2019年オフシーズンニュースまとめ【その6】

2019年オフシーズンニュースまとめ【その6】

ビッグライバリーは復活するか?

カレッジフットボールの醍醐味の一つにライバリーが挙げられます。いわくつきの宿敵同士の戦いは否が応でも試合を盛り上げてくれますし、そういった試合はいつもよりもドラマが多く生まれたりしますから、プレーするチームたちは気合が入りますし、見ているファンたちも通常の3倍(何処かで聞いたことあるフレーズ・・・)の盛り上がりを感じることが出来るのです。

 

ライバリーにおいて最もよく見られる関係としては地理的なものが挙げられます。同州内対決とか、隣り合わせにある州同士の戦いとか。アーバン大アラバマ大はアラバマ州を二分するほどのライバリーですし、オハイオ州立大ミシガン大のライバリーは隣接する州出身チーム同士間で行われている全米を代表するライバル関係にあります。

どんなに成績が悪いシーズンでもライバルチームにさえ勝てば全てが帳消しになってしまうぐらいライバリーゲームは特別視されていますが、歴史あるライバル関係もスケジュールの関係やカンファレンスの編成によって毎年試合が行われなくなるケースも少なくありません。

テキサス大テキサスA&M大のライバリーがその最たる例だといえるでしょう。

フットボールのメッカとも言えるテキサス州のカレッジフットボールをリードしてきたのがこの両チーム。1894年に初対戦して以来ここまで118回の対戦があり、しかも1915年から2011年まで毎年恒例行事として行われてきた試合。しかし2012年にテキサスA&M大がBig 12カンファレンスからサウスイースタンカンファレンス(SEC)に移籍するとこの関係性に亀裂が入り(スケジュールの面で)、以来カレッジフットボールを代表するこのライバリーゲームが休戦状態に陥ったのです。

ライバリー復活を熱望する声は内外から聞かれていますが、カレッジフットボールのスケジュールが常に何年も先まで決まってしまっている現状で、同じカンファレンスに所属しない両チームが毎年試合を行うのは実はそう簡単ではありません。それでも両校の卒業生や在校生、並びにファンたちはもとより、著名人や政治家までがライバリー復活を欲する声を挙げています。

しかしテキサスA&M大の大学長、マイケル・ヤング氏は今年始めに「今のところテキサス大とのライバリーゲームを復活させる予定はありません。」と明言していました。

ヤング氏はその理由にやはりスケジュールの問題を挙げました。以前と違いこのマッチアップはノンカンファレンス(交流戦)扱いになりますから、それを行える試合数は1シーズンに数試合と限られています。そして両校ともこの先しばらくはすでにノンカンファレンスゲームの予定が詰まってしまっているのです。

しかし先日にも紹介したとおり、この両校はカレッジフットボール界で3本の指に入るほどのリッチな大学です。もし本当にこのライバリーを復活させたいのならば、すでにスケジュールが組まれている他の試合を違約金を払ってでもキャンセルして、この試合をマッチアップさせることは不可能ではないはずです。

そしてやはりそれを一番待ち望んでいるのは在校生たちです。先月テキサスA&M大の学生たちが行ったアンケートによると全投票数の約90%がテキサス大とのライバル関係を復活させてほしいという意見だったそうです。さらにテキサス大でも同じようなアンケートが行われたのですが、こちらでは実に97%が復活を熱望する意見だったのだそうです。

近年テキサス大は若き闘将トム・ハーマン(Tom Herman)監督を招聘し、昨年度最終戦となったジョージア大とのシュガーボウルで見事に白星を手に入れ、古豪復活の兆しが見えました。またテキサスA&M大も名将ジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督をフロリダ州立大から引き抜いてこちらもチーム再建が着々と進んでいます。そんな両チームが再び毎年対戦できる日が来るのは両チームのファンたちだけでなくカレッジフットボール界にも良い影響を及ぼすのではないでしょうか。少なくとも筆者はぜひまたこのマッチアップを見てみたいと切望します。


ラスベガスボウルのマッチアップが変更に

ボウルゲームはシーズン後のお祭り・祭典のような位置づけにありますが、現在40もあるボウルゲームはカレッジフットボールプレーオフ(CFP)準決勝戦を含む「ニューイヤーズ6」ボウルゲーム、及びCFPナショナルタイトルゲーム以外の試合はどのカンファレンス出身チーム同士が対戦するか予め決まっていたりします。「ニューイヤーズ6」ボウルゲームでも歴史的に見れば出場校の出身カンファレンスはなんとなく決まっていて、その最たるものはローズボウルであり、この試合は特例がない限りは必ずといっていいほどBig Tenカンファレンスの優勝チームとPac-12カンファレンスの優勝チームが対戦することになっています。

そんな中ボウルゲームが始まる12月中旬に毎年行われるラスベガスボウルPac-12カンファレンス出身チームとマウンテンウエストカンファレンス(MWC)出身チームが対戦するのが恒例となっていました。元を辿ればこのボウルゲームが始まった当時はPac-12はPac-10、MWCはウエスタンアスレティックカンファレンス(WAC)だったことを考えればこの両カンファレンスの関係が長いものだとお分かりいただけるかと思います。

Pac-12が西海岸、MWCがロッキー山脈の東側に主に位置していることを考えればその中間地点とも言えるラスベガスで双方が相まみえるのは合点がいきます。また出場チームのファンが試合観戦しやすいので、チケットも売れ、それに連動して周辺のホテルやレストランも潤い、興行面でもラスベガスボウルは比較的成功モデルにあるといえます。

さらにはPac-12カンファレンスという「パワー5」のチームにMWCという「グループオブ5」チームが挑むという構図も重要です。おそらくこのボウルゲームに出場するPac-12チームはそのシーズン必ずしも成功を収めたチームとはいえないかもしれませんが、それでもMWCチームにしてみればボウルゲームという舞台で「上位」とされるPac-12カンファレンスに挑戦するというのは大変意味のあることなのです。

しかしそんな全てがうまく行っていたラスベガスボウルに変革が訪れるようです。というのも2020年から開催地がUNLV(ネバダ大学ラスベガス校)のサムボイドスタジアムから、ラスベガスにフランチャイズを移すことになっている現オークランドレイダースの新本拠地となるスタジアムに移転することになり、さらにそれにともなってマッチアップの方もMWCに代えてSECとBig Tenという別の「パワー5」チームを招待する予定だそうです。

SECとBig Tenが交互にPac-12チームと対戦することになる新生ラスベガスボウルはおそらくメディアの注目を浴びることになるでしょうし、Pac-12とSECのマッチアップに関して言えば、メジャーボウル以外では実は30年も試合が組まれていないボウルゲームでのコンビネーションなので、決して意味のない変化ではありません。しかもボウルゲーム出場の枠を失うことになるMWCですが、とりあえず予定としてはロサンゼルスで新たに行われることになるボウルゲーム(まだ増やすのか!!)でPac-12チームと対戦できることになっていますから、ラスベガスボウルの埋め合わせは出来る計算にはなっています。

しかし、たしかにボウルゲームは興行的な面が強いビジネスイベントではありますが、それにはそれでトラディションとか伝統とかも存在します。それをないがしろにしてしまうような、現在の金儲け主義(まあ今に始まったことではありませんが)、そして「パワー5」ばかりが優遇される現状にちょっと苛立たしさを覚えてしまいました。

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