予定/結果

ランキング

順位表

プレシーズン

2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

2020年度全米大学王座決定戦リキャップ

第2クォーター

第2クォーター開始のいの一番にアラバマ大は再びジョーンズのプレーアクションからのスイングパスを受け取ったスミスがエンドゾーンギリギリへ滑り込んでTD。早々にリードを奪い返します。

このプレーではスミスがスロットの位置から一旦中央へ走ると見せかけて方向転換して相手DBの反応を一瞬遅らせています。この小さくも精密なモーションがこのTDを生んだと言えるでしょう。

点取り合戦を演じるには得点で応戦したいオハイオ州立大。まだ焦る時間帯でもないフィールズはポケットで落ち着いた様子を見せ、まずはWRジェイミソン・ウィリアムス(Jameson Williams)へ14ヤードのパスを通して1stダウン。

また自陣42ヤード地点で3rd&7ヤードという長めの3rdダウントライを迎えますが、ここでもフィールズは相手ディフェンダーにパスをかすられながらもWRギャレット・ウィルソン(Garrett Wilson)への13ヤードパスを決めてアラバマ大陣内へボールを動かします。

しかしここからオハイオ州立大は攻めあぐみ結局パントを強いられます。アラバマ大が毎ドライブでTDを獲ってくると思われる中、それについていくために彼らもTDを獲らなくてはならない状況でこのパントは嫌な流れを生む予兆がたっぷりでした。

が、ここでオハイオ州立大は思いがけないターンオーバーを引き出します。QBジョーンズがLBバーロン・ブラウニング(Baron Browning)にストリップサックを食らってボールをファンブル。それをブラウニング本人がアラバマ大陣内19ヤードラインでリカバーするという好機を得たのです。

これがジョーンズにとって大学キャリア初のファンブル。このチャンスを逃すはずがないオハイオ州立大はDBジョシュ・ジョブス(Josh Jobs)からディフェンシブパスインターフェアレンスを引き出し4ヤードラインへ進撃すると最後はRBティーグが4ヤードTDランを決めて同点。ディフェンスの奮闘に助けられパントに終止した前回のドライブを帳消しにしました。

このTDも最初のTDもどちらもショートヤードとはいえティーグにとってこれがこの日2つ目のTD。サーモンの魂が宿ったような力強い走りで彼の穴を十分に埋めているようでした。この時点までは・・・。

追いつかれたアラバマ大ですがリードを再び奪い返すまでそう時間を擁しませんでした。ジョーンズからスミスへのパスが2つ連続で続いて成功して1ストダウンを2つ奪いますが、その内の一つがこれ。

一体これをどうやってディフェンドすればいいというのでしょうか?!リアクション、キャッチ能力、そしてインバウンドに足を残すアウェアネス。どれをとってもNFL級の技術です。

そしてこのプレーを起点に相手陣内へ急襲したアラバマ大はさらにハリスの13ヤードのランプレーで1stダウンを奪い33ヤード地点まで進撃。そしてLBブラウニングのブリッツを察したジョーンズは素早くハリスへとパスを投げると・・・。

キャッチ能力も去ることながらスピードを落とすことのないカット能力が超絶品。ハリスの強みはラン能力だけでなくレシーバーとしても秀逸な技術を持ち、ダウンフィールドでの判断力が優れているところにあります。

ちなみに彼がキャッチの練習をしている風景がこれ。

ボディーバランスが半端ないです。

スコアが21対14とファンブルしたドライブを除いたすべての攻撃でTDを叩き出しているアラバマ大。当然次はフィールズ率いるオハイオ州立大の出番です。

ここでようやくフィールズの機動力がアラバマ大ディフェンスに突き刺さります。自陣28ヤードラインから28ヤードのQBラン。彼はクレムソン大戦で腰部に怪我を負っておりこの試合でも完調ではありませんでしたが、そのせいもあってかこのランプレーもどこか様子を見ながら走っているような気がしました。ただそれでこのビッグゲインですから問題無いのでしょうが(笑)。

このフィールズのランで相手陣内へ突入すると続けざまにRBティーグがOL陣の素晴らしいブロッキングにより29ヤードのランを獲得して一気にレッドゾーンへ。

ここでアラバマ大ディフェンスにピンチが訪れます。16ヤードラインで迎えた3rd&11ヤード、フィールズはスラントで入ってきたTEラッカートにパスを投げますがここに飛び込んできたDBジョーダン・バトル(Jordan Battle)にターゲッティングの反則が適用されバトルは即退場処分となってしまったのです。

先発DBのバトルをこの大舞台で失うことがアラバマ大ディフェンスに及ぼす影響は大きいと思われ、オハイオ州立大がアラバマ大との競り合いについてきている状況でのバトルの欠場は、フィールズのキレ次第では試合を左右しかねない損失でした。

が、オハイオ州立大は相手陣内6ヤードランまで攻め込むも4thダウンを迎え、ここでライアン・デイ(Ryan Day)監督はTDを狙いに行くギャンブルではなく確実に3点をとるFGを選択。これにより遂に均衡が破れてしまいます。後から考えるとこのデイ監督がこの決断をした時点で試合の流れが変わったのかも・・・。

オハイオ州立大は何とかアラバマ大の連続得点のモメンタムを断ち切りたいところでしたがアラバマ大はそれを許しません。その希望を打ち砕くかのようなジョーンズとスミスのコンビネーションがまたも炸裂。今度は44ヤードのロングゲインが決まってこのドライブが始まってから1分半もしないうちに相手レッドゾーン内へ。

ちなみにこのキャッチによりスミスの今季のレシーブヤードにおいてSEC(サウスイースタンカンファレンス)の新記録を樹立。昨年記録を更新したルイジアナ州立大ジャマー・チェイス(Ja’Marr Chase)の1780ヤードを抜いたのです。

そして最後はこの試合2度目のTDとなるスミスの5ヤードレセプション。

このプレーは最初のTDプレーとほぼ同じ(逆サイド)。スミスに来ると分かっていても止められないところを見ると、彼が稀有の能力の持ち主であることが如実に分かると思います。

このTDでいよいよこの日1TD以上の差がついてしまったオハイオ州立大。さらに悪いことに返しのドライブでは1度もファーストダウンを奪えずにみすみす攻撃権をアラバマ大に譲ってしまいます。そして当然襲いかかるのはこの男。

やっぱりこのプレーもプレーアクションパスですが、ハイズマントロフィー受賞WRをディフェンドするのにLBタフ・ボーランド(Tuf Borland)では流石に荷が重すぎます。これもミスマッチをうまく利用したジョーンズの読み勝ちというところでしょうか。

これでスコアが35対17となり前半を終える直前でオハイオ州立大21点差も付けられてしまいました。第2Q突入時には7対7の同点だったのにも関わらずアラバマ大が第2Qだけで28点も奪いいよいよ地力の差が出始めてしまったのです。

【前半終了時のスタッツ】

前半終了時のスタッツを見てもほぼ全域でアラバマ大がオハイオ州立大を凌駕しています。唯一オハイオ州立大にアドバンテージがあるのはランヤード、ペナルティー、そしてターンオーバーですが、それらがスコアに全く影響を及ぼしておらず、完全にオハイオ州立大が力負けしている状況。

そしてやはり想像通り、というか想像以上のパフォーマンスを残したのがWRスミス。

前半だけで彼が獲得した数字がオハイオ州立大の全体でのレシーブ記録を上回っているという🧐🧐🧐 さすがハイズマントロフィーを受賞しただけあるというものです。そして12回のキャッチと3つのTDはCFPタイトルゲームだけでなくその全身であるBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)のタイトルゲームをひっくるめても最多記録。

これらの数字を前半2クォーターだけで叩き出したのですから、後半のスミスの活躍を考えると一体試合終了時にはどれほどのスタッツが生み出されているのか想像もできませんでしたが・・・。

第3クォーターへ

この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

ANY GIVEN 
SATURDAY

全米カレッジフットボールファンサイト