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元LSU HCオルジェロン氏が古巣へ復帰

元LSU HCオルジェロン氏が古巣へ復帰

2019年シーズンにLSU(ルイジアナ州立大)を無敗の全米王者に導いた元ヘッドコーチ、エド・オルジェロン(Ed Orgeron)氏が、LSUのコーチングスタッフとして復帰することが正式発表されました。

オルジェロン氏のコーチングキャリア

叩き上げから全米優勝まで

「コーチ・オー(アルファベットのO)」という愛称を持つオルジェロン氏は、近年のカレッジフットボール界において、最も劇的な栄光と転落を経験した人物。ルイジアナ州出身の彼は、強烈なケイジャン・アクセント(ルイジアナ地方の独特な訛り)とダミ声、そして熱いパッションで知られていました。

コーチとしては叩き上げの経歴を持つオルジェロン氏は1998年からサザンカリフォルニア大でDLコーチを務めますが、この時の監督だったピート・キャロル(Pete Carroll)氏のもとでリクルーティングコーディネーターも兼任し、全米屈指のタレントを次々とチームへ勧誘して同チームの黄金時代を支えました。

そして2005年には満を辞してSEC(サウスイースタンカンファレンス)のミシシッピ大の監督に就任。しかしながらあまりにも規律に厳しく選手やスタッフを雁字搦めにしたため周囲と衝突を起こし、3年間で10勝25敗と撃沈し2007年に監督の座を追われます。

その後古巣のサザンカリフォルニア大に戻り、一時はシーズン途中に解雇されたある監督(後述)の代わりとしてHCを務めますが、この時はミシシッピ大時代の反省から、選手に寄り添うスタイルに変更し、選手を自由にプレーさせ自分の権限をアシスタントに委譲するなど方向転換。これが功を奏し、再建の達人として評価を高めます。

そしてその後移籍したLSUでも、2016年度シーズン途中で解雇されたレス・マイルズ(Les Miles)氏の代役としてHCを務め、そのまま正式なHCに昇格。そして2019年に文字通りカレッジフットボール界で歴史を作ることになります。

自身が熱心に勧誘をした元オハイオ州立大のQBジョー・バロウ(Joe Burrow、現シンシナティベンガルズ)を軸に、のちにNFLでスーパースターになるWRジャマー・チェイス(Ja’Mar Chase、現ベンガルズ)やジャスティン・ジェファーソン(Justin Jefferson、現ミネソタヴァイキングス)らを擁した超攻撃型チームを擁立。さらに若き知将のOCジョー・ブレディ(Joe Brady、現バッファロービルズHC)のスキームが見事にハマります。

このシーズンのLSUは、アラバマ大オハイオ州立大クレムソン大といった強豪を薙ぎ倒し、15勝0敗の完全無敗で全米王座に輝きます。この時のスクワッドは長いカレッジフットボールの歴史の中でもいまだに最強と呼び声が高いですが、ルイジアナ州出身のオルジェロン氏はこの優勝で同州内では生仏のような存在まで上り詰めることになります。

栄光からの下落

2019年度シーズンに全米の頂まで上り詰めたオルジェロン氏でしたが、しかしながら2021年10月にはそのシーズン限りでの解雇を言い渡されてしまいます。全米最強チームを世に送り出してからわずか2年での解雇通告となってしまったわけです。

この劇的な凋落の理由の1つに挙げられるのが、2019年度のチームから多くのタレントと頭脳が流出してしまったことです。その年ハイズマントロフィーも獲得したQBバロウをはじめとする主力級選手14人がNFLドラフトで指名を受けてチームを離脱。さらには上記のOCブレディ氏もNFLへとヘッドハントされ、さらにはディフェンスを支えたDCデイヴ・アランダ(Dave Aranda)氏もベイラー大の新監督に就任するためにLSUを去ってしまったのです。

さらに、コーチ陣で抜けた穴を埋める人事にことごとく失敗します。その影響で優勝翌年となる2020年シーズンはディフェンス陣が崩壊してカレッジ界でもワーストクラスへ転落。戦績も2020年度が5勝5敗、そして2021年度は解任発表時で3勝3敗と成績が急降下していきました。

おまけに、フィールド上での戦績以上に大学上層部を悩ませたのが、優勝後のオルジェロン氏の公私に渡る素行の変化でした。

例えば、2020年の優勝直後に離婚した直後、遥かに若い女性たちと練習場に現れたり、ドライブ中に見知らぬ既婚女性に不適切なアプローチをかけたりしたことが報じられ、大学の顔としての品格を問われたり、優勝前のようなハングリー精神が薄れ、練習の場に遅れて現れたり、対戦相手のスカウティングを軽視するようになったとスタッフや選手から不満が漏れたり、当時LSUのフットボールプログラム内で起きていた過去の選手による性暴力問題に対し、オルジェロン氏が適切に対処・報告していなかったのではないかという疑惑が浮上したりとゴタゴタが続いていたのです。

結局、チーム内のコントロールを完全に失ったと判断したLSUは、2021年10月、残りシーズンの指揮を執らせる条件付きで彼を解任。その際、契約残高である約1700万ドル(当時約20億円)という破格のバイアウト(違約金)を支払ってLSUはオルジェロン氏と袂を分かったのでした。

ルイジアナ州出身としてLSUで監督を務めるのは夢であったに違いなく、彼自身はLSUで骨を埋めるつもりだったことでしょうから、LSUから解雇されてしまったことは悔やんでも悔やみきれなかったことでしょう。普通なら解雇されてしまったら恨み節でも呟きそうなものですが、オルジェロン氏は解雇された後でもLSUへの愛を語っていたほどでしたから。

LSUへの復帰

LSUを去った後、オルジェロン氏は指導の現場からは離れていましたが、各地のフットボール部を訪れるなどし、また現場復帰の意欲も衰えていないことは時々報道されていました。 そんな中、今回「Special Assistant to Recruiting and Defense(リクルーティング&ディフェンス担当特別アシスタント)」という肩書きで古巣に復帰となったのですが、過去のことを考えるとこのことは驚きを持って伝えられています。

しかし、彼とLSUを繋ぐ導線はしっかりと用意されていました。それが今年からLSUの監督に就任したレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の存在です。

実はこの二人、過去に共に仕事をしたことがあるという深い関係にあるのです。

実は前出のキャロル氏体制下のサザンカリフォルニア大で二人はアシスタントを務めていたことが始まりで、キフィン氏が2009年にテネシー大の監督に就任した際には彼自らがオルジェロン氏をDLコーチおよびリクルーティングコーディネーターとして招聘。さらにキフィン監督がサザンカリフォルニア大の監督に就任した後もオルジェロン氏は彼に合流。そして2013年にキフィン監督がサザンカリフォルニア大を解雇された際、その代理として監督を務めていたのがオルジェロン氏だったのです。

そして今回、2025年度シーズン中にブライアン・ケリー(Brian Kelly)前監督の解任を経て新監督に就任したキフィン氏が、かつての同僚でありルイジアナ州の生きる伝説とも言えるオルジェロン氏に白羽の矢を立てた形になりました。

今後のチームへの影響

64歳になったオルジェロン氏は、今回の役割において「現場でのリクルーティングトリップも自ら精力的に行う見込み」だと報じられています。 地元の逸材を囲い込むリクルーティング能力、特にルイジアナ州内への影響力はカレッジ界随一とも割れるオルジェロン氏。キフィン新監督のオフェンス戦術と、オルジェロン氏の卓越したディフェンス知識とリクルート力が噛み合えば、新生LSUにとって凄まじいブーストになることは間違いありません。

かつてまるでブルドッグのような超ダミ声「Geaux Tigers!!!(ゴー・タイガース)」がトレードマークとなっていましたが、彼がLSUを去ってしまったせいでこの叫びが2度と聞けなくなってしまうとさみしい思いをしました。しかし彼が今回LSUに復帰したおかげで、再び彼のこのラントが聞けるようになりそうです。

キフィン新体制となったLSUはすでに大注目のチームとなっていますが、オルジェロン氏の復帰はそのワクワク度をさらに上げてくれそうで今からLSUの動向が楽しみですね。

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