フィエスタボウルプレビュー(CFP準決勝戦#2)

フィエスタボウルプレビュー(CFP準決勝戦#2)

フィエスタボウル

12月28日午後8時(日本時間12月29日朝10時)キックオフ
ステートファームスタジアム(アリゾナ州グレンデール市)

CFP2位のオハイオ州立大と同3位のクレムソン大という2つの無敗チーム同士の顔合わせとなったCFP準決勝戦第2試合のフィエスタボウル。この試合の勝者が第1試合目のピーチボウルの勝者(ルイジアナ州立大かオクラホマ大)と全米王座を賭けて相まみえるわけです。

3年前には同じフィエスタボウルでのCFP準決勝戦でこの2チームは対戦しており、この時はクレムソン大が31対0とオハイオ州立大を完封。結果的に彼らが決勝戦でアラバマ大を倒してナショナルタイトルを獲得しました。ですからオハイオ州立大としてはリベンジマッチとなります。

クレムソン大オフェンス vs オハイオ州立大ディフェンス

クレムソン大のQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)は昨年度のナショナルタイトルゲーム(対アラバマ大戦)にて1年生とは思えないパフォーマンスを見せてタイトル奪取に大いに貢献しました。その活躍を受け今年開幕前からローレンスはハイズマントロフィー最有力候補に挙げられていました

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クレムソン大QBトレヴァー・ローレンス

しかしシーズンが始まると予想されていたような大活躍をすることはなく、ジョー・バロウ(Joe Burrow、ルイジアナ州立大QB)やトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、アラバマ大QB)に差をつけられシーズン中盤には早くもトロフィーレースから姿を消しました。

とはいえスコアリングオフェンスで全米4位となる1試合平均46.5点という攻撃陣を操ってきたローレンスは伊達ではありません。また後半6試合だけ見ればローレンスが奪ったTD数が20に対してINTはゼロ。あまりにバロウの活躍が目立ってしまったためローレンスのことは全くと言っていいほど触れられてきませんでしたが、彼も影に隠れて素晴らしい数字を残してきたのです。

そのローレンスを死守するクレムソン大OL陣は今シーズン12個しかQBサックを許してこなかったのですが、これは全米でも6位という素晴らしい数字です。しかしながらクレムソン大のこれまでの対戦相手の顔ぶれを見ただけではこの数字を鵜呑みには出来ません。OL陣がどれだけ真の力を持っているかどうかは今回のオハイオ州立大ディフェンス陣と対峙することで明らかになるでしょう。

特に今季ディフェンダーながらハイズマントロフィーファイナリストに選ばれたオハイオ州立大DLチェイス・ヤング(Chase Young)は今季クレムソン大が相手にしてきたどの選手よりも秀でている怪物。今季これまで一人で16.5サックを決めてきたヤングらオハイオ州立大のパスラッシュをクレムソン大OL陣がどう攻略するかが見ものです。

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オハイオ州立大DLチェイス・ヤング

そしてクレムソン大RBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)とオハイオ州立大のフロントセブンの対決も見逃せません。今季ここまで100ヤード超えゲームが7試合もあったエティエンはオハイオ州立大がこれまで相手にしてきたRBの中でも随一。1500ヤードに17TDという数字からも分かるように如何にオハイオ州立大とは言えエティエンを甘く見ることは出来なのです。数字上ではオハイオ州立大ディエンスは今季1試合平均で99.5ヤードしか相手に走られていませんが、エティエンが3桁ランヤードを記録できるかにも注目したいです。

クレムソン大の優秀なWR陣も忘れてはなりません。ティー・ヒギンズ(Tee Higgins)、昨年のタイトルゲームでのヒーローWRジャスティン・ロス(Justyn Ross)と超カレッジ級のレシーバーが揃っているクレムソン大のパスゲームを、同じくプロレベルでの活躍が期待されているジェフ・オクダ(Jeff Okudah)らオハイオ州立大DB陣で組織されるパスディフェンスがどのようにマッチアップするのかも気になります。


オハイオ州立大オフェンス vs クレムソン大ディフェンス

昨年ナショナルタイトルを獲得した時のチームから多くの有能ディフェンダーを失ったクレムソン大ですが、LBアイゼア・シモンズ(Isaiah Simmons)はNFLレベルでの即戦力となることを期待されています。チーム一番となるタックル数(93)とQBサック数(6)を誇る期待の3年生。彼率いるクレムソン大フロントセブンはオハイオ州立大の強力なランディフェンスを止めるという大仕事を任されることになります。

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クレムソン大LBアイゼア・シモンズ

その最たる人物とはRB J.K.ドビンズ(J.K. Dobbins)。オクラホマ州立大チュバ・ハバード(Chuba Hubbard)、ウィスコンシン大ジョナサン・テイラー(Jonathan Tayloro)に次ぐ全米3位のランヤード(1829ヤード、20TD)という記録を打ち立てたドビンズはどんな相手もこれまで止めることが出来ずに居ます。

しかもクレムソン大ディフェンスはドビンズだけでなくQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)も相手にしなければなりません。今季既述のヤングとともに二人目のオハイオ州立大出身ファイナリストとしてハイズマントロフィー授賞式に出席したフィールズはランでもチーム全体で3位となる脚力を持っています(471ヤードに10TD)。パサーとしてもここまで40回ものパスTDを決めてきており、さらに驚きなのが今季彼が犯したINTパスの数がたったの1つだったということ。

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オハイオ州立大QBジャスティン・フィールズ

ただフィールズはミシガン大戦で負った膝の状態が芳しくなく、彼自身曰く80%の回復具合だとか。どちらかと言うと機動系のQBであるフィールズがどの程度クレムソン大ディフェンス相手に動き回れるかがキーポイントとなるかもしれません。

総評

双方とも攻守に渡り素晴らしいタレントを擁する2チームが対戦することになった今年のフィエスタボウル。点取合戦になるのは必至です。そうなった時どちらのチームが試合終了時に相手よりも点を奪っているのか・・・。

クレムソン大が所属するアトランティックコーストカンファレンス(ACC)のレベルが極端に低迷したため、彼らの13勝0敗という成績が実際の戦力を表していたいという批評をされ続けてきました。しかし昨年のチームからキープレーヤーが抜けたとは言え彼らがディフェンディングチャンピオンだということを忘れてはなりません。

過去3年間で2度のナショナルタイトルを獲得しているクレムソン大は何物にも代えがたい「経験値」を擁しています。大舞台で怖気づかないこととか、焦らないこととかは押し迫った状況で威力を発揮することでしょう。それはこの試合が僅差になればなるほどクレムソン大に有利に働くとも言えそうです。

今季全米の表舞台を歩き続けた2位のオハイオ州立大が勝つか、もしくはあまり話題に上がらずも不気味に3位につけている前年度覇者のクレムソン大が勝つか・・・。キックオフが待ちきれませんね。

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