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2022年度第6週目の見どころ

2022年度第6週目の見どころ

今季6週目を迎えるカレッジフットボール。今週もランクチーム同士の戦いや、伝統のライバリー、話題沸騰チーム同士のマッチアップなど盛りだくさんです。

そんな今週末の注目ゲームを筆者の独断で選びご紹介したいと思います。観戦のお供にどうぞ!

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#17 テキサスクリスチャン大 vs #19 カンザス大

全米17位のテキサスクリスチャン大、並びに19位のカンザス大は共にBig 12カンファレンス所属の無敗チーム。このマッチアップに大きな注目が集まっていますが、一体どこの誰が開幕前にこの対戦カードが全米の興味をそそるものになると予想できたでしょうか。

ホームのカンザス大は2008年を最後に勝ち越しシーズンがゼロという弱小チーム。これまで2010年以来数々のコーチたちがこのチームの育成に力を注いできましたがいずれも失敗。

しかし昨年からチームを率いているランス・レイポールド(Lance Leipold)監督が就任して以来チームに変化が訪れています。

昨年は2敗にとどまりましたが、そのうちの1勝はテキサス大から奪ったもの。そして今季は開幕以来5連勝と今シーズン随一のシンデレラストーリーを地で行くチーム。弱小と言われタレント力でも他チームに劣っていたとしても、素晴らしいコーチング力があればチームは蘇るということを証明してくれています。

そのチームの中心となるのがQBジェイロン・ダニエルズ(Jalon Danies)。2021年はバックアップで開幕を迎えるも後半に先発QBが怪我で出場不可となるとシーズン最後の3試合に先発出場。上記のテキサス大戦で勝利を挙げた時の先発QBもこのダニエルズ。その3試合では1勝2敗という戦績でしたが、その間平均得点数は20点以上に増え、ダニエルズのポテンシャルが見え隠れしていました。

そして今季ダニエルズは投げて983ヤードに11TD(1INT)、走って329ヤードに5TDと活躍。特にQBレーティングでは全米1位(95.6ポイント)を誇り、にわかにハイズマントロフィー候補にまで名前が挙げられています。そのおかげで今季の1試合平均得点数が40.4点と非常に高く、これまでのカンザス大とは似ても似つかないチームとなっています。

一方のテキサスクリスチャン大(TCU)は昨年シーズン後に21年間チームを率いたゲリー・パターソン(Gary Patterson)監督と袂を分かち、その後釜にはサザンメソディスト大(SMU)を戦える集団に改革したソニー・ダイクス(Sonny Dykes)を招聘しました。

ダイクス監督は「エアーレイド」と呼ばれるパスヘビーオフェンスの始祖とも言える、ハル・マミー(Hal Mumme)監督やその愛弟子のマイク・リーチ(Mike Leach、現ミシシッピ州立大HC)監督らに師事。その後ルイジアナ工科大、カリフォルニア大で指揮を執った後にSMUに赴任。中堅レベルだったSMUを立て直して昨シーズン後にTCUにやってきました。

TCUのオフェンスを支えるのはQBマックス・ドゥーガン(Max Duggan)。ここまでのスタッツは997ヤードに11TD(0INT)、ランで149ヤードに2TD。QBレーティングは全米4位の90.4ポイントとカンザス大のダニエルズのスタッツと非常に酷似しています。

彼らのスコアリングオフェンスは1試合平均48.5ポイント。これはオハイオ州立大に次ぐ全米2位の数字。彼らの快進撃の理由がここにも現れています。

このマッチアップの鍵はカンザス大がTCUのオフェンスを止められるかどうか、ということ。確かにダニエルズ擁するカンザス大はこれまでと比べれば格段にチーム力は上がっていますが、スキーム的にTCUのオフェンスは今の所抑え込むのが難しくなっています。カンザス大がTCUとの点取合戦を強いられるとなればディフェンスの差で勝負が決まるのではないでしょうか。

どちらにしても今季前半戦においてサプライズ的な躍進を続ける2チームの対戦は話題的にも見逃せない試合となりそうです。


テキサスA&M大 vs #1 アラバマ大

全米1位のアラバマ大がテキサスA&M大をホームで迎え撃つこの一戦も注目です。

この試合が特に注目される理由の1つには、オフシーズンに起きた2人の「口撃合戦」でした。というのもアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督がテキサスA&M大が金(NIL)で高校生リクルート選手を釣ったと公言し、これに怒ったテキサスA&M大のジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督がセイバン監督を公共の面前でこき下ろした、という話。

*詳しくはこちらのポッドキャストのエピソードを是非ご視聴ください!

そもそもフィッシャー監督はかつてルイジアナ州立大でセイバン監督の下でOCを務めていたということもあり、ある意味師弟関係にあったわけです。そういった2人がやり合ったということで一時この2人の話はスポーツ番組のヘッドラインを飾っていました。その頃からすでにこの10月8日の直接対決に注目が集まっていたのです。

その後2人は熱を冷まし仲直りしたようにも思えましたが、昨年の対決ではテキサスA&M大がアラバマ大を倒すアップセットとなり、それまで「弟子」が率いるチームに無敗を誇っていたセイバン監督にフィッシャー監督が初めて土をつけたのでした。つまりアラバマ大としてはリベンジゲームとなる訳ですね。

ただ開幕時に6位だったテキサスA&M大はアパラチアン州立大に敗れ、さらに先週はミシシッピ州立大にも敗れて2敗目を喫しランキングから脱落。この試合の注目度が下がってしまいました。

が、全く注目ポイントがないわけでもありません。アラバマ大は先発QBブライス・ヤング(Bryce Young)が先週のアーカンソー大戦で肩を強打して途中退場。このテキサスA&M大戦に出場できるのかどうかは試合当日までわからないとか。またテキサスA&M大のQBマックス・ジョンソン(Max Johnson)も投げる方の手(右)を骨折しているという報道もあり、この2人が出場するのかも気になるところ。

もしヤングが出場しないとなるとQBはジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)が出場することになるでしょうが、ミルローは先週の試合でも見せてくれた通り走れるQB。そしてテキサスA&M大ディフェンスはランディフェンスに滅法弱いと来ており、またテキサスA&M大オフェンスはジョンソンだろうが開幕時の先発であるヘインズ・キング(Hayns King)だろうが関係なく火力不足に悩まされるユニット。

しかも今年はアラバマ大のホームゲーム。開幕前の期待度とはうってかわってワンサイドゲームになる可能性も・・・。

#8 テネシー大 vs #25 ルイジアナ州立大

現在8位のテネシー大が同25位のルイジアナ州立大の本拠地に乗り込むこの試合も注目です。

テネシー大は久しぶりにトップ10に入るほどの快進撃を見せており古豪復活が叫ばれていますが、このルイジアナ州立大戦のアウェーゲームを落とすことができれば彼らの実力がさらに認められることになります。

今季彼らの好調を支えるのがQBヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)。彼はここまで1193ヤードのパスに8TD。さらにランでも3TDを獲得。ジョシュ・ハイペル(Josh Heupel)監督の操る高速オフェンスの要としてテネシー大を牽引します。彼らのオフェンスを止めるのは至難の業で先週もフロリダ大がその餌食となりました。

ルイジアナ州立大は開幕戦のフロリダ州立大戦を落としはしましたが、着実に白星を重ねて今週今季初めてとなるランクインを果たしました。このチームのオフェンスはアリゾナ州立大からの転校生QBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)でなんとか持っているようなもの。ダニエルズはパスだけでなくランでも現在チーム最多となる60キャリーに321ヤード(3TD)を記録しており、今年からチームを率いるブライアン・ケリー(Brian Kelly、元ノートルダム大HC)監督の顔を立てます。

テネシー大としては今季本格的なアウェーゲームとしてタフな環境での挑戦となります。真に強いチームならそういった逆境でも自身の力を発揮できるもの。またルイジアナ州立大としては全米8位チームを倒せれば一気に評価を上げることができるということで下克上を企んでいるはず。

果たしてこの戦いを勝ち抜くのはどちらか・・・?

#11 ユタ大 vs #18 UCLA

このPac-12カンファレンス所属チーム同士の激突も楽しみなゲームです。

ユタ大は開幕戦でフロリダ大に敗れて早々に1敗目を喫してランクを下げましたが、それ以降は他を圧倒してここまでやってきました。フロリダ大戦も相手レッドゾーン内に3回進入しながら結局FG1つの3点しか取れなかったのですが、実力的にはこの試合に勝っていても不思議ではなく、5勝無敗チームに最も近い4勝1敗チームと言えます。

オフェンスはQBキャメロン・ライジング(Cameron Rising)とRBタヴィオン・トーマス(Tavion Thomas)の二枚看板。ライジングは走れるQBということで陸空とバランスの取れたオフェンスを擁します。またユタ大のディフェンスはトータルディフェンスで全米13位と堅固な力を持っています。

一方のUCLAもQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian Thompson-Robinson)とRBザック・シャーボネット(Zack Charbonnet)という、走れて投げれるQBと頼れるRBのコンボというユタ大と似たような布陣。特に彼らは先週当時15位のワシントン大を倒しモメンタムは上向きということで侮れないチームとなっています。

ユタ大はカンファレンスタイトルを争う上で開幕前から頂上決戦となると言われてきたサザンカリフォルニア大との試合を翌週控えていますが、仮にそちらの方に少しでも気が向いてしまっていたとしたらUCLAに足元をすくわれかねません。

テキサス大 vs オクラホマ大

レッドリバーの戦い(Red River Showdown)」なんて別名がある、全米を代表するライバル対決がこのテキサス大とオクラホマ大の一戦です。

勝者には黄金のテンガロンハットが贈られますが、1900年から続くこのライバル対決は今の所62勝50敗5分けでテキサス大がリード中。そんな歴史あるライバリーなんですが、今年は両チームともランク外の状態での顔合わせ。これは1998年以来の事態となります。

テキサス大はここまで3勝2敗。1つはアラバマ大に、もう1つはテキサス工科大に黒星を食らわされランク外に落ちました。今年で2年目となるスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督のもので非常に緻密なオフェンスのもとでポテンシャルを見せてはいますが、エースQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)がアラバマ大戦で負傷退場してしまったことが痛手。しかしそのユワーズはこのオクラホマ大との一戦でどうやら復活を果たすようです。

一方のオクラホマ大も3勝2敗。彼らは一時全米6位まで上昇しましたが、そこからカンザス州立大とテキサスクリスチャン大に2連敗し一気にランキングから脱落。先行き不安な現状となりました。

オクラホマ大はとにかくディフェンスがズタボロで、直近2試合での失点数の合計がなんと96点。今年から指揮を執るブレント・ヴェナブルズ(Brent Venables)はかつてオクラホマ大並びにクレムソン大でディフェンシブコーディネーターを務めた敏腕守備コーチだと言われていましたので、ここまでのオクラホマ大での守備力は意外と言えば意外でした。

それに輪をかけて悪いのは、QBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)が先週のテキサスクリスチャン大戦にて脳震とう(Concussion)を患い退場。もしガブリエルがドクターからのゴーサインをもらえずに出場不可となるとオクラホマ大としてはさらに大打撃となります。

過去18回の対戦において、ランヤードで相手を圧倒したチームが17度勝利しているという数字もあります。とすれば、今季全米でもトップレベルのRBに数えられるビジャン・ロビンソン(Bijian Robinson)を擁するテキサス大が有利、と言えるかもしれませんが、果たして!?

ちなみにこの試合は日テレGタスで生放送されるようです。Gタスを観れる方は深夜になりますが(午前1時キックオフ)是非観戦してみてください!

その他の気になる試合

ミシガン州立大 vs #3 オハイオ州立大
今季全米トップのスコアリングオフェンスを擁するオハイオ州立大が、守備陣が崩壊しているミシガン州立大と対戦。カンファレンス戦ながら大差の試合になる予感・・・。ミシガン州立大はいっし報いることができるか?

ワシントン州立大 vs #6 サザンカリフォルニア大
ここまで無傷の5連勝を飾っているサザンカリフォルニア大が今季4勝1敗とこちらも調子の良いワシントン州立大と対決。サザンカリフォルニア大のオフェンスにはスーパースターが取り揃えてありますが、ワシントン州立大も侮れないチームです。

フロリダ州立大 vs #14 ノースカロライナ州立大
フロリダ州立大は開幕後4連勝を飾っていましたが、先週ウェイクフォレスト大に敗れてついに土がつきました。一方のノースカロライナ州立大もクレムソン大と対戦して敗北。お互いが負け試合を先週味わった上での対決となります。どちらのチームの方が前試合での敗戦を引きずらずにこの試合に臨めるでしょうか?

#16 ブリガムヤング大 vs ノートルダム大
ノートルダム大は開幕時に5位だったものの、初戦のオハイオ州立大戦、さらには次戦の格下マーシャル大戦に敗れ2連敗。以来全米の表舞台から消え去りました。が、その後カリフォルニア大およびノースカロライナ大に勝って勝率を五割に戻して来ました。もしこのブリガムヤング大に勝つことができれば序盤のスロースタートを挽回できるチャンスです。

アーカンソー大 vs #23 ミシシッピ州立大
最高で10位まで上昇していたアーカンソー大はテキサスA&M大およびアラバマ大に2連敗を喫してランクの外へ転落。一方のミシシッピ州立大は先週テキサスA&M大を倒して4勝1敗としてついにランクイン。ただランクインしたからと油断しているとアーカンソー大に食われる可能性も大いにあります。

ノースカロライナ大 vs マイアミ大
ノースカロライナ大ではQBドレイク・メイ(Drake Maye)に注目。1年生ながら投げれて走れるメイはここまで1594ヤードに19TD(1INT)と今後が非常に楽しみな選手。一方マイアミ大は古豪復活が叫ばれながら2勝2敗となかなか波に乗れないチーム。開幕時に注目を浴びていたQBタイラー・ヴァン・ダイク(Tyler Van Dyke)の下馬評通りの活躍が必須です。

ジェームスマディソン大 vs アーカンソー州立大
今年からNCAA1部でも下部のFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)からFBS(フットボールボウルサブディビジョン)へ昇格したばかりのジェームスマディソン大はいまだ無敗。このアーカンソー州立大に勝てば5勝無敗となりますが、このシンデレラトレインは一体どこまで突っ走ることができるでしょうか?

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楽しみなマッチアップが満載の第6週目のカレッジフットボールも大いに楽しみましょう!!

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