In Progress【フロリダ大プレビュー】

In Progress【フロリダ大プレビュー】

昨年ダン・マレン(Dan Mullen)新監督のデビューシーズンとなったフロリダ大は、新体制ながら10勝3敗と二桁勝利を達成。ウィル・ムスチャンプ(Will Muschamp、現サウスカロライナ大)氏、ジム・マクエルウェイン(Jim McElwain、現セントラルミシガン大)氏というアンダーアチーバーな監督に辟易としていたファンを大いに盛り上げてくれました。リクルーティングでも早速結果を残し(Rival.comで8位)、2年目のマレン政権は非常に楽しみなものになりそうです。

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昨年のフロリダ大オフェンスは13試合中17点以下しか点が取れなかった試合が4試合もあり、そのうち3試合は敗戦という結果を迎えました。しかし尻上がりに調子を上げた彼らはシーズン最後の3試合で145点を奪取。10勝目の白星はピーチボウルでのミシガン大戦で奪ったものでした。Big Tenカンファレンスの大御所であるミシガン大相手に41対15と大勝したことは、いい勢いを残したままシーズンを終えてオフシーズンに突入するということで最高の締めくくりとなりました。

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就任1年目を二桁勝利で収め、まずまずの滑り出しを見せたマレン監督

今季に向けての最大の焦点は5人中4人の先発選手が抜けるOL陣の仕上がり具合です。そのテストとなるのが開幕戦でのマイアミ大戦となりますからいきなりその真価が問われることになります。QBフェリペ・フランクス(Feleipe Franks)は昨年フルタイムの先発QBとなりかけがえのない経験を積むことが出来ました。ポケットの中でしっかりと守られた状況であればまずミスを犯すことがないQBですが、若いOL陣が彼を守ってあげられないと、それは必然的に安定感の低下に繋がります。WR陣はタレント揃いですから、オフェンスの潜在能力を引き出すためにはOL陣の再建が最重要課題となるでしょう。

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フロリダ大QBフランクス

マレン監督は元々オフェンスのバックグラウンドを持つコーチであり、2008年のフロリダ大優勝時のOCでもあった訳で、また前チームであるミシシッピ州立大では現ダラスカウボーイズのQBダーク・プレスコット(Dak Prescott)を育てたことでも知られています。ですからフロリダ大のオフェンスがこれからどんどん良くなっていくのは必然ではありますが、昨年チームの快進撃を支えたのはオフェンスというよりも全米中に誇れるディフェンス力でした。

そして今年はその屋台骨となったDL陣全員が昨年のメンバー。その中でもジャバリ・ズニガ(Jabari Zuniga)とアダム・シュラー(Adam Schuler)は確実に将来のNFL候補生。またLB陣には昨年のタックルリーダーであるデヴィッド・リース(David Reese II)が今年も健在。さらにルイビル大からの転校生ジョナサン・グリーナード(Jonathan Greenard)も加わります。

そして更に頼れるユニットはDB陣。所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)ではルイジアナ州立大アラバマ大のバックフィールドが取り上げられる傾向にありますが、フロリダ大のDB陣も彼らに引けを取りません。これをリードしていくのがCB C.J.ヘンダーソン(C.J. Henderson)。プレシーズンのオールSECチームの1軍にも選出されたヘンダーソンは対戦相手QBにとって厄介な存在となるでしょう。

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CBヘンダーソン

今季のフロリダ大のスケジュールは正直楽ではありません。前述の通り開幕戦からいきなり同州ライバル・マイアミ大が立ちはだかります。毎年恒例のテネシー大戦も然ることながら10月からの4連戦、アーバン大ルイジアナ州立大サウスカロライナ大ジョージア大(バイウィークを挟む)はかなりエグいです。更に今季のSECのダークホースとも見られているミズーリ大をシーズン終盤でアウェーで迎え撃たなければならないこと、そして最終戦のライバル・フロリダ州立大との大一番も油断はできません。

フロリダ大が属するSEC東地区はやはりジョージア大が頭一個分抜きん出ていると見るのが妥当です。マレン監督のオフェンスが本当の意味で威力を発揮するには、彼の息の掛かったリクルートが揃う1年ないし2年後となることでしょうから、それまではファンにとっては忍耐力が必要となりそうです。しかしだからといって彼らが地区タイトルに全く届かないというわけでもありません。それには先程も述べた通りOL陣の成長が急務であり、QBフランクスが怪我なく、そしてミスなくオフェンスを動かせるかがキーポイントです。

重要となってくるのはやはりルイジアナ州立大戦とジョージア大とのカンファレンス戦。このうち1つでも白星が奪えればそれだけで大収穫と言えそうです。レギュラーシーズンを10勝2敗で乗り越えられれば彼らにとっては大成功の年といえるのではないでしょうか。

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