1週間に700万円の出費?!

1週間に700万円の出費?!

2020年のFBS(フットボールボウルサブディビジョン)カレッジフットボールシーズンが終了して早2ヶ月。大学スポーツは現在FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のシーズン真っ最中であり、その他にも男女バスケットボールやレスリング、野球にソフトボールなどカレッジスポーツは春シーズンを謳歌しています。

・・・とはいえ、いまだ新型コロナウイルスのパンデミックは収束しておらず、FCSフットボールでもFBSのときと同じようにコロナの影響で試合が延期になるケースも出ており、その他のスポーツでも報道されない影で同じような状況が出ているに違いありません。

コロナ禍でスポーツ活動を行う上で最も重要視されていたのは選手たちやスタッフの安全確保です。いまでこそアメリカではワクチンが少しずつ拡散してきていますが、昨年のカレッジフットボールシーズン中はそれはまだ開発中であり、できることと言えば感染を防ぐための予防策しかありませんでした。

そして感染者が出たとしてもその拡散を極力抑えるために重要だったのが日々のPCR検査でした。選手たちは毎日検査を受け、その結果に戦々恐々しながら長きに渡りシーズンを戦ってきたわけでその精神的重圧は彼らにしか分からないものだったに違いありません。

そしてそのPCR検査を毎日行うためにはその検査キットを確保しそれをラボに送って結果を調べるという作業が必要となり、それには当然費用が必要になってくるわけで、ただでさえチケットの売上で減収となっていたところにこの必要経費を計上しなければなならなかった大学としては頭の痛いところだったことは想像に容易いです。

資金が潤沢な強豪チームならばまだしも、中堅クラスの大学ともなればその資金やリソースを揃えるだけでも一苦労でしたでしょうし、しかしながら安全確保という目的がある以上ないがしろにすることもできなかったので、昨シーズンを開催することは中堅チームにとっては気苦労が絶えなかったのです。

しかしパンデミック下でシーズンを送る上で浪費した金額がとんでもない額に跳ね上がったチームもあります。それがニューメキシコ大でした。

なんと彼らは昨シーズンを回すために1週間に7万ドル(1ドル100円計算で約700万円)を支払い続けなければならなかったのです。

なぜかと言うと、ニューメキシコ州内で新型コロナの感染者数が増加したために州政府は一切のスポーツ活動を一時的に禁止したため、ニューメキシコ大フットボール部は練習および試合を行うためにネバダ州ラスベガス市にチームごと引っ越してそこで練習および試合を行ったからです。

選手たちはバーチャルで授業を受けられたためにクラス活動に支障はありませんでしたが、選手およびスタッフ総勢140人の宿泊地(しかもコロナ下のガイドラインにより皆全て個室)、食事、洗濯、交通、その他諸々を捻出しなければならなかったのです。当然日々のPCR検査の経費もこれに上乗せされるわけで、その合計は1週間で7万ドルの出費に膨れ上がったのです。

ニューメキシコ大が所属するマウンテンウエストカンファレンス(MWC)が開幕したのは10月24日。しかし彼らの初戦であったコロラド州立大との試合は新型コロナの感染数拡大で中止になり、その翌週にはチームはラスベガスへお引越し。ホームスタジアムは同じMWCのネバダ大ラスベガス校(UNLV)と兼用し結局ニューメキシコ州では1試合も行うことができずに2勝5敗でシーズンを終えました。

元々強豪とは程遠いチームでありここまでの大金を払ってシーズンを強行して2勝5敗とは、果たして試合を行う意味はあったのか・・・と疑問に感じる方もいらっしゃることでしょう。

しかしニューメキシコ大の体育局長であるエディ・ニューネズ氏はこう語ります。

「ラスベガスにチームを移すことで総額30万ドル(約3000万円)を注ぎ込まなくてはならくても、その見返りとして370万ドル(約3億7000万円)を受け取ることができるのならば、(シーズン開幕しないで)何も手に入れないよりは370万ドルを手にすることを選択するのは当然のことです。」

どいういうことかといえば、どのチームも参加するだけで所属するカンファレンス及びカレッジフットボールプレーオフ(CFP)からの配当金を受け取ることができるからです。

単純計算で370万ドルから経費の30万ドルを引いても手元に340万ドル(約3億4000万円)が残ることになりますから、チームをラスベガスに送ってまでしてもシーズン開幕に漕ぎ着けたかった大学側の目論見も頷けるというものです。

ニューネズ氏は「ニューメキシコ州内での新型コロナの状況を考えれば学生アスリートたちに試合をするチャンスを提供する意味で(ラスベガスにチームごと引っ越すことは)正しい決断だったと言えます。」とさも学生アスリートたちのための処置だったと言いたいようですが、これが偽善であると言われても致し方ありません。

確かに純利益という意味ではチケットセールスは落ちましたし、試合数も減ったために放映権からの利益も減ったことは確かですが、コロナの影響で試合が延期もしくはキャンセルになったり、チーム活動が一時休止になってまでしてもシーズンを最後まで走り抜けたかった各チームの思惑が垣間見れますね。

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