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エクストラポイント【2020年度第6週目】

エクストラポイント【2020年度第6週目】

満員にしろ!

先週4位のフロリダ大は21位のテキサスA&M大との試合に惜敗しせっかく盛り上がっていたチーム並びにファンの勢いはしぼんでしまいました。順位も10位に下がりこれからまだ挽回の余地は十分にあるにせよ、まさかの敗戦であったことは言うまでもありません。

その試合後のインタビューにてフロリダ大のダン・マレン(Dan Mullen)監督は開口一番に「ここ(テキサスA&M大)のスタジアムはファンで埋まっていた。あの大歓声は我々にとって大きなディスアドバンテージだった。来週のルイジアナ州立大戦ではベンヒルグリフィンスタジアム(フロリダ大のホームスタジアム)を9万人で埋めなければならない。フロリダ州の州知事も観客動員数のリミットを外したのだから、我が大学の上層部にはぜひそれが達成されるように動いてもらいたい」とわめいたのです。

確かにアウェーゲームは敵地であることと相手ファンの声援でやりづらいというのはあります。しかし今回の試合ではテキサスA&M大は全体の約25%となる2万5000人弱しか入っておらず、負けた試合の理由をこの2万5000人の声援のせいにするというのはお粗末です。

しかもいかに州知事が制限を解いたといっても彼らのホーム開幕戦となったサウスカロライナ大との試合は全体の17%にしか満たない1万5000人の入り(しかも販売されたチケットは完売しなかった)だったことを考えればこの状態から一気に9万人を動員しろというのは常軌を逸しています。

(ちなみにフロリダ大のベンヒルグリフィンスタジアムの最大収容数は8万8500人ですので9万人をいれるというのは数字上は不可能なのですが、それはまた別の話)

まあ僅差の試合に敗れ、ドリームシーズンに水をさされてしまったその反動で口走ってしまったことなのかもしれませんが、何よりも2万5000人のファンの声援に怖気づくようならばそれは選手たちを準備できなかったコーチにもその責任があるように感じます。せめて声援のせいなんかではなくディフェンスが機能しなかっただとか自らの非を認め、相手を称えるようなことの一つくらい言ってほしかったですね。

ちなみにフロリダ大の体育局長は知事の権限があっても大学のガイドラインに従うと言っていますからルイジアナ州立大戦でスタジアムが満員になることは無いでしょう。

追記:

そんな折こんなニュースが。

カルマとは言いたくないですが・・・😂


39秒

テキサス大オクラホマ大は先週4度のオーバータイムを戦い抜く激闘を演じ、オクラホマ大が見事勝利を収めました。この試合ではテキサス大が第4Qに残り時間14秒というところでQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)からキオンテイ・イングラム(Keaontay Ingram)への2ヤードTDパスが決まって土壇場でテキサス大が同点に追いついてOTへ突入したのですが、実はこの第4Q通常よりも39秒も長くプレーされていたのだとか。

31対17でテキサス大が14点のリードを追う展開で迎えた第4Q終盤。エリンガーが1stダウンを奪うランを見せたかに見えましたが、審判団の再考によりこの1stダウンが撤回になりました。

カレッジフットボールではNFLと違って1stダウンを奪うとインバウンドでもゲームクロックが一時的に止められるというルールがあります。上記のプレーでは当初エリンガーが1stダウンを奪ったと判断されたためクロックが止められていたのですが、結果的にエリンガーは1stダウン手前のインバウンドでダウンしたため本当ならクロックは止まらないはずだったのです。

ですから次のスナップが行われるまでクロックが止まったままでその時間が6分36秒でしたが、本当ならクロックは止まらず動き続けているべきだったのでスナップ時には5分57秒であるはずだったのです。その差は39秒でした。

このドライブでは結果的にテキサス大はエリンガーのパスがインターセプトされてしまい大きな影響はなかったのかもしれませんが、これがなければひょっとしたらテキサス大はOTに持ち込む土壇場の同点TDまでたどり着いていなかったかもしれません。

もっとも試合には負けてしまっているので意味はなかったのかもしれませんが🤣

大誤審!

上のケースは当然誤審ということになるのでしょうが、これから紹介するケースは完全に試合の行方を左右してしまった大誤審です。

先週行われたアーバン大アーカンソー大の試合。アーカンソー大が28対27と1点差でリードし、全米13位のアーバン大から金星を奪えるところまで後少しというシーン。アーバン大は最後の望みをかけてアーカンソー大陣内に攻め入ります。相手陣内20ヤード地点まで攻め込んだアーバン大は3rd&1ヤードというところでFGをセットアップするためにボールをスパイクする作戦に出ます。

しかしQBボ・ニックス(Bo Nix)はセンターからのスナップを取りこぼしてボールは一度フィールドにバウンスし、それを咄嗟にリカバーしたニックスが地面にスパイクしたのです。

ニックスのスパイクはよく見るとフォワードパス(前方向へのパス)というよりはバックワードパス(後方へのパス)であり、この場合ボールはルースボール扱いとなり結果これは通常ならばこれはファンブルでこのボールはアーカンソー大選手がリカーバーしたため攻撃権がアーカンソー大に移り彼らの勝利となるはずでした。

しかし審判団はこのプレーはニックスのインテンショナルグラウンディングであるとし、10秒のランダウン(残り時間が短縮されること)とロスオブダウンだけで済んでしまったのです。そしてアーバン大の39ヤードFGが決まって残り時間7秒というところでアーバン大が30対28と逆転。アーカンソー大にしてみれば審判団の誤審で勝利のチャンスを奪われたと感じるのは当然のことです。

後にSECはこのパスがバックワードパスであったことを認めましたが、アーカンソー大選手がリカバーするまでの一連の流れが継続するものでなかったため、このインテンショナルグラウンディグの決定が覆えなかったという苦しい言い訳を発表していました。

つまりニックスが「スパイク」周囲の選手の多くがデッドボールだと思って動きを止めた一瞬があり、その後にアーカンソー大選手がボールをリカバーしたため、このスパイクとリカバーまでの流れが継続していなかったと判断されたのです。

しかしニックスは自分よりも後方にスパイクしてたことは明らかであり、これをその場でコールできなかったことはやはり誤審だと言う他ありません。

アーカンソー大は今季からサム・ピットマン(Sam Pittman)監督が指揮を執っていますが、ピットマン監督はこれまでオクラホマ大、テネシー大、ジョージア大などでOLコーチを務めてきたベテランコーチであり、58歳にして初めて監督の職を頂いたという遅咲きコーチです。

しかしそのピットマン監督は低迷して久しいアーカンソー大を一年目から戦える集団に变化させ、開幕戦のジョージア大戦では負けたものの前半は互角以上の戦い振りを見せ、先々週にはミシシッピ州立大(当時16位)から2017年以来のリーグ戦白星を手に入れるなどして早くもチーム再建計画が波に乗っているところでした。

ですからこのアーバン大戦で勝つことは彼らにとってはさらなる起爆剤として喉から手が出るほど欲しかったものであり、それが手の届くところまで迫っていたのですから、この敗戦は忘れたくてもそう簡単に忘れることが出来るものではありません。

この試合は残念な結果に終わりましたが、一つ言えることは今後のアーカンソー大は今までの万年最下位のチームとは違うぞということです。残りのシーズンも是非アーカンソー大に注目してみてください。

スパイゲート?

先週のアラバマ大ミシシッピ大との試合はどちらのチームも攻撃のたびにTDを取り合うハイスコアゲームとなりミシシッピ大が善戦するもアラバマ大が63対48で何とか逃げ切って辛勝しました。

鋭いディフェンスを擁することで知られるアラバマ大をここまで苦しめたのはミシシッピ大新監督レーン・キフィン(Lane Kiffin)氏の手腕の賜物ではありますが、彼の操るアップテンポのRPOが防ぎにくいとは言えアラバマ大ディフェンスがここまでけちょんけちょんにやられるのを見るのは大変稀なことです。

勝ちはしたもののここまでやられる事に黙っているわけがないのはニック・セイバン(Nick Saban)監督。彼は試合翌日の記者会見でこの試合を振り返りこんなことを言っていました。

「我々のすることが筒抜けであるように彼らは見事に穴を突いてきた。それはまるで彼らが我々のシグナルを知っているかのようでした。それは決して珍しいことではありませんが、我々がどんなプレーをコールしても、彼らはそれに対応できるベストなプレーで挑んできたのです。」

シグナルを研究されることは確かに普通に行われていることです。しかしセイバン監督のこのセリフにはカレッジフットボール界のメディアは敏感に反応しました。なぜならご存知かもしれませんがキフィン監督はかつてアラバマ大でセイバン監督の元で3年間オフェンシブコーディネーターを務めてきた過去があるからです。

つまりその経験を生かしてキフィン監督はアラバマ大のディフェンスのシグナルを熟知していたのではないか、という疑惑が湧いたからです。

しかもこの記事でもご紹介したとおりこの二人は一筋縄ではいかない関係性を持つ間柄。故にこの発言は再び彼らの「因縁の関係」という火に油を注ぐことになるのではないかと注目されました。

このことに関してキフィン監督は「私はアラバマ大にいたときからディフェンス陣にはノータッチだったし、シグナルなど知る由もありませんでした。我々の攻撃スタイルはテンポを重要視しており、1つのプレーが終わるまでに次のプレーがすでに用意されているというのが通常なのです。だから相手のディフェンスに合わせて攻撃を組み立てるということでもないのです。」とやんわりとシグナルの盗み見という疑惑を否定。

その翌日定例会見でセイバン監督は再び彼のコメントの真意を求められますが、この時はミシシッピ大がシグナルを知っていたというトーンを落として「相手の攻撃のスピードが早すぎたため我々は常に1プレー分遅れているような後手に回る感覚に悩まされたのです」と話していました。

どちらにしても来年以降もこの「師弟対決」はファンを楽しませてくれそうですよね。

クレムソン大RBエティエンの新記録

先週7位のマイアミ大相手に42点も奪って快勝した1位のクレムソン大。そのクレムソン大の地上攻撃を一手に引き受けるのが超カレッジ級RBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)です。

エティエンが今年春に行われたNFLドラフトにアーリーエントリーしていたとしても不思議ではなかった逸材で、彼が4年生シーズンとなる今年もチームに戻ってくると発表した時は多くの人が驚いたものでした。

そんなエティエンは今年もこれまで4TDに392ヤードと1試合平均100ヤード近い数字を叩き出していますが、先週のマイアミ大戦ではNCAAの新記録となる金字塔を打ち立てていました。

それは1試合最低1TDを獲得した試合数が史上最多となる39試合となったことです。

これまでの記録保持者は元フロリダ大QBのティム・ティーボ(Tim Tebow)氏とルイジアナ工科大RBのケネス・ディクソン(Kenneth Dixon)氏。

クレムソン大はあと7試合(プラスACCタイトルゲームとCFP)を残していますから、この新記録は更に数字を伸ばしていきそうです。

情けない・・・

先週ジョージア大テネシー大とのSEC東地区対決を44対17で制して圧倒的強さを見せつけてくれました。

ジョージア大は派手なオフェンスは無いものの、堅実な攻撃陣と鉄壁の守備陣で構成されている質実剛健なチーム。それはディフェンス畑を歩んできたカービー・スマート(Kirby Smart)監督の影響が色濃く出ているとも言っていいかもしれません。

そのスマート監督のチームづくりの礎には彼がジョージア大に赴任してくる前まで10年間仕えたアラバマ大のニック・セイバン監督の影響が大なり小なりあると思います。セイバン監督は鉄の統率力でチームを束ねあげて最強軍団に育て上げた人物。選手たちには高いスタンダードを求め、そのためには鬼にもなれる指導術を持っています。

スマート監督はジョージア大HCに就任してからまだ5年目ですが、すでにSEC東地区3連覇中。その育成方法はまさにセイバン流の奥義を継承したものなのです。

そんなスマート監督率いるジョージア大には高いモラルが求められるわけですが、先週のテネシー大戦ではジョージア大らしからぬ情けない行動が表に出てしまいました。

ジョージア大が17対14でリードした前半、テネシー大の攻撃の際QBジャレット・ガランターノ(Jarrett Guarantano)がスクランブルでジョージア大サイドラインへ飛び込んで相手選手が集まる場所に倒れ込みます。そして立ち上がって再びフィールドに戻ろうとした時に彼はふと首元に冷たい何かを感じたのです。

リプレーを見てみると倒れ込んできたガランターノにわざわざ近づいてボトルの水を彼にぶちまける輩の姿が・・・。

それはジョージア大WRジョージ・ピッケンズ(George Pickens)。結局この悪戯行為はアンスポーツマンライクコンダクトの反則を招き15ヤード前進にオートマティック1stダウンを相手にプレゼントしてしまう結果に。この後テネシー大はTDを奪うことになりますが、試合には勝ったもののもし別の結果になっていたとしたらピッケンズはファンたちから総スカンを食らっていたことでしょう。

しかし勝ったからといってこれを野放しにしておくスマート監督ではありません。

「相手選手がアウトオブバウンドで突っ込んできたからと言ってその選手に水を吹きかけるなんて、7歳8歳の子供がするようなことだ!」とピッケンズをこき下ろしたことは言うまでもありません。

その他・・・

  • 開幕後5週連続試合がキャンセルされつづけたヒューストン大が遂に開幕戦を迎えることが出来、49対31でトゥレーン大を下しました。
  • ヒューストン大と同じく今季初ゲームとなったテンプル大海軍士官学校が31対29で撃破。この勝利が海軍士官学校のケン・ニウマタロロ(Ken Niumatalolo)監督の記念すべき100勝目に。
  • ボストンカレッジと対決したピッツバーグ大は試合終了間際にキッカーのアレックス・ケスマン(Alex Kessman)が58ヤードのロングFGを見事に決めて同点に追いつきオーバータイムへ。OTでは先攻のボストンカレッジがTDを決めた後ピッツバーグ大もTDで反撃。しかし58ヤードを決めたケスマンがPATのFGを外してあっけない結末に。呆然とするピッツバーグ大選手たちが印象的でした。

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