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ハイズマントロフィーは誰の手に【2023年度】

ハイズマントロフィーは誰の手に【2023年度】

カレッジフットボール界において最も偉大なる個人賞と言われるのがハイズマントロフィーです。このトロフィーを手にした選手は未来永劫カレッジフットボールの歴史にその名を刻むことになり、選ばれし人物しか触れることができないという超貴重なアワードです。

参考ページハイズマントロフィー

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ベースボール・マガジン社 (編集)

栄光の証、ハイズマントロフィー

ハイズマントロフィーを獲得する選手が必ずしもNFLドラフトで総合ドライチになる選手とも限りませんし、ましてやプロの世界で活躍するという確証もありません。しかしたとえプロの世界で失敗したとしてもその選手は永久にハイズマントロフィー受賞者として世に知れ渡るわけで、そういった意味ではプロ選手になるよりもこの賞を獲得するほうが価値は高いのです。

大学で活躍することがプロで活躍することに直結するわけではありませんが、一方でカレッジだからこそ花開くという選手も大勢います。過去の受賞者を見ても下馬評通りNFLでも名を挙げた受賞選手もいればそうでない選手も少なくありません。

ちなみに過去10年間の受賞者を見てみると・・・

2022年:ケイレブ・ウィリアムス(サザンカリフォルニア大QB)
2021年:ブライス・ヤング(アラバマ大QB)
2020年:デヴォンテ・スミス(アラバマ大WR)
2019年:ジョー・バロウ(ルイジアナ州立大QB)
2018年:カイラー・マレー(オクラホマ大QB)
2017年:ベーカー・メイフィールド(オクラホマ大QB)
2016年:ラマー・ジャクソン(ルイビル大QB)
2015年:デリック・ヘンリー(アラバマ大RB)
2014年:マーカス・マリオタ(オレゴン大QB)
2013年:ジェーミス・ウィンストン(フロリダ州立大QB)

ご覧の通り現在も最前線で活躍する選手が結構いますね。


今年のファイナリストたち

今年ファイナリストとして授賞式に「招待」されたのは4人。その4人の顔ぶれを紹介したいと思います。

ジェイデン・ダニエルズ(ルイジアナ州立大QB)

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【2023年度記録】

パス成功数/回数:236/327
パス成功率:72.2%(全米7位)
パスヤード:4145YD(全米2位)
パスTD:40(全米1位タイ)
パスINT:4(全米12位タイ)
パスエフィシェンシー:208.01(全米1位)
ラッシュヤード:1134YD
ラッシュTD:10

ルイジアナ州立大のハイズマントロフィー受賞者といえば2019年度のジョー・バロウ(Joe Burrow)。この年彼はパスで5671ヤードに60TDというまるでゲームの世界のような数字を叩き出しましたが、彼の後輩であるジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)もバロウと似たようなスタッツを今季残しました。

バロウが率いた2019年度のルイジアナ州立大は歴史に残るほどの強さを誇り全米タイトルを獲得しました。今年のダニエルズが所属するチームは9勝3敗とバロウのチームには及びませんでしたが、それでもダニエルズ個人では全米中に名を馳せるほどの活躍を見せました。

パスでは流石にバロウの5000ヤード超えには届かなかったものの、4145ヤードを記録。しかしダニエルズとバロウとで違うのはダニエルズには素晴らしい機動力があること。バロウも走れるQBではありますが、ダニエルズの走力は異次元の世界。今年はQBなのに1134ヤードに10TDを足で記録。

圧巻だったのはフロリダ大戦。ここでダニエルズはパスで372ヤード、ランで234ヤードを計上し、FBS史上初めてパスで350ヤード以上、ランで200ヤード以上を記録した選手となったのでした。

もともとアリゾナ州立大で大学キャリアをスタートさせたダニエルズ。2022年度にルイジアナ州立大に転校してきましたが、大学にとっては元より彼自身にとってもこの転校は成功だったったと言えるに違いありません。

【今季のハイライト動画】

マイケル・ペニックス・Jr(ワシントン大QB)

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【2022年度記録】

パス成功数/回数:307/466
パス成功率:65.9%(全米22位)
パスヤード:4218YD(全米1位)
パスTD:33(全米3位タイ)
パスINT:8(全米30位タイ)
パスエフィシェンシー:161.4(全米14位)
ラッシュヤード:-18YD
ラッシュTD:3

身長6フィート3インチ(約190センチ)体重213パウンド(約96キロ)という恵まれた体型を持つワシントン大のQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)。昨年度パスで4641ヤードを投げて全米随一のパスヤードを稼いだことで今季開幕前からハイズマントロフィー候補の1人として数えられていました。

開幕時からその期待を裏切らない活躍で世間を賑やかせ、またチームも無敗街道を突き進んだことでそのチームの核の選手としても注目を浴びました。特にPac-12カンファレンス内では彼以外にもたくさんのエリートQBが出現した中、その中に埋もれることなく合計4218ヤードに33TDと2年連続で4000ヤード超えの偉業を成し遂げます。

その彼の活躍もあってチームは快進撃を続け、ご存知の通りPac-12カンファレンスタイトルゲームでオレゴン大を退け2018年以来のカンファレンス優勝を成し遂げました。後半数字的には少々落ち着いてしまいましたが、特にこの優勝決定戦では彼のパスで次々とファーストダウンを奪うシーンが見られ、試合を決定づけたファイナルドライブでもオレゴン大にとどめを刺すオフェンスを演出。最後の最後で投票者たちにアピールするにはこれ以上ないパフォーマンスを見せてくれました。

2020年度にインディアナ大でデビューして活躍するもその後は相次ぐ怪我に泣かされるなど不運に見舞われましたが、今ではワシントン大のヒストリックなシーズンに欠かすことのできないリーダーに成長。今季は1試合平均パスヤード数で全米1位となる324.5ヤードを残すなど全米を代表するQBに。

ワシントン大出身選手としてハイズマントロフィーのファイナリストに選ばれたのは1991年度のDLスティーヴ・エムトマン(Steve Emtman)以来のこと。そしてもし受賞することになれば同大初のトロフィーウィナーとなります。

【今季のハイライト動画】

ボ・ニックス(オレゴン大QB)

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【2022年度記録】

パス成功数/回数:336/435
パス成功率:77.2%(全米1位)
パスヤード:4145YD(全米3位)
パスTD:40(全米1位タイ)
パスINT:3(全米2位タイ)
パスエフィシェンシー:186.25(全米2位)
ラッシュヤード:228YD
ラッシュTD:4

2019年にSEC(サウスイースタンカンファレンス)のアーバン大でデビューしたボ・ニックス(Bo Nix)。トゥルーフレッシュマンながら先発を任された彼は13試合にフル出場。その後2年間も不動のQBとして活躍しアーバン大の顔とまで認知されながら、2021年度シーズン後にトランスファーすると発表した時は驚かされたものでした。その彼が新天地に選んだのがオレゴン大でした。

オレゴン大では転校直後からチーム内でリーダーシップを発揮してチームビルディングに尽力。2022年度は10勝3敗と二桁勝利を挙げ自身も3593ヤードに29TD(7INT)と名を挙げました。そしてカレッジ最後の年となった今年は前年度をさらに凌ぐ大活躍を見せたのです。

今季はパスで4145ヤードに40TD、ランでも228ヤードに6TD馬車馬の働き。その彼の存在もあってオレゴン大は今季11勝2敗という戦績を残しました。ワシントン大に2度も敗れてしまったことは非常に悔やまれますが、11月に入りサザンカリフォルニア大戦とアリゾナ州立大戦の2連戦では400ヤード以上を連続して記録するなど最後までファンを沸かせてくれました。

Pac-12カンファレンスの優勝決定戦ではワシントン大に苦しめられ、ペニックスとは対照的な印象を残してしまいましたが、冷静に考えればニックスが今季ここまで成し遂げてきた実績は決して色褪せるものではありません。

ちなみにニックスのカレッジデビュー戦はアーバン大所属の選手として戦ったオレゴン大戦。この時のオレゴン大QBはジャスティン・ハーバート(Justin Herbert)。そのニックスがカレッジの最終シーズンをデビュー戦時の対戦相手だったオレゴン大の一員として迎えるというのはなんとも因果なものです。

【今季のハイライト動画】

マーヴィン・ハリソン・Jr(オハイオ州立大WR)

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【2023年度記録】

レシーブ回数:67
レシーブヤード:1211YD
レシーブTD:14
平均レシーブYD:18.1YD

ここのところ毎年のようにNFL級のWR選手を輩出しているオハイオ州立大。2年前はクリス・オラヴェ(Chris Olave、現ニューオーリンズセインツ)とギャレット・ウィルソン(Garrett Wilson、現NYジェッツ)、昨年はジャクソン・スミス・エンジグバ(Jaxon Smith-Njigba、現シアトルシーホークス)と優秀なWRが在籍していましたが、今年は彼らよりもさらに上をいく才能を保持していると目されるマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)が健在。QBが3人もトロフィーファイナリストに選ばれる中、WR選手として見事ニューヨークでの授賞式に呼ばれれそうです。

すでに年間最優秀WR賞であるブレントニコフ賞の最終候補にも選ばれているハリソン・Jr。彼は今季1211ヤードに14TDを計上しオハイオ州立大のオフェンスの要として活躍。プレーした12試合中100ヤード超えが実に8試合と若いチームのリーダーとして奮闘し続けました。

身長6フィート4インチ(約193センチ)に205パウンド(92キロ)というプロ級のフレームを持つハリソン・JrはすでにNFLでも十分通用するとスカウト陣の注目の的。十中八九彼は2024年のNFLドラフト入りすることが目されており、もし今回ハイズマントロフィーを受賞できれば株はさらに上がることでしょう。

ちなみにその名前からも察しがつく通り、彼はインディアナポリスコルツで活躍したマーヴィン・ハリソン(Marvin Harrison)の息子。NFLを代表するWRであるハリソン氏のDNAをJrはしっかりと受け継いでいるようです。

【今季のハイライト動画】

授賞式

この栄えあるトロフィーの授賞式は12月9日東部時間で午後8時から(日本時間では12月10日午前10時)ニューヨーク市マンハッタンにあるリンカーンセンターで行われます。

この投票を行えるのは870名のスポーツ記者、まだ存命の57人の過去のトロフィー受賞者、そしてファン投票(最多得票選手に1票入る)による合計928人相当の投票によって決められます。

果たして88代目のトロフィー受賞者となるのはこの4人のうちのどの選手となるか?

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