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サザンカリフォルニア大QBウィリアムスがハイズマントロフィー獲得

サザンカリフォルニア大QBウィリアムスがハイズマントロフィー獲得

年間最優秀選手賞=MVPというアワードはどのスポーツにもあります。しかしカレッジフットボールには似たようなアワードがいくつも有るのですが、その中でも個人賞として最高峰のアワードがハイズマントロフィーです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

アメリカでフットボールをする選手なら誰もが憧れるこのトロフィーは1935年度からその年の最も優れた選手に贈られてきた歴史あるアワード。ただ単純にMVPと呼ぶには崇高すぎるこのトロフィー。アメリカのスポーツ全般で言っても最も価値のある賞であると認識されています。

参考記事ハイズマントロフィー

そんなハイズマントロフィーの授賞式が12月9日夜にニューヨークで行われました。今年は昨年に引き続きオペラやオーケストラで有名なリンカーンセンターの別館「Jazz at Lincoln Center」が開催地でした。

今年ファイナリストに選ばれたのは以下の4選手です。

ケイレブ・ウィリアムス(サザンカリフォルニア大QB)
マックス・ドゥガン(テキサスクリスチャン大QB)
C.J.ストラウド(オハイオ州立大QB)
ステソン・ベネット(ジョージア大QB)

今年は4人全員がQB。ウィリアムスは2年生。ドゥガンは開幕時にはバックアップだったQB。ストラウドは昨年のファイナリスト。そしてベネットは元々非奨学金選手(ウォークオン)というそれぞれがそれなりのバックグラウンドを持った選手たち。

参考記事ハイズマントロフィーは誰の手に

今年のハイズマンレースは開幕前から前年度ファイナリストのストラウドが最有力候補として挙げられていました。シーズンが中盤から後半に移るにつれてテネシー大QBヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)やミシガン大RBブレイク・カーラム(Blake Corum)も候補選手として名を挙げました。しかし残念ながら両選手はシーズン絶望の怪我を負ってしまいレースから脱落。

そして飛び抜けた候補生が出現しないまま迎えた終盤にサザンカリフォルニア大のウィリアムスが台頭しますが、Pac-12カンファレンス優勝決定戦で不運にも負傷してチームは敗退。また同じ頃テキサスクリスチャン大のドゥガンがBig 12カンファレンス優勝決定戦でカンザス州立大相手に魂のこもったプレーを連発。試合には敗れたものの見ているものの心を震わす活躍でトロフィーレース最後の最後で良い印象を与えたように思いました。

そして栄えある87代目のハイズマントロフィーを手にしたのは・・・。

サザンカリフォルニア大のケイレブ・ウィリアムスでした!

以下が投票結果です。

獲得pt1位票2位票3位票
C・ウィリアムス203154416863
M・ドゥガン1420188357142
C.J.ストラウド53937119190
S・ベネット3493665111
H・フッカー226174781
B・ヤング141172834
B・カーラム12582551
M・ぺニックス・Jr11492047
B・ロビンソン7541239
D・メイ423621

ウィリアムスとドゥガンのポイント差(Margin of victory)は611点。これは2018年にカイラー・マレー(Kyler Murray、元オクラホマ大、現アリゾナカーディナルスQB)がトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、元アラバマ大、現マイアミドルフィンズQB)に競り勝った時以来(296点)の僅差のポイント。

ちなみに最小のMargin of Victoryは2009年のマーク・イングラム(Mark Ingram、元アラバマ大)とトビー・ガーハート(Toby Gerhart、元スタンフォード大)の28点差でした。また最近ではQBばかりがとりだたされる中、トップ2選手がRBというのも時代を感じますね。

とはいえハイズマントロフィーの記録に深く刻まれるのは受賞者のみ。ほとんどの人は2位以下の選手のことなど覚えていることはありません。ウィリアムスは昨年のヤングに続いて2年生ながら87代目の受賞者としてこの栄光ある「クラブ」の仲間入りを果たしたのでした。(2年生としての受賞は6人目)

サザンカリフォルニア大出身選手としては公式記録では2004年のマット・ライナート(Matt Leinart)氏以来7人目。のちにスキャンダルを起こしてトロフィーを返還し公式記録からは抹消されてしまった2005年の受賞者であるRBレジー・ブッシュ(Reggie Bush)氏を含めれば8人目となります。

またもしブッシュ氏のトロフィーを含めた場合、単一大学からの受賞者輩出数がサザンカリフォルニア大が最多チームとなります。(オクラホマ大、ノートルダム大、オハイオ州立大が7回)

そしてサザンカリフォルニア大のQBとしての受賞は上記のライナート氏並びに2003年のカーソン・パルマー(Carson Palmer)氏以来3人目となりました。

ワシントンDC出身の5つ星リクルートだったウィリアムスは昨年オクラホマ大へ進学。当初は当時の先発スペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)のバックアップを務めていましたが、ラトラーがスランプに陥ったことで彼に出番が回ってくると水を得た魚のように縦横無尽にフィールドを駆けその名を世に轟かせました。

一方で彼をリクルートし指導してきたリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督が昨オフに突如としてオクラホマ大からサザンカリフォルニア大へ移籍することを発表。そして程なくしてウィリアムスもライリー監督を追ってサザンカリフォルニア大へ転校(トランスファー)したという背景があります。

今年はオレゴン大からRBトラヴィス・ダイ(Travis Dye)、ピッツバーグ大からWRジョーダン・アディソン(Jordan Addison)など有能選手が次々とサザンカリフォルニア大へ転校。その多くがウィリアムスとプレーしたいからということだったらしいのですが、そんな「スーパーチーム」を率いたウィリアムスがチームを牽引。惜しくもカンファレンスタイトル並びにCFP(カレッジフットボールプレーオフ)出場は逃しましたが、シーズンを通じて見せてきた活躍が投票者たちに評価された形になりました。

ところで授賞式では受賞者が舞台に上がってスピーチを行うのが常。このスピーチがドラマチックになることは多いのですが、ウィリアムスの場合は今の時代を映し出すかのような非常にポップなスピーチでした。

その中でも面白かったのが、上壇早々に今回一緒に授賞式に参列した3人のファイナリストに向けての賛辞。その中でこんなことを言っていました。

「今日僕はこうしてトロフィーを手にすることができたけど、君たちは3人ともプレーオフに行けんだからね・・・全てを手に入れることはできないってことですね」

ベネットがその二つを天秤にかけているジェスチャーをしているのがお茶目でした(笑)。

ちなみにウィリアムスを指導したライリー監督ですが、オクラホマ大時代を含めるとこれで彼は3人目のハイズマン受賞QBを育てたことになります。(2017年のベーカー・メイフィールド、2018年のカイラー・マレー

さらに2019年には当時オクラホマ大のQBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts、現フィラデルフィアイーグルス)を授賞式に送り込むなどし、まさにQB伯楽の名を欲しいままにしている監督です。

(この時の受賞者はルイジアナ州立大出身で現シンシナティベンガルズのジョー・バロウでした)

ウィリアムスはまだ2年生で少なくとも後1年間はカレッジでプレーすることになります。となれば来年彼は1974年と1975年にトロフィーを連覇した唯一の人物であるアーチー・グリフィン(Archie Griffin、元オハイオ州立大)氏に続く偉業を狙うことになりそうです。

===

さてこれでボウルゲームまでの催し物は全て終了。12月16日からボウルシーズンが始まり、ウィリアムス率いるサザンカリフォルニア大は来年1月2日に行われるコットンボウルでトゥレーン大と対決が決まっています。また他のファイナリスト3人はCFP準決勝戦に進出。その中でもストラウドのオハイオ州立大とベネットのジョージア大はピーチボウルで直接対決することになります。そしてもしテキサスクリスチャン大がミシガン大とのフィエスタボウルで勝って決勝戦に進めばそこでストラウドかベネットのどちらかとの対戦が待ち構えており、この辺りも注目したいところです。

【当ツイッターアカウントでの投票結果】

【ケイレブ・ウィリアムスの受賞スピーチ動画】

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