ここまでのボウルゲームレビュー【その他後編】

ここまでのボウルゲームレビュー【その他後編】

前回に引き続き今回も「ニューイヤーズ6」ボウル以外のボウルゲームの中から筆者が独断で選んだ数試合の寸評を紹介したいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

チーズイットボウル

空軍士官学校31、ワシントン州立大21

トリプルオプション使いの空軍士官学校と「エアレイド」と呼ばれる超パスオフェンスで知られるワシントン州立大の試合もマッチアップ的に興味をそそられました。ボールコントロールが売りのトリプルオプションを操る空軍士官学校は試合総時間の3分の2以上となる43分のボール所有時間。ランヤードは371に4TDと彼ららしい試合展開に。一方のワシントン州立大も所有時間こそ少なかったですが、パスヤードは351ヤード(空軍士官学校は30ヤード)と自分たちの良さを出しました。しかしやはりワシントン州立大はランアタックが皆無(18ヤード)だったのが響き、最後はRBケイディン・レムスバーグ(Kadin Remsberg)の4thダウンからのTDランで31点目を奪った空軍士官学校がワシントン州立大にとどめをさしました。


キャンピングワールドボウル

ノートルダム大33、アイオワ州立大9

昨年はCFP出場を果たしたものの今年は早々に1敗を喫してしまってCFPレースから脱落していたノートルダム大。以来彼らが全米のヘッドラインを飾ることはありませんでしたが、名門らしく最後はアイオワ州立大を33対9と一蹴し今シーズンを11勝2敗という好成績で幕を閉じることが出来ました。この試合でQBイアン・ブック(Ian Book)は大学史上2番目に多いTDパス数(34)を記録して3年生シーズンを終了。ドラフト入りも囁やけれていましたが、今のところ来季もノートルダム大に戻ってくるようです。

ベルクボウル

ケンタッキー大37、バージニア工科大30

試合前からトラッシュトークの末小競り合いに発展したこのベルクボール。

メジャーボウルでもないのに選手同士が挑発するのも珍しいですが、試合の方もそれに負けじとヒートアップ。お互いがリードを奪い合う試合展開となりましたが、ケンタッキー大QBリン・バウデン(Lynn Bowden Jr.)が演出した第4Qの85ヤードのドライブ、8分以上かけて攻めきりバウ電が決めた13ヤードのパスTDが決勝点となりケンタッキー大が勝利。バージニア工科大は33年間チームに携わってきたDCバド・フォスター(Bud Foster)氏引退の花道を飾ることが出来ませんでした。

サンボウル

アリゾナ州立大20、フロリダ州立大14

今季ハーム・エドワーズ(Herm Edwards)監督2季目となったアリゾナ州立大は大御所フロリダ州立大に20対14で競り勝ち2014年以来の8勝を挙げてシーズンを終えました。フロリダ州立大は今季途中でウィリー・タガート(Willie Taggart)監督を解雇し代理監督を立ててシーズンを乗り切りましたが、この試合に負けたことで6勝7敗と負け越しが確定。昨年も負け越しているのでこれで1976年以来の2年連続負け越しという汚点を残してしまいました。来年度からはメンフィス大マイク・ノーヴェル(Mike Norvell)氏が新監督としてチームの再建にあたります。

リバティーボウル

海軍士官学校20、カンザス州立大17

トリプルオプションアタックを持ち味とする海軍士官学校はリバティーボウルでカンザス州立大と対決。ハイライトは17対17で迎えた第4Q。試合残り時間30秒を切ったところで海軍士官学校がまさかのトリックプレー。

RB C.J.ウィリアムスからWRチャンス・ワレン(Chance Warren)への41ヤードパスがつながって土壇場でカンザス州立大陣内5ヤード地点へ急襲。そしてしっかりとFGを奪ってこの僅差の試合を制しました。この勝利で海軍士官学校は11勝目となり昨年負け越した鬱憤を晴らしました。

アラモボウル

テキサス大38、ユタ大10

開幕前は10位と期待が高かったものの見る見るうちにランキングを落としてしまったテキサス大。チームやファンにとっては残念なシーズンになってしまいましたが、終わりよければすべてよし、とはいかなくてもシーズン最後のアラモボウルでユタ大を圧倒して勝利。白星でこのシーズンを終えることが出来ました。一方最後の最後までCFPレースで4つ目の椅子を争っていたユタ大ですが、オレゴン大に敗れてCFPレース脱落してしまったせいかモチベーションを保つことができなかったようです。この日の彼らにシャープさは一切見らませんでした。

シトラスボウル

アラバマ大35、ミシガン大16

今年遂にCFP出場を逃したアラバマ大はシトラスボウルに出場。王座奪還を目指していた彼らにとってみればシトラスボウル出場は正直不本意だったでしょうが、大御所ミシガン大を相手に35対16で白星を飾りしっかりと9年連続で最低11勝以上を収めるという記録を残しました。この試合ではWRジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy)が204ヤードに1TD、RBナジー・ハリス(Najee Harris)が136ヤードに2TDと活躍。QBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)の代役として先発出場し続けるマック・ジョーンズ(Mac Jones)も327ヤードに3TDとパフォーマンス的にはタガヴァイロアに劣るものの数字的にはいいものを残しました。

既にジュディら数人の3年生がNFL早期ドラフト入りを表明してますが、一番の注目点はタガヴァイロアがプロ入りするのか大学でもう1年プレーするのかというところ。アメリカ時間1月6日にニック・セイバン(Nick Saban)監督共々会見を開くそうですがその場で彼の決断が明らかになるそうです。

一方ミシガン大は前半こそリードを奪う展開を見せるも後半はオフェンス的に何も出来ず完封され10勝目を逃しました。ミシガン大で5シーズン目を終えたジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督ですが、またも不完全燃焼でシーズンを終えることになってしまいました。

アウトバックボウル

ミネソタ大31、アーバン大24

今季開幕後9連勝という快進撃を見せ、所属するBig Tenカンファレンスで大いにその存在感を見せつけてくれたミネソタ大。その彼らがSECの雄・アーバン大とアウトバックボウルで対決しましたが、予想に反してミネソタ大が善戦。WRタイラー・ジョンソン(Tyler Johnson)の204レシーブヤードの活躍もあり彼らが31対24で見事に勝利して今シーズンの戦績を11勝2敗としてこのマジカルシーズンの幕を閉じました。因みにミネソタ大が最後に11勝を挙げたのはなんと1904年まで遡らなければならず、P.J.フレック(P.J. Fleck)監督がここで成し遂げたことの凄さを物語っています。

ゲーターボウル

テネシー大23、インディアナ大22

テネシー大とインディアナ大との対戦となったゲーターボウルはテネシー大が第4Q開始時点で13点差付けられていたのを見事にひっくり返して23対22で大逆転勝利。これで今季の戦績を8勝5敗とし、2016年以来の勝ち越しシーズンを飾ることが出来ました。長らくSECでも影を潜めてきているテネシー大ですが、いよいよジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)監督体制でチームが上向きになってきているという兆しなのでしょうか。

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