ボウルゲーム

ランキング

順位表

プレシーズン

予定/結果

順位表

ミシガン大とノースウエスタン大の新たなライバリー

ミシガン大とノースウエスタン大の新たなライバリー

カレッジフットボールに限らずスポーツ界においてとりわけ盛り上がるマッチアップに「ライバリー(ライバル対決)」があります。

NFLならグリーンベイパッカーズシカゴベアーズ、MLBならニューヨークヤンキーズボストンレッドソックス、NBAならロサンゼルスレーカーズボストンセルティックス、大学バスケならデューク大ノースカロライナ大など・・・。

カレッジフットボールにも多くのライバリーが存在しますが、それぞれの顔合わせには同じ州内に所属するという理由だけでなく過去に起こった因縁の関係性なども存在し、選手のみならずファンにとってもそのような試合は負けられない試合として普段のゲームよりも盛り上がるわけです。

そんな中、Big Tenカンファレンス内において新たなライバリーが生まれようとしています。

というのも先日ミシガン大ノースウエスタン大が新たに設けられたトロフィーを賭けて試合を行うことが発表されたのです。その名も「ジョージ・ジェウェット・トロフィー」です。

created by Rinker
ベースボール・マガジン社 (編集)

ジョージ・ジェウェット(George Jewett)とはかつて1890年代にBig Tenカンファレンスチームで初めてプレーした黒人選手。しかも1890年と1892年にはミシガン大、そして1893年と1894年にはノースウエスタン大でプレーしたという異色の経歴をもつ人物だったのです。

ミシガン大ではフルバック、ハーフバック、キッカーとしてプレー。1892年にはトータルで298点を稼ぎ出してリーディングスコアラーとなり、ミシガン大の偉人であるフィールディング・ヨースト(Fielding Yost)監督(1901年〜1926年)より以前のミシガン大フットボール部においてもっとも偉大な選手と評された人物。

また1892年にはシーズンの最優秀選手に贈られる「ハイズマントロフィー」で知られるジョン・ハイズマン(John Heisman)氏が率いていたオベリンカレッジと大戦し、ジェウェット氏は4つのTDを奪う活躍を見せました。しかし試合自体はオベリンカレッジが24対22でリードしたままタイムアップとなってフィールドを去るも、ミシガン大陣営はまだ試合時間が5分残っているとして、相手が去った後誰も居ないフィールド上でジェウェット氏がTDを奪って「逆転勝ち」したといういわく付きの試合。

(これはレフリーを元オベリンカレッジの選手、アンパイアを元ミシガン大の選手が務めたせいで意見の不一致が出たために起きた結果だとされています。そして両校がこの試合の勝者であると現在まで記録されています)

そしてノースウエスタン大の医学部に転入したジェウェット氏は残っていたプレー資格を行使してフットボール部でプレー。ここでも彼は初の黒人選手となり、卒業後は医師となりましたが1908年に38歳の若さで急死しました。

ミシガン大とノースウエスタン大でプレーし、しかもそれぞれのフットボール部で初の黒人選手となっただけでなく、後に形成されることになるBig Tenカンファレンス所属チームでも最初の黒人選手となったことで、両チームはジェウェット氏の功績を称えるために「ジョージ・ジェウェット・トロフィー」を新たに生み出してライバリーゲームにしようと発案したのです。

ちなみにFBS(フットボールボウルサブディビジョン)において黒人選手の名を持つライバリートロフィーはこれが初となります。

このライバリー設立に尽力したミシガン大体育局長のワード・マニュエル氏は「願わくばこの新たなライバリーが大学だけでなく社会全体において人種の多様性の重要さを再確認するきっかけになれば」と話しています。

来たる2021年度シーズンのこのマッチアップは10月23日にミシガン大のホームであるアナーバー市で予定されており、この試合が「ジョージ・ジェウェット・トロフィー」のこけら落としとなります。フットボールを通じて過去の偉人、特にアフリカンアメリカンを称えるというのはとても素晴らしいことですね。

この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

ANY GIVEN 
SATURDAY

全米カレッジフットボールファンサイト