前回はシーズン後に行われるボウルゲームの中でも上位クラスと言われる「ニューイヤーズ6」ボウルの中でもカレッジフットボールプレーオフ(CFP)準決勝戦以外の4つのボウルゲームの結果をお伝えしました。現在このシーズン後のお祭りであるボウルゲームは合計40試合ありますので、CFP全米王座決定戦も含めると「ニューイヤーズ6」ボウル以外のボウルゲームは実に33試合もあることになります。
流石に33試合すべての試合を振り返るのは厳しいので、今回から二回に分けてその中でも特に書いておきたい試合の結果をさくっと振り返りたいと思います。
キュアボウル
リバティー大23、ジョージアサザン大16
リバティー大RBフランキー・キックソン(Frankie Hickson)が120ヤードのラン、QBステファン・カルバート(Stephen Calvert)が270ヤードに2TDをパスで稼ぎリバティー大がジョージアサザン大を23対16で下しました。FCSからFBSへ昇格したばかりのリバティー大ですが、その初年度からいきなりボウルゲームに出場しさらに白星を挙げたということは、元ミシシッピ大監督のヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)の手腕のおかげということでしょうか。
ボカレイトンボウル
フロリダアトランティック大52、サザンメソディスト大28
レギュラーシーズン後にHCレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督がミシシッピ大新監督に就任するためにチームを去ってしまったフロリダアトランティック大と、今季破竹の8連勝で「デスペナルティー」以来の快進撃を見せたサザンメソディスト大の試合となったこの試合、キフィン監督を欠くことでサザンメソディスト大が有利と思われましたが、52対28という大差でフロリダアトランティック大が勝利を収めました。
ラスベガスボウル
ワシントン大38、ボイジー州立大7
今季限りで勇退を決めているワシントン大のクリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督が古巣のボイジー州立大と対決。戦績の上では12勝のボイジー州立大が有利かとされましたが、「パワー5」チームの意地を見せたワシントン大が完勝。ピーターセン監督の引退の花道を飾りました。またワシントン大のQBジェイコブ・イーソン(Jacob Eason)は試合終了後にNFL早期ドラフト入りを表明しました。
ハワイボウル
ハワイ大38、ブリガムヤング大34
ハワイ大QBコール・マクドナルド(Cole McDonald)が自身最高記録となる493パスヤードに5TDを記録。そのマクドナルドが試合終了間際に逆転となるTDパスを決めてハワイ大が逆転勝利。これでハワイ大は10勝5敗となり2010年以来の二桁勝利で今シーズンの幕を閉じることが出来ました。
インディペンデンスボウル
ルイジアナ工科大14、マイアミ大0
かつてカレッジフットボール界を席巻したマイアミ大ですが、今季6勝6敗でギリギリボウルゲーム出場権を得てこのインディペンデンスボウルに出場するも格下とされるルイジアナ工科大に完封負け。パスヤードは153ヤード、ランヤードは74ヤードと目を疑うような戦い方しかできなかったマイアミ大。今季初陣シーズンとなったマニー・ディアス(Manny Diaz)監督にとってはプラスになるものはほぼ何もありませんでした。
クイックレーンボウル
ピッツバーグ大34、イースタンミシガン大30
格下イースタンミシガン大に苦戦を強いられたピッツバーグ大ですが、QBケニー・ピケット(Kenny Pickett)が試合終了直前にWRテイサー・マック(Taysir Mack)へのこの信じられないパスTDで逆転。
WHAT A CATCH.
Pitt gets its first lead of the night with less than a minute left 😮 pic.twitter.com/cvFNHLwdXM
— ESPN (@espn) December 27, 2019
ピッツバーグ大が「パワー5」チームとしての意地を見せました。
ミリタリーボウル
ノースカロライナ大55、テンプル大13
ノースカロライナ大QBサム・ハウウェル(Sam Howell)が294パスヤードに3TDの活躍でテンプル大を圧倒しミリタリーボウルでの勝利の美酒を味わいました。今年から現場に復帰しノースカロライナ大初年度となったマック・ブラウン(Mack Brown)監督は今季7勝6敗で勝ち越しを決め、来年以降もさらに期待できそうなチームづくりが継続中のようです。
ピンストライプボウル
ミシガン州立大27、ウェイクフォレスト大21
MLBの名門・ニューヨークヤンキーズの本拠地であるヤンキースタジアムで行われたピンストライブボウルはミシガン州立大に軍配。1年生時から先発を任されてきたQBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)はこれまで年を追うごとに1年生時の勢いを失ってきましたが、大学生活最後となるこの試合では320ヤードに1TDと300ヤード超えを達成。チームも不調続きでしたが、この試合に勝って何とか7勝6敗と勝ち越すことに成功しました。
テキサスボウル
テキサスA&M大24、オクラホマ州立大21
今シーズンの「ニューイヤーズ6」ボウル以外でなかなかのマッチアップとなったテキサスボウル。テキサスA&M大のQBケレン・モンド(Kellen Mond)はこの日1TDを含む95ヤードのパスヤードとパサーとしては褒められたものではありませんでしたが、脚で117ヤードを稼ぎ勝利に貢献。総合成績は8勝5敗と開幕前の期待には答えることができなかったテキサスA&Mですが、今年2年目のジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督としてはボウルゲーム2連勝ということでそれなりの面者は保てました。
ホリデーボウル
アイオワ大49、サザンカリフォルニア大24
堅実なアイオワ大と名門サザンカリフォルニア大との対戦となったホリデーボウルはアイオワ大が圧勝。WRスミス・マーセット(Smith Marsette)が3つのTDに絡む202オールパーパスヤードを記録。サザンカリフォルニア大はエースQBキードン・スロヴィス(Kedon Slovis)が怪我で退場するとアイオワ大に点差を離されるばかりでいいところが全くなし。クビが危ういと言われてきたクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督は来年もチームの指揮を執ることが決定済みですが、こんな形でシーズンを終えるとは不完全燃焼となってしまいました。