズン】

オハイオ州立大

49

クレムソン大

28

J.フィールズ(オハイオ州立大QB) 
385ヤード、6TD、1INT

T.サーモン(オハイオ州立大RB) 
193ヤード、1TD

C.オレイヴ(オハイオ州立大WR) 
132ヤード、2TD

T.ローレンス(クレムソン大QB) 
400ヤード、2TD、1INT

T.エティエン(クレムソン大RB) 
32ヤード、1TD

C.パウウェル(クレムソン大WR) 
139ヤード、2TD

カレッジフットボールプレーオフ(CFP)第2戦目となったシュガーボウルクレムソン大オハイオ州立大の戦いは昨年のセミファイナルと同一カードということでそれぞれに思うところがあったリマッチとなりました。

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開幕時に全米1位チームとして君臨し続けたクレムソン大は途中ノートルダム大に敗れて1敗を喫するもしっかりとACC(アトランティックコーストカンファレンス)タイトルゲームで雪辱を果たしてこの大舞台に帰ってきました。狙うは3年連続のファイナル進出でしたが・・・。

一方のオハイオ州立大は遅れて開幕したBig Tenカンファレンススケジュールの上、新型コロナウイルスの影響で3試合がキャンセルになったためこの試合まで6試合しか行うことが出来ませんでした。

6試合しかこなしていないチームがCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に参加する資格があるかどうかという議論まで沸き起こりましたが、その外野の雑音をピシャリと鎮めるべくこの試合で彼らの強さを証明したいところでした。

第1クォーター

クレムソン大の先攻で始まった第1Q、QBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)が立ち上がりからシャープなプレーを見せます。試合開始直後から3回連続パスを成功させてリズムを作ると速攻で相手陣内へ侵入。

そしてコーネル・パウウェル(Cornell Powell)への正確無比なパスが通って5ヤードラインまで進むと、今度はローレンス自身が足でロールアウトしそのままエンドゾーンへダイブ。開始3分も経たずにクレムソン大が先制パンチをお見舞いします。

返しのオハイオ州立大の攻撃では1度もファーストダウンを奪えずにパントを余儀なくされ立ち上がりはクレムソン大の流れが出来つつありましたが、その次のクレムソン大の攻撃もパントに甘んじます。

そしてオハイオ州立大2度目のドライブではQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)が2つのパスをつなげて一気にクレムソン大陣内に侵入するとRBトレイ・サーモン(Trey Sermon)の32ヤードの快走でTD。スコアを7対7の同点とします。

しかしクレムソン大も焦ることなくローレンスのパスを起点にオハイオ州立大陣内へ攻め込みRBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)の3ヤードランTDが決まって再びリード。

そのお返しとばかりに今度はオハイオ州立大がフィールズからWRギャレット・ウィルソン(Garrett Wilson)への47ヤードのパスで一気にクレムソン大のレッドゾーンへ侵入。フィールズの強肩並びにウィルソンの適応能力に思わずため息が漏れます。

そして最後はフィールズからTEルーク・ファレル(Luke Farrell)への針に糸を通すようなパスがエンドゾーンで決まって再びオハイオ州立大が同点に追いつきます。

第1Qを終えて14対14のタイゲームとなった時点でこの試合はお互いが点を取り合うハイスコアゲームになると誰もが思ったことでしょう。しかしその均衡が崩れるまでそう時間を要することはありませんでした。


第2クォーター

第2Q開始直後に攻撃権を得たオハイオ州立大はフィールズのパスアタックと彼自身のスクランブルでじわじわと相手陣内へ攻め寄りレッドゾーンへ侵入。最後はTEジェレミー・ラッカート(Jeremy Ruckert)への17ヤードTDパスで遂にオハイオ州立大がリードを奪います。

さらに攻めあぐむクレムソン大を横目にオハイオ州立大は攻撃の手を緩めません。Big Tenカンファレンスタイトルゲームで驚異の331ランヤードを記録したサーモンはこの試合でもド迫力なランを披露。

しかしこのドライブでフィールズはクレムソン大LBジェームス・スカルスキ(James Skalski)から腰辺りに激しいタックルを受けてフィールド上で悶絶。しばらく立ち上がれないほどの痛みを抱えて一時退場を余儀なくされました。

このプレーを起こしたスカルスキはターゲッティングの反則をとられて退場処分に。ただでさえ追う立場で厳しい状況に立たされていたクレムソン大にとってディフェンスの司令塔とも言えるスカルスキを失ったのは大打撃となりました。

そしてその痛みに耐えながら1プレー後に復帰してきたフィールズはWRクリス・オレイヴ(Chris Olave)への9ヤードTDパスを決める気迫のプレー。パスを投げた後も顔を歪めるシーンが見られましたから相当な痛みを伴っていたことでしょうが、そんな中で見せたこのパスプレーに彼のこの試合にかける意気込みのすべてを読み取ることが出来ました。

出だしこそ快調な滑り出しを見せたクレムソン大はラインバトルで攻守ともにオハイオ州立大に遅れを取り、またオフェンスではエティエンのランが無効化されたことで攻撃が単調に。また通常効果の高いローレンスのスクランブルも思ったほどの結果を残せずファーストダウンを奪えないままズルズルと追う展開に拍車をかけてしまいます。

オハイオ州立大はサーモンのランが非常に冴えたことでショートヤードの状況を多く生み出し継続的なドライブを量産することに成功。そして第2Q終了間際には再びTEラッカートへのTDパスが決まり、なんと前半終了時に35対14という大差でオハイオ州立大ガリードを奪ったのです。

ファレルといいラッカートといい前半はレシーバーとしてTEを多用したオハイオ州立大。それに対応するためにクレムソン大はより頻繁にベースディフェンスを送り出すことになるのですが、この布石が後半のWRオレイヴの爆発につながっていきます。


第3クォーター

かつてここまで点差をつけられて追う立場になったことがないクレムソン大。すでに試合に黄色信号が灯っており、しかも後半はオハイオ州立大の攻撃から始まるということでもしこのドライブでTDを獲られればそこでゲームオーバーともなりかねない状況に置かれました。

その第3Qもフィールズとサーモンの冴えたパフォーマンスは続きあっという間にクレムソン大のレッドゾーンへの侵入を許します。しかしここでフィールズがエンドゾーンへ放ったパスをDBマイク・ジョーンズ(Mike Jones Jr)が起死回生のINT。クレムソン大としてはまたとないチャンスを得ます。

21点差をつけられなんとしてもこの点差を詰めたかったクレムソン大はローレンスとエティエンのプレーで確実にヤードを稼ぎ9プレー目でWRパウウェルへの10ヤードTDパスが見事に決まって久方ぶりの追加点で点差を2TD差に縮めます。

しかしそんな喜びもつかの間。クレムソン大がわずかに得た希望の火を吹き消すようにフィールズからオレイヴへの56ヤードのロングパスが見事に決まりオハイオ州立大が再び点差を21点に広げます。

反撃の狼煙を上げたものの、その煙を返す刀に消されてしまったクレムソン大。オフェンスのリーダーであるローレンスは何とかこの不利な状況を打開したいともがきますが、逆に自らのスクランブル時にファンブルを犯し攻撃権を相手に譲ってしまいます。この時点ですでに試合は決まったも同然でした。


第4クォーター

第2Qに負った怪我の影響を微塵にも感じさせないフィールズは第4Q開始早々にダメ押しとなるジェイムソン・ウィリアムス(Jameson Williams)への45ヤードのビッグボムを投下。

ただ一矢報いたいクレムソン大は10プレーの末にこの日2つ目となるパウウェルへのTDパスが決まって28点目をスコアボードに残します。しかし彼らのあがきもここまで。結局試合はこのまま終了し終わってみれば前評判を大幅に覆す49対28という3TD差でオハイオ州立大が大勝。見事に昨年のリベンジを果たしたのでした。


総評

立ち上がりを除き第2Q以降はとにかくオハイオ州立大がすべての面においてクレムソン大を圧倒。特にフィールズはこの日合計6つのTDを奪う力投を見せ彼の能力に疑いの目を持った人間すべてにギャフンと言わせました。

しかもそれらは第2Qに負った怪我による激痛に耐えながら残したパフォーマンス。ポケット内で慌てることなく我慢する時は我慢する、スクランブルする時は効果的に走る、無理をすべきでない場面ではアウト・オブ・バウンズへパスを逃がすと完璧に近いプレーは落ちかけていたNFLドラフトでの株を持ち直すには十分でした。

またここまで全米ワースト4位となるQBサック数を記録していたOL陣が奮闘。フィールズが食らったサックは2つということで平均数(3)を下回ることに成功しました。またパスプロだけでなくランブロックではさらに威力を発揮。サーモンの水先案内人として尽力し彼の193ヤードのランアタックに大きく貢献しました。

ちなみにサーモンは前試合であるノースウエスタン大とのBig Ten優勝決定戦で331ヤードを足で稼いでおり、このシュガーボウルでのヤードと合わせると2試合で542ヤードをランで記録したことになります。これは2試合連続で獲得したランヤードの合計数でオハイオ州立大史上最多ヤードとなりました。

またレシーバー陣ではオレイヴを筆頭にフィールズがうまくボールを複数の選手に振り分け、このスキルポジションでのクレムソン大との差が大きく出ました。特にノースウエスタン大戦に新型コロナの影響で出場できなかったオレイヴが大活躍したことは逆にノースウエスタン大戦でフィールズが苦戦した理由を如実に物語りました。

ディフェンス陣に関してはクレムソン大のランアタックを無効化(合計44ヤード)したことが功を奏しました。ローレンスには400ヤードを投げられはしましたが、一方でエンドゾーンに近づかせず30、40得点は当たり前のクレムソン大オフェンスを見事に攻略。

 

しかしやはり一番のポイントはオハイオ州立大がいかにこの試合に勝ちたかったか、その気迫の違いがモロに結果に現れたのだと思います。

彼らは昨年のCFP準決勝戦でクレムソン大に29対23と惜敗し夢のタイトルマッチへの道を阻まれました。以来彼らはその悔しさをバネにトレーニングを積んできたのです。

またそれだけでも彼らがこの試合にかける執念がどれほどなものかおわかりいただけると思いますが、試合に先駆けて敵将のダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督から挑発とも取れるコメントを聞かされて選手らの闘志はマックス状態に。

コーチが投票して決定するAmway/コーチランキングというのもがあるのですが、投票権を持つスウィニー監督は最新のランキングにてオハイオ州立大を11位に投票。なぜなら6試合しか試合をしていないチームはどんなに強くてもトップ10以内にランクされる資格はないからだと話したのです。

これを聞いたオハイオ州立大選手が闘志を燃やさないわけがありません。すでに昨年のリベンジに燃えている彼らにとってこのスウィニー監督のコメントは炎に油を注ぐようなもの。

実際前オハイオ州立大監督で現在フォックススポーツ専属の解説者を務めるアーバン・マイヤー(Urban Meyer)氏は内部の人間からの話として(情報筋が誰なのかは容易に想像できますが)、このスウィニー監督のコメントが世に出てから3度行われたチーム練習は今季最高の出来となったと話しました。

これらのことからも分かるようにオハイオ州立大がこの試合にかける意気込みがクレムソン大のそれを凌駕していたことがテレビの画面から見ても感じることが出来たのです。実際見ていてこの試合はこれまでの今季の彼らの試合と比べれば桁違いのパフォーマンスでした。

ちなみに試合後勝利の美酒に酔いしれたオハイオ州立大ファンたちは彼らを11位にランクしたスウィニー監督を皮肉るような「ダボ!ダボ!ダボ!」という大歓声をスタジアム内に響き渡していました。

また試合直後のインタビューでこのすウィニー監督の11位コメントについて聞かれたフィールズはあえてそれに関してコメントを控えるという大人ぶり。

スウィニー監督自身も試合後の記者会見でこの「11位」コメントをしたことを後悔しているかと言われ「後悔はない」と断言。しかしこの状況で発言主が後悔しているなんて思っていても口にすることなど出来ないでしょうから、スウィニー監督の本心はわかりかねます。まあでも「言わなきゃよかったかな」ぐらいは胸の奥底で思っていることでしょうね。

ただスウィニー監督の言い分は一理あるとは思いますが、それを口に出すのと出さないのでは大きな違いです。とどのつまり彼は今回喋りすぎたのです。もちろん彼の挑発的コメントが敗戦の主な理由だとは思いませんが、スポーツとは所詮感情を持つ人間同士が行うもの。そしてその感情は時として人智を超える力を生み出すものなのです。

===

さてこれで今年度のCFPナショナルタイトルゲームのマッチアップが決まりました。3年ぶりの全米王座を狙う第1シードのアラバマ大と2014年以来の栄冠を目指す第3シードのオハイオ州立大の激突。頂上決戦は1月11日。12勝0敗のアラバマ大と7勝0敗のオハイオ州立大という無敗同士の戦いが今から待ち遠しいですね。

ハイライト動画

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