2019年度春季トレーニングリポート【その2】

2019年度春季トレーニングリポート【その2】

4月も第2週目に入り各地で行われている春季トレーニングも佳境を迎えています。そんな中すでに先週末までにトレーニングの締めくくりとなる紅白戦を含め全行程を終えたチームも出始めています。今回はその中から先週紅白戦を行った4チームの出来を少し紹介したいと思います。

【関連記事】2019年度春季トレーニングリポート【その1】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

クレムソン大

今年2年生ながら早くも次期シーズンのハイズマントロフィー最有力候補に挙げられているQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)が紅白戦「オレンジ&ホワイトゲーム」で活躍。34投中19投を成功させ1TDに1INTを含む232パスヤードを獲得。また彼のバックアップとなるチェイス・ブライス(Chase Brice)も堅実なプレーを披露。QBの層の厚さを見せつけました。また昨年のタイトルゲームで大活躍したWRジャスティン・ロス(Justyn Ross)も大いに見せ場を作っていました。

パッチワークが必要となるディフェンス陣に関してはこの紅白戦だけではなんとも言えない感じ。夏のプレシーズンキャンプまでこのユニットの出来の評価はお預けとなりそうですが、どちらにしてもクレムソン大がディフェンディングチャンピオンとして来季も優勝候補筆頭に挙げられそうです。

ちなみに紅白戦のハーフタイムには昨年度のナショナルタイトルリングが披露されました。刻まれたのは「Best Ever(史上最強)」の言葉。過去5年間のうち4度カレッジフットボールプレーオフに進出し、昨年はカレッジフットボール史上初(FBSにて)の15勝0敗を記録したことを大々的にデザインに取り込んでいます。


ルイジアナ州立大

昨年LSUの先発QBの座を拝命したのはオハイオ州立大からの転校生ジョー・バロウ(Joe Burrow)でした。長らくピュアQBを欠き続けてきたチームにようやく現れた一筋の光であるバロウは、常勝を義務付けられたエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督にとっては救世主とも言うべき存在でした。上に挙げたローレンスやアラバマ大トゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)ほどの才能があるわけではありませんが、過去のLSUのQBの顔ぶれを見ればバロウが彼らにとっては大きなアップグレードだったことは明らかでした。

しかしだからといって彼が2019年度も先発の座を約束されたと決めつけるのは早いかもしれません。というのも彼のバックアップであるマイルズ・ブレナン(Myles Brennan)の出来が非常に良かったからです。ある意味バロウよりも落ち着いてオフェンスを率いることが出来たブレナンは昨年のこの時期と比べれば別人のような成長を遂げたのでした。

またバロウからINTを奪った1年生CBデレク・スティングリー(Derek Stingley)は、今年のリクルーティングにおいて全米1位評価されたCBだけあるポテンシャルを見せてくれました。その他にも多くの若い選手がフィールド上でアピールする機会を伺っていました。

が、唯一気がかりだったのはOL陣。紅白戦とは言え結構DL陣に押され気味でこの点は今後開幕までの4ヶ月の間に是非解決しておきたいところです。

サザンカリフォルニア大

USCの春季トレーニングの最大の注目点は新オフェンシブコーディネーターであるグラハム・ハレル(Graham Harrell)氏の指揮の下でオフェンスがどのようにトランスフォームするのか、そして来季のQBが誰になるのかという点でした。

QBに関して言えばチームには昨年1年生ながら先発を任されたJ.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)が健在ではありますが、昨年のパフォーマンスを見る限り彼が再びその座を与えられるかどうかは微妙といったところ。その彼に挑戦状を叩きつけているのがジャック・シアーズ(Jack Sears)、マット・フィンク(Matt Fink)、ケンドン・スロヴィス(Kendon Slovis)の3選手です。

ハレル氏が操るエアーレイドオフェンス(超パス重視オフェンス)を忠実に体現できるQBは誰なのか?新システム導入によりダニエルズら4選手はまさに先発の座を巡ってオーディションを受けるような火花をちらしたわけです。歴史的に見て「Tailback U」として知られるUSCがエアーレイドオフェンスを使用するのはかなりの方向転換といえますが、何が何でも結果を残さないと後がないクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督がチーム再建の要として熱望したシステムなのです。

先週末行われた紅白戦は他チームと違い彼らのスタジアムではなく練習施設内で行われましたが、華々しくデビューしたエアーレイドオフェンスは上々。その中でもダニエルズとスロヴィスがいいプレーを見せていたようです。またRBマーキース・ステップ(Markese Stepp)は期待度十分な爆発力を持っていました。

もっともUSCの紅白戦はより戦術的・実験的なスタイルを敷いており、ゲーム形式とは程遠いものでしたから(実際彼らはこの紅白戦をショーケースと別称していました)実際の彼らの力度合いをこれで測ることは出来ませんが、エアーレイドオフェンスは確実にインストールされているようです。

フロリダ州立大

フロリダ州立大の最大の焦点はやはり誰が次期先発QBの座を射止めるかに尽きるでしょう。昨年まで先発だったデオンドレ・フランシス(Deondre Francois)がドメスティック・ヴァイオレンスの疑いで退部させられていたせいでこの座は空いていました。それを巡っての4つ巴の戦いです。

昨年までフランシスのバックアップを務めていたジェームス・ブラックマン(James Blackman)に加え3人の転校生、アレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook、元ウィスコンシン大)、ジョーダン・トラヴィス(Jordan Travis、元ルイビル大)、ワイアット・レクター(Wyatt Rector、元ウエスタンミシガン大)の4人が栄光のFSUの先発QBを狙います。

今のところブラックマンが頭一つ分抜きん出ているようですが、彼らの紅白戦「ガーネット&ゴールドゲーム」ではトラヴィスのプレーが光っていました。TDはなかったものの28投中22投を成功させそつのないところを見せました。今年からオフェンスの陣頭指揮を取る新OCケンダル・ブライルス(Kendal Briles)氏のシステムでは個人としての能力の高さよりもそのシステムを遂行できる能力があればそれにベストフィットする選手がセンターからのスナップを受けることになるでしょう。そういった意味ではブラックマン以外の3選手にもチャンスはまだまだ残されていると言えそうです。

ただトラヴィスに関して言えば転校生としてトランスファールールが適応されるため今年試合出場は基本的に出来ないことになっています。彼は即時プレー可能となるようにウェーバー申請をしていますが、それが却下されれば自動的にQB争いは他の3選手に絞られることになります。

心配なのはOL陣。昨年のスタッツだけみればFSUのOL陣はFBS内でも下から数えたほうが早かったほどの体たらくぶりを見せていましたが、春季トレーニングを見た限りではまだまだこのユニットは成長過程のようです。

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