伝統の一戦【アーミーvsネイビーレビュー】 - ANY GIVEN SATURDAY

伝統の一戦【アーミーvsネイビーレビュー】

伝統の一戦【アーミーvsネイビーレビュー】

先日ルイジアナ州立大ジョー・バロウ(Joe Burrow)がハイズマントロフィーを受賞した記事を紹介しましたが、同じ日の午後にはカレッジフットボール界を代表するライバリーゲーム、陸軍士官学校海軍士官学校の一戦がフィラデルフィアイーグルスの本拠地であるリンカーンファイナンシャルフィールドで行われました。

カレッジフットボール界のFBS(フットボールボウルサブディビジョン)には上に挙げた2チームの他に空軍士官学校(エアフォース)を含めて3つのサービスアカデミー(士官学校)が存在しています。しかし歴史的観点から見てもこの陸軍士官学校(アーミー)と海軍士官学校(ネイビー)の対戦は特別。

かつて陸軍士官学校はカレッジフットボール界を席巻した強豪として知られていましたが、今ではナショナルタイトルを獲ることは高嶺の花となってしまいました。しかしそれでもこのアーミーvsネイビー戦は別格。筆者の私もいつか生観戦してみたいと思わせてくれる特別なゲームなのです。

今年で120周年目という記念すべきライバリーゲームとなった今回の試合ですが、結果は31対7でネイビーが快勝。ここまでネイビーはアーミーに三連敗と苦汁を飲まされてきましたが、何とか4年生選手は卒業前にアーミーに一泡吹かせることが出来ました。

試合の主役となったのはネイビーのQBマルコム・ペリー(Malcolm Perry)。この日ペリーは29キャリーで304ランヤード(2TD)と足で大稼ぎし、アーミー・ネイビー戦史上最多ランヤードを記録。アーミーのチーム全体のランヤードが148ヤードだったことを考えれば如何にペリーがこの試合を牛耳っていたかがわかります。

ここ数年ジェフ・モンケン(Jeff Monken)監督指揮下で強く生まれ変わったアーミー。昨年はオクラホマ大を、今年はミシガン大をあと少しで倒すというところまで追い詰める程の力を見せてきましたが、今シーズンはここまで5勝6敗と負けが込んでいました。彼らとしてはぜひこのライバリーゲームに勝利して6勝目を手に入れボウルゲーム出場権を獲得したかったのですが・・・。

出だしこそトリプルオプションの副産物であるゲームクロックコントロールが全面に出て11分のポゼッションの後アーミーが先制。このアーミーのオープニングドライブは番狂わせを予感させましたが・・・。

さすが全米22位のネイビーはペリーの3連続ランプレーで速攻。

たったの27秒で同点とするとあとはペリーの一人芝居。

更にネイビーは2年前フィラデルフィアイーグルスがスーパーボウルで決めた「フィリースペシャル」をイーグルスの本拠地で成功させるというトリックプレーも披露!

その後もペリー率いるネイビーオフェンスはアーミーディフェンスを蹂躙。ディフェンスも最初のドライブで与えた1TDのみに抑えネイビーが伝統の一戦に勝利。対戦成績を61勝52敗7分けとネイビーのリードをまた1つ広げました。

もちろんお互いが絶対に負けたくないと思う相手同士の戦いですが、試合が終われば同じ士官学校生同士労をねぎらい合いました。またこの試合のトラディションとして負けたチームが校歌を最初に歌い、勝ったチームがその次に歌うというしきたりもあります。

卒業すれば従軍が待っている士官学校生たち。そういった意味では彼らは他のカレッジチームとは一線を画した存在ですが、このアーミー・ネイビーゲームはテレビで見ていてもその現場の興奮度が伝わってくる数少ないゲームです。スタジアムは両士官学校生で真っ二つに割れ、それぞれが制服を着用して自分たちのチームを応援する・・・。この風景は他のどのカレッジフットボールゲームにも無いものです。

ネイビーはこれで10勝に到達。これは長いフットボール部史上でも5度目のことであり、12月31日に行われるリバティーボウルでカンザス州立大を倒せば自身史上初となる11勝目を挙げることになります。

一方アーミーは昨年11勝2敗という素晴らしいシーズンを送るも今年は5勝7敗と撃沈。残念な結果となってしまいました。

トリプルオプションフットボールは筆者の大好きな戦術であり、近年この戦術が廃れていく中この両士官学校は未だにこれを採用する数少ないチーム。パスという飛び道具を全く使わないゲームさえある中(アーミーはこの試合で6投、ネイビーに至っては前述のフィリースペシャルの1投のみ)、地上戦だけで臨むゲーム展開はフィジカルのぶつかり合い、そして確実にアサインメントをこなさなければならないという緊張感が漂う至高の時間。

ゆくゆくは従軍していく彼らにとってフットボールは規律とか絆とかタフネスとかそういったものを試される試練でもあるわけです。彼らがこれから背負うもの、そしてライバル同士の戦いの中にもお互いをリスペクトし合う雰囲気、その他もろもろがこのライバリーゲームを他のものとは別の特別な存在にしているのだと思います。

強豪校や有名校ばかりが取りだたされやすいですが、この伝統の士官学校戦もぜひ注目してみて下さい。

ちなみに3つある士官学校の間では「総司令官杯(コマンダー・イン・チーフ・トロフィー)」が争われ、総当たりで勝ったチームにこのトロフィーが授与されますが、今年は海軍士官学校がその栄冠を手にしました。総司令官とはアメリカ合衆国大統領のことですが、現職のドナルド・トランプ大統領もこの試合に足を運び試合前のコイントスを行っていました。

Embed from Getty Images

会場に足を運んだドナルド・トランプ大統領

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