エクストラポイント【第14週目】

シニアデーでの一幕①

先週はレギュラーシーズン最後でした。最終戦をホームで迎えられるチームでは4年生をねぎらうために大抵この日は「シニアデー」と銘打たれて選手が家族とともにスタジアムへの最後の入場行進をするのが慣わしとなっています。

ミシガン州立大のCBジョシュ・バトラー(Josh Butler)もそんな4年生の一人でしたが、両親を既に亡くしているバトラーは愛犬のロキシーとレミを連れて最後の入場を果たしたのです。



2017年に心臓発作で父親を、今年4月には乳がんで母親を亡くしたバトラー。その悲しみを乗り越えるために2匹の犬を飼うことにしたのですが今では家族の一員に。試合はミシガン州立大がメリーランド大に勝ちチームはボウルゲーム出場権を確保。バトラーはその勝利の美酒をロキシーとレミとで味わったことでしょう。


シニアデーでの一幕②

過去2年間で「グループオブ5」の急先鋒と言えばセントラルフロリダ大でした。2017年は現ネブラスカ大監督のスコット・フロスト(Scott Frost)監督指揮下で13勝無敗という完全シーズンを闊歩し、昨年度はフィエスタボウルルイジアナ州立大に敗れるまで無敗。そこまで実に25連勝という大記録を打ち立てたのです。

その中心選手だったのがQBマッケンジー・ミルトン(McKenzie Milton)ですが、彼は先シーズンのレギュラーシーズン最終戦だったサウスフロリダ大戦で膝関節を脱臼する大怪我を負い、膝下を切断しなければならない勝ったかもしれないという状況にまで陥りました。その後手術は成功し長いリハビリ生活が始まったのですが、彼自身はいつかまたフィールドに戻ってくるんだという強い意志を持ってリハビリに励んできました。


しかしながら現実的なことを言えば彼が再びフットボール選手として復活することはかなり厳しい状況であり、それ故怪我前までは全米を代表するQBだったことを考えると大変残念でなりません。それでも彼は未だに復活することを諦めていません。

そんなミルトンですが、怪我で今シーズンプレーしていませんから少なくともあと1年はプレー資格が残されていますが、学年で言えば今年4年生。そこで先週のホーム最終戦でのシニアデーに彼も家族とともに登場。そこでしっかりと自分の力で歩く姿をファンの前に披露したのでした。

当然今後の長い人生において不自由なく生活できることが最優先ですが、もし本当に彼がフットボール選手としてまたフィールドに戻ってくる日がやってきた時は彼を全力で応援したいと思います。


あっけない結末

今年のアラバマ大アーバン大の「アイロンボウル」は過去に類を見ないエキサイティングな試合となりましたが、エンディングはなんともあっけない終わり方でした。

48対45でリードされていたアラバマ大は窮地に立たされていましたが、試合残り時間1分ちょっとというところでアーバン大の攻撃を止めて4thダウンに持ち込むことに成功。相手にパントを強いわずかながら同点無いし逆転のチャンスを手に入れることができると考えました。

しかしここでアーバン大のガス・マルザーン(Gus Malzhan)監督は搦め手を使ってきます。

4thダウンのこの状況でパントリターンチームを送り出したアラバマ大でしたが、アーバン大はパンターの他にQBボ・ニックス(Bo Nix)をパントチームに混ぜて投入。そしてパンターがWRの位置につきニックスが通常のQBポジションに立つとアラバマ大は大混乱。相手がパントではなく4thダウンコンバージョンに打って出たと察したアラバマ大コーチ陣は通常のディフェンスユニットに入れ替えようとしますが、リターナーとしてバックフィールドに構えていたジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)がサイドラインに戻りきれずに12人の選手がフィールドにいる交代違反の反則を取られてしまいます。

これで5ヤードの前進を授与されたアーバン大は1stダウンをゲット。アラバマ大は攻撃権を取り戻すことが出来ずに試合終了。カレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出への僅かな望みを絶たれライバルに負けるにはあまりにもあっけない結末となってしまったのです。


勝利の美酒の代償

そんな感じで憎きアラバマ大を倒したアーバン大ですが、試合終了と同時にファンがフィールドになだれ込み人の海と化しました。

Embed from Getty Images

試合後ファンに囲まれるマルザーン監督

ファンの多くは無事にフィールドにたどり着き大勝利を分かち合いましたが、中にはたどり着けなかった人の姿も・・・。

兎にも角にもファンはこの勝利に酔いしれたのですが、それもタダでは済みませんでした。というのも彼らが所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)はファンのフィールド侵入を許したアーバン大に罰金25万ドル(1ドル100円計算で2500万円)という大金を科したのです。

SECは選手やスタッフ並びにファンの安全確保のためにファンのフィールド侵入を禁止しています。それは大一番だろうがそうでなかろうが例外のないルールであり、それを破ったアーバン大に容赦のない罰金を科したのです。

アーバン大は2年前にもアラバマ大をホームで倒してファンがフィールドになだれ込みました。大学側としては確かに痛い支払いとなりましたが、それでもこれを許してしまうくらいこのアラバマ大から奪った勝利が彼らにとって大きな意味があったということでしょう。


悪戯にも程がある?

上に挙げた「アイロンボウル」に並び称される著名なライバリーであるオハイオ州立大ミシガン大の試合にも大いに注目が集まりました。試合の方はオハイオ州立大の一方的な勝利で終わりましたが、この試合中ちょっと奇妙な出来事が。

この日ミシガン大ディフェンスはオハイオ州立大のRB J.K.ドビンズ(J.K. Dobbins)を止めることに四苦八苦していました。そんな折、第2Qのオハイオ州立大の攻撃でドビンズのランアタックをタックルで止めたミシガン大のディフェンダーたちがどさくさに紛れてドビンズのクリーツ(シューズ)の靴紐を解き剥ぎ取ったのです。

ドビンズを止められないなら一層のことフィールドの外に追い出してしまおうという魂胆だったのでしょうか。が、そんな悪戯をレフリーが見逃すはずもなく、ミシガン大は逆にアンスポーツマンライクの反則を取られオハイオ州立大に15ヤードを献上してしまいました。

Ole Piss

そして第14週目を語る上でやはり外せないのが木曜日に行われたミシシッピ大ミシシッピ州立大のライバリーゲーム「エッグボウル」です。

この試合ではミシシッピ州立大がリードする展開ながら後半ミシシッピ大が追い上げて残り4秒というところでQBジョン・リース・プラムリー(John Rhys Plumlee)のパスがWRイライジャ・モアー(Elijah Moore)に通ってTD。PATが決まれば21対21でオーバータイム・・・という状況まで持ち込みました。

しかしここでTDを決めたモアーは何を思ったのかエンドゾーンでTD後のパフォーマンスとして犬がおしっこをする格好をして相手を侮辱。これが当然アンスポーツマンライクの反則となりPATが15ヤードさらに遠ざかることに。そして察しのいい方は分かるかもしれませんが、ミシシッピ大のキッカーがこのPATを失敗。モアーの愚行のせいで同点のチャンスを逃したと言われても仕方のない結果になってしまったのです。

これでライバルに負けただけでなくこの勝利でボウルゲーム出場資格獲得となる6勝目をミシシッピ州立大にお膳立てしてしまい、挙げ句の果てには監督であるマット・ルーク(Matt Luke)監督も解雇されてしまうという始末の悪さ。モアーとしては悔やむに悔やまれないことをしてしまったことになりました。

まあこれもまたカレッジフットボールのいちシーンなのであります。

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