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ボウルシーズンが始まるよ!

ボウルシーズンが始まるよ!

先週末に今季のレギュラーシーズンが終了し各カンファレンスの優勝校が決定。そして日曜日にはCFP(カレッジフットボールプレーオフ)の最終ランキングがリリースされ、上位4チームであるジョージア大ミシガン大テキサスクリスチャン大オハイオ州立大がプレーオフ進出を決めました。

そして同時に年末年始に行われる40以上のボウルゲームのマッチアップも決定しました。

ボウルゲームとは1試合限りの興行であり、その殆どは試合の主催者によるビジネスの一貫。大抵は暖かいところで開催されバケーションも兼ねて試合観戦に観客を呼び込み地元にお金を落としてもらったり、チケット料で収益を得ようというのがその趣旨です。

一方で由緒正しいボウルゲームも存在し、出場するだけで価値があるという試合もあります。ただ、2014年にカレッジフットボールプレーオフが導入されてからは、そのようなメジャーボウルゲームの価値が落ちてしまったことは否めません。プレーオフ以外は全てそこへ進めなかった「負け組」同士が戦う試合だという印象が強くなってしまったんですね。これは以前のボウルゲームのワクワク感を知るものとしては非常に残念ではあります。

またボウルゲームによる収益チャンスに目をつけたビジネスマンがよってたかってボウルゲームを新設したせいで試合数は飽和状態に。ナショナルチャンピオンシップゲームを除けば42試合が予定されており、これはつまり84チームがいずれかのボウルゲームに出場することになります。現在FBS(フットボールボウルサブディビジョン)に所属する総数が131チームですから、半数以上のチームがボウルゲームに招待される計算になります。

かつてボウルゲームに出場できたのは好成績を残した一部のチームだけでした。だからこそ招待される価値があり期待度の高いマッチアップがファンを楽しませてくれたのです。しかし底辺が広がればチームの質もマッチアップの質も下がるのは当然のこと。ボウルゲームに出場できるという特別感が薄まってしまいます。出場資格が6勝以上ということですから、勝率5割でボウルゲームに行けるということです。

とはいえ、シーズン頑張った選手たちへのご褒美としてこのような試合を用意してあげるのも悪くないのかもしれません。ボウルゲームに出場すれば主催者側からたくさんのギフトが贈られますし、大学とすれば参加することで参加費やチケットの売上の一部、テレビ放映権の一部が手に入るわけですから文句はないのでしょうね。

参考記事ボウルゲームが多すぎる!!

注目したいボウルゲーム

そんな感じで今年もここから年末年始に向けてボウルゲームが行われていくわけですが、その中でも面白そうなボウルゲームをピックアップしたいと思います。

キュアボウル(12月16日)

#25 テキサス大サンアントニオ校 vs #24 トロイ大

カンファレンスUSAの覇者で全米25位のテキサス大サンアントニオ校(UTSA)とサンベルトカンファレンスの覇者で全米24位のトロイ大との対戦。カンファレンスチャンプ同士の戦いというのは実はボウルゲームではレアなのでこれは見応えありそうです。UTSAは1試合平均486ヤードに38.7得点というハイスコアリングチーム。注目は彼らのQBフランク・ハリス(Frank Harris)です。

フェンウェイボウル(12月17日)

シンシナティ大 vs ルイビル大

マサチューセッツ州にあるMLBの強豪ボストンレッドスキンズの本拠地であるフェンウェイパークで行われるゲーム。シンシナティ大は昨年のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)出場チーム。注目はルイビル大の走って投げれるQBマリク・カニンガム(Malik Cunningham)。因みにこの試合には登場しないものの、今オフにルイビル大のスコット・サターフィールド(Scott Satterfield)監督がシンシナティ大に鞍替えしています。

ラスベガスボウル(12月17日)

フロリダ大 vs #14 オレゴン州立大

今季9勝3敗と絶好調だったPac-12カンファレンスのオレゴン州立大がSEC(サウスイースタンカンファレンス)のフロリダ大と対決。今季フロリダ大はビリー・ネイピアー(Billy Napier)監督初年度で6勝6敗と不調。しかもエースQBアンソニー・リチャードソン(Anthony Richardson)がNFLドラフト早期入りを表明したためこの試合には出場しません。

ジミー・キメルLAボウル(12月17日)

ワシントン州立大 vs フレズノ州立大

マウンテンウエストカンファレンスの覇者で現在8連勝中と波にのるフレズノ州立大が「パワー5」勢のワシントン州立大と対決。フレズノ州立大の注目選手はQBジェイク・ヘイナー(Jake Haener)。1試合平均395ヤードのパスヤードを誇る彼のパスアタックは脅威です。一方ワシントン州立大は1試合平均失点数が22.4点となかなかの守備力を誇ります。フレズノ州立大のオフェンスが勝つか、それともワシントン州立大のディフェンスがそれを止めるか?

ガスパリラボウル(12月19日)

マーシャル大 vs コネチカット大

今年からジム・モーラ(Jim Mora)監督に率いられるコネチカット大は2015年以来のボウルゲーム出場を果たし、モーラ新体制は素晴らしいスタートを切りました。マーシャル大を倒せば勝ち越しシーズン達成となり、そうなれば2010年以来の快挙となります。

ニューオーリンズボウル(12月21日)

ウエスタンケンタッキー大 vs サウスアラバマ大

2012年にFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に昇格して以来一度も勝ち越したことがなかったサウスアラバマ大は今季初めて勝ち越しただけでなく、10勝2敗と二桁勝利を挙げるという大躍進を果たしました。ここまで来れば創部初のボウルゲーム勝利もレコードブックに刻みたいところです。

アームドフォースボウル(12月22日)

ベイラー大 vs 空軍士官学校

昨年のBig 12カンファレンス覇者であるベイラー大は今季6勝6敗と失速。一方の空軍士官学校は相変わらず安定して勝ち星を重ねてきました。もし彼らがこの試合に勝てば2年連続の二桁勝利数を達成。エアフォースのフレックスボーンは果たしてベイラー大ディフェンスに通用するか?

ギャランティードレイトボウル(12月27日)

ウィスコンシン大 vs オクラホマ州立大

どちらも大御所ながら今季苦戦したチーム。しかもウィスコンシン大のQBグラハム・マーツ(Graham Martz)とオクラホマ州立大のQBスペンサー・サンダース(Spencer Sanders)はそれぞれトランスファーポータル入りしてしまい、おそらくこの試合には出場しないでしょう。6勝6敗のウィスコンシン大は勝てば勝ち越し、負ければ負け越し。いい年末を過ごすには何としても勝っておきたいところ。

リバティーボウル(12月28日)

カンザス大 vs アーカンソー大

今年開幕後5連勝で一時19位にランクされるなど躍進したカンザス大。結局その後6敗してしまいましたが、2008年以来のボウルゲーム出場権を獲得。走れるQBジェイロン・ダニエルズ(Jalon Daniels)と投げれるジェイソン・ビーン(Jason Bean)という二枚看板と1000ヤードラシャーのデヴィン・ニール(Devin Neal)に注目。アーカンソー大も6勝6敗。QB K.J.ジェファーソン(K.J. Jefferson)とパワーラッシャー、ラヒーム・サンダース(Raheim Sanders)というスター揃い。負けた方が7敗で負け越しシーズンとなるため、ボウルゲームとはいえどちらも負けられない試合。

ホリデーボウル(12月28日)

#15 オレゴン大 vs ノースカロライナ大

正月前で「ニューイヤーズ6」ボウル以外では屈指の好カード。オレゴン大はシーズン中盤までプレーオフ争いに絡んでいましたが最後にオレゴン州立大に敗れて失速。しかしQBボ・ニックス(Bo Nix)が来年もチームに残留することを表明し、このホリデーボウルへの出場も期待されます。一方のノースカロライナ大はなんといっても1年生QBドレイク・メイ(Drake Maye)。新人ながらスタッツ上では数々のカテゴリーでトップレベル。早くも来年のハイズマントロフィー候補と言われる彼のプレーにも注目です。

テキサスボウル(12月28日)

テキサス工科大 vs ミシシッピ大

今年こそはSEC西地区を制してプレーオフ進出も・・・という淡い期待を描いていたミシシッピ大は開幕後7連勝の後の5試合で4敗と撃沈。そんな中でも光っていたのが1年生RBクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)。今季ここまで1476ヤードに16TDを稼いだプロダクションは特筆に値します。元々パスで押してくるレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督もここまで走れるRBを擁しているならば使わない手はないというわけです。

チーズイットボウル(12月29日)

オクラホマ大 vs #13 フロリダ州立大

この大御所同士の戦いは2000年度のBCSナショナルタイトルゲーム戦と同じカード。22年の時を経て再びこのチームが激突します。フロリダ州立大はQBジョーダン・トラヴィス(Jordan Travis)が主役。今季パスで22TD、ランで7TDと古豪復活を後押しする大活躍。オクラホマ大はブレント・ヴェナヴルズ(Brent Venables)監督新体制下で苦戦し6勝6敗。ディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)というベテランQBを擁しながら期待外れのシーズンに。せめてこの試合に勝って勝ち越しでシーズンを終えたいところ。

アラモボウル(12月29日)

#20 テキサス大 vs #12 ワシントン大(12月29日)

こちらのカードも見逃せない注目の一戦。出入りの激しいシーズンで8勝4敗となった大御所テキサス大と今季Pac-12カンファレンスで大躍進を遂げたワシントン大が合い見えます。テキサス大のスターRBビジャン・ロビンソン(Bijian Robinson)はNFLドラフト入りを表明したために残念ながらこの試合に出場しませんが、QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)とワシントン大のQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)の投げ合いはエピックとなる可能性高し。

サンボウル(12月30日)

ピッツバーグ大 vs #18 UCLA

今季中盤まで世間を賑わせたUCLAはサンボウルでピッツバーグ大と対戦。UCLAのスターQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian ThompsonーRobinson)はNFLドラフト入りを控えていまだにこの試合に出場するかどうか決めかねているようですが、一方のピッツバーグ大のQBキードン・スロヴィス(Kedon Slovis)がすでに転校することを前提にトランスファーポータル入りして出場しないことがわかっていますし、オールアメリカンのDLカリジャー・カンシー(Calijah Kancey)も怪我で出場を見合わせることが明らかになっています・・・。UCLAとしてはこの試合に勝って2014年度以来の二桁勝利数を目指したいところ。

ゲーターボウル(12月30日)

#21 ノートルダム大 vs #19 サウスカロライナ大

お互い8勝4敗でランカー同士の対決。ノートルダム大は今季からマーカス・フリーマン(Marcus Freeman)新監督体制で船出しましたが、前半負けが混みランク外へ転落。しかし後半持ち直して21位まで帰ってきました。ただQBドリュー・ペイン(Drew Pyne)が先日アリゾナ州立大へ転校することになったため、代わりを誰が務めるのか心配。サウスカロライナ大は後半尻上がりに調子を上げてテネシー大(5位)およびクレムソン大(8位)を立て続けに倒してシーズンを終わり波に乗るチーム。QBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)のプレーに期待。

レリアクエストボウル(1月2日)

#22 ミシシッピ州立大 vs イリノイ大

今季全米でも指折りのディフェンス力を擁して快進撃を続けたイリノイ大。最高で16位までランクを上げましたが、ここまで長年に渡り苦戦してきたことを考えれば8勝4敗という戦績は大したものです。またRBチェイス・ブラウン(Chase Brown)はここまで1643ヤードを稼ぎ、あと54ヤードでスクールレコードを樹立。彼がオプトアウトしないでこの試合に出場するかも注目です。

ミシシッピ州立大はつい先日マイク・リーチ(Mike Leach)監督が急死してしまいHCを失ってしまいましたが、チームはこの試合に出場する予定。リーチ監督に勝利を捧げるため全力でこの試合に臨んでくることでしょう。

シトラスボウル(1月2日)

#17 ルイジアナ州立大 vs パデュー大

SECタイトルゲームおよびBig Tenタイトルゲームで敗れたチーム同士の戦い。ルイジアナ州立大は2敗を喫しながらもSEC優勝決定戦に進出しあわよくばプレーオフ進出の可能性もありましたが、残念ながらジョージア大に屈してしまいました。しかしブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督初年度としてはまずまずの出来。QBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)、WRキーション・ブーティ(Kayshon Boutte)、LBハロルド・パーキンズ(Harold Perkins)などスター選手が揃っています。パデュー大は監督であるジェフ・ブローム(Jeff Brohm)監督がルイビル大監督に就任するためにチームをさり、さらにエースQBエイダン・オコネル(Aidan O’Connell)がNFLドラフト入りするためにオプトアウト。しかし同校のレジェンド、ドリュー・ブリーズ(Drew Brees)氏が期間限定でアシスタントコーチを務めることになっています。

オレンジボウル(12月30日)

#6 テネシー大 vs #7 クレムソン大

シュガーボウル(12月31日)

#5 アラバマ大 vs #9 カンザス州立大

フィエスタボウル(12月31日)

#3 テキサスクリスチャン大 vs #2 ミシガン大

CFP準決勝戦第1試合目。

ピーチボウル(12月31日)

#4 オハイオ州大 vs #1 ジョージア大

CFP準決勝戦第2試合目。

コットンボウル(1月2日)

#17 サザンカリフォルニア大 vs トゥレーン大

ローズボウル(1月2日)

#11 ペンシルバニア州立大 vs #8 ユタ大

CFPナショナルチャンピオンシップ(1月9日)

フィエスタボウル勝者 vs ピーチボウル勝者

2022年度の最強チームを決める一戦。


ボウルゲーム出場を回避する選手たちの動き

さて、ボウルゲームが開催される今頃話題となるのは来年のNFLドラフトに備えてボウルゲーム出場を回避する選手が出てくることです。

これを最初に行ったのは元スタンフォード大のRBクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey、現サンフランシスコ49ers)やレナード・フォーネット(Leonard Fournette、現タンパベイバッカニアーズ)といった面々。それまではNFLドラフトの準備に集中するためにボウルゲーム出場を辞退してチームを離れるという選択肢はありませんでした。というよりもそんな事を考えたこともおそらくなかったでしょう。

これはナショナルタイトルゲームでもない、勝っても意味がないという試合に出場したことで致命傷を負ってNFLドラフトでの株を下げないようにと言う予防策です。ファーストラウンダーがそのような怪我のせいでセカンド以下のラウンドでの指名となれば契約金の額は驚くほど下がります。それを嫌ってドラフトでのトップ候補生たちはいわば保身のためにボウルゲーム出場を辞退する動きが年々活発になっています。

これはおそらくカレッジフットボールプレーオフの副産物ではないかと思っています。かつてボウルチャンピオンシップシリーズ(BCS)やそれ以前のシステムにて全米チャンピオンを決めていた際、プレーオフはなく1位チームと2位チームの直接対決で勝負が決められていました。その2チーム以外の上位校は今で言う「ニューイヤーズ6」ボウル(当時はBCSボウルとか言われていました)に出場したわけですが、それらの試合に出場することの価値は今よりも高かったように感じます。

BCSボウルはローズボウルフィエスタボウルシュガーボウルオレンジボウルの4つでしたが、この4つの試合のいずれかにマッチアップされるだけでも大きな成果と見なされていたのです。だからこそたとえナショナルチャンピオンを目指せなくてもその試合で勝とうと全力を持って出場チームは準備してくるのです。その結果タイトルゲームの消化試合ではなく、意味のあるビッグゲームとしていくつもの名勝負が繰り広げられたものです。

しかしプレーオフが導入されて以来上位4位に入ることが最優先課題となってしまったため、それを果たせなかったチームの「負け組」感が半端なくなってしまい、由緒正しいローズボウルでもない限り他の「ニューイヤーズ6」ボウルに出場することが凄いことだという印象がメディアの中からも薄れているように感じます。

そんな印象も相まって選手たちの中で将来有望とされるアスリートたちはたとえそれが「ニューイヤーズ6」ボウルであったとしても怪我を回避するためにチームを離れる決断をする傾向が強くなってきました。

参考記事ボウルゲーム出場回避を巡る議論

これを良しとすべきかどうかという議論は様々ですが、一つ言えるのは明らかに全よりも個を重視している思考であることです。ただ彼らがプロ入りすることで手に入れることの出来る金額が恐ろしいほどのものであることを考えれば、非難を覚悟で自分の権利を守ることはしょうがないことなのかもしれません。

しかしこのような状況になる前にプレーをしていた選手やコーチらはこの動きには賛同できないようで、過去にはティム・ティーボ(Tim Tebow、元フロリダ大QB)氏やデヴィッド・ポラック(David Pollack、元ジョージア大DL)氏ら米スポーツ専門局大手ESPNの看板パーソナリティーたちを始めこの動きに批判的。またつい先日他界されたミシシッピ州立大マイク・リーチ監督も以前「自分を育ててくれた大学、コーチ、チームメイトに応えるためにもボウルゲームに出場してからチームを退くべきだ。自分勝手としか言いようがない。」と現状に嘆くコメントを残しています。

ここまで来るとこの流れを止めることは出来ませんが、プレーオフの導入によるナショナルタイトル獲りへの比重が増したこと、ボウルゲームの数が増えすぎて参加意義の価値が低下したこと、そしてNFLドラフト後の契約金の金額が桁違いになってしまったことがこのようなトレンドを生んでしまったのでしょうね。

・・・と、ネガティブなことばかり言っても仕方ないので今は予定されているボウルゲームの観戦を楽しむこととしましょう😃

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