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元オハイオ州立大ジョージ氏がボーリンググリーン州立大の新HCに

元オハイオ州立大ジョージ氏がボーリンググリーン州立大の新HCに

ミッドアメリカンカンファレンス(MAC)に所属するボーリンググリーン州立大の監督だったのがスコット・ロフラー(Scott Loeffler)氏でしたが、昨シーズン後にそのロフラー氏はNFLフィラデルフィアイーグルスのQBコーチに就任するために今年2月にチームを去ってしまいました。その空いた監督の椅子に座ることになったのがあのエディ・ジョージ(Eddie George)氏です。

エディ・ジョージ氏とは?

古参のカレッジファン、ないしNFLファンの方は「エディ・ジョージ」という名前を知らない方はいないと思います。

カレッジ時代は1992年から1995年まで名門・オハイオ州立大でRBとしてプレー。4年生シーズンには1927ランヤードを叩き出し、当時のスクールレコード新記録を達成。この記録は2019年にJ.K.ドビンズ(J.K. Dobbins、現デンバーブロンコス)に抜かれるまで同校の最多シーズンランヤード記録として知られていました。

そしてその同じ年となった1995年には、カレッジフットボール界で最も栄誉と言われる個人賞、ハイズマントロフィーを、ネブラスカ大のQBトミー・フレイジャー(Tommy Fraizer)氏を破り受賞。名実ともにカレッジフットボール界に名を残す名RBとなったのです。

1996年のNFLドラフトでは第1巡目総合14番目にて当時のヒューストンオイラーズ(現テネシータイタンズ)から指名を受けプロ入り。タイタンズフランチャイズでは8年間プレーし、現役最後の2004年シーズンのみダラスカウボーイズでプレー。合計9年間のプロ生活で合計10441ランヤードを記録しました。

圧巻だったのは、2003年に生涯ランヤード10000ヤードという金字塔を成し遂げるまでたったの一度も先発出場を欠かさなかったという鉄人ぶり。これは元シラキュース大RBでNFLではクリーブランドブラウンズで活躍したレジェンド、ジム・ブラウン(Jim Brown)氏とこのジョージ氏しか達成していないという異次元の記録です。

その他にもジョージ氏はタイタンズで数多くのフランチャイズレコードを樹立。その多くは未だ破られていないという、同チーム史上指折りの名RBなのです。そして彼の偉業を讃えるため、2019年には彼が纏っていた背番号「27」が永久欠番にもなりました。


コーチングの道へ

現役引退後はNFLやカレッジフットボールのコメンテーターを務める傍ら、母校のオハイオ州立大に戻り学士号を取得するとさらにノースウエスタン大MBA(経営学修士号)プログラムに進学し見事全過程を終了。すると2021年には電撃的にNCAAディビジョン1部のFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属であるテネシー州立大の監督に就任して周囲を驚かせました。


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就任当時の年棒は40万ドル(1ドル100円計算だと4000万円)とFCSレベルでは高額とはいえ、FBS(フットボールボウルサブディビジョン)のチームの監督と比べると格安のサラリーで契約。このことからもジョージ新監督の目的が必ずしもお金だった訳ではなく、第2の人生をコーチとして歩むという意思が詰まっているとも感じられました。

テネシー州立大での最初の2年間は負け越しと苦しい出だしとなりますが、3年目の2023年度シーズンは6勝5敗と勝ち越すと、昨年の2024年度は9勝4敗で所属するBig South OVC フットボールアソシエーション(Big Southカンファレンスとオハイオヴァレーカンファレンスが合併した、フットボールのみのカンファレンス)のタイトルを獲得。テネシー州立大が所属カンファレンスで優勝するのは2013年度以来初という偉業を成し遂げたのです。

FCSのプレーオフにも進出したテネシー州立大でしたが、残念ながら1回戦で敗退。しかしカンファレンスの年間最優秀監督賞を受賞するなど、名前だけで監督になったのではなく、実力で監督としての腕を磨き続けていたのでした。

ボーリンググリーン州立大の新監督に就任

そしてその手腕が認められ、今回FCSの上位サブディビジョンとなるFBS所属のボーリンググリーン州立大の新監督にヘッドハントされた訳です。


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契約年数は5年間。2025年のベースサラリーが60万ドル(約6000万円)ということでテネシー州立大の時と比べると多少の昇給が認められます。そして毎年2.5%ずつサラリーが上がっていくということで5年契約最終年となる2029年には約66万ドルの年収になっている計算になります。

さらにパフォーマンス毎のボーナスも用意されており、その内容はというと・・・

  • MAC内のカンファレンス戦で5勝を挙げれば7500ドル
  • MAC内のカンファレンス戦で6勝以上挙げれば2万5000ドル
  • MACで優勝すれば3万2500ドル
  • ボウルゲームに出場すれば2万5000ドル
  • ボウルゲームで勝利すれば1万2500ドル
  • 所属選手がMACの年間最優秀選手賞を受賞すれば5000ドル
  • ジョージ監督がMACの年間最優秀監督賞を受賞すれば1万2500ドル

パワー4」カンファレンス群(FBSでもさらに上位とされる4つのカンファレンス:ACC、Big 12、Big Ten、SEC)には100万ドル以上の年棒をもらっている監督はごろごろいますが、「グループオブ5」カンファレンス群(「パワー4」以外の中堅カンファレンス群:アメリカン、カンファレンスUSA、MAC、マウンテンウエスト、サンベルト)のチームの監督のサラリーとしてはそれなりの額であるといえます。

ボーリンググリーン州立大のキャンパスはオハイオ州に所在するため、オハイオ州立大出身のジョージ監督としてはある意味「凱旋」ということになります。同チームは「グループオブ5」の中では中レベルのチームと言えると思いますが、直近3年だと3年連続でボウルゲームに出場し、昨年のカンファレンスレコードは6勝2敗と安定感が増してきたチームです。

ただ、2015年以来7勝以上を挙げておらず、MACタイトルも同じく2015年以来遠ざかっているため、ジョージ新監督体制ではこれまで以上の戦績を収め、MACタイトルを10年ぶりに獲得することが大きな目標となりそうです。

今後ジョージ監督が更なる高みを目指して「パワー4」チームの監督となる日も来るかもしれませんし、将来的には母校であるオハイオ州立大を監督として率いることが最大の夢かもしれません。ただ、その足がかりとするためにもまずは今回就任したボーリンググリーン州立大で結果を残すことが求められます。

プレーヤーとしての名声は誰もが疑うものではありません。監督としての手腕は当初は懐疑的な目で見る人も多かったと思いますが、テネシー州立大での4年間での成長を見れば決して彼が「お飾り」的なコーチではないことはわかります。しかしFCSとFBSのレベルは当然違いますから、果たしてジョージ監督のコーチングが上のレベルでも通用するのかが大きな見ものとなりそうです。

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