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オレンジボウルレビュー【2021年度CFP準決勝第2試合】

オレンジボウルレビュー【2021年度CFP準決勝第2試合】

オレンジボウル(CFP準決勝戦)
ジョージア大 (13勝1敗)

34

ミシガン大 (12勝2敗)

11

コットンボウルに続くCFP準決勝第2戦目は第2シードのミシガン大と第3シードのジョージア大が合いまみえたオレンジボウルでした。ミシガン大は1997年以来、ジョージア大は1980年以来の全米制覇を目指してまずはこのセミファイナルゲームを制したいところ。試合前に当サイトツイッターで行った試合結果予想では以下のようにジョージア大勝利を予想する方が過半数を締めましたが・・・。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

前半

ジョージア大の先攻で始まったこの試合。自陣20ヤードからの攻撃はQBステソン・ベネット(Stetson Bennett)とRBザミアー・ホワイト(Zamir White)の効果的でテンポの良いプレーでサクサクと1stダウンを奪ってミシガン大陣内へ急襲。そして最後は注目のTEブロック・ボワーズ(Brock Bowers)への9ヤードTDパスが決まってまずはジョージア大が先制。

先手を打たれたミシガン大もジョージア大の攻撃に応えるよう得点を狙いに攻めに行きます。QBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)のスクランブルや彼からRBハッサン・ハスキンズ(Hassan Haskins)へのパスなどを繋ぎながら敵陣を目指しますが、敵陣41ヤードで迎えた4thダウン&4ヤードという場面でジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督はコンバージョンを狙うもこれが失敗。攻撃権をジョージア大に譲ります。

このチャンスを逃すまいと攻め込むジョージア大は敵陣レッドゾーンへ侵入するとベネットからハンドオフを受けたRBケニー・マッキントッシュ(Kenny McIntosh)が右サイドへスウィープと思いきやトリックプレーからのパスをエンドゾーンで待ち構えていたアドナイ・ミッチェル(Adonai Mitchell)へ成功させて追加点。ジョージア大が2連続TDで一気にスコアを14対0とします。

嫌な雰囲気の漂うミシガン大サイドですが、オフェンスはジョージア大フロントセブンの異次元のプレッシャーに合いなかなか前へ進むことができません。2度目のドライブも大したこともできずにパントを余儀なくされます。

攻めの手を緩めないジョージア大はベネットの正確なパスプレーとRB陣のパワーランで再び敵陣内を目指します。ジョージア大の唯一の敗戦となったアラバマ大戦(SEC優勝決定戦)ではベネットはアラバマ大ディフェンスに苦戦。しかしこの日のベネットは非常に冴えていました。

ジョージア大はFGを一本決めて17対0とすると第2Qに入りミシガン大がようやくFGで得点をスコアボードに刻みます。しかしながらミシガン大はジョージア大の攻撃をなかなか止めることができず再び自陣奥深くまで攻め込まれてしまいます。ただこのドライブではミシガン大守備陣がなんとか踏ん張りジョージア大はFGを決めて20対3に。

ただオフェンスでなかなかいい形を作れないミシガン大にとってこの点差は嫌な数字でした。案の定返しのドライブでは1度も1stダウンを奪えずに撃沈。そしてその次のジョージア大のドライブではたったの3プレー後にベネットからジャーメイン・バートン(Jermaine Burton)への57ヤードのロングTDパスが決まって致命的な27点目が入ってしまいます。

さらに前半間際に攻撃権を得たミシガン大でしたが、QBマクナマラからWRローマン・ウィルソン(Roman Wilson)へのパスをデリオン・ケンドリック(Derion Kendrick)がかすめとるINT。全くいいところがないとはまさにこのことを言うんですね。

前半スタッツ

ミシガン大は結局前半何もやらせて貰えず24点もの差が一気についてすでに試合の流れが決まってしまった感じ。彼らのアイデンティティでもあるランゲームを構築することが出来ず。ただそれはミシガン大オフェンスの力足らずと言うよりはジョージア大ディフェンスの圧倒的強さが目立った感じ。前半だけの彼らの力を見ていると何故SEC優勝決定戦でアラバマ大に敗れてしまったのか疑問に思うほどです。


後半

後半の先攻となったミシガン大は既に24点差をつけられており、この後半最初のドライブでTDを奪えなければ窮地に立たされることは間違いありませんでした。そんな後のないミシガン大はQBマクナマラがサックされるなどピンチに陥りますが何とか長いヤードの3rdダウンをコンバートしながら前進。またRBハスキンズのパワーランもありようやくスコア出来るような流れを作り出してきました。

が、相手陣内19ヤードまで進撃したミシガン大でしたがマクナマラが放ったエンドゾーンで無情にもインターセプトされてしまい僅かに残されいていた逆転のチャンスに自ら水を差すことに。

次のジョージア大の攻撃を3プレーでしのいだミシガン大は起死回生のスコアを何とかスコアボードに刻みたいところでしたが、RBカーラムが痛恨のファンブル。まさに何をやってもうまういかないというのはこの日のミシガン大のために用意された言葉とでもいいましょうか。

ジョージア大はその返しのドライブで11プレーを5分かけて展開しミシガン大にとどめを刺しにいきますが45ヤードのFGをミス。結局ジョージア大は第3Qスコアレスとミシガン大ディフェンスは踏ん張ったのですが、ミシガン大はそのチャンスを全く活かせず。

第4Qに入りすでにゲームの行方はほぼ決まっていましたが、ジョージア大は攻める手を緩めませんでした。そして残り時間約11分でQBベネットのこの日3つ目のTDパスがRBジェームス・クック(James Cook)に炸裂して34点目をゲット。これで完全にミシガン大の息の根を止めました。

ミシガン大は残り5分を揃った時点でQB J.J.マッカーシー(J.J. McCarthy)からWRアンドレル・ヘニング(Andrel Henning)へのパスTDが決まり一矢報いはしましたが、結局試合はこのまま終了。34対11でジョージア大がミシガン大を下し見事ナショナルチャンピオンシップゲームへ駒を進めました。

感想

ジョージア大の勝因

ジョージア大の今季の強さはそのディフェンス力に帰依していました。その最強ディフェンスがSEC優勝決定戦でアラバマ大相手に41失点を犯したことでその「穴」が露呈されたかに思われましたが、このミシガン大戦ではそれを微塵も感じさせない鉄壁な守備を見せつけ、わずかでもジョージア大ディフェンスに隙きがあると感じた人たちの「疑惑」を完全に消し去りました。

超重量級のDL陣、そしてナコビ・ディーン(Nakob Dean)を中心とするスピード感とパワーに溢れるLB陣で構成されるフロントセブンは天下一品。このユニットをしてアラバマ大にやられてしまったことが未だに信じられません。それくらい彼らのディフェンスは冴えていました。

またQBベネットは313ヤードに3TDとし、ミドルレンジからロングレンジのパスをサクサクと繋げていきました。当然ジョージア大OL陣が強力なミシガン大DL陣のペネトレイトを許さなかったこともありますが、正確なパスと確かな機動力で力不足を指摘する声を完全に払拭しました。

何よりも、このオレンジボウルはただの通過点であり、その先にいるはずのアラバマ大とのリベンジに燃えまくるジョージア大の揺るがない信念的なものがひしひしと感じられ、それは試合終了時に勝利の美酒とも言えるゲータレードシャワーをカービー・スマート(Kirby Smart)監督が固辞するところにも表れていました。「自分たちの目指していたところはここじゃない」というメッセージです。勝ちたいという気持ちがミシガン大を完全に上回っていましたね。

ミシガン大の敗因

ミシガン大は得意のランゲームで何とかジョージア大ディフェンスに穴をこじ開けたいところでしたが、やはりその壁は厚くハスキンズとカーラム合わせても100ヤード以上稼ぐことが出来ませんでした。彼らのOL陣はBig Tenカンファレンス戦ではその力を大いに発揮していましたが、やはりジョージア大フロントセブンの波状アタックは少々荷が重かったようです。

そしてランゲームが機能しない中で頼りにされたのはパスプレーでしたが、先発のマクナマラとローテーションで使われたマッカーシー共々パスで活路を開くことが出来ず撃沈。マクナマラはこの試合まで犯したINTパスがたったの4つでしたがジョージア大戦だけで2つも献上。

ハイズマントロフィーファイナリストとなったDLエイダン・ハッチンソン(Aidan Hutchinson)率いるミシガン大のフロントセブンは特に目立った活躍をすることが出来ず、全体的に見てジョージア大とミシガン大にはフィジカル面で大きな隔たりがあったように感じました。それはここ数年で培われてきたリクルーティングを経てジョージア大にはより多くの超カレッジ級アスリートが囲われてきたという事実があったからでしょう。

しかし試合後の会見でハーボー監督は「我々にとってこれは始まりだ」と話しており、確かにジョージア大との間には大きな差がありましたが、2004年以来のカンファレンスタイトル奪取に8年ぶりの対オハイオ州立大戦勝利と今年は彼らにとっては大躍進の年だったことに変わりはなく、今後またミシガン大がCFPの大舞台に戻ってくることは大いに考えられます。

===

これで2021年度のCFP全米王座決定戦は第1シードのアラバマ大と第3シードのジョージア大の顔合わせになりました。これは12月頭に行われたSEC優勝決定戦と同じカード。この時はアラバマ大が41対24でジョージア大をアップセット。果たしてアラバマ大が再び白星を獲得して全米タイトル二連覇を成し遂げることが出来るか、はたまたジョージア大がリベンジを達成して1980年以来のナショナルタイトルを手に入れることが出来るか・・・?

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