ACC優勝決定戦プレビュー

ACC優勝決定戦プレビュー

CFP3位で前年度の全米覇者であるクレムソン大はカンファレンスタイトルゲームでバージニア大と対決。バージニア大は自身初めてのタイトルゲーム出場となりますが、クレムソン大はこれで5年連続。しかも5年間とも対戦相手が異なるという興味深いめぐり合わせとなっています。

ここまで負けなしのクレムソン大はプレーオフ進出まであと1勝と迫っています。所属するアトランティックコーストカンファレンス(ACC)ではここまで彼らの一辺倒でしたが、その状況に風穴を開けるべく登場するのがこの今回のバージニア大なわけです。

ダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督率いるディフェンディングチャンピオンが圧倒的有利だと言われるこのマッチアップ。果たしてバージニア大に一世一代のアンクルわせのチャンスはあるのでしょうか?

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ベースボール・マガジン社 (編集)

クレムソン大オフェンス vs バージニア大ディフェンス

クレムソン大はカンファレンス戦の最後6試合だけで315得点に58失点と圧倒的な力を見せつけて勝ち続けてきました。最終戦はライバルでありサウスイースタンカンファレンス所属のサウスカロライナ大と対決しましたが、これも38対3と一蹴。つけ入る隙を全く与えていません。

その間チームのQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)は1試合で最低でも3つのTDを奪うという荒わざを見せ続け、最近5試合だけ見ればINTパスを投じていないという安定感を誇っています。去年のナショナルチャンピオンシップゲームでは神がかった活躍を見せたことにより今季開幕時にはハイズマントロフィー候補最有力などと言われていたローレンスですが、開幕後は彼の名を聞くことはほぼなくなりその存在感が薄れかかっていましたが、彼自身はチームの中でしっかりと仕事をこなしてきたのです。

またRBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)は最終戦のサウスカロライナ大戦でこそ51ヤードに甘んじましたが、そこまでの6試合で連続三桁ランヤードを叩き出し、今季は名前こそそこまで世間に轟かせはしませんでしたが健在ぶりを発揮しています。またNFL級のWRティー・ヒギンズ(Tee Higgins)の存在も忘れてはなりません。

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トラヴィス・エティエン(左)とトレヴァー・ローレンス(右)

そんなクレムソン大オフェンスを止めるという難題に立ち向かうバージニア大守備陣ですが11月の4試合だけで116失点も許しており、強力とは程遠いユニットです。因みにクレムソン大のシーズン全体での失点数は121となっています。

先週のバージニア工科大戦でも相手にトータルで483ヤード奪われるなどかなりやられてしまいました。が、そんな中でも4つのターンオーバーを奪ったことが勝利の決め手でした。今回のクレムソン大戦でもターンオーバーを誘発させることがバージニア大にとっては必須条件と言えそうです。


バージニア大オフェンス vs クレムソン大ディフェンス

バージニア大オフェンスの中心人物はQBブライス・パーキンス(Bryce Perkins)。機動力系のパーキンスは昨年その名を世間に知らしめる活躍をしましたが、今年もチームを率いる馬車馬の活躍をシてきました。パサーとして2949ヤードを稼ぐだけでなくラッシャーとしても687ヤードを記録。この数字はQBながらチームトップのラッシュヤードとなっています。

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ブライス・パーキンス

とはいえ全米屈指のクレムソン大から点を奪うのは簡単なことではありません。しかもバージニア大はクレムソン大ほどの強力チームと今季対戦してきませんでした。実際のところ彼らが最後にクレムソン大と対戦したのは2013年のことですし。

昨年アラバマ大を倒して全米王者となったクレムソン大チームと比べるとフロントセブンのパワーダウンは否めませんが、それでもACC内では敵なしの強さを誇っています。彼らがパーキンスの機動力を押さえ込むことができればバージニア大は何も出来ずに大敗・・・というシナリオが見えてきます。

注目ポイント

バージニア大はACCが地区制度を敷いた2005年以来今年初めて海岸地区(コースタル)制覇を成し遂げることが出来ました。フットボール部としては強豪校として知られるような部ではありませんでしたが、ブロンコ・メンデンホール(Bronco Mendenhall)監督が就任して4年経ちチームは確実に勝てる集団に変わってきています。

そんなバージニア大がバージニア工科大を倒して地区制覇を決めた試合は非常にドラマチックで15年ぶりにライバルから勝利を奪った瞬間の歓喜の様は見ているこっちも鳥肌が立ちました。

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そんなバージニア大に肩入れもしたくなりますが、この優勝決定戦でのクレムソン大は今まで彼らが対戦してきたチームとは比べ物にならない「化物」集団です。その彼らから大金星を奪えというのは酷な話です。

5年連続優勝決定戦出場となるクレムソン大ですが、そのうち最近4試合では前半の時点で最低でも21点差をつけるスタートダッシュを切る試合展開を見せてきました。もしバージニア大が世紀の番狂わせを起こしたいのならば何としてでも前半に点差を広げさせないようにすることです。

とはいえたとえ負けてもバージニア大はACC代表として「ニューイヤーズ6」ボウル(オレンジボウルが濃厚)出場が予想されていますから、今年は彼らにとって大成功なシーズンだと言えるでしょう。

一方クレムソン大は仮に負けるとなればCFP出場が危ぶまれてしまいます。それはディフェンディングチャンピオンとしては絶対に避けたいシナリオ。失うものは何もないバージニア大と勝つことが義務付けられているクレムソン大。果たしてその結果はいかに?!

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