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最新ランキングを分析【2020年度第7週目】

最新ランキングを分析【2020年度第7週目】

紆余曲折あった今シーズンのカレッジフットボールも7週目に突入。コロナウイルスパンデミックの影響で試合数が減りスケジュールもカンファレンス戦に絞られたお陰で毎週がサバイバルゲームの様相を呈しています。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

観るファンとしては大変ありがたいことですが、実際にプレーしている選手やコーチらにしてみれば一瞬も気が抜けない週が最後まで続いていくことになります。とくに所属するチームがもれなく強豪ともなれば(=SEC)そのサバイバル感は凄まじいです。

先週も計4つのランク同士の戦いが行われましたが、それにより8チームのうちの半分である4チームに土がついたことになります。試合数が少なくなったということは敗戦を挽回するチャンスも少なくなるということ。つまりいつもよりもまして敗戦の比重が増してくるというわけです。

7週目はちょうどレギュラーシーズンの中間点とも言える時期。開幕前のランキングと比べると顔ぶれが一体どう変わったのかを見てみるのも一興かもしれませんが、ここでは日曜日にリリースされた第7週目の最新APランキングを分析していきたいと思います。

参考ページ2020年度シーズンランキング【第7週目】

トップ10

先週注目の大一番と銘打って行われたのが1位のクレムソン大と7位のマイアミ大でしたが、クレムソン大が42対17でマイアミ大を一蹴。7位まで上昇してきて古豪復活に息巻いていたマイアミ大を横綱が格下力士をいなすがごとく蹴散らして力の差を見せつけました。攻守ともに高レベルなクレムソン大はACC(アトランティックコーストカンファレンス)内だけでなく全米で見ても頭一つ分抜きん出ている印象です。

2位のアラバマ大は先週ミシシッピ大とのシュートアウトに打ち勝って何とか面目を保ちました。しかしミシシッピ大のアップテンポなRPOが防ぎにくいオフェンスとは言え、46失点というのは今後のスケジュールを勝ち抜くために不安要素ではあります。

3位のジョージア大は先週14位のテネシー大と対戦。前半こそリードを許しますが後半に一気にディフェンス陣がギアを一気に上げて相手を黙らせて見事に勝利。オフェンスに派手さはないものの、全米随一のディフェンス力をもつ彼らから点を取るのは至難の業です。

この3チームは先週と同じ顔ぶれ。先週のランキングではアラバマ大に8票のトップ票が入りましたが、おそらく彼らがミシシッピ大に大量失点したことでディフェンス陣に穴があることが明らかになったせいでこのトップ票数が2票に激減。ジョージア大にも1票入りましたが、残る59票が全てクレムソン大へ。つまり62人いる投票者のうち59人がクレムソン大が現時点で全米最強だと判断したわけです。

先週4位だったフロリダ大が敗れたことで5位だったノートルダム大が5位から4位に浮上。11月7日に行われるクレムソン大との試合までどうやら彼らに土がつくことはなさそうです。

5位にはなんとなんとノースカロライナ大が来ました。先週バージニア工科大との激戦を制した彼らですが、私の記憶上ノースカロライナ大がトップ5入りしたことはなく、元来男子バスケットボール部で有名な同校がフットボールでここまで名を挙げるとは誰も想像できませんでした。今年2年目の名将マック・ブラウン(Mack Brown)監督の手腕に脱帽です。

ちなみに彼らがここまで高ランキングに位置するのは1997年以来。この時は最高で4位に順位を上げましたが、何を隠そう当時の監督というのが現在のブラウン監督でした。彼は1997年度シーズン後にテキサス大へ移りそこで一時代を築きました。2019年に古巣に戻ってきてたったの2年目でのこの結果を導いたというわけです。

6位にはまだ開幕していないオハイオ州立大。そして7位にはBig 12カンファレンスからオクラホマ州立大です。例年ならば彼らの州内ライバルであるオクラホマ大がトップ10にいるのが普通ですが、彼らはすでに2敗を喫してランキングにも入っておらず、またテキサス大もそのオクラホマ大に敗れて土が付き、気がついてみればオクラホマ州立大がBig 12カンファレンスで最高位のチームになっていました。

そして8位には「グループオブ5」カンファレンス群出身のシンシナティ大です。レギュラーシーズン中に「グループオブ5」チームがここまでランキングを上げてくることは超レアなことであり、それもこれも若き知将ルーク・フィッケル(Luke Fickell)監督の手腕の賜物です。彼らは負けさえしなければおそらくトップ10から脱落することはないでしょうから、このまま行けるところまで突っ走って欲しいですね。

9位には先週と同じく開幕を今か今かと待ちわびるペンシルバニア州立大。そして10位にはテキサスA&M大に敗れて4位から順位を下げたフロリダ大。この位置からならば1敗を守れば再び上昇することは十分ありえるでしょうが、先週の黒星が大打撃だったことは確かです。


11位〜15位

11位にはフロリダ大を倒す大金星をゲットしたテキサスA&M大が21位から順位を10も上げて見事に上昇。先々週にアラバマ大になす術なく敗れて大きくランキングを下げるとジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督に対する不要論が沸き起ころうかというところまでに至りましたが、このフロリダ大から奪った大番狂わせがフィッシャー監督の首をつないだと言ってもいいでしょう。

12位には先週と同じく未だ開幕していないPac-12カンファレンスオレゴン大。そして13位にはクレムソン大に敗れたマイアミ大が7位から転落。敗れはしたものの、クレムソン大の圧倒的強さを考えればここまでの彼らの出来は悪いものではありません。

14位は先週15位から1つ順位を上げたブリガムヤング大。先週はテキサス大サンアントニオ校という格下チームに27対20と苦戦。しかし何とか白星を手に入れて連勝記録を4に伸ばしています。

そして15位にはアーバン大。先々週ジョージア大相手に何も出来ずに撃沈すると先週はアーカンソー大に大苦戦。最後は審判の疑惑のコール(後日紹介)に救われて何とか勝ちましたが、攻守ともにパンチ力にかけるアーバン大が今後さらなるSECスケジュールを生き残れるか心配です。

16位以下

16位以下で目立った動きがあったのは先週14位でジョージア大に敗れたテネシー大が18位に後退したこと、テキサス工科大に勝ったアイオワ州立大が順位を4つ上げて20位に上がったこと、試合がなかったもののサンベルトカンファレンスルイジアナ大(ラフィエット校)が23位から21位に上昇したこと、テキサスクリスチャン大を退けたカンザス州立大が今季初のランクインとなる22位に登場したこと、ノースカロライナ大に敗れたバージニア工科大が23位で踏ん張ってトップ25に残ったこと、そしてPac-12カンファレンスで試合がまだないサザンカリフォルニア大が25位に滑り込んだこと・・・でした。

16位以内で個人的に注目しているのは17位のサザンメソディスト大です。彼らは昨年10勝を挙げて復活の声を高らかと上げたチームですが、今季もQBシェーン・ビューシェル(Shane Beuchele)とNFLドラフトでも注目されるWRレジー・ロバーソン(Reggie Roberson)を擁して4連勝中。2週間後のシンシナティ大戦が山場となりそうですが、これを制することができればトップ10に肉薄する可能性大です。

追記:

ロバーソンはメンフィス大との試合で負った膝の怪我が手術を要する重症であったことが発覚。残念ながら今季残りの試合全て出場不可能となってしまいました。

圏外脱落チーム

今週新たに2チームがランクインしてきたことになりますが、それは同時に2チームがランクから転げ落ちたということになります。

まず1チーム目はルイジアナ州立大。言わずとしれたディフェンディングナショナルチャピオンは昨季の先発メンバーがごっそり抜け、しかも開幕前に全米ナンバーワンWRの呼び声が高かったジャマー・チェイス(Ja’Marr Chase)がオプトアウト。さらにオフェンス・ディフェンス両コーディネーターもチームを去ったことでチーム力の低下は免れないと思われていました。

しかし開幕3試合で2敗(しかもランク外チームに→ミシシッピ州立大ミズーリ大)を犯し遂に最新ランキングでその姿を消しました。彼らがAPランキングに最後に名を連ねなかったのは2017年度シーズンのことですから3年ぶりの汚点ということになります。

ちなみに前年度覇者が翌年にランク外に順位を落とした最後のチームは2011年度のアーバン大。彼らは2010年にキャム・ニュートン(Cam Newtown、現ニューイングランドペイトリオッツ)を擁して全米制覇を成し遂げましたが、その次の年には8勝5敗で平凡なシーズンにとどまりました。

そしてもう1チームはテキサス大。彼らはオクラホマ大との「レッドリバーの戦い(Red River Shootout)」にて4度のオーバータイムの末惜敗。今季2敗目となりこの名門チームもランキングから圏外へ脱落。

またそのオクラホマ大もすでに2敗しており、最新ランキングでは圏外のまま。オクラホマ大がランクされなかったのは先週以外だと2016年の9月第4週目。このときも2敗してランキングから姿を消しましたが、結果的に彼らは持ち直してBig 12カンファレンスの栄冠を手に入れています。

果たして今年はこの位置からの復活はあるのでしょうか?

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