今季初のカレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキングで見事に1位に輝いたオハイオ州立大。2014年度以来の全米タイトル獲りにまずは順調な滑り出し・・・と思われましたがここに来て彼らにショッキングなニュースが。
今期全米を代表するDL選手に成長したチェイス・ヤング
以下がヤング自身が発表した声明文の訳です。
残念ながらNCAAによるプレー資格の問題で今週末私は試合に出ることが出来ません。私は昨年の夏にオハイオ州立大に入部する前から知っている家族ぐるみの付き合いがあった人からお金を借りるという失敗を犯してしまったからです。昨年私はその借りたお金すべてを返済しました。そして現在大学とNCAAに全面的に協力して一刻も早くフィールドに戻れるように努力しています。(以下略)
学生アスリートはお金を受け取ってはいけないというルールがあるため、それに反したための処分だということですね。返済したからいいじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、お金を受け取ったという事実自体がNGなわけです。
新たなリポートによるとこのローン金は今年始めの1月1日に行われたローズボウルに彼の家族が観戦に行くための旅費に使われたとのこと。NCAAは選手だけでなくその家族が金銭的な利益を得ることも禁じているのです。このローズボウル並びにNCAAは選手の家族が観戦するために必要な旅費を出してくれないので家族全員で移動するためにはかなりの費用がかかるわけです。
しかしさらにヤングにとって悪いリポートも飛び込んできました。お金を貸した「家族ぐるみのフレンド」というのが実はNFLPA(NFL選手会)公認のエージェント(代理人)だったというのです。
NCAAはエージェントからお金を受け取ることを禁ずることを明確に明記しています。大学選手はプロ入りを宣言するまでエージェントと接触できないことになっていますから、この一連の事件はヤングにとってはあまり芳しくありません。
ただお金を借りたのはエージェントではなかった、という報道もあり情報が錯綜していますから、ヤングへの制裁がどうなるかはまだわかりません。過去には元アラバマ大のハ・ハ・クリントン・ディックス(Ha Ha Clinton-Dix、現シカゴベアーズ)が500ドル(約5万円)をアシスタントストレングスコーチから借りたことがバレた際に2試合の試合出場禁止となった、というような事例もあります。
今週末オハイオ州立大はメリーランド大、そして来週はラトガース大と対戦するということでチームとしてはこれらの試合にヤングが居なくても問題はありませんが、その翌週となる11月23日には現在4位のペンシルバニア州立大との一騎打ちが控えています。この試合にヤングが出場できないとなると、これはチームにとっては一抹の不安となりかねません。ロングショットだとはいえ彼のハイズマントロフィーレースにて授賞式に招待されるという夢もこれで潰えてしまう可能性は高いです。
今後のヤングを巡る動向に注視してみたいと思います。