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ローズボウルプレビュー【2020年度シーズン】

ローズボウルプレビュー【2020年度シーズン】

カレッジフットボールの王者を決定するカレッジフットボールプレーオフ(CFP)。その準決勝第1試合目を飾るのはローズボウルで対戦するCFP1位のアラバマ大と同4位のノートルダム大です。

【ローズボウル】

ノートルダム大vsアラバマ大
開催日時:1月1日東部時間午後4時(日本時間1月2日午前6時)
開催地:AT&Tスタジアム(テキサス州アーリントン市)
TV放映:ESPN

ローズボウルといえば伝統的にBig Tenカンファレンスの覇者とPac-12カンファレンスの覇者の対決の場として知られてきましたが、「ニューイヤーズ6」ボウルが立ち回りでCFPの準決勝をホストしている中で今年はローズボウルがセミファイナルの会場となったわけです。

そして開催場所ですが今年は新型コロナの影響でカリフォルニア州でのスポーツイベント開催は原則無観客となっているために、特例でローズボウルはテキサス州アーリントン市にあるダラスカウボーイズの本拠地、AT&Tスタジアムで行われることになります。

ちなみにローズボウルがカリフォルニア州パサデナ市のローズボウルスタジアムで行われなかったのはこれで2回目。1回目は1941年度シーズンのローズボウル(開催日は1942年1月1日)でこの時は参加チームのデューク大が自身のホームスタジアムにオレゴン大を招いて試合が開催されました。

なぜかというと1941年でピンときた方はいらっしゃるかもしれませんが、1941年12月7日に日本の旧大帝国海軍が真珠湾を攻撃しハワイに近い西海岸が受けた衝撃は激しく、そんな中でのローズボウル開催は不謹慎だという声があったため、会場を東へ移してこの試合が開催されたためなのです。

ここまでの歩み


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アラバマ大

開幕時には3位発進だったアラバマ大はオハイオ州立大が9月の時点で開幕を延期したことで2位に繰り上げされ、さらに1位だったクレムソン大がノートルダム大に敗れたために第11週目に遂に首位に立ち、以来彼らは首位の座を守り続けています。

通常ならば3試合の交流戦(ノンカンファレンス戦)が行われ、そのうち2つほどは弱小チームとの対決(いわゆる「カップケーキ」ゲーム)となるのですが、新型コロナウイルスの影響で彼らが所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)はカンファレンス戦のみのスケジュールが組まれました。

全米でも最強と名高いSECに所属するチームばかりと試合をこなしながら全勝街道をまっしぐらにひた走り、出場したSEC優勝決定戦ではフロリダ大オフェンスの猛攻を食らうも逃げ切って2年ぶり32度目のカンファレンスタイトルを獲得して満場一致でCFPに出場し第1シードに落ち着きました。

ここまで17度のナショナルタイトルを獲得しているアラバマ大は2017年度以来となる18度目の栄冠を手に入れるべくまずはこの準決勝戦に臨みます。

ノートルダム大

一方のノートルダム大は今季各カンファレンスがカンファレンス戦のみのスケジュールに移行したため、独立校として様々なカンファレンスチームとの対戦が予定されていた彼らのスケジュールは穴だらけになってしまいました。

そんな中救済の手を差し伸べたのがアトランティックコーストカンファレンス(ACC)。もともとアメフトチーム以外のスポーツはACCに所属しておりコネクションはあったのですが、今季に限りノートルダム大はACC所属チームとして戦っていくことが決まったのです。ちなみに創部以来独立校(無所属)を貫いてきたノートルダム大にとっては史上初の試みでもありました。

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プレシーズンランキングでは10位にランクされたノートルダム大は確実に白星を重ね続けてランキングをじわじわと上げ、全米の目は11月7日のクレムソン大との決戦に向けられました。

そして迎えたこの大試合。当時4位にまで上昇していたノートルダム大は全米1位ながらスターQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)らを欠く手薄なクレムソン大と死闘を演じ、OTの末に勝利をもぎ取る大番狂わせを起こしたのです。

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この試合での勝利で全米2位に躍り出たノートルダム大は無敗でレギュラーシーズンスケジュールを終えてACC優勝決定戦に進出。ここで再びクレムソン大と対峙しますが、ローレンスら主力選手が健在のフルパワーなクレムソン大になすすべなく敗れ大事な時期に初黒星を喫してしまいました。

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そして運命のファイナルCFPランキングではこのタイトルゲームでの敗戦の影響で彼らが上位4チームの座から転げ落ちるのではないかという分析もされましたが、何とか4位にとどまって見事に2年ぶりのCFP出場を果たしたのです。


チーム分析

アラバマ大


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昨年までのアラバマ大オフェンスを支えた、チーム史上最高のQBと名高かったトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagavailoa、現マイアミドルフィンズ)、WRジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy、現デンバーブロンコス)、WRヘンリー・ラグス(Henry Ruggs III、現ラスベガスレイダース)といった超カレッジ級のスキルプレーヤーがチームを去り、特にタガヴァイロアの抜けた穴を埋めるのは超難題だと思われていました。

しかし蓋を開けてみれば今季から先発を務めるマック・ジョーンズ(Mac Jones)はタガヴァイロアを超える数字を叩き出しハイズマントロフィーファイナリストに選出され、RBナジー・ハリス(Najee Harris)も全米最多TD数となる23TDを叩き出し全米中にその名を轟かせました。

そしてWRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)。2017年度のナショナルタイトルゲームで上記のタガヴァイロアから決勝TDパスを捕球したシーンはまだ記憶に新しいですが、当時1年生だったスミスは昨年度終了後にジュディやラグスらと共にNFL入りも十分できましたが、これを固辞して4年生シーズンもチームに残留しました。

そしてその決断は見事に吉と出ます。WR陣は彼とジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)、ジョン・メッチー(John Metchie)のトリオで次々とTDを重ねハイパワーオフェンスの一端を担います。そしてテネシー大戦でワドルが怪我を負って長期離脱が余儀なくされると彼の分までスミスは健闘を続け、シーズン終盤にはハイズマントロフィー候補に急上昇。結局4人のファイナリストの内の一人に選ばれ、今の所彼が最有力候補と言われています。

このようにQB、RB、WRとつけ入る隙がないアラバマ大は今季スコアリングオフェンスで全米1位(1試合平均49.7点、最低7試合開催チーム内で)。昨年の全米覇者であるルイジアナ州立大もここ最近では最強のチームとの評価は高いですが、今年のアラバマ大もそれに肉薄するほどの力を持っています。

ノートルダム大


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ノートルダム大オフェンスはベテランQBイアン・ブック(Ian Book)が舵を取ります。今年のQB界隈で見ると派手さは無いものの指揮官としてオフェンスを効果的に回すいぶし銀なところを随所に見せてきました。

クレムソン大を下した試合では彼の集大成とも言えるパフォーマンスが光り、パスの精度、ポケット内でのアウェアネス、ディフェンスを読む力、ここぞという時のスクランブルと全てにおいて彼の引き出しをすべて出し切るプレーで全米1位チームを引きずり下ろすことに大きく貢献しました。

ハイズマントロフィー投票結果では9位にもランクされ今季を代表するQBに成長したブック。アラバマ大との点取合戦を行う上で彼がクレムソン大戦で見せたあのパフォーマンスを上回る物を発揮する必要があります。

またRBカイレン・ウィリアムス(Kyren Williams)は頼れるRBとしてノートルダム大のランアタックを一手に引き受けます。今季1061ヤードに12TDを獲得したウィリアムスの活躍もまたアラバマ大戦で必須。相手がポゼッションごとにスコアすることを考えればランゲームを構築してボール所有時間をコントロールしたいところ。これが出来なければノートルダム大オフェンスは単調になってしまいます。

ノートルダム大に勝機があるとすればそのディフェンス力です。1試合平均失点数が約18点で全米14位というディフェンス力は必見。クレムソン大と対戦するまでの6試合中5試合を13点以下の失点に抑える安定感を見せました。

ディフェンス側の注目選手はLBジェレマイア・オウス・コラモア(Jeremiah Owusu-Koramoah)。年間最優秀LB賞であるバトカス賞を受賞したオウス・コラモアはチーム最多の11タックル・フォー・ロスを記録し守備陣の屋台骨となる人物。彼がどこまでアラバマ大のハイパワーオフェンスに立ち向かえるかが気になるところです。

ただ終盤にかけてそのディフェンスにもほころびが見え始め、最近5試合中3試合で30点以上の失点を犯してしまいました。特にACC優勝決定戦のクレムソン大戦では相手にトータル541ヤードも奪われてしまい一抹の不安を抱えることに。

このディフェンスが最近3試合で平均50得点以上を誇るアラバマ大オフェンスと対峙するわけですから、ディフェンシブコーディネーターのクラーク・リー(Clark Lea)氏の手腕が試されそうです。ただリー氏はすでに次期ヴァンダービルト大監督が内定しており、そのことで気が散るようなことがなければよいのですが・・・。


総評

数字の上では完全なるミスマッチな予感がたっぷりのこの対戦。ノートルダム大は2012年度のBCSボウルチャピオンシップシリーズ)ナショナルタイトル戦では1位だったノートルダム大が2位のアラバマ大に42対14と惨敗し恥をかかされてしまいました。今回もこの大舞台で大差をつけれれてしまうというのが下馬評ですが・・・。

ジョーンズ、スミス、ハリスといった各ポジションで全米トップ級のタレントを擁するアラバマ大が得点を重ねることは目に見えてきます。彼らと肩を並べる唯一の方法はそのシュートアウトについていくことのみ。それはアラバマ大が対峙したミシシッピ大フロリダ大が証明してくれました。

それが出来ないのであればノートルダム大はとにかくランオフェンスを確立してポゼッションゲームに持ち込み、なるべくアラバマ大オフェンス陣をベンチに留めておく必要があります。ブックならびにウィリアムスの力でドライブを長時間継続させることができればノートルダム大にもチャンスが生まれるかもしれません。

ただアラバマ大ディフェンスはかつてのような鉄壁さはありませんが、試合を重ねるごとに緩んだネジを締め直してきました。特にオールアメリカン(3rdチーム)に選出されたDTクリスチャン・バーモア(Christian Barmore)率いるDL陣はノートルダム大OLにとってはクレムソン大戦に続くチャレンジとなります。

またアラバマ大で過去2年間先発Cとして出場し続けOL陣の楔となり続けたランドン・ディッカーソン(Landon Dickerson)がSEC優勝決定戦の終了直前に怪我で退場しプレーオフ出場が絶望となりました。彼の欠場がタックル・フォー・ロスで全米4位のノートルダム大ディフェンスの追い風になるかどうか。

どちらにしてもやはりアラバマ大の有利に変わりはなく、特に各所に高いタレントを擁する選手がゴロゴロしているオフェンス陣はノートルダム大にとって大きな重圧となります。アラバマ大は通常スロースタートで様子を見るチームであり徐々に相手ディフェンスを食らう展開を好みますから、出だしこそ膠着するかもしれませんが、ハーフタイムを迎える頃にはひょっとしたら点差的に試合が決定している可能性もあります。

もし後半開始まで1TD差でノートルダム大が追いつくことが出来たらひょっとするかもしれませんが、よほどのことがない限りアラバマ大のCFPナショナルタイトルゲーム出場は決まったも同然か。果たしてノートルダム大は先にクレムソン大からアップセットを奪ったようにこのアラバマ大からも大金星を手に入れることができるでしょうか?

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