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クレムソン大、新OCにTCUのライリー氏を招聘【オフシーズン便り#5】

クレムソン大、新OCにTCUのライリー氏を招聘【オフシーズン便り#5】

オフシーズンには多くのチームが立て直しを図りますが、その最たるものがコーチ陣の一新です。それがヘッドコーチだったりアシスタントコーチだったりとチームそれぞれに形は異なりますが、オフェンス面やディフェンス面などで結果を残せなければ必然的とテコ入れをする必要は増えていくわけです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

そんな中昨年11勝3敗と二桁勝利数を獲得したクレムソン大もそれに漏れませんでした。11勝を挙げることは簡単なことではありませんが、ことクレムソン大くらいになれば11勝を挙げるだけでは必ずしも成功したシーズンとはいえないというわけです。

2014年にCFP(カレッジフットボールプレーオフ)が導入されて以来2016年と2018年にナショナルタイトルを獲得し、6年連続でCFPに出場した実績を持つ常勝クレムソン大とすれば、目標はあくまでも全米制覇なわけで例え11勝挙げても優勝に手が届かなければファンたちは納得いかないわけです。

昨年のクレムソン大はオフェンシブコーディネーターに内部から昇格されたブランドン・ストリーター(Brandon Streeter)氏が抜擢されました。しかしながら11勝中でもオフェンスの面で苦戦した試合は多く、また逸材とされたQB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)の育成にも失敗。その責任を取らされる形でオフシーズンにダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督はストリーター氏を即刻解雇。新しいOCの下で再建を狙うのでした。

その大役に抜擢されたのが昨年までテキサスクリスチャン大(TCU)でOCを務めていたギャレット・ライリー(Garrett Riley)氏です。

若干33歳のライリー氏は現在サザンカリフォルニア大のHCを務めるリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督の実弟。兄であるリンカーン氏がかつてイーストカロライナ大でOCを務めていた時に学生コーチとして兄に合流。その兄がオクラホマ大へと旅立つとギャレット氏は独自にコーチングの道を進み、カンザス大アパラチアン州立大サザンメソディスト大(SMU)でコーチを歴任。そしてそのSMUでのボスだったソニー・ダイクス(Sonny Dykes)監督がTCUの監督に就任したことで彼を追随し、ここでOCを務めます。

そのTCUは昨年度(2022年)大躍進。開幕から12連勝で全米3位に躍り出て結果的にチーム史上初CFPに駒を進め、準決勝戦では名門ミシガン大を倒して、なんとナショナルタイトルゲームにまで出場するに至ります。

残念ながら優勝決定戦ではジョージア大に65対7で完敗しましたが、TCUという常勝チームとはいえないチームをここまでのチームに押し上げたのはこのライリー氏の手腕であったことは間違いありません。実際ライリー氏はこの年に最優秀アシスタントコーチに贈られるブロイルズ賞を受賞もしています。

そんな若くて腕の立つプレーコーラーを他チームが見逃すはずもなく、今回新しいOCを探していてクレムソン大がライリー氏に白羽の矢を立てて彼にクレムソン大オフェンスの立て直しを一任したのでした。

クレムソン大からは先に紹介したQBウイアンガラレイがオレオゴン州立大へ転校してしまい、残されたのは彼から先発の座を奪ったルーキーのケイド・クルブニック(Cade Klubnik)。しかし彼が出場した試合では安心して今後のクレムソン大を任すことができるような働きをまだ見せておらず、ライリー氏としてはクルブニックを育成し彼の良さを活かすことができるオフェンスを作り上げるタスクが待っています。

一方のTCUですが、ライリー氏が抜けた穴を埋めるのが昨年までアーカンソー大でOCを務めていたケンダル・ブライルス(Kendal Briles)氏です。

ブライルス氏は現役時代テキサス大ヒューストン大でプレー。現役引退後はベイラー大でコーチングの道を歩み始めますが、この時ベイラー大を指揮していたのが彼の父であるアート・ブライルス(Art Briles)氏。ここでブライルス氏はオフェンシブコーディネーターまで駆け上がります。

父のアート氏はもともと「エアーレイドオフェンス」の始祖でもあるマイク・リーチ(Mike Leach、故人)氏の下で修行したことのある、「エアーレイド」派の人物。その彼を父に持つケンダル氏でしたが、ベイラー大で起きたスキャンダルによってアート氏はベイラー大から追放され、程なくして息子のケンダル氏もベイラー大を離れ、フロリダアトランティック大ヒューストン大フロリダ州立大、そしてアーカンソー大でOCを歴任。

参考記事ベイラー大のブライルス監督が解雇

父の影響もあり「エアーレイド」のコンセプトを軸にプレーコールを考えるブライルス氏。そして現在TCUで監督を務めるダイクス監督もまたマイク・リーチ氏直系の「エアーレイド」使い。ということでダイクス監督率いるTCUの次期OCにブライルス氏が選ばれたことは至極当然のことだったといえそうです。

昨年大躍進を果たしたTCUですが、QBマックス・ドゥガン(Max Duggan)、WRクウェンティン・ジョンストン(Quentin Johnston)、RBケンドレ・ミラー(Kendre Miller)らがチームを離れチームにはリビルドが待っています。はたしてブライルス氏が率いるオフェンスがどのようなものになるのか注目したいところです。

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