2年目のマジック?【ネブラスカ大プレビュー】

1970年代から1990年代にかけてカレッジフットボール界を風靡したネブラスカ大。当時はウィッシュボーントリプルオプションを用いて多くの白星を挙げました。が、時代が変わり十八番のオフェンスが機能しなくなると瞬く間に全米の表舞台から姿を消し、以来未だかつてのような強いネブラスカ大に巡り合っていません。

2012年以来二桁勝利から遠ざかっているネブラスカ大ですが、一昨年「ゴールデンボーイ」スコット・フロスト(Scott Frost)監督をセントラルフロリダ大から引き抜き、地元でも期待度はかつてないほど上昇していました。

ネブラスカ大が最後にナショナルタイトルを獲得した1997年、レジェンドであるトム・オズボーン(Tom Osborne)氏最後の教え子だったQBがフロスト監督。彼はその後コーチ道に足を踏み入れ、オレゴン大のオフェンシブコーディネーターを経て2016年にセントラルフロリダ大の監督に就任。前年度に全敗だったチームを2年後には全勝チームに立て直し、その手腕もあって2017年度シーズン後に母校ネブラスカ大に監督として凱旋したのです。

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地元ファンに熱狂的に迎えられたフロスト監督でしたが・・・

そうなれば地元ファンがいよいよ古豪復活と声を上げるのも当然理解できます。しかし彼の母校でのデビューとなった昨年の出だしは目を覆いたくなるようなものでした。

というのも開幕以来ネブラスカ大は黒星を重ね続け6連敗とし、なんとチーム史上最悪の開幕スタートとなってしまったのです。流石に1年目の監督とはいえ、母校の顔に泥を塗ってしまったことは少なからずフロスト監督のプライドを傷つけたことでしょう。

その大きな要因の一つとしてペナルティーが挙げられます。FBS(フットボールボウルサブディビジョン)全130チームのうち、1試合平均ペナルティーヤードは116位と下から数えたほうが早いほど。またファンブルならびにターンオーバーの数も多めとなっており、これらは自制心の無さとか規律の低下が間接的に影響していると言われています。つまりフロスト監督がちゃんと手綱を握れていないのではないかという疑問です。

しかしそれはシーズン中に彼自身も指摘しており、実際後半の6試合では多少の変化が見られたことも確かです。後半戦は4勝2敗と勝ち越し、また負けた試合でもオハイオ州立大には36対31、アイオワ大には31対28とかなり惜しい試合を繰り広げました。後半戦に向けフロスト監督が何らかのテコ入れをしたと思われ、それが結果として現れたのだと思います。

そんなネブラスカ大ですが、オフェンスに関しては一筋の光明が見られました。QBエイドリアン・マルティネス(Adrian Martinez)です。機動系のハイブリッドQBであるマルティネスは昨シーズン後半にかけてそのポテンシャルを発揮しだし、また相手ディフェンスを読む能力も向上して将来性を感じさせてくれるシーズンを送りました。WR J.D. スピルマン(J.D. Spielman)とのコンビネーションも見ものとなるでしょう。

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フロスト監督も期待を寄せるQBマルティネス

また今季のDL陣は一見の価値ありです。昨年の先発選手が揃うこのユニットを束ねるベン・スティル(Ben Stille)は昨シーズン5つのQBサックを記録。またカリル・デーヴィス(Khalil Davis)とカルロス・デーヴィス(Carlos Davis)のデーヴィス兄弟と、ダミオン・ダニエルズ(Damion Daniels)とオクラホマ州立大からの転校生ダリオン・ダニエルズ(Darrion Daniels)のダニエルズ兄弟という、息の根の合ったこのユニットは今季ネブラスカ大のキーファクターとなりそうです。

気がかりなのはRB陣。昨年1000ヤード超えを達成したデヴィン・オジグボ(Devine Ozigbo、現ニューオーリンズセインツ)はチームを去り、またオジグボの後継者として期待されていたマウリス・ワシントン(Maurice Washington)は現在フィールド外で犯した事件の関係で開幕までに間に合うか分かっていません。

(ワシントンの罪状は元彼女に関わる不適切なビデオを彼女に送りつけるというハラスメント関連)

そうなると先発RBの座は元ジョージア工科大の転校生デドリック・ミルズ(Dedrick Mills)に与えられそうですが、いずれにしてもこのユニットには不安要素が満載です。

また5人中3人の先発メンバーが抜けることになるOL陣も気がかりです。上に挙げたRBの現状と合わせれば今季のネブラスカ大のランオフェンスが一体どうなるかという大きな疑問点が浮かび上がってくるわけです。

セントラルフロリダ大では2年目に全勝シーズンを送ったフロスト監督ですから、ネブラスカ大での2年目は格段に良くなっているはず!と願うファンも多いことでしょう。仮に彼らが2年目のマジックを見せてくれるとすれば、ただ勝つだけでなく大舞台で勝つ必要が出てきます。

そうなるとまず注目されるのが2戦目のコロラド大戦。かつてともにBig 12に所属していた際にはライバル関係にも合った両校の激突ですが、昨年はネブラスカ大のホームでコロラド大が辛勝しました。今年はコロラド大でのアウェーゲームとなりますが、2017年10月以降アウェーゲームで白星のないネブラスカ大としては序盤に波にのるためにもぜひこのコロラド大戦はものにしておきたい所。

そしてもし9月に無敗を守ることができれば、第5戦目のオハイオ州立大との一戦は否が応でも全米の注目をあびることになるでしょう。オハイオ州立大は今季新監督となるライアン・デイ(Ryan Day)監督に率いられる新チーム。この強豪チームを駆逐できたとしたら、2年前のセントラルフロリダ大での再現をネブラスカ大に見る人が激増するに違いありません。

またBig Ten西地区内のバトル、特にノースウエスタン大ウィスコンシン大アイオワ大との対戦も残されています。これを白星で乗り切れればいよいよネブラスカ大のシンデレラシーズンは境地を迎えることになります。ラッキーなことにこの3試合とも全てネブラスカ大でのホームゲーム。ひょっとしたらひょっとするかもしれません。

もちろんセントラルフロリダ大で達成した2年目での全勝を猛者ひしめくBig Tenカンファレンスで再現するというのは次元が違います。しかしかつての強いネブラスカ大を知るものとして、やはり彼らが再び全米の表舞台に返ってくることは筆者としては切に願ってしまうわけです。

フロスト監督の凱旋というバックストーリーは出来上がっています。もし彼らを再び全米のスターダムにの仕上げる人物がいるなら、彼以外考えられません。地元もだからこそ盛り上がっているわけですから、その盛り上がっている間に是非ともいい結果を残していただきたい。でなければ熱しやすく冷めやすいファンたちのいらだちの矛先がどこへ向くかは・・・言わなくてもわかりますよね。

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