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ニューイヤーズ6ボウル寸評【2022年度】

ニューイヤーズ6ボウル寸評【2022年度】

早いもので2022年度のボウルゲームシーズンも残すところ1月9日のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)全米王座決定戦の1試合を残すのみとなりました。

ボウルゲームは12月の中旬から順に行われていきましたが、年末年始に近づくにつれてビッグマッチアップが数多く行われました。その中でも特に注目されたCFPのセミファイナル戦であるフィエスタボウルピーチボウルは無事開催され、フィエスタボウルはテキサスクリスチャン大(全米3位)が、そしてピーチボウルはジョージア大(全米1位)がそれぞれ制して頂上決戦へ駒を進めました。

参考記事フィエスタボウルレビュー【2022年度CFP準決勝第1試合】
参考記事ピーチボウルレビュー【2022年度CFP準決勝第2試合】

そんな中、数あるボウルゲームの中でも最上位に位置される「ニューイヤーズ6」ボウルも行われ、今挙げたフィエスタボウルとピーチボウル以外の4つの試合である、オレンジボウルシュガーボウルコットンボウルローズボウルも大変見ごたえのある試合を見ることが出来ました。

ここではその4つの試合を簡単に振り返ってみたいと思います。

オレンジボウル


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#6テネシー大 31、#7 クレムソン大 14

アトランティックコーストカンファレンス(ACC)優勝チームであるクレムソン大と全米6位のテネシー大の戦いとなった今年度のオレンジボウル。両チームともスクールカラーがオレンジ色でその両チームがオレンジボウルに出場という、オレンジだらけのマッチアップ(笑)。

この試合はクレムソン大のQBD.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)が転校するために(オレゴン州立大へ)、テネシー大はエースQBヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)はシーズン途中で膝に怪我を負いそれぞれこの試合に不出場。

ウイアンガラレイの代わりに先発出場したのが期待の新人ケイド・クルブニック(Cade Klubnik)、そしてフッカーの代わりに出場したのが元ミシガン大のジョー・ミルトン(Joe Milton)でした。

そんなバックアップQB同士の対決となったこの試合は、来季に向けてミルトンならびにクルブニックがどれだけやれるQBなのかを測る良いチャンスとなりました。

ミルトンは強権の持ち主として知られる選手でこの日もトータル251ヤードに3TDを記録。彼の最初の得点はWRブルー・マッコイ(Bru McCoy)への16ヤードのTDパス。

テネシー大の2個目のTDはRBジャバリ・スモール(Jabari Small)の2ヤードTDランでしたが、それをお膳立てしたのはミルトンからスクォール・ホワイト(Squirrel White)への50ヤードのロングボム。

ミルトン2つ目のTDは第3Qでのホワイトへの14ヤードTDパス。ホワイトはこの日9キャッチで108ヤードと活躍しました。

この時点でスコアは21対6と圧倒的にテネシー大ペース。第4Q残り10分にクレムソン大はTD(および2ポイントコンバージョン)で21対14と迫りますが、その直後にミルトンのこの日3つ目のパスTDがラメル・ケイトン(Ramel Keyton)に決まります。

そしてテネシー大ディフェンスがその後のクレムソン大の反撃を許さず、最後はダメ押しのFGを決めて31対14でテネシー大が見事に勝利を飾りました。これで彼らは11勝目となりましたが、最後に11勝したのは2001年のことですから実に21年ぶりの快挙。一時は全米1位にランクされたテネシー大は惜しくもプレーオフには進めませんでしたが、確実に復活の階段を登っているところです。

一方のクレムソン大はちぐはぐなプレーの連続。キッカーB.T.ポッター(B.T. Potter)は3回連続FGを外して9点のチャンスをどぶに流せば、クルブニックは320ヤードを投げるもパスINTを2つ犯す失態。敵陣に切り込んでもTDに結びつけることができないという致命的な得点力不足。

そのクルブニックは5つ星QBとしてウイアンガラレイの抜けた穴を埋めるスター候補と持ち上げられましたが、この日はイマイチ。味方OL陣の脆さが露呈されてテネシー大フロントセブンの強烈なプレッシャーを浴びせられ続けるという不運もあり、ポケットが崩れまくってディフェンスを読む時間を与えてはもらえませんでしたが、一方で彼は足でヤードを稼ぐという機動力を魅せてくれましたし、ところどころで大気の片鱗をちらつかせるパスプレーも披露しました。

自身初の先発出場として320ヤードという数字は悪くはないと思いますが、前述の通りパスINTを2つ犯すなど、まだまだ正QBとしてはやらなければならないことは山ほどありそうです。

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シュガーボウル


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#5 アラバマ大 45、#9 カンザス州立大 20

過去8回のCFPにおいて7回出場しそのうち3回で全米制覇を成し遂げてきたアラバマ大。しかしそんな彼らも今年はレギュラーシーズン中に2敗を喫しプレーオフに駒を進めることはできませんでした。1月に彼らの姿を見ないというのも非常に変な感じですが・・・。

そのアラバマ大とシュガーボウルで対戦したのはBig 12カンファレンス王者のカンザス州立大。彼らはプレーオフに進むことになるテキサスクリスチャン大とカンファレンス優勝決定戦であい見え、オーバータイムの激闘の末に勝利してNY6の一つであるこの試合に招待されたのでした。

次期NFLドラフトにて1巡目で指名されることが濃厚とされるアラバマ大QBブライス・ヤング(Bryce Young)とLB/EDGEウィル・アンダーソン・Jr(Will Anderson Jr)。現代の流行とも言える、NFLドラフトに備えてボウルゲームを欠場する「オプトアウト」が頻繁に行われる中、この二人はシュガーボウルに出場するという決断をします。

おそらくオプトアウトしていても誰も彼らを批判などしなかったでしょうが、ともに戦ってきた仲間たちと最後までやり抜く、という精神で出場を決めたそうです。実際アラバマ大はトランスファーポータル入りした選手以外はオプトアウト選手がゼロという、今では珍しいチームでした。

とはいえ、この二人はおそらくこの試合がアラバマ大での最後の試合と見られており、注目はカレッジ生活最後の舞台で彼らがどう輝くか、とう点でした。

試合は第1QにFGを決めて先制したカンザス州立大がその後RBデュース・ヴォーン(Deuce Vaughn)の88ヤードTDランを決めて10対0とこれ以上ないスタートダッシュを展開。ただその後はほぼ全編においてアラバマ大の独り舞台となりました。

立ち上がりキレのなかったアラバマ大選手たちですが、これで目が覚めたのか第1Q終了間際にヤングからWRアイゼア・ボンド(Isaiah Bond)へのTDパスでこの日初得点すると、そこから連続4TDパスをヤングが叩き込み、さらにRBジェイス・マクレラン(Jase McClellan)のランTDで一気に35連続得点。カンザス州立大との地力の差を見せつけます。

カンザス州立大も10点を返しますが、この後さらにヤングがTDパスを放りFGも決めて45対20と圧勝。この日321ヤードのパスに5TD(しかも5人のWRに振り分けた)を記録したヤングがシュガーボウルのMVPに選ばれました。

この日の完璧とも言えるパフォーマンスを見て彼を2023年NFLドラフトで総合ドライチに推す声が高まりましたが、程なくしてヤングならびにアンダーソン・Jrはドラフトに早期エントリーすることを表明。ヤングは名実ともにアラバマ大フットボール部史上に名を残すプレーヤーとしてチームを去りプロの世界へ挑戦することになります。

少々小柄ではありますがNFLでどれだけやれるのか楽しみな選手ですね。

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コットンボウル


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#16 トゥレーン大 46、#10 サザンカリフォルニア大 45

ニューイヤーズ6においては俗にいう「パワー5」カンファレンス勢(NCAA1部の上位サブディビジョンFBSの中でもさらに最上位カンファレンスとされる5つのカンファレンス勢)の他に「グループオブ5」(FBSの「パワー5」以外の5つの中堅カンファレンス群)から1チームだけ自動的に出場できるという決まりになっています。

今年その権利を獲得したのは、アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)で優勝して全米16位にランクされたトゥレーン大。そして彼らが「胸を借りた」のがPac-12カンファレンスの大御所サザカリフォルニア大(USC)でした。

USCは最高でCFPランキング4位まで駆け上り、最終戦のユタ大とのカンファレンス優勝決定戦に勝ちさえすればプレーオフ進出は当確と思われていましたが、この試合にまさかの敗戦を喫してしまったのです。

参考記事#11 ユタ大 47、#4 サザンカリフォルニア大 24

そんな感じでプレーオフを目の前にしながらそれを逃すだけでなくPac-12カンファレンスのタイトルも獲り損ねてしまったUSCの行き着いた先がトゥレーン大とのコットンボウル。正直ニューイヤーズ6ボウルの中では一番見応えなさそう・・・なんて思っていましたが、とんでもない!!

試合開始から観衆の目を奪ったのは今年度のハイズマントロフィー受賞QBであるUSCのケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)。前述のユタ大戦で負った太ももの怪我が癒えていないようで機動力は全快ではありませんでしたが、それでも彼はこの試合で見せてくれました。例えばこのプレー。

機動力が100パーセントでないにしてもこのポケット内でのアウェアネスと針に糸を通すようなパス能力!さらにこんなプレーも。

ちなみにこのパスを受け取ったWRブレンデン・ライス(Brenden Rice)はコロラド大からの転校生でお父さんはあのレジェンド、ジェリー・ライス(Jerry Rice)氏です。

12月31日のシュガーボウルで上記のアラバマ大のブライス・ヤングが魅せ彼がドラフトナンバーワンだという声が上がったかと思えば、同じ日の夜に行われたピーチボウルで負けたものの素晴らしいプレーを見せたオハイオ州立大C.J.ストラウド(C.J. Stround)がやれナンバーワンだという声が上がったかと思えば、この試合でのウィリアムスをみて「やっぱりケイレブがナンバーワンだ」(彼がドラフト入りできるのは2024年ですが)という驚きの声がSNS上で上がっていました。

ウィリアムスの活躍で14対0とし、予想通りの立ち上がりと思われていましたが、トゥレーン大もスターRBタイジェイ・スピアーズ(Tyjae Spears)のランTDとQBマイケル・プラット(Michael Pratt)からジャクアン・ジャクソン(Jha’Quan Jackson)への87ヤードのロングトスで第2Q中盤に同点に追いつきます。

このあとUSCは2つのTDを決めて28対14で前半を折り返しますが、後半に入るとトゥレーン大もスコアを返し点の取り合いとなります。しかし第4Qにはこの日5つ目のパスTDをウィリアムスが決めさらにFGも追加して残り5分を切った時点で45対30と2ポゼ差に。トゥレーン大としては窮地に追い込まれたかに見えました。

しかし残り約4分でスピアーズのTDが決まってスコアを45対37にするとトゥレーン大のキックオフではリターナーのマリオ・ウィリアムス(Mario Williams)がボールを取り損ねてUSC陣内1ヤード地点でボールがアウトオブバウンズとなり、彼らはゴールラインギリギリからの攻撃を余儀なくされます。

そしてトゥレーン大のフロントセブンがUSCのOL陣を急襲し見事なペネトレートを見せてエンドゾーン内でRBオースティン・ジョーンズ(Austin Jones)を捉えてセーフティを獲得。これでスコアは45対39となり、しかもトゥレーン大に攻撃権が回ってくるこれ以上ない状況に。

残り時間3分20秒で自陣34ヤードから攻撃開始したトゥレーン大はTDとPATキックで逆転勝利できる絶好の機会を得ます。このドライブでは2度の4thダウントライを成功させながらジリジリと敵陣内へ侵入し残り時間約10秒でUSC陣内6ヤード地点まで辿り着き、最後はプラットからアレックス・バウマン(Alex Bauman)への6ヤードTDパスが決まり、試合時間を9秒残してトゥレーン大が見事なカムバックを達成!!

結局このまま試合は終了。誰もがUSCの勝利を疑わなかったであろうなか、トゥレーン大が見事にアップセットをやってのけたのです。これで彼らは12勝0敗となり、1998年の12勝0敗以来の快挙となりましたが、現在のカレッジフットボールの勢力図そしてUSCやカンザス州立大を倒したことを考えれば無敗だった1998年の記録よりもむしろ今年の12勝2敗の記録の方が価値があるような気がします。

一方のUSCはリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督初年度で11勝を挙げるというターンアラウンドを見せてくれましたが、一方で強力なオフェンスに対してディフェンスがそこに追いついていないのは否めなく、今後はこの点を重点的に強化しなければ大舞台では勝てないという印象をうけました。

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ローズボウル


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#11 ペンシルバニア州立大 35、#8 ユタ大 21

そして今シーズン最後のニューイヤーズ6ボウルはカレッジフットボール史上最古のボウルゲームである伝統のローズボウル。今回のマッチアップはPac12カンファレンス覇者で全米8位のユタ大と同11位でBig Tenカンファレンス所属のペンシルバニア州立大

ユタ大は上記の通りUSCを倒してカンファレンスタイトル2連覇、そして2年連続ローズボウル出場を果たしました。一方のペンシルバニア州立大は2016年度(現NYGのセイクワン・バークリーが所属)以来の出場となりました。

この試合に先立ちペンステートは同校の卒業生でピッツバーグスティーラーズのレジェンドであり、つい先日他界されたフランコ・ハリス(Franco Harris)氏を讃えるために彼が使用していた「34」をあしらったステッカーがヘルメットに貼られたり、選手らが「34」のシャツを着てスタジアム入りしたり、ロッカーにはハリス氏のユニフォームが飾られたりしていました。

試合の方は14対14の同点のまま後半へ突入しますが、第3Q開始後に1年生RBニック・シングルトン(Nick Singleton)の87ヤードのロングランTDが決まって均衡か崩れます。ちなみにこの87ヤードのTDランは長いローズボウル史上でも3番目に長いランTDだったとか。

そしてユタ大QBで攻撃陣のリーダーだったキャメロン・ライジング(Cameron Rising)がこのTDの後のドライブで負傷退場。結局このまま彼はフィールドに戻ってくることはなく、これがユタダイにとっては大きな痛手となってしまいました。

ちなみにライジングは昨年出場したローズボウルでも怪我で途中退場を余儀なくされており、ローズボウルでは不運に見舞われています。

一方ペンステートのベテランQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)は第4Qにケアンドレ・ランバート・スミス(KeAndre Lambert-Smith)にコネクトした88ヤードのパスTDを含め合計2TDに279ヤードを記録。試合の方は35対21でペンステートが快勝し、ペンステートに6年在籍したクリフォードに花道を飾りました。

ちなみにこの88ヤードのパスプレーはローズボウル史上最長のTDパスということです。

クリフォードは6年間という長期間プレーしたという事実があったとは言え、QBのスタッツで軒並みスクールレコードを樹立。記憶にもそして記録にも残るQBとしてペンステートをさることになります。

ペンステートはジェームス・フランクリン(James Franklin)監督体制となって9シーズンとなりますが、これで4度目の11勝シーズンに。Big Tenタイトルは2016年に獲得して以来遠ざかっていますが、クリフォードが卒業し、この試合オプトアウトしたCBジョーイ・ポーター・Jr(Joey Porter Jr)やWRパーカー・ワシントン(Parker Washington)、OLジュース・スクラグス(Juice Scruggs)などがチームを去ることになりそうですが、シングルトンやQBドリュー・アラー(Drew Allar)、LBアブドゥル・カーター(Abdul Carter)、CBカレン・キング(Kalen King)など若く将来性豊かな選手が揃っており楽しみなチームとなりそうです。

一方のユタ大はやはり頼れるライジングの負傷退場が大打撃でした。そのタフネスで知られるライジングはヒットを恐れない強靭な選手ではありますが、だからと言って無敵というわけでもなく、アグレッシブなスタイルは素晴らしいと思う反面、怪我を回避することができるような方法を模索するのも将来的には必要なのかも。

ライジングが抜けた後を埋めたブライソン・バーンズ(Bryson Barns)は元ウォークオン選手。昨年のローズボウルでライジングが負傷退場した際も彼が出てきましたが、やはりペンステート相手にカムバックを託すには荷が重すぎたようです。

しかもチームのリーディングレシーバーであるTEダルトン・キンケイド(Dalton Kincaid)はNFLドラフト入りの準備のためにこの試合をオプトアウト。ユタ大のオフェンスはTEポジションに依存しがちなスタイルなのでもっと上を目指すならばフィールドをスピードでストレッチできるスキルプレーヤーのリクルートが必要となってきそうです。

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