第9週目の見どころ

第9週目の見どころ

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ウィスコンシン大@オハイオ州立大

Big Tenカンファレンスチーム同士となるこの激突。全米13位のウィスコンシン大が3位のオハイオ州立大に乗り込み勝負を挑みます。

先週イリノイ大にまさかの敗戦を食らって6位から13位に降下してしまったウィスコンシン大。そのせいでこのマッチアップの期待度が減ってしまいましたが、それでもこの試合がカレッジフットボールプレーオフ(CFP)への青写真のために重要なものであることに変わりはありません。ウィスコンシン大が先週の敗戦を帳消しにするにはこれは絶好の試合ですが、それよりも3位のオハイオ州立大が強豪ウィスコンシン大相手にどこまでやれて本当に全米3位の力を持つチームなのかが明らかになるゲームであることのほうに注目したいです。

1敗を喫してしまったウィスコンシン大はプレーオフ進出という僅かな希望のためにはもう失うものはありません。このメンタリティーが吉と出れば元々持っている攻守とも非常にバランスの取れたチーム力すればオハイオ州立大と十分に渡り合っていけるはずです。

オハイオ州立大は確実にカンファレンスタイトル及びCFP出場を目指すために敗れる訳にはいきません。しかも今後ペンシルバニア州立大ミシガン大という強豪チームとの連戦を控えていますからなおさらのことです。

見どころとしてはまずウィスコンシン大のスターRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)が、相手チームに1キャリー平均2.6ヤードしか許していないオハイオ州立大ディフェンスに対してどれだけアナをこじ開けられるかです。もしテイラーがランゲームを構築できなくなるとウィスコンシン大のオフェンスは一辺倒となるでしょうから、このポイントがウィスコンシン大勝利への必須事項です。

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ウィスコンシン大RBジョナサン・テイラー

そしてQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)並びにRB J.K.ドビンズ(J.K. Dobbins)率いるダイナミックなオフェンス陣とウィスコンシン大のディフェンスの対決です。ウィスコンシン大はイリノイ大に敗れるまで数字の上では全米中のどのチームにも劣らないディエンス力を保持していました。それはこれまですでに4試合を完封勝ちに収めていることにも現れています。しかしそのイリノイ大戦で彼らがゾーンリード、ランパスオプションへの弱さが露呈されてしまいました。そしてオハイオ州立大はまさにそれが得意なチーム。しかもタレント力はイリノイ大の数倍上ときています。もしウィスコンシン大が2週間前までのシャープなディフェンスを披露できれば面白いことになるかもしれませんが、そうでなければ前半で試合が決まってしまっている可能性も・・・。


アーバン大@ルイジアナ州立大

どちらも「トラ」がマスコットであるこの「バトル・オブ・タイガース」。サウスイースタンカンファレンス(SEC)の名門同士の生唾もののマッチアップです。

実力だけで言えば全米ナンバーワンの呼び声高いルイジアナ州立大ですが、彼らを率いるのはハイズマントロフィー候補QBジョー・バロウ(Joe Burrow)。巷では彼が現時点で一番トロフィーに近い男されています。ディフェンスを読む力、タイトなパスを放れるパサーとしての能力、サイズ、適度な機動力とトロフィー獲得だけでなくNFLスカウトの目を引く今季を代表するQBに成長しました。また彼を支えるRB、WR陣も充実しており正直彼らに穴は見当たりません。

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ルイジアナ州立大QBジョー・バロウ

アーバン大フロリダ大との対決で敗れランクを落として以来ちょっと話題から外れた存在となってしまいましたが、何とか9位まで戻ってきました。このルイジアナ州立大戦を制することができれば一気にトップ5入りも不可能ではないでしょう。が、それはそう容易くは行きません。何と言ってもこの試合がルイジアナ州立大のホームゲームであるということ、その大声援を背に受けたディフェンスを相手にするには1年生QBボ・ニックス(Bo Nix)には荷が重すぎること。アーバン大が金星を手に入れるならばニックスの完璧なパフォーマンスが望まれますが、それ以上に彼への負荷を減らすためにランゲームがある程度効果を発揮できなればなりません。それが果たしてルイジアナ州立大ディフェンスに対して上手く機能するでしょうか?

勝機があるとすればアーバン大ディフェンス陣、特にフロントセブンが如何にルイジアナ州立大のOL陣をかいくぐってバロウに迫れるかどうかです。オールアメリカン級のDLデリック・ブラウン(Derrick Brown)の最高級のパフォーマンスに期待したいところです。

ノートルダム大@ミシガン大

ミシガン大は先週のペンシルバニア州立大(当時7位)戦に続き2週連続でトップ10チームと対決することになります。その相手が全米8位のノートルダム大です。

ミシガン大はジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が指揮をとって以来トップ10チームとの対戦成績が1勝10敗という大変不名誉な記録を更新中。当然今週のノートルダム大との試合結果もここに影響していくわけで、今週も負ければハーボー監督が大舞台に弱いことが更に証明されてしまい、現在すでに彼が「ホットシート(進退が危ぶまれる表現の一つ)」扱いを受けている事に輪をかけて状況は悪化してしまいます。

もっともミシガン大はペンシルバニア州立大戦での後半戦は互角以上に渡り合っており、再終了直前のエンドゾーンでのドロップパスがなければ勢いを見ていればミシガン大に軍配が上がっていたかもしれません。彼らにとっては試合開始直前からのエンジン全開が不可欠です。選手を波に乗せられるかはハーボー監督及びオフェンシブコーディネーターのジョシュ・ガティス(Josh Gattis)氏の手腕にかかっています。

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ハーボー監督(右)とガティス氏(左)

一方のノートルダム大は第3週目のジョージア大戦で破れてしまったためすでに1敗を喫しています。どのカンファレンスにも属さない独立校/無所属チームである彼らが昨年同様プレーオフに進出するためにはもう2度と負けることは許されません。そして彼らが上位に食い込むためには今回のようなミシガン大との大舞台で周囲を唸らせるような勝利を手に入れておく必要があります。

アーカンソー大@アラバマ大

アラバマ大は先週のテネシー大戦でスターQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)が足首に怪我を負い負傷退場。しかもこの怪我が思いのほか重傷だったようで試合の翌日となる日曜日に緊急手術を敢行。これは先シーズンに負った怪我並びに手術と同じで今回は左足を負傷。この手術は怪我の回復を早めるのが目的であり、シーズン中に彼が返ってくるのを前提として行われたもので、究極的には11月9日に予定されている現在2位のルイジアナ州立大との一騎打ちのために決断されたものと思われます。

アラバマ大としては今週末のアーカンソー大戦のあとに試合のないバイウィークがあり、その次の週末がルイジアナ州立大戦ですので、タガヴァイロアには約3週間弱の回復時間があり、ニック・セイバン(Nick Saban)監督はいつ返ってくるかわからないと言いつつもタガヴァイロアがこの一戦に間に合うことを十分視野に入れていると思います。

しかしもしそうならなかった場合には彼のバックアップであるマック・ジョーンズ(Mac Jones)がSECタイトル及びCFP出場をかけた世紀の一戦に出場しなければなりません。今週のアーカンソー大戦はそんなジョーンズにとって大学生活初の先発出場となり、彼が実戦でキックオフから試合終了までどんなパフォーマンスを見せられるのかというテストマッチでもあるのです。彼がタガヴァイロアほどのパスプレーを見せられるとは思いませんが、彼を取り巻くタレントぞろいの選手たちを如何に使いこなせるか、そしてコーチ陣が彼に合わせて戦術をアジャストしてくるのかに注目が集まります。

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アラバマ大QBマック・ジョーンズ

タガヴァイロア以前はどちらかというとアラバマ大はラン重視のオフェンスであり、当時のQBはプレーメーカーというよりも指揮官という役割が大きく、そういったチームでも全米制覇を何度も成し遂げてきました。そういった意味では今回タガヴァイロアではなくジョーンズが出場するということでナジー・ハリス(Najee Harris)、ブライアン・ロビンソン(Brian Robinson)らRB陣にボールが任される回数が増えることでしょうから彼らの出来にも注目したいです。

オクラホマ大@カンザス州立大

現在5位のオクラホマ大は今週末アウェーでカンザス州立大と対決。彼らはしばらくこの5位の座で足踏みしていますが、実力的には十分トップ4に入れるものを持っています。それに立ちはだかっているのが4位のクレムソン大です。クレムソン大は開幕時に1位だったものの徐々にランキングを落とし現在4位に。これはこれまで無敗でありなおかつ前年度の全米覇者であることが大きな要因だと思いますが、オクラホマ大とクレムソン大を比べてどっちが上位かといえば意見は大いに別れることでしょう。

このカンザス州立大戦でQBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)やWRシーディー・ラム(CeeDee Lamb)らオフェンス陣が大量得点し、ディフェンス陣が相手オフェンスに得点を許さないような完勝を納められればひょっとしたら彼らがトップ4のカベをこじ開けることができるかもしれません。

ペンシルバニア州立大@ミシガン州立大

ランドグランドトロフィー」をかけて争われるライバリーゲームでもあるこの試合。ペンシルバニア州立大(ペンステート)は先週ミシガン大を倒す貴重な勝利を得ましたが、その勢いのままライバル・ミシガン州立大からも白星を得ることができるでしょうか。

過去8年間のこの対戦では最低でもどちらかがランクされている状態での対決なっていますが、その8年間では5勝3敗とミシガン州立大がリード。しかも過去5年間ではその戦績は4勝1敗というアドバンテージになっています。昨年は8位だったペンステートがランク外のミシガン州立大にホームで敗れるという大失態。やはりライバリーには何か悪魔がひそんでいるということでしょうか。

そういった意味ではミシガン大戦での大勝利に酔いしれていると足元を救われかねないペンステート。11月23日に予定されているオハイオ州立大とのBig Ten東地区の雌雄を争う決戦まで無敗街道を突き進みたいペンステートとしては今週末のこのミシガン州立大という落とし穴にハマる訳にはいきません。

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